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自分の体臭はどんな匂いか
体臭が分からない人もいる
いざ考えてみると自分の体臭ってどんなにおいなのか、意外に分からないものです。嗅覚には順応性と言って、長い間嗅いでいると体が慣れてしまう性質があるため、自分自身のにおいが実は1番分からないのです。
服を着ているときは体臭よりも柔軟剤や洗剤のにおいの方が強かったりして、体そのものの匂いはあまり分からなかったりします。
自分の体臭を人に教えてもらうのも難しい
しかし、人に「私ってどんな匂い?」と聞くのもなかなか難しいですよね。もしにおいが気になったとしてもそれを本人にストレートに言える人はあまりいません。
自分の体臭を確認してみよう
耳の後ろ側の髪の生え際を手で触って嗅ぐ
耳の後ろは、皮脂腺が集中しています。そのため分泌された皮脂が汗と混ざってにおいが目立ちやすいのです。また、加齢によってジアセチルという分泌物が増えます。これは主に頭部から多く分泌されて脂臭く、発酵したようなきつい臭いがします。
そのため、自分の体臭をチェックする方法のひとつとして、このにおいの目立つ耳の後ろや、その近くの髪の生え際を手で触って嗅ぐ方法があります。
脱いだ自分の洋服を嗅ぐ
お風呂から上がった後に、脱いだ自分の洋服のにおいを嗅いでみましょう。なぜお風呂上がりに嗅ぐのかというと、お風呂から上がったあとは、体が清潔になって嗅覚もリセットされた状態になっており、通常よりもにおいに敏感な状態になっているからです。
自分の着ていた洋服の臭いを嗅ぐことで客観的にどんな臭いがするのか見極めることができます。
脇汗をティッシュで拭きとり嗅ぐ
よく、脇汗のにおいが気になるとき、脇に顔を近づけてクンクンと嗅ぐ人がいますが、これでは服の匂いと混ざって本当の脇のにおいはわかりません。
そこで、脇汗をティッシュで拭き取って、そのティッシュを嗅ぐ方法が効果的です。これなら、脇汗そのものの匂いをしっかりと確認でき、悪臭がするときはすぐにわかります。
体臭チェッカーを使う
「体臭チェッカー」を利用して自分の臭いを確認することができます。ニオイが気になる部分にセンサーを近づけると、においの種類と強さを数値化して教えてくれるというもの。
現在、コニカミノルタという会社から体臭をチェックできる画期的な製品が販売されています。スマートフォンのアプリと連動して、チェック結果をアプリで分析して確認することができます。これなら、自分で匂いを嗅ぐ必要もないし、においの種類や強さが数値としてわかるので、対策や改善もしやすいです。
体臭(ワキガ)がある可能性が高いチェックポイント
耳垢が湿っている
まず、耳垢が湿っているかどうか。ワキガの原因となるアポクリン腺は脇だけでなく耳の中にも存在します。ワキガ体質の人はこの耳の中のアポクリン腺の分泌も活発なため、耳垢が湿っていることが多いのです。
ただ、必ずしも耳垢が湿っている人がワキガというわけではありません。逆に、耳垢が乾いていてもワキガの人もいます。
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シャツの脇が黄色くなる
ワキガでない人は、主にエクリン腺という汗腺から汗が分泌されます。これは水分と塩分のみでできているため無臭なのです。
しかし、ワキガの人はもうひとつの汗腺であるアポクリン腺の分泌がかなり活発で、このアポクリン腺はタンパク質やアンモニア、鉄分や糖質などにおいの原因となるさまざまな物質を含んでいます。それが汗のにおいと混ざってさらに強いにおいを発します。
ワキガの人はとにかくアポクリン腺の分泌量がかなり活発なため、汗とともに分泌された皮脂や色素などが衣類に沈着して黄色くなるのです。普通の人も同じように分泌はされていますが分泌量が少ないため黄ばみも目立たないのです。
1日服を着て脱いだ時に脇の部分が黄色くなっていたらワキガの可能性が高いと言えます。
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気温に関係なく汗をかきやすい
これは、汗っかきと言われる多汗症とはまた違うものです。多汗症は体温や緊張している状況などによって汗をたくさんかくもので、ワキガの人の場合の汗のかきやすさとは全く別物です。
ワキガの人は、常にアポクリン腺のはたらきが活発なため気温や精神状態に関係なく汗をかきやすいのです。
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脇毛の濃さ
これは、男性と女性で若干判断基準が変わります。まず女性は、脇毛の1本1本が太く、また1つの毛穴から2本毛が生えている人。次に男性は、脇毛の太さは太くなく、サラサラとしていて広範囲にわたって生えている人。これらの人はアポクリン腺が多く、ワキガの可能性が高いようです。
また、脇毛だけでなく、肛門や陰部、乳輪の周りにもアポクリン腺が存在するため、この部分の体毛が濃い人もアポクリン腺が多くワキガの可能性が考えられます。
親や兄弟など近い親族の中にワキガの人がいる
ワキガは遺伝する確率が高いです。アポクリン腺の量は生まれつき決まっており、この量が遺伝によって決まるのです。
そのため、親や兄弟など近い親戚にワキガの人がいる場合は自分もワキガ体質を持っている可能性があります。
体臭が出る原因
ワキガによるもの
まず、ワキガが原因で出る体臭。これは物理的な原因ではなく、体質的なものなので、あまりひどい場合には適切な治療が必要になります。
ワキガも人それぞれ程度が違うため、制汗剤や簡単なケアでにおいを抑えられる軽度の人もいれば病院で治療しなければならない重度の人もいます。
加齢臭によるもの
加齢臭は、若いころはにおいが気にならなかったのに歳を重ねてきて朝起きたときに枕が臭かったり、パジャマがにおったりします。
