目次
乳液が必要となる乾燥肌の特徴
角層水分量が低い
紫外線や空気の乾燥など、外部からの刺激や環境的要因によって皮膚の水分が奪われてしまうと、皮膚のバリア機能が低下してしまいます。皮膚のバリア機能は、本来は保湿成分によって皮膚を保護することで保たれていますが、バリア機能が低下して水分量が不足すると、肌が乾燥した状態になってしまいます。
肌の角質の水分量は、セラミドとよばれる成分によって水を保水することで保っていますが、表皮が乾燥することでセラミドの数が減少し、保水機能も弱くなってしまいます。その場合は化粧水のほかにも乳液やクリームなどで皮膚の表面を保護し、保湿することが大切です。
皮脂量が低い
皮膚の表面には皮脂膜とよばれる膜があり、肌を保護する役割をしています。皮脂の分泌量が低下することによって、外部からの刺激が皮膚の奥まで伝わりやすくなり、炎症や肌荒れなどを引き起こします。皮脂は通常、1日に約2g分泌されるといわれていますが、環境や体質によって変化していきます。
皮脂の分泌を促す男性ホルモンが少ないと、皮膚の表面が乾燥し、乾燥肌になってしまいます。女性や子供は男性ホルモンが少なく、皮脂の分泌量は加齢や血行不良などでも減少してしまうため、皮脂量の低下によって乾燥肌になりがちです。普段から脂質と水分の両方を肌に補給することが大切です。
保湿機能の低下
紫外線のダメージのほかにも、生活習慣の乱れによるストレスや睡眠不足、加齢などにより、皮膚が正常に生まれ変わるターンオーバーのリズムが乱れてしまうことがあります。ターンオーバーが乱れると、皮膚の表面で水分を保持する機能が低下してしまうため、乾燥した状態になってしまいます。
緊張などで口が乾燥するのも、ストレス物質によって水分が蒸発されやすくなることが原因といわれています。心身ともにリラックスすることで、肌にうるおいを与えて乾燥肌の予防になることも覚えておきましょう。
アトピー性皮膚炎による炎症
アトピー性皮膚炎の原因はストレスや食事、ダニなどのアレルギーなど、さまざまな要因が考えられますが、症状によっては皮膚が乾燥してしまうことがあります。乾燥肌のケアをしないまま放置してしまうと、アトピー性皮膚炎による湿疹が悪化することもあるので、保湿などのケアをすることが大切です。
また、逆に乾燥肌がアトピー性皮膚炎を引き起こす場合もあります。状態に応じて皮膚科に相談することも大切ですが、スキンケアの方法も見直す必要があります。アトピー性皮膚炎の方は肌が敏感になりがちですが、だからこそちゃんとした保湿ケアをすることで改善につながるといわれています。
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乾燥肌の原因別に対策チェック。内側と外側からスキンケアしましょう

乾燥肌に必要な乳液と他の化粧品の違い
乳液と化粧水の違い
化粧水の役割は、肌に水分を与えて保湿することにありますが、乳液は化粧水と比べて油分が多いため、肌に油性の美容成分を補給する役割があります。皮脂が少ない場合の乾燥肌の方は、化粧水のみだけでなく、乳液を使ったケアをすることで、皮脂の量を増やし、肌のバリア機能を向上させることができます。
化粧水は水分のみの保湿なため、肌の弾力やハリをアップさせるためには、水分と油分の両方を肌に与えることができる乳液を使うことが大切なポイントです。
乳液と美容液の違い
化粧水は水分補給を目的とし、乳液は油分と水分の両方を肌に補うことが目的とされています。それでは美容液は何のため?と思う方もいるかもしれませんが、美容液には肌トラブルに合わせた効果別の成分が含まれています。
乳液には油分を中心とした成分が主ですが、美容液には美白や保湿成分などの美容成分が配合されています。肌の保湿機能を保つためにも、化粧水、乳液、美容液と、必要に応じて乳液と美容液を効果的に使う事を意識しましょう。
美容液には保湿や美白のほかにも、エイジングケアやリフトアップなど、肌の悩みに合わせた有効成分が使われているため、肌の悩みによって使い分けることができるのが特徴です。普段使っているスキンケアと合わせて、乳液と美容液を使うようにしていきましょう。
乳液とクリームの違い
乳液とクリームは化粧水で補ったうるおいをキープすることや、皮膚の表面に油分の膜をはって肌を保護することが主な役割です。しかし、クリームの方が油分が多く、保湿機能が高いことが大きな特徴です。
化粧水と乳液だけでは保湿効果の実感が得られない…という方は、クリームを使うことで皮膚のバリア機能をアップさせ、乾燥しにくい肌質に改善することができます。

