目次
眉毛について
眉毛は一定以上の長さにならない
人間の体には、髪の毛と体毛があります。髪の毛は切らなければどんどん伸びまずが、眉毛や手足の毛といった体毛は、一定以上の長さにはなりません。
実は、髪の毛だけが特別伸びていくわけではなく、どの毛もある一定期間経つと抜け、新しい毛が生えてくるのです。その一定期間のことを、毛周期といいます。眉毛の毛周期は短いため、数mm~1cm程度になったところで生え変わりが起こるため、いつも同じ長さように見えるのです。
眉毛の毛周期と伸びる速度
毛周期は、生える部位によって異なります。髪の毛は、女性で4~6年、男性で3~5年です。腕の毛は3~4カ月、足やひざの毛は、4~5カ月、そして、眉毛は2~3カ月と短いサイクルになっています。
また、1日あたりに伸びるスピードも、生える部位によって異なります。髪の毛は最も速く、0.3~0.4mm、わきの毛も0.3mmと比較的速くなっています。そして遅いのが、手足やVラインで、0.2mmです。眉毛は、0.1mm程度と、かなり遅くなっています。
急に長い眉毛が出てくることがある
40~50歳になると、数本、非常に長い眉毛が生えることがあり、特にお年寄りになると、全体的にとても長い、すだれのような眉毛の方もいます。これにはいくつかの説があり、大きく関与していると考えられるのは、毛周期が正常に制御されなくなった結果だと考えられています。
また、男性ホルモンが、髪の毛以外の体毛の育毛に作用することも考えられており、歳と共に女性ホルモンが減少し、男性ホルモンが優位となった結果、眉毛が長くなったとも考えられています。
眉毛が濃い
眉毛が濃い人、薄い人、その違いは何なのでしょうか。眉毛を含む体毛は、男性ホルモンによって育毛促進されると考えられているため、眉毛の濃さの違いも男性ホルモンの分泌量の違いと考えられます。女性にも、男性ホルモンは作られていて、すぐに女性ホルモンへ変換されているため、女性らしい体つきになっています。
ところが、過度のストレスや疲れでホルモンバランスが崩れると、男性ホルモンが増え、その結果、眉毛が濃くなっていると考えられます。眉毛が濃い人は、腕や足の毛も、濃い傾向にあるかもしれません。
眉毛の役割
眉毛は、その形の変化から、その人の表情を伝える役割を持っています。普段より眉尻が吊り上がっていれば、怒っているように、眉尻が下がっていれば、悲しんでいる表情に見え、眉毛全体が上がっていれば、驚いていると表情に感じ取れます。
また、眉毛には汗を目に入れない役割もあります。眉毛の毛並みを見てみると、眉頭辺りは、比較的真っすぐに生え、眉尻にいくにしたがって、外側に向かって生えていることがわかります。額から落ちてきた汗は、眉毛の毛の流れに沿って流れていき、目に入らないような仕組みになっているのです。
眉毛は日よけにもなります。まぶしい時に顔をしかめて、眉頭をよせる表情する時、眉毛が前に突き出た形になり、日差しの役割をしているのです。
眉毛のゴールデンバランスについて
眉毛で人の印象は大きく変わる
眉毛だけでも、顔の印象は大きく変わります。太さ、形、長さ、色、これらの組み合わせで、たくさんの印象を作ることができるため、自分のなりたい印象の眉毛を把握することで、メイクによって様々な印象を作り出すことができます。
しかしながら、どんな眉毛でも似合うわけではありません。顔によって、似合わない眉毛の形もあるため、注意が必要です。
キュートな印象の眉毛
黒目の縦幅の半分の幅にし、緩いアーチを描きます。目尻側は、眉頭より少し下に位置するように描くと良いでしょう。
クールな印象の眉毛
黒目の縦幅の半分の幅で始まり、眉山を黒目よりも外側に位置するようにします。眉の終わりにいくにつれて細くすると効果的です。
ハーフのような印象の眉毛
黒目幅とほぼ同じ幅にし、眉山を作らず直線的に描きます。
ゴールデンバランスを確認する
最も美しく見える眉毛のバランスを、ゴールデンバランスといいます。眉頭は目頭の真上に、眉山は白目の終わりの真上に、眉尻は、小鼻と目じりを結んだ延長線上にするのがよいでしょう。
また、眉頭と眉尻の高さは、水平な一直線上に位置し、眉の下側の角度は、10度が標準とされています。