加齢臭は、皮脂腺から分泌されるノネナールという物質がにおいの原因となります。このノネナールは、皮脂腺の中にある脂肪酸が酸化してサビてしまうことであの独特のにおいが発生します。
年齢を重ねると若いころよりも運動量が減り、体の中の脂肪が貯まりやすくなることも関係しています。これに通常の汗のにおいも混ざってさらに強い加齢臭としてにおいを発するのです。
汗によるもの
一般的に汗はエクリン腺という汗腺から分泌されて発生しますが、このエクリン腺から出る汗は水分と塩分のみでできているため、汗そのものににおいはありません。
しかし、汗をかいてから時間が経つにつれて、皮脂や垢と汗が混ざって雑菌が繁殖することでにおいが発生します。
病気からくるもの
病気が原因で、体臭が気になる場合もあります。糖尿病の人は、ケトン体という物質が発生し、これが血液の中に取り込まれて汗とともに出てくると甘酸っぱいにおいになります。
また、腎臓の機能が低下して尿が出にくくなっているときは体の中に毒素が溜まり、それが汗とともに出るためおしっこ臭い体臭になることがあります。そして女性に多い甲状腺機能亢進症という病気も、新陳代謝を必要以上に促して汗や皮脂の分泌が活発になるため、体臭が気になることがあります。
腸内環境によるもの
便秘の人は便が排出されず長い間体の中に溜まった状態となります。そうすると有毒ガスが発生し、腸の壁から吸収されてそのまま体臭となってしまいます。
また、胃腸の調子が悪く消化不良が起きると、体内で食べたものが異常な発酵を起こしてしまいます。そのにおい物質が血液に流れて溶けると体臭につながります。
ストレスからくるもの
ストレスが原因で、汗の分泌が活発になり体臭につながることがあります。ストレスによりホルモンバランスが乱れると、アポクリン腺が通常よりも刺激されて活発になってしまうことがあるのです。
また女性は生理前や妊娠によってもホルモンバランスが乱れるため、生理前や生理中になると体臭がきつくなる人もいます。
体臭に有効な手段
クエン酸や食物繊維の摂取を心がける
また、体が臭くなる原因のひとつとして体が酸性になるというのがあります。そこで、体の内側から整えて体臭を改善する方法として、クエン酸や食物繊維を積極的に摂ることをおすすめします。
クエン酸
クエン酸には乳酸を生成しにくくする働きがあります。そのためクエン酸を摂取すると体の酸化を防いでくれ、体臭予防につながります。
クエン酸を多く含む食品は、レモン、グレープフルーツ、いちご、パイナップル、梅干しなどがあります。
食物繊維
食物繊維には、腸内の老廃物を排出してくれる働きがあるため、腸内環境を整えるのには必須の栄養素です。また、食物繊維には、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維という、2種類の食物繊維があります。
水溶性食物繊維は、粘り気のある食物繊維で、大腸の中で発酵・分解されると腸内環境を整えるビフィズス菌などの善玉菌が増えるため、腸の調子を整えてくれます。
不溶性食物繊維は、保水性の高い食物繊維で、胃腸に取り込まれると水分をたくさん吸収して大きく膨らむことで腸の働きを刺激して便通を促します。この水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく摂取することがポイントです。
それぞれの食物繊維を多く含む食品は
・水溶性食物繊維・・・にんにく、ごぼう、オクラ、いんげん、なめこなど
・不溶性食物繊維・・・おから、あずき(あんこ)、パセリ、納豆、グリンピースなど
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湯船に浸かる
暑い夏の時期など、シャワーで済ませてしまう人もいると思いますが、体臭を改善するためには湯船に浸かることが大切なのです。それはなぜかと言うと、湯船に浸かって汗をかくことで、汗腺のはたらきが正常化されるからです。
また、湯船に浸かると汗腺がしっかりと開き、老廃物や汗腺に詰まった汚れがきれいに落ちます。シャワーだけでは汗をかかず汗腺も開かないので、老廃物がどんどん溜まってしまい体臭を放つことにつながってしまうのです。
ストレスを溜めない
さきほどストレスによるホルモンバランスの乱れが体臭の原因になるとあったように、ストレスを溜めないことも体臭を改善する効果的な手段のひとつです。
自分に合ったストレス解消をして、体も心もリフレッシュすることが大切です。
ワキガの場合は脇を清潔に保つ
ワキガの人は汗をかく量も普通の人より多いため、汗をかいてそのままにしていると雑菌がどんどん繁殖してにおいがきつくなってしまいます。
そのため、ワキガの人は脇を清潔に保つことが体臭を改善するポイントになります。汗をかいたらこまめに拭いたり、制汗剤をするなどしてしっかりとケアをしましょう。
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加齢臭には殺菌能力、抗酸化作用のあるボディーソープがおすすめ
加齢臭は汗が皮脂や垢と混ざって雑菌が繁殖し、さらに皮脂腺の中の脂肪が酸化してにおいを発生させます。そのため、殺菌能力と抗酸化作用のあるボディーソープを使用して、雑菌の繁殖と体の酸化を防ぐことがポイントになります。
ただし、においを取ろうとして強く洗うのはいけません。強くこすって洗うと、肌に必要な皮脂まではがれてしまい、逆に皮脂の分泌が多くなってしまい体臭が悪化してしまうためです。
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体臭を気にしなくて済む自分に
人にはなかなか聞けない自分の体臭もさまざまな方法でチェックすることができます。また、その体臭の原因もさまざまで、その原因に合ったケアや予防をしなければ体臭は改善されません。
体臭を気にしなくて済む自分になるためには、自分の体臭と、その原因をしっかりと把握し、それに合った改善方法を行うことが大切です。