乾燥肌用の乳液の役割
皮膚の水分を蒸発させない保湿の持続性
化粧水で皮膚に水分補給をしたあとは保湿効果を持続するために、乳液を塗ってさらに皮膚の上から水分を蒸発させないための膜を作る必要があります。皮膚の表面にはセラミドと言われる脂質成分がありますが、セラミドが不足することによって水分が蒸発してしまうため、乳液で油分を補う必要があります。
乳液の中にはセラミド成分が配合されたものがあるため、保湿力を持続するために乳液によって補うことができます。乳液の油分が保湿効果を高めてくれるため、乾燥肌や敏感肌を改善する効果が期待できます。
美容成分で肌をたっぷり潤す
セラミドは表皮の一番上にある角質層にあり、細胞と細胞の間を埋める脂質成分です。セラミドの主な働きは、水分を蓄えて肌を保湿し、外部からの刺激から皮膚を守ることです。また、ヒアルロン酸は皮膚の真皮の中に存在し、高い保水力によって肌の弾力をアップさせる働きをします。
ヒアルロン酸やセラミド成分が含まれた乳液を選ぶことで、乾燥を予防し、うるおいのある肌質に改善することができます。乳液で保湿効果を高めたい方は、この2つの成分に注目して乳液を選んでみましょう。保湿や油分の調整だけでなく、肌に必要な美容成分で肌をうるおすことも大切なポイントです。
ニキビなどにもピリピリしない
ニキビは皮脂が毛穴につまったことによって発生しますが、乳液で油分と水分の両方を与えることで、ニキビのできにくい肌質に改善することができます。脂質は油分によって皮膚を保護するため、荒れにくいのが特徴です。
逆に刺激が強い成分が含まれている場合は、逆に症状を悪化させてしまうことがあるので、注意が必要です。低刺激の乳液を使うことで、肌質を向上し、肌荒れのトラブルを少なくする効果が期待できます。

乾燥肌におすすめの乳液の成分
効果が出やすいセラミド
皮膚の表面から肌を守り、紫外線予防や美白ケアにも効果的なのが、セラミドです。肌のバリア機能をアップさせることで、保湿効果を高め、水分が蒸発するのを防いでくれます。肌の水分保持力をアップさせたい方は、効果が出やすいセラミド成分の乳液を選ぶのがよいでしょう。
保湿成分のコラーゲン
コラーゲンは皮膚の粘膜に必要な成分で、保湿効果の高い美容成分のひとつです。食物から摂ることもできますが、スキンケアに含まれるコラーゲン成分は吸収されやすい形に改良されているものが多いため、肌に浸透しやすいのが特徴です。
肌にハリを与え、うるおいをアップさせるためにも保湿成分のコラーゲンは必要不可欠です。
加齢とともに減少するヒアルロン酸
ヒアルロン酸は高い保水機能があることで知られていますが、年齢とともに減少し、40代に入ると一気にその数が減少するといわれています。乾燥を防ぎ、化粧水の保湿を持続するためにも、ヒアルロン酸成分が配合された乳液で保湿効果を高めましょう。
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肌質や目的で選ぶ人気の乳液。乳液を使って美肌を手に入れる。

乾燥肌用乳液に含まれる動植物性油分
オレイン酸を含むオリーブオイル
オレイン酸は美肌には欠かせない脂質成分で、スキンケアの中にも配合されています。オレイン酸は、皮脂腺から分泌する皮脂を構成する成分で、約40%を占めているといわれています。肌に塗っても馴染みが良く、肌の保湿効果を高める役割をしてくれます。
リノール酸を含むホホバオイル
ホホバオイルの中に含まれるリノール酸には、皮脂の分泌を促進し、角質層のバリア機能を向上させる効果があるといわれています。脂質が不足することによる乾燥肌の方にはとても有効な美容成分です。ホホバオイルを使っている乳液に混ぜるだけでも、肌がなめらかになる効果が期待できます。
植物性のツバキオイル
ツバキオイルにはオレイン酸成分が80%含まれているといわれ、肌だけでなく髪の毛のツヤをアップに効果的な美容成分です。酸化や変質しにくい成分なので、効果の持続性にも期待できます。紫外線吸収力も強いことから、UVケアにも効果を発揮する優れた美容成分です。
スクワレンから作るスクワランオイル
植物などから作られるスクワランオイルは、新陳代謝を活発にし、保湿効果を高めてくれる効果があります。新陳代謝がアップすることによって、肌のターンオーバーのリズムが正常に働くため、乾燥肌の予防にも役立てることができます。体内に浸透しやすい性質なため、スキンケアでの使用にも適しています。

