目次
肩こりの原因は僧帽筋
僧帽筋を知る
僧帽筋は肩こりの自覚症状を起こす主要な原因筋として知られています。背中の大部分に分布する大きな筋肉で、位置としては、首筋から肩口、腰の上あたりまでと広範囲に分布します。首側が最も幅が広く、腰に向かって細くなっていき、背骨を中心に左右対称の逆三角形のような形をしています。
僧帽筋の支配神経は、脳の末梢神経の副神経(副交感神経系)だそうです。自律神経系が乱れると、僧帽筋の緊張が強くなることがあるようです。僧帽筋は上から、上部繊維、中部繊維、下部繊維の三つの繊維にわかれています。
僧帽筋の役割
僧帽筋には、主に背中をまっすぐに支え背筋を伸ばす役割や、肩甲骨を動かす役割があります。上部繊維は後頭部の首の付け根から鎖骨へ向かって走る繊維で、大まかには首のあたりに存在し、収縮すると肩甲骨を挙上・上方回旋させます。肩をすくめる動作をすることで、収縮を確認しやすいです。
中部繊維は肩のあたりに首の付け根から大きく横にのびています。収縮すると、肩甲骨を後退させる働きをします。胸を張るような動作をすることで、収縮が確認できます。下部繊維は肩から腰に向かって伸びる大きな繊維です。収縮すると肩甲骨を下制・下方回旋します。上部繊維と真逆の動きをします。
僧帽筋の痛みと原因
身体の構造は、腕や肩甲骨を首からつり下げる作りになっており、腕や首は常に僧帽筋で持ちあげている状態のため、僧帽筋の疲労が肩こりの原因となります。
痛みの種類としては、首が回らなくなり、寝違えたときのように鋭い痛みがあり、首を回さなくとも、わずかな衝撃があると痛みます。
僧帽筋が弱くなる理由
加齢による老化
自然なことですが、加齢により人の身体は老化します。筋肉も例外ではなく、加齢とともに衰えていってしまうのです。加齢による衰えを完全に止めることは不可能ですが、トレーニングやストレッチなどを行うことで、筋肉が衰えるスピードを緩やかにすることは可能です。
ストレートネック
パソコンやデスクワークを長時間行う方に多いのが「ストレートネック」です。ストレートネックは首の骨の異常をあらわすもので、本来の湾曲した骨の状態ではなく、首の骨がまっすぐと前に突き出た状態になります。
長時間の作業などで無意識に姿勢がくずれ、猫背であごが突き出したような状態になってしまうと、ストレートネックを引き起こします。ストレートネックの状態では、僧帽筋がほとんど使われない状態になるため、僧帽筋が衰えやすくなってしまいます。
なお、特に首が長い方は前傾姿勢になりがちなため、僧帽筋が衰えてストレートネックになりやすい傾向にあります。以下の記事ではストレートネックを始め首の長い方が美しいネックラインを保つ秘訣について詳しく解説しています。
運動不足が原因
筋肉は使わないでいると、衰える一方です。運動不足が続くことで、僧帽筋はどんどん衰えていってしまいます。そのため、定期的なストレッチやトレーニングをして動かしてあげることが望ましいです。
また、僧帽筋は筋肉の中でも表層にある筋肉のため、外からの「冷え」の影響も受けやすいそうです。エアコンなどで冷やさないように気を付けるのはもちろんですが、筋肉を動かすことで冷えの予防にもつながります。
悪化した生活習慣
睡眠不足や過労、インスタント食品や酸性食品などの取り過ぎが原因で、身体が酸性化していると血行不良を起こしやすくなります。酸性体質になると、乳酸などの疲労物質が蓄積し筋肉が疲労を起こしやすくなってしまいます。
また、加工食品やファストフード、清涼飲料、インスタント食品にはリン酸が多く含まれています。リン酸が筋肉に溜まってしまうと、カルシウム不足が生じて、筋肉のポンプのはたらきが低下してしまいます。このように食生活の乱れも大きな影響があるようです。
その他、過度なストレスにも注意が必要です。ストレスが交感神経を過剰に刺激してしまうと、筋肉が緊張して血行障害をおこしやすくなります。ストレスが原因で眼精疲労やめまいをひきおこし、それがさらなる肩こりの原因となることもあるのです。
