目次
コラーゲンとは何
タンパク質の一種で体の基本となる成分
コラーゲンは体の基本となる成分で、骨・腱・皮膚などに多く含まれる硬タンパク質の一種です。皮膚に多く含まれ、不足すると皮膚がたるんだりハリを失ったりすることから美容目的でも注目されていますが、美肌だけでなく健康にとって欠かせない成分であるといえます。煮ると膠(にかわ)になります。
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水分を溜め込み弾力性のあるクッションのような存在
コラーゲンは水分を溜め込み、弾力性をもつクッションのような存在です。関節部位などにとって非常に重要で、加齢とともにコラーゲンが不足することが、膝痛などの原因となることもあります。
コラーゲンは皮膚だけでなく、体のあらゆる部位で弾力としなやかさを生み出してくれる大切な成分です。
コラーゲンとゼラチンの違い
コラーゲンを分解するとゼラチンになる
ゼラチンはコラーゲンの一種といわれますが、どのような違いがあるのでしょうか?簡単にいうとゼラチンはコラーゲンが分解されたものです。コラーゲンよりも分子が細かく、ゼリーやグミなどの材料に良く使われています。
そして、ゼラチンをさらに分解したものをコラーゲンペプチドといいます。健康食品やコラーゲンドリンクに含まれているのは、コラーゲンではなく、このコラーゲンペプチドの方です。
動物や魚の皮と骨に含まれるコラーゲン
コラーゲンは動物や魚の皮と骨に含まれています。鳥の皮などには豊富なコラーゲンが含まれているので、見るからにプルプルしていますよね。こういった部分からコラーゲン成分だけを抽出して、健康食品やコラーゲン飲料に入れるコラーゲンペプチドの原材料にしているのです。
熱でコラーゲンを抽出精製したゼラチン
熱でコラーゲンを抽出し、そこから不純物を取り除くとゼラチンになります。ゼリーの材料によくつかわれていて、プルプルした弾力が口当たりをよくしてくれますよね。お菓子のグミにも使われていて、これにさらにコラーゲンペプチドを加えたものがコラーゲングミとして売られていました。
ゼラチンを酵素分解して細かくしたコラーゲンペプチド
ゼラチンをさらに酵素分解して細かくしたものがコラーゲンペプチドです。健康食品のコラーゲン飲料などにはコラーゲンペプチドが含まれていて、分子の小さいものほど体に吸収されやすいといわれています。
コラーゲンペプチドが注目されるようになってからは、多くの健康食品に使用されるようになり、たいへんな人気を博してきました。コラーゲンペプチドは、人の肌、軟骨などを形成する材料となり、研究でも有効な結果が出ています。
低分子コラーゲンの効果とは
吸収が早く効果を発揮するまでの時間が早い
コラーゲンは分子が小さければ小さいほど体への吸収が早く、効果を発揮するまでの時間が早いといわれています。このため、コラーゲン飲料に含まれているコラーゲンは低分子のものの方がおすすめです。
吸収率が高いので少ない配合量でも効果が出る
低分子コラーゲンは分子が大きいものに比べ、吸収率がよいため、少ない配合量でも効果が出やすいです。コラーゲンペプチドの『ペプチド』とは、アミノ酸が2つ以上ペプチド結合したものを指します。
低分子のコラーゲンペプチドとして注目されているコラーゲンに、トリペプチドとジペプチドがあります。最近はコラーゲンサプリメントにもこのふたつの名前がついたものも出てくるようになりました。
トリペプチドの『トリ』は3を意味しており、アミノ酸が3つつながった状態をあらわしています。ジペプチドはさらに低分子で2つのアミノ酸が結合した状態のコラーゲンペプチドです。このふたつは最も低分子なコラーゲンということになり、非常に注目されています。
非変性2型コラーゲンとは
分子構造を変えずに抽出されたコラーゲン
非変性2型コラーゲンとは、ヒトの関節や軟骨内に多く存在するコラーゲンで、摂取することで関節のケアに役立つと注目されつつあります。
