目次
ヨガの基本知識
ヨガの起源
ヨガの起源は紀元前2500年頃から紀元前1500年頃まで繁栄したインダス文明にあるといわれています。インダス文明を代表する遺跡『モヘンジョ・ダロ』からヨガの座法で瞑想をする人のような印章が発見されており、歴史の奥深さを物語っています。
ヨガはサンスクリット語で「つなぐ、統合する」という意味があります。このことからもヨガとは体と心をつなぎ、統合する手段であることがわかります。ヨガをするとこで体と心を自分本来のバランスへ戻し、調和による心の至福を体験することができるのです。
ヨガの歴史
今でこそ美容と健康のためのヨガというイメージですが、歴史的にみるとヨガは心をコントロールすること、瞑想を通して悟りを開くことが究極の目的とされています。古代ではポーズは瞑想状態にいく前のウォーミングアップのようなものでした。
現代のようにポーズと呼吸法により体を動かすスタイルは、12世紀から13世紀頃にかけて誕生しました。ハタヨガと呼ばれ、アシュタンガヨガやパワーヨガといったさまざまなヨガスタイルの元祖とされています。ハタヨガはポーズや呼吸法、瞑想など統合的に学ぶことができ、ヨガが初めてという人にもおすすめのヨガスタイルです。
ヨガの効果
柔軟性が高くなる
ヨガのポーズには体の軸を意識しながら、左右上下に伸びたり縮んだり、丸めたり反るといった動きがあります。呼吸に合わせて筋肉を動かすことで全身をほぐし、柔軟性が高まります。
運動不足やデスクワークで長時間同じ姿勢をとってると筋肉が固まり、血流が悪くなりがち。ヨガのポーズで背骨や関節の柔軟性を高めることで、血液の循環がよくなり代謝がアップします。
体が硬くても心配はいりません。ヨガを続けることで柔軟さを増していく体を観察することもヨガの醍醐味といえるでしょう。
体内の循環が改善される
ヨガでは普段あまり使わない筋肉にも働きかけるため、基礎代謝がよくなります。血液がスムーズに流れることで酸素が体の隅々まで行き渡り、毒素も体の外に出ていきます。体内の循環がよくなり、巡りのよい健やかな体へと導きます。
筋力がアップする
ヨガではポーズを安定させるため姿勢を支える筋肉を鍛えることができます。筋肉は速筋と遅筋の大きく2つに分けられますが、ヨガでは主に遅筋を鍛えることができます。
この遅筋は脂肪を燃焼させエネルギー源とします。そのため、ヨガで遅筋を使うことで筋力がアップすると同時に、脂肪を燃焼しやすい体質を作ることになります。
心肺機能が高くなる
心肺機能とは心臓と肺の機能で、酸素を全身に送り不要なものを体外へ排出するなど重要な役割を担っています。心肺機能を鍛えることで、血液の循環がよくなり、体に必要な栄養と不必要なものの交換が効率よく行われるようになります。
有酸素運動や深呼吸をすることで心肺機能を強化することができます。ヨガは深い呼吸で行う有酸素運動なので、心肺機能を高めることにつながり、疲れにくくなったり血液の循環がよくなり代謝がアップするなどのメリットがあります。
骨格が修正される
猫背や片足にばかり体重をかけるなど普段の生活の癖により骨格が歪むこともあります。骨格が歪むとで筋肉に余分な力が入り硬くなったり、血流が悪くなります。さらに脂肪がつきやすくなりますので、体の土台となる骨格を整えることはスリムな体には欠かせません。
ヨガでは左右差を意識してポーズをとるので、筋肉のアンバランスが改善され、歪んだ骨格が修正されます。正しい姿勢を保つ筋肉を使っていきますので、猫背やO脚の改善にも役立ちます。
リラックスできる
ヨガでは深い呼吸と全身の筋肉を使うポーズを繰り返すことで、自分自身に集中することができます。深い呼吸をすることで脳から幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが分泌されます。セロトニンはストレスを和らげる働きがあり、リラックスした状態へと導きます。
ヨガの始め方
きつすぎない服装
ヨガをする際の服装は動きやすく体への締めつけがきつすぎないものを選びます。スタイリッシュなヨガウェアで気分を上げたいのであれば、さまざまな種類の中からお気に入りのものを選ぶのも楽しみの一つ。
化学繊維素材のものは吸汗速乾性や伸縮性に優れていて機能的。一方で綿や麻などの自然素材でできたウェアは肌に優しく、なじみもよいです。リラックスをしてヨガを楽しみたいのなら、ゆったりとしたシルエットのウェアがよいでしょう。