眉毛を整える前に
顔型別おすすめの眉毛の形
丸顔
眉毛の長さはやや長くすることで、顔の面積を少なく見せる効果があります。眉の角度はきちんとつけたアーチ型にすることで、すっきりとした輪郭のように錯覚させ、顔の丸みを目立たなくする効果があります。
面長
眉を短くしたり角度を大きくすると、顔の長さが強調されてしまうため、やや長めで、あまり角度はつけずに目尻まで伸ばして整えると良いでしょう。
ベース顔
短い眉やアーチ型の眉だとエラが強調されてしまうため、やや長めに直線的な「への字」眉毛にすると四角い輪郭が目立たなくなります。
逆三角形
顔の上半分の面積が大きく、顎がすっきりしてシャープな印象を与える傾向にあるため、丸みのあるアーチ型の眉にすると柔らかな印象に近づきます。
眉毛の毛流れを確認する
ボサボサの眉毛では、誰かと会ったり、就職の面接に行ったとしても良い印象を与えるのは難しいことです。眉毛の毛流れを確認することも大切。
また、本来の毛の流れを作れる道具は、コームあるいはスクリューブラシです。これらで眉を整えてから、透明なアイブロウマニュキアを塗ると、自然な毛の流れを維持できます。
▼さらに詳しい解説はこちら
細い眉毛が好き!キレイに整えて眉メイクを楽しむ方法を紹介。
眉の無駄な毛の処理
眉のムダ毛処理に使用なアイテム
眉のムダ毛処理には、アイブロウブラシ、眉ばさみ、カミソリ、クリームが必要です。アイブロウブラシは、眉の毛の流れを整える役割、眉ばさみは、余計な長さの毛をカットする役割、カミソリは、余計な毛を剃る役割、クリームは、カミソリによる肌のダメージを抑える役割があります。
眉のムダ毛を剃る方法
眉毛のムダ毛を剃る方法については以下の手法がおすすめです。
1.クリームを塗る
眉毛のまわりの産毛が生えている部分すべてにクリームを塗りましょう。そのまま剃ると、皮膚を傷つけてしまうため、乳液やハンドクリームなど、柔らかいテクスチャのものを使用します。
2.眉間のムダ毛をカミソリで剃る
鼻筋ラインの真上に相当する部分をカミソリで剃ります。柔らかい印象にしたければ眉頭を離すように剃り、しっかりとした印象にしたければ眉頭が近くなるように剃ります。
3.不要な眉下の毛は抜く
眉下の毛は目立つので、ムダなものは毛抜きで抜きます。毛の生え際をつかんで、毛の流れの方向にゆっくりと抜くと痛みが少なくて済みます。
4.眉下のムダ毛をカミソリで下へ剃る
眉下の毛が細くて抜きにくい場合や、産毛が多い場合、カミソリがおすすめです。毛の流れに沿って下へ剃りましょう。
なるべく肌に傷をつけず、肌に優しい方法でクリームなど潤滑剤を代用しながら剃刀を滑らせてやるのがベスト。毛抜きは痛みを伴いますが、流れにそってゆっくりと抜けば痛みも少なくて済みます。
剃る上での注意点
眉頭には、短い薄い毛がありますが、それを全部剃ってしまうと、突然濃い毛から始まる不自然な眉毛になってしまいます。眉毛の自然な始まりを残すため、短い薄毛は残しておき、眉上を処理してしまうと眉の立体感がなくなるため、処理せず残しておきましょう。
1.眉頭から眉山の間にコームを当てはみ出した毛をカット
眉の長さは、あまり短くても平面的になってしまいますが、長さが揃っていないとだらしなく見えてしまいます。眉頭から眉山の間に、毛の流れに沿ってコームを当て、はみ出た毛を眉ばさみでカットしましょう。
2.眉山~眉尻の間にコームを当てはみ出した毛をカット
眉山から眉尻の間に、毛の流れに沿ってコームを当て、はみ出した毛を眉ばさみでカットするとベストです。
カットする上での注意点
コームの当て方が曲がっていることに気づかずにいると、カットしすぎたり、十分にカットできなかったりします。こまめに毛の流れを確認し、コームが正しく当たっている状態でカットすることが大切です。
また、眉ばさみを毛の流れに沿って切ると切り残しが出るので、毛の流れに逆らって切りましょう。眉ばさみは、小さく開いて少しずつ切るほうが、失敗しにくいです。
眉を書くのに使用するアイテム
眉毛の形を作ることができるアイブロウペンシル
眉毛がまばらな部分がある場合、眉を書き足すアイテムとして、アイブロウペンシルがあります。アイブロウペンシルには、鉛筆型のもの、繰り出しタイプのものがあり、リキッドタイプのもの、ファイバータイプのものなど様々です。