しかし、多くのサプリンメントに含まれているコラーゲンは抽出する過程で熱などを加えられ、分子構造が変質されてしまっています。分子構造が変質されていると体内で非変性2型コラーゲンとは認識されず、吸収率が落ちてしまいます。
このため、分子構造を変えずに抽出した非変性2型コラーゲンは、分子構造が変質したコラーゲンに比べ、吸収率が非常によく、サプリメントとして摂取することで有効な結果が得られるとされています。
人の軟骨内に存在するコラーゲンの形に近い
非変性2型コラーゲンは人の軟骨内に存在するコラーゲンの形に非常に近い構造になっています。このことから、体内での吸収率が非常によく、軟骨以外のコラーゲンを必要とする皮膚にも有効であるとされています。
コラーゲンの肌への効果
肌にとってコラーゲンの役割
コラーゲンは肌の多くの部分を占める真皮にとって重要な成分です。水分を除けば、真皮の70%程度がコラーゲンで構成されています。このため、コラーゲンが不足すると、肌の弾力が失われたり、シミができやすくなったりと美肌を保てなくなります。
新陳代謝を正常化させてシミ対策
コラーゲンは細胞と細胞を結びつける役割をもっており、肌の弾力を保つためには欠かせない成分です。ですが、それだけではなくコラーゲンには新陳代謝を活発にさせる役割もあります。
コラーゲンを摂取することで新陳代謝を正常化させ、シミをできにくくする効果が期待できます。特に夏場などの紫外線を浴びやすい季節には、シミ対策としてコラーゲンの摂取を心がけるとよいでしょう。
肌の弾力性を向上させてシワやたるみを改善
コラーゲンに期待できる一番の効果が肌の弾力性を向上させ、シワやたるみを改善することです。コラーゲンは肌の弾力を生み出し、水分をしっかりと貯蔵してくれますので、みずみずしくハリのある肌の質感を出したい方には非常におすすめです。
食事やサプリメントで継続的にコラーゲンを摂取することで、高い効果が期待できるようになるでしょう。
高い保湿力で肌の乾燥を防ぐ
コラーゲンには保湿力もあり、肌の乾燥を防いでくれます。食べることでも高い保湿力が期待できますが、コラーゲン入りのスキンケアアイテムで肌の上から保湿することもできます。
コラーゲンの分子は肌の上から吸収されないといわれていますが、スキンケア肌の水分などを守る保湿力は期待できます。このため、肌につけることでしっとりとした感触を得ることができるのです。シミ、シワ、たるみ、乾燥などへの効果も期待できます。
コラーゲンの髪への効果
頭皮を活性化させ発毛を促進する
コラーゲンは肌だけでなく髪にとっても必要な成分です。髪が生えてくる頭皮には皮膚同様にコラーゲンが大切な成分だからです。コラーゲンを摂取することで頭皮を活性化させ、新しく健康で美しい髪をはやす効果が期待できます。
髪が細くなってしまっている場合などはコラーゲンの摂取で改善が期待できることもあります。
色素幹細胞に潤いを与えて枯渇抑制
コラーゲンを摂取ることで素幹細胞に潤いを与えて、色素幹細胞の枯渇抑制することも期待できます。髪の毛が生えてくる毛根部分には発毛を行う細胞や色素を生み出す細胞があり、この部分に栄養がいきわたらないと、健康な髪が生えてこなくなってしまいます。
健康な髪の発毛には、しっかりと頭皮に栄養を与えてあげる必要があり、コラーゲン摂取で期待できる効果は大きいです。白髪や、薄毛の改善にもコラーゲンを摂取することは大切なのです。
コラーゲンと相性のよい栄養素
コラーゲンの生成量を増やすビタミンC
コラーゲンは単体でとっても効果が期待できますが。相性のよい栄養素と一緒にとることで相乗効果が期待できます。特にコラーゲンの生成量を増やすビタミンCは最もおすすめのビタミンです。
ビタミンCはコラーゲンと一緒にとることで、体内でコラーゲンを生成するサポートをしてくれるので、コラーゲンとの相性は抜群です。さらにビタミンCは水溶性ビタミンで、過剰摂取しても不要な分は体外に尿と一緒に排出されるという特徴があります。このため、とりすぎても問題がないビタミンとされており、少し多めにとっても心配がありません。