ヨガが出来る環境を整える
動きやすい服装に着替えたら、なるべく静かでヨガに集中できる場所を確保しましょう。照明を落としキャンドルを焚いたり、ヒーリング音楽をかけてたりしてリラックスできる空間に演出するのもよいでしょう。
ヨガマットが敷けるスペースがあればヨガをすることはできます。マットが安定するようにカーペットやベッドの上は避けて、床に敷きます。ヨガマットもさまざまな種類のものがあります。フィット感や厚みなど自分の好みにあったヨガマットを見つけましょう。
基本の座り方と立ち方
基本の座り方
1.両足を前に伸ばして座ります。右膝を曲げてかかとを左足の付け根に当てます。
2.左膝を曲げてかかとを右足の付け根に当てます。あぐらを組むような形になりますので、かかとを前後にずらして座りましょう。
3.お尻を安定させ、背筋を伸ばします。両手は膝の上など楽な位置におきます。
基本の立ち方
1.マットの上に立ち、両足を腰幅程度に開きます。
2.両足の人差し指が平行になるようにし、土踏まずのアーチを引き上げます。
3.背筋を伸ばし、両腕は体側に自然におろします。
4.肩はリラックスさせ、鎖骨を左右に広げるイメージで胸を開きます。
5.かかと、腰、肩、耳のラインが一直線になるようにします。
6.下半身を安定させ床を踏みしめながら、頭は天井から吊られるイメージで引き上げます。自然な呼吸で行いましょう。
呼吸のコントロールを意識する
ヨガにはさまざまな呼吸法がありますが、基本となるのは腹式呼吸です。その際は、空気を鼻から吸い鼻から吐きます。また、ポーズの最中に呼吸を止めないようにしましょう。呼吸が止まってしまったり浅くなっているときはポーズを無理している証拠。
動きに合わせた深い呼吸をすることで、ポーズの効果も深まります。ポーズを完璧にすることよりも深く呼吸ができているかを意識して行いましょう。
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自宅でヨガをしよう。正しい呼吸で身も心も健康になる
ヨガを行う上での注意点
風邪を引いたり体調がすぐれないとき、体に痛みがあるときなどはヨガはお休みしましょう。生理中の出血量が多いときもお休みし、それ以降は体を深くねじったり腹圧がかかるようなポーズは避けます。
食後や満腹時も避けます。妊娠中や持病がある方、心臓疾患、糖尿病、高血圧、てんかん、ヘルニアがある人は医師に相談しましょう。
基本のヨガポーズ
下半身を鍛える英雄のポーズ
1.自然な呼吸でマットの中央にまっすぐに立ち、肩幅の2倍くらいになるよう両足を広げます。
2.右足のつま先は右方向へ、左足は正面に向けます。
3.手のひらを下に向けて、両手が床と水平になるよう大きく広げます。
4.恥骨を引き上げ尾骨を下に下ろすイメージで、骨盤は左右の高さが同じになるようにします。
5.胸は正面を向けて背筋を伸ばし、肩の余分な力は抜きましょう。
6.顔を右に向け、息を大きく吸います。吐きながら、右足を90度に曲げ、右足が床と水平になるよう腰を沈めます。左足でしっかりと地面を押しながら太ももに力を入れます。お尻も引き締めて、数回呼吸をします。
7.息を吐ききったら吸いながらゆっくりと膝を伸ばし正面に戻ってきます。
8.足を入れ替えて左側も同様に行います。
体幹を強化する三角のポーズ
1.自然な呼吸でマットの中央にまっすぐに立ち、肩幅の2倍くらいになるよう両足を広げます。
2.右足のつま先は右方向へ、左足は正面に向けます。
3.息を吸いながら、両手を床と水平になるように大きく広げます。
4.骨盤を正面に向けたまま、息を吐きながら体を右側に倒していきます。右手で右の足首を持ち、左手は真上に伸ばします。目線は左の指先に向け、体側が伸びていることを意識しながら数回呼吸をしましょう。
5.息を吐ききったら吸いながらゆっくりと正面に戻ってきます。
8.足を入れ替えて左側も同様に行います。
肩こりが改善。牛面のポーズ
1.マットの上に正座になり、お尻を左側に落とし、足先を右に崩して横座りになります。背骨は上に引き上げる意識で伸ばします。
2.右足を立膝にして、左に流します。右のお尻が浮かないようにし、余裕があれば右膝と左膝を近づけます。
3.右腕を上に伸ばしてから肘を曲げ、左の肘も曲げ背後で手を組みます。背中が丸くならないように骨盤を立て、背筋を伸ばします。目線は真っ直ぐにし、数回呼吸をします。