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僧帽筋を鍛えることの効果
肩・首のこりが和らぐ
首のこりで硬くなりやすいのが、僧帽筋の上部の筋肉です。僧帽筋の上部ストレッチをすることで、首のこりが和らぎます。僧帽筋は肩こりで硬くなりやすい筋肉なので、猫背の姿勢になってしまうと肩甲骨が外側に広がり、僧帽筋が少し伸びた状態で硬くなるのです。
僧帽筋の上部と中部のストレッチで和らぎます。表層近くにあり、血流が滞りやすい部位なので、鍛えることで血流が順調になり肩こりの改善につながりやすいのです。
目の疲れが和らぐ
肩・首のこりと同様に、僧帽筋の血流が悪化すると、頭部へと流れる血流も悪くなってしまうために、眼精疲労がおきやすくなります。僧帽筋を鍛えることで、実際に目の疲れが起こっている部分である、頭のほうへの血流も改善されるので、眼精疲労の緩和につながるのです。
頭痛が和らぐ
僧帽筋が衰えることが原因で血流が悪くなると、頭部への血流も悪くなってしまいます。血流が悪くなると、頭痛の原因となりやすいです。
僧帽筋を鍛えることで血流の改善につながり、さらに鍛えられた僧帽筋によりしっかりと頭部を支えることができるため、頭痛が和らぎやすくなります。
背筋がのびる
僧帽筋が衰えると、猫背になり姿勢が乱れやすくなります。僧帽筋は首から背中にかけて広範囲に分布される筋肉のため、鍛えてあげることで、自然と背筋がのび、姿勢が整いやすくなります。
また、広い部分を覆う筋肉のため、適度に鍛えることで引き締め効果があり、首まわりから後ろ姿を美しくみせることができます。
寝違えや僧帽筋膜炎の緩和
僧帽筋に起きる痛みの原因は、酷使すること以外に、寝違えや僧帽筋膜炎により発生することもあります。寝違えは、睡眠時に無理な姿勢になっていたことが原因でおこります。
僧帽筋膜炎は筋肉が傷ついている状態です。自然と痛みは消滅しますが、痛みの症状があるときに筋肉に負担がかかると悪化してしまいます。普段から鍛えておくことで痛みが発生する要素を抑えることができ、万一おきてしまっても痛みの緩和につながるのです。
ストレッチをする前に
疲れている筋肉を休ませる
筋肉疲労を回復させるには、血流の流れを良くすることが大切です。血流がよくなることで、食事で摂取した栄養がダメージを受けた筋肉へと届きやすくなります。栄養が十分に届くことで、筋肉の修復が効率よく行われます。
また、38〜40度のぬるめの湯船につかるとよいでしょう。そうすることで、ストレス状態のときにはたらく交感神経よりも、リラックスしているときにはたらく副交感神経が優位にたちます。
副交感神経は身体を修復する役割の自律神経です。精神的に疲れている場合も、ゆっくり湯船につかることでストレス解消に役立ちます。
一方でストレッチのし過ぎは筋肉を痛めてしまう可能性もあります。正しいストレッチで健康なからだを作る方法に関しては以下の記事で詳しく解説しています。
筋肉を押す、揉むことはしない
マッサージすることで、筋肉の血行を良くする効果があります。しかし、強く押したり揉んだりしてしまうと、身体の防衛本能がはたらき身体に力がはいってしまいます。
身体に力がはいってしまうと、かえって肩こりなどの症状を悪化させる原因になりかねません。ストレッチ前には、なるべく筋肉を押したり揉んだりすることは避けましょう。
まわりの筋肉を緩める
直接僧帽筋を押したり揉んだりすることはおすすめできませんが、その周辺の筋肉を緩めることで、ストレッチがより効果を発揮してくれます。肩こりの原因は、僧帽筋が周辺にある拮抗筋にひっぱられて硬くなっているとも考えられます。
拮抗筋が硬くなることで、肩こりや猫背、首が短くなるなどの姿勢にも影響を及ぼします。拮抗筋は僧帽筋の上部、中部、下部でそれぞれ違っていて、上部は咬筋、中部は大胸筋、下部は広背筋となります。