ビタミンCは野菜や果物などに多量に含まれています。さらに、ビタミンC自体に美白などの効果が期待できることもあり、積極的に取っていきたいビタミンといえますね。
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コラーゲンの構造を支える働きがあるエラスチン
エラスチンはコラーゲンの繊維に絡みつくように組み合わさって肌を形成しています。このため、肌の弾力を保つためには、コラーゲンだけでなくエラスチンも必要な存在となってきます。
つまり、コラーゲンだけでなく、エラスチンも一緒にとることによって、さらに肌に弾力を持たせる効果が期待できるのです。
コラーゲンの生まれ変わりに必要なタンパク質
コラーゲンは体内に吸収され、そのまま皮膚や軟骨になるわけではありません。いったん、アミノ酸に分解され、その後再構築されるのです。この時にビタミンCがあると、再構築が活性化され、タンパク質はコラーゲンの生成にとって欠かせない成分となっています。タンパク質がないとコラーゲンの再構築ができないため、コラーゲンで肌を潤したいなら、必須の栄養であるといえます。
他にもコラーゲンと相性のいいエラスチンなどをとることで、積極的にコラーゲンの生まれ変わりを助けていきましょう。
コラーゲンと相性が悪い栄養素
皮膚中のコラーゲン量を低下させる高脂肪
一方で、コラーゲンとの相性が悪い栄養素もあります。代表的なものが脂肪です。高脂肪な食品は皮膚中のコラーゲン量を低下させる恐れがあるため、多量接種は控えましょう。お肉など、脂肪の多いものは赤みの部分を選ぶようにするとよいでしょう。
コラーゲンの弾力性を失わせ固くする糖質
糖質もコラーゲンとの相性はよくないです。糖質はコラーゲンの弾力性を失わせ固くする作用があるため、摂取量には気を付けましょう。高脂肪で糖質を多量に含む甘い洋菓子などは、コラーゲンとの相性は非常に悪いといえます。
コラーゲンを摂取するおすすめの時間
成長ホルモンが促進される1時間前の21時
せっかくコラーゲンを摂取するなら、もっとも効果が出やすい時間帯にとりましょう。コラーゲンを摂取するおすすめの時間帯はお肌のゴールデンタイムといわれる、夜10時から2時の1時間前です。夜10時から2時はこの時間帯にお肌が生まれ変わるため、しっかりと睡眠をとるとよい時間帯とされています。
夜10時から2時の1時間前である21時にコラーゲンを摂取して、そのまま寝てしまうのがコラーゲンの効果を最大限に発揮できる飲みかたといえるでしょう。
栄養成分の吸収力がアップする空腹時
また、空腹時も栄養成分の吸収力がアップしているため、摂取におすすめの時間帯です。食前や、食事と食事のあいだなどにサプリメントでコラーゲンをとるとよいでしょう。
ドリンクタイプや粉末状のもの、またはおやつ代わりにコラーゲン入りのゼリーなどを取り入れるのもよいですね。取り入れやすいタイプのコラーゲンを選んでください。
食事摂取量が多く他の栄養相乗効果がある夕食後
また、夕食後も他のビタミンなどとの栄養相乗効果が期待できるため、おすすめの時間帯です。夕食にビタミンCの多く含まれるトマトなどの野菜を加えて、相乗効果を狙うなどするとよいでしょう。
なるべく脂質や糖質の多いものなどはさけ、コラーゲンの効果が出やすくなるような食事であると、なおよいですね。さらに、夕食後に飲むと決めておくと忘れにくいという、メリットもありますね。
美肌をサポートするコラーゲンの摂取は積極的にする
コラーゲンが美肌をサポートすためには欠かせないことがわかったと思います。コラーゲンは非常に注目されている成分ですので、サプリメントが多種多様に出ています。
コラーゲンを毎日の食事から摂取するのは少し難しいので、サプリメントなどをうまく取り入れていくのがおすすめです。この中でも低分子のものを選び、積極的にコラーゲンを摂取していきましょう。このように、手に入れやすく、取り入れやすいのも魅力の一つですね。
ビタミンCのようなコラーゲンと相性のよいその他の栄養素もうまく取り入れて、弾力と潤いのある美肌を目指しましょう。