自眉毛の量が少ない人は、太いペンシルで書き足すと不自然になるため、細いペンシルがおすすめです。自眉毛の量に合わせたアイブロウペンシルを選びましょう。
アイブロウペンシルをサポートするアイブロウパウダー
眉の足りない部分を、全てアイブロウペンシルでしっかりと書いてしまうと、眉全体が重い印象になってしまいます。また、書き足した部分だけが目立ってしまうこともあります。ふわっと軽い印象にし、書き足した眉も自然になじませるためには、アイブロウパウダーを使うと効果的です。
スポンジにそのつどパウダーを付けるタイプだと、パウダーの量にむらができてしまうため、スポンジに直接パウダーが含まれているタイプがおすすめです。
顔全体を明るく見せるアイブロウマスカラ
せっかく綺麗に整った眉であっても、髪の色が明るい場合、眉だけ髪の毛を染める前の地毛と同じ色では、暗く重たい印象になってしまいます。アイブロウマスカラで眉色を明るくすることで、顔全体を明るく見せることができます。
自分の髪色とアイブロウを合わせた色を選ぶと、自然な印象になるでしょう。
眉毛をとかすスクリューブラシ
アイブロウマスカラをすると、毛の流れが乱れたり、マスカラがダマになることがあります。乱れた毛の流れを整え、マスカラのダマをとるためにスクリューブラシを使いましょう。
眉毛の書き方
基本の眉毛の書き方
基本の眉毛の書き方さえ覚えてしまえば、後は自分に似合う形に整えるだけです。慣れてしまえば、眉毛も時間もかからずかけるようになります。
1.ペンシルで輪郭を整え、顔の印象をはっきりさせる
眉毛の足りない部分を、アイブロウペンシルで書き足し、眉毛全体の輪郭が大体整うようにします。眉毛の隙間を埋めるのではなく、全体的な形が整うようにしましょう。
2.パウダーを使って補正し、抜け感を出す
アイブロウパウダーを使って、眉山から眉尻に向かって書きます。次に、眉頭以外の部分を書いてから、最後に眉頭に軽くパウダーをのせます。
3.眉マスカラを使って眉毛全体を仕上げる
アイブロウマスカラは、液が付きすぎないように、まずティッシュなどで余分な液をふき取っておきましょう。眉尻から眉頭に向かって動かした後、眉頭から眉尻に向かって毛並みを整えながら動かして終了。
忙しい朝でも、眉の輪郭さえ押さえてしまえば、後はアイブロウマスカラを塗って終わりなのでとても便利です。髪の色と合わせたものを使いましょうね。
眉毛を書く上での注意点
眉頭より眉尻が下がっていると、困った印象になってしまうので、注意しましょう。眉毛を書く時に細かい部分だけ見ていると、全体のバランスがずれたり、左右で形が違くなるなど、失敗しやすいからです。
細かい部分を書く時は小さな鏡を使って構わないので、顔全体が見えるような大きな鏡も起き、全体をチェックしながら書くようにしましょう。
また、眉に油分がついていると、ペンシルやパウダーがうまくのらないため、ファンデーションを軽くのせてから書くとよいでしょう。
▼さらに詳しい解説はこちら
眉毛の正しいお手入れ方法。印象を左右する整え方と描き方のコツ
眉毛を早く伸ばす方法
抜かない
眉毛を抜かないことは、眉毛を早く伸ばす上で大切です。眉毛をカットしすぎたからといって眉毛を抜いてしまうと、次に眉毛が生えるまでに、2~3カ月かかってしまいます。
また、何度も眉毛を抜いていると、毛根が損傷し、眉毛が生えにくくなったり、太い毛が出てきたりします。眉毛を伸ばしたい場合は、しばらく抜くのはやめましょう。
皮膚剥離用スクラブを使う
皮膚剥離用スクラブも、眉毛を早く伸ばす方法の1つです。毛は、毛母細胞という毛を作る細胞から生えています。毛を抜いた時、毛母細胞も一緒に抜けてしまったり、ダメージを強く受けると、長い間待っていても次の毛が生えてこないことがあります。
そこで、細胞のターンオーバーを早める方法として、皮膚剥離用スクラブがあります。毛が抜けてしまった部分に優しくマッサージし、洗い流します。マッサージをすることで血行を促進し、毛母細胞への栄養が行き届くようにします。
クレンジングやスキンケアに気を付ける