乾燥肌用乳液に動植物性油分が使用される理由
不純物が少ないため刺激が少ない
乾燥肌用乳液に含まれる動物性油分のメリットは、人工成分ではないため皮膚への刺激が少ないことが挙げられます。天然由来の植物からとれるオイルは脂質成分が高いため、肌荒れなどを起こす心配が少ないのが特徴です。敏感肌で肌荒れが心配という方でも、安心して使うことができます。
人の脂質に似ており肌に浸透しやすい
スクワランオイルなどの成分は、もともと体内に存在する脂質成分であることから、肌へ浸透させたときに不純物とした感知されないため、肌への浸透率が高いのが特徴です。
乾燥肌は人が本来持っている美容成分が失われることによって引き起こされるため、人の脂質成分に似ている有効成分を補給することで肌への負担も最小限に抑えることができます。
純度が高く酸化しない分炎症が抑えられる
動物性脂質は脂質成分の純度が高いため、酸化しにくく、炎症を鎮静化させる作用があります。ツバキオイルには紫外線を吸収するなど、炎症を防ぐ効果も期待できます。スキンケアには消費期限のある成分もありますが、動物性油分を使用することにより、効果を持続することができます。

乾燥肌用乳液の効果的な使い方と注意点
化粧品の使用する順番
スキンケアを使用する順番は、化粧水、美容液、乳液、クリームの順番に塗ることで、効果を高めることができます。化粧水で水分を補給して肌を保湿し、そのうえで美容成分の入った美容液を塗ることで、より有効成分が肌へ浸透する効果を高めてくれます。
美容液の後で油分と水分の両方が入った乳液、そのあとで油分の強いクリームを重ねて塗ることで、肌のバリア機能をアップさせ、乾燥を防ぎます。使う順番を間違えてしまうと、水分が肌に吸収されにくくなることもあるので、順番に注意して使用しましょう。
コットンを使用する時刺激を与えない
乳液やクリームを塗るときにコットンなどを使用する場合は、叩きすぎたりこすったりして肌に刺激を与えないように注意しましょう。肌の表面を傷つけてしまうと、皮膚が乾燥し、肌荒れなどを引き起こしてしまいます。上から軽く叩くように浸透させることを意識しましょう。
手でぬると手の体温で浸透力が増す
スキンケアを肌に浸透させるときは、血行を良くした状態で塗ることで、より浸透率をアップさせることができます。手でぬると人肌の体温で浸透力が増すため、効果もアップさせることができます。軽くマッサージしてからスキンケアを使用するのがおすすめです。
塗り過ぎはバリア機能を低下させる
乳液を塗る量が極端に多いと、毛穴に皮脂が詰まり、乾燥肌や肌荒れを促進させてしまう場合があります。肌荒れによって皮脂が過剰に分泌されてしまうと、必要な皮脂が出ていってしまうため、肌のバリア機能も低下させてしまいます。乾燥しているからといっても、塗りすぎには注意が必要です。
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乳液の使い方が知りたい。付け方で変わる化粧のノリとお肌のキレイ

編集部が選んだ市販の乾燥肌用乳液
無印良品 無印良品乳液敏感肌用高保湿タイプ
アレルギーテスト済なので、敏感肌でも安心して使用することができる、優しく刺激が少ないタイプの乳液です。コスパも良く、岩手県釜石の天然水を使用しているので、肌への刺激も少ないのが特徴です。敏感肌のための高い保湿効果が期待できる乳液で、つけたときの肌なじみが良いのもポイントです。
無印良品 無印良品乳液敏感肌用しっとりタイプ
コンビニでも購入可能なしっとりタイプの乳液。うるおいと肌を保護するために、スペリヒユエキス、グレープフルーツ種子エキスを配合。アルコール、パラペンフリーなのでしみずに痛みがないのも魅力。香料、着色料、鉱物油無配合で、敏感肌の水分と油分のバランスを整えて肌を保護してくれます。
ウテナ ラムカぷる肌乳液
乾燥が気になる肌にうるおいを与え、化粧水の浸透率を高めてくれる乳液。3種のコラーゲン成分、アクアコラーゲン、モイストコラーゲン、ナノコラーゲンとヒアルロン酸を贅沢に配合し、保湿効果を高めてくれます。無香料無着色で低刺激なのも魅力です。

乳液で乾燥肌を改善してメイクを楽しもう
乾燥肌で悩む女性は多いかと思いますが、化粧水の後に乳液を使用することで肌を保護し、保湿効果を高めることができます。効果的な方法や有効成分を乳液に取り入れることで、乾燥肌を改善し、肌トラブルの悩みを解消することができます。
乳液の種類には美容成分が配合されたものもあるので、自分の肌の悩みに合わせて乳液を使用し、ストレスフリーな肌になりましょう。