咬筋、大胸筋、広背筋は収縮して硬くなっているので、基本的には弱いテンションで少しだけ伸ばしてみたり、揺らしたり、息を吐いたりしながら緩めます。
咬筋の緩め方
1.両耳たぶをつまんでやさしく小さく後ろ向きにまわします。
2.両頬を手のひらで軽く触れながら息を吐きます。
3.片手で逆側の頬に触れながら、頬側の腕を10?くらいのふり幅で揺らします。
大胸筋の緩め方
1.片方の脇をしめ、脇の付け根から胸にかけて反対側の手のひらで身体の中心に寄せます。
2.胸を抑える手はそのままで、胸側の腕を斜め上方へあげていきます。
3.1、2を繰り返します。うまくできると筋肉の伸びを感じることができます。
広背筋の緩め方
1.右腕を身体に近づけ、左手で右広背筋に圧を加えお尻の方向へ引っ張ります。
2.右腕を上方外方向に挙げ、身体をやや左に倒します。
僧帽筋ストレッチでほぐす
僧帽筋上部のストレッチ
僧帽筋の上部、中部繊維のストレッチは首と肩のこりのほぐしに特に効果的です。どこをのばしているか、常に意識して行いましょう。
ストレッチの他に僧帽筋をほぐす方法としてはヨガがあります。ヨガは僧帽筋の他にも筋肉をほぐす効果があるため体全体のリフレッシュに繋がります。以下の記事では様々なヨガのポーズについて詳しく解説しています。
ストレッチのやり方
1.背筋をのばします。
2.右手の甲を背中にあて、力が入らないように脱力した状態にします。
3.左手で右側の頭部を押えながら左肩のほうへ傾けていきます。
4.このときに自然な呼吸を意識しながら、首から肩にかけての伸びを感じます。
5.30秒キープしたら、反対側も同様に行います。
僧帽筋上部と中部のストレッチ
ストレッチのやり方
1.猫背などで背中が丸まっているとストレッチ効果が得にくいので、上半身をきれいな姿勢で意識して立ちます。
2.両手を頭の後ろで組み、ゆっくりと首を前に傾けていきます。
3.自然な呼吸を意識し、30秒を目安に行います。
僧帽筋下部のストレッチ
ストレッチのやり方
1.両手のひらを重ね、前方に向かって腕をまっすぐ突き出します。
2.肩甲骨を広げるイメージを持ちながら腕を斜め下に降ろして30秒保ちます。
※手のひらは自分の体を向くように斜めに下げましょう。背中が丸くならないように、伸ばしておくと効果的です。
肩甲骨はがし
僧帽筋のストレッチではありませんが、ストレッチで肩甲骨に柔軟性をもたせることで、僧帽筋の負担を軽くすることができます。僧帽筋のストレッチと併せて行うことがおすすめです。
ストレッチのやり方
1.手を後ろで組みます。
2.可能な限り腕を上げていき、胸を張ります。
ストレッチポールを使ったストレッチ
僧帽筋のストレッチは一時的な筋肉のコリをほぐすのにとても有効ですが、ストレッチだけでは根本的な解決には至りません。デスクワークなどで長時間同じ姿勢をとる習慣があると、もとに戻ってしまうからです。
肩こり・首こりを再発しないようにするためには、正しい姿勢を獲得することが必要で、僧帽筋の下部を意識したトレーニングをすることが最も効果的といわれています。
ストレッチのやり方
1.まずうつ伏せになり、両手をストレッチポールの上にのせます。
2.リラックスした状態で肩に力が入らないように気を付けます。
3.ストレッチポールを手前から奥へと、押し引きしまししょう。
4.肩甲骨の動きを感じながら、力を入れずに20回行います。
僧帽筋ストレッチで疲れ知らずへ。
いかがでしたか?とっても簡単に取り入れることができる僧帽筋ストレッチ。日々仕事で忙しく、マッサージに通う時間がなくても、正しいやり方を身につけて、肩こりをやわらげてあげましょう。
また、今まで症状が緩和されても、すぐに元通りで慢性化していた頑固な肩こりさんも、ストレッチを日々の習慣にすることで、肩こりしにくい理想の身体を手に入れましょう。