眉毛を早く伸ばすには、クレンジングやスキンケアも大切です。眉毛のメイクは、ファンデーションと一緒にクレンジングで十分落ちますが、眉毛は他の部分と違って毛が生えているため、丁寧にクレンジングしないと汚れが残る場合があります。
これが毛穴の炎症を招き、眉毛の根元が腫れる原因となります。こすり過ぎず、丁寧なクレンジングで、健康な毛穴を保ちましょう。
眉毛を生やす美容液を使う
眉毛用の美容液を使うことで、育毛効果を期待することができます。眉毛用美容液には、グリチルリチン酸2Kという成分が入っているものがあり、これは植物由来の成分で、甘味料、漢方薬としても用いられていて、皮膚への作用としては、抗炎症作用や殺菌作用があります。
炎症のない健康な毛穴を維持することで、育毛を促進効果が期待できます。
食生活を見直す
私たちの体は、食べたものでできていることから、眉毛にも、食生活が重要であることは言うまでもありません。眉毛の育毛に必要な栄養素として、タンパク質、ビタミンB群、鉄、亜鉛、オメガ脂肪酸3があります。
タンパク質
眉毛の99%は、ケラチンと呼ばれるタンパク質でできていることから、食生活においてタンパク質の摂取が重要であることは当然です。タンパク質が不足すると、毛にコシがなくなったり、抜け毛を招きます。
ビタミンB群
皮膚の代謝を促すビタミンB2は、レバー、うなぎ、納豆、卵に多く含まれており、ビタミンB3は、皮膚や粘膜の炎症を防ぐ作用があり、たらこ、マグロ、カツオ、レバー、玄米、卵に多く含まれます。
毛根に栄養を与えるビタミンB5は、レバー、牛乳、魚類、ピーナッツ、きのこ類、など多くの食べものに含まれています。ビタミンB6は、ケラチン形成を助ける作用があり、レバー、マグロ、カツオに多く含まれます。
新陳代謝を促して健康な皮膚を導いてくれる、ビタミンB7は、レバー、卵、ナッツ類、大豆に多く含まれています。
鉄
鉄は、血中で酸素を運ぶヘモグロビンを構成する要素であり、これが不足すると、皮膚の血行が悪くなります。鉄分を多く含む食べものは、ほうれん草などがよく知られていますが、動物性のものが吸収がよいため、レバー、牛肉を食べると効果的です。
亜鉛
亜鉛は、摂取したタンパク質をケラチンの構造に再構成にするために、重要な役割を果たします。亜鉛が不足すると、タンパク質の摂取が十分でも、健康な眉毛が生えてこないことも。亜鉛は、牡蠣、レバー、牛肉、卵黄に多く含まれています。
オメガ脂肪酸3
オメガ脂肪酸3系は、血液中の脂質濃度を下げ、血液を流れやすくしたり、血管をしなやかにする作用があります。オメガ脂肪酸3系は、青魚、エゴマ油、アマニ油、ナッツ類に多く含まれています。
以上の栄養素を取りながら、健康的に眉毛もケアしていきましょう。
育毛剤を使う
男性ホルモンには、体毛に働きかける作用があるため、眉毛用の育毛剤には、有効成分として男性ホルモン用作用をする成分が含まれているものがあります。
血行を良くするだけではなく、育毛そのものに働きかけるため、その効果が高いと言われていますが、副作用を訴える人もいるようです。副作用としては、かゆみ、かぶれ、湿疹などがあげられます。また、妊娠中の人や、15歳以下の小児は、ホルモンを作用することは危険なため、使用は禁じられています。
ストレス発散をこまめにする
ストレスを抱え込むと、タンパク質、ビタミン、ミネラルを消費します。眉毛の育毛には、これらの栄養素が必要であり、なるべくストレスをためないことが眉毛の育毛環境を整える第一歩。
こまめにストレス発散をして、無駄に栄養素を消費しないように心がけましょう。
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まつげ美容液を 眉毛に使って、薄眉からナチュラル眉へ
眉毛の整え方をマスターして魅力的な理想の眉毛に仕上げよう
眉毛の適切な整え方をマスターして、自分に合った眉毛に仕上げることでメイクが映えます。眉毛の育毛サイクルや、適切な処理を知っておくことで、抜きすぎ剃りすぎの場合にも、落ち着いて対処することができるでしょう。
また、眉毛に必要な栄養素を把握して、健康な眉毛を維持することも大切。印象を左右する眉毛だからこそしっかりケアをしていきましょう。