4.息を吐ききったら交差している足と背後の手を開放します。反対側も同様に行います。
腰痛に効く猫のポーズ
1.マットに四つんばいになり、腕と太ももを床と垂直になるようにします。
2.息を吐きながら背中を丸めていきます。肩甲骨を左右に広げ、尾骨を下げるイメージで背骨が緩やかなカーブを描くのを意識します。目線はおへそを見ます。
3.息を吸いながら背中を反らせていきます。肩甲骨を寄せ、肩と耳を離すようなイメージで目線も天井に向けます。
4.ゆったりとした呼吸に合わせて数回繰り返します。
ヨガといえば鳩のポーズ
1.マットの上に正座になり、両足を左に崩し横座りになります。
2.左脚を後ろに引き、まっすぐになるよう伸ばします。背筋は伸ばし、骨盤は正面を向けます。そのまま数回呼吸を行います。
3.余裕があれば、左の足を曲げて右手で左足先を持ちます。
4.左の肘を曲げて左足先を持ちます。右肘も上げて左足先を持ち胸を開きます。数回呼吸を繰り返し、息を吐ききったら吸いながらゆっくりとポーズを開放します。反対側も同様に行います。
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猫のポーズヨガで美ボディに。お家でできる簡単ダイエット
便秘気味の方には赤ちゃんのポーズ
1.マットに仰向けになります。ひざを立て、お腹の上で両手を組みます。
2.息を吐きながら、太ももを胸に引き寄せていき、両手で膝を抱えます。
3.呼吸を数回繰り返しながら、息を吐くと同時に両手で膝をさらに胸の方へと近づけポーズを深めます。
4.息を吐きながらポーズを開放し、仰向けの状態に戻ります。
私はヨガを始めて4年目になりますが、この赤ちゃんのポーズは毎晩寝る前に行っています。膝を抱え込んで丸くなる体勢はとても気持ちが良く、お母さんのお腹の中にいる胎児のように、安心感に包まれます。ゆっくり呼吸をしながら、お腹の中を温めていくイメージで行うと、お腹から身体全体がじんわりとポカポカしてくるのを実感できます。また身体を温めると寝付きも良くなり、快眠にも繋がります。 ヨガの基本まとめ。やり方をマスターして体も心もデトックスしようさんを0人が応援しています! SNSでシェアすることで、モデルの表示順位がアップします。
慣れてきたら太陽礼拝にチャレンジ
1.マットの前方に基本の立ち方で立ち、胸の前で両手を合わせ合掌します。
2.息を吸いながら、両腕を体の横から弧を描くように上げていき万歳します。
3.息を吐きながら、両腕を左右に開き上体を倒していきます。頭と首の力は抜き、目線は鼻先に向けます。
4.息を吸いながら上体を軽く起こします。
5.息を吐きながら、右足を大きく後ろへ引きます。
6.息を吸いながら左足も大きく後ろに引きます。この時にお腹が落ちないように、腹筋に力をいれます。
7.息を吐きながら両膝をマットにつき、両肘を曲げて胸を両手の間に落としていきます。
8.息を吸いながら、両足を後ろに伸ばし、胸を持ち上げます。
9.息を吐きながら、お尻を斜め後ろに突き上げて、腰をくの字に曲げます。かかとでしっかりと床を押し、首と頭の力は抜きます。目線はおへそを向けます。このままの姿勢で数回呼吸をします。
10.息を吐きながら、右足をお腹にひきつけて、両手の間にくるよう踏み込みます。
11.息を吸いながら、左足も踏み込み両足を揃えます。上体を少し起こし前後に伸びます。
12.息を吐きながら頭を下げて深く前屈します。
13.息を吸いながら両腕が体の横から弧を描くように上げていき、万歳します。
14.息を吐きながら、胸の前で合掌をします。
クルーダウンは屍のポーズ
最後は屍のポーズでクールダウン。マットの上に仰向けになり、両足を肩幅程度に開きましょう。両腕も体から少し離し、体を大地に預け完全にリラックスします。
自然な呼吸で静寂の中の心地よさを感じます。起き上がる際は、伸びをしてから、体を左右どちらかに倒し頭が最後になるよう体を起こします。
ヨガで身体も心も美しくなろう
自分自身の体と心と向き合い、落ち着いた時間は最高のリラクゼーションになります。ヨガには余分なものをデトックスし、体も心も美しく、自分らしく生きる秘訣がつまっています。多忙な毎日の中で運動不足になっていたりストレスが溜まっているのなら、ヨガを取り入れてみましょう。