目次
ストレッチが痛いと感じてしまう原因
筋肉が衰えて萎縮してしまっている
筋肉は使うことで鍛えることができますが、運動不足や生活習慣の悪化などが原因で、筋肉は衰えてしまいます。筋肉が衰えている状態でいきなりストレッチをしてしまうと、凝り固まった筋肉に負担がかかり、痛みを感じることに。
筋肉が萎縮している場合は、リラックスしたり体を温めるなどして筋肉を緩める必要があります。
精神的なストレスが多くなっている
私たちは普段知らず知らずのうちにストレスを抱えてしまいますが、ストレスを感じることで筋肉が緊張し、凝り固まってしまいます。筋肉が固くなることで、血行が悪くなり、筋肉の緊張状態がさらに悪化することに。
歩いたり運動するときの筋肉は、筋肉が緩むことと固くなることを繰り返しながら体を動かしますが、精神的なストレスが溜まっている状態では、常に筋肉は硬直しています。1日1回気分をリフレッシュするなどして、体をほぐすことが大切です。
筋肉の疲れが溜まっている
健康な状態であれば、筋肉は緩んで柔らかくなります。血液は筋肉の中の毛細血管に分かれて流れるため、血行もスムーズになります。しかし、筋肉に疲れが溜まっている場合は、筋肉が縮み、血管やリンパ管が圧迫されたままの状態となってしまうため、血液がスムーズに流れなくなります。
慢性筋肉疲労は血行不良などによって引き起こされるため、激しい運動やストレッチの効果も半減されてしまいます。
普段の姿勢や動き方が悪い
長時間デスクワークなどをしている方や、運動不足になっている方は、体の血液の流れが滞り、筋力が衰えている可能性があります。普段から姿勢が悪い方や癖のある歩き方をする方は、筋肉に負担を与え、疲労を蓄積させることに。
筋肉は正しく使われることで、筋力を鍛えることができるため、姿勢が悪い状態の場合は、筋肉を正常に働かせることができなくなってしまいます。
間違ったストレッチで筋肉に負担をかけている
ストレッチは、筋肉が凝り固まった部分に対して行うものだと考える方も多いかもしれません。特に首や肩、背中などは、ストレッチを行っても効果が出にくいため、ストレッチをしすぎて筋肉に負担をかけることに。
首はストレッチによって痛みを増幅させることがあるため、せっかくのストレッチも逆効果になってしまいます。筋肉は揉みすぎてしまうと、逆に硬くなる性質があります。
筋肉へ刺激を与え続けることで、筋肉を保護しようと硬くなり、血管や神経を圧迫して、余計に凝り固まってしまうことに。間違ったストレッチは注意が必要です。
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筋肉の好転反応
筋肉にもストレッチを行うことで、好転反応とよばれる痛みを伴う場合があります。筋肉が固い状態が普通だと勘違いしてしまうところに、ストレッチによる外部からの圧力がかかることで、一時的に筋肉が反応して興奮状態になってしまいます。
興奮状態によって、筋肉が緊張してしまうことで神経が圧迫されて、痛みの発生につながります。筋肉の好転反応は、ストレッチによる血行促進によって老廃物がデトックスすることで引き起こされる痛みです。だるさや眠気、痛みの症状が合わられた場合は、強度に注意する必要があります。
間違ったストレッチのやり方
痛みを感じても無理に伸ばす
普段からストレッチをしない方は、筋肉が硬くなってしまうため、ストレッチなどで痛みを感じてもそのまま無理に伸ばそうとしてしまいます。筋肉が痛みを感じる場合は、すでに負担がかかっている状態のため、体の柔軟性の低下につながります。
痛みを感じる場合は、無理に伸ばそうとはせず、少しずつ体をほぐすことを心がけることが大切です。
息を止めたまま行う
ストレッチをして筋肉をしっかりと伸ばしたい場合は、息を止めてしまうと逆効果になってしまいます。息を深く吐きながら筋肉を伸ばすことで、緊張状態が緩和されて筋肉が緩み、伸びやすくなります。
逆に呼吸を止めてしまうことで伸縮性が失われるため、筋肉を傷つけてしまうことに。呼吸をすることで自律神経のバランスが保たれ、血行の改善につながります。
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同じところばかりを伸ばす
体の気になる部分など、同じ場所ばかり集中してストレッチを行うことで、筋肉を疲れさせてしまうことに。各筋肉に対して、約20秒のストレッチが柔軟性を上げるのに効果的だといわれています。
逆に1カ所を60秒以上継続して行うことで、ストレッチの効力が落ち、せっかくの筋力アップの効果も失われてしまいます。ストレッチは体が慣れてきたら、他の場所にも均等に圧力をかけて、少しずつ刺激を与えることを意識しましょう。
いきなり強い負荷をかけて伸ばす
筋肉を普段から使う機会が少ない方は、筋力の低下による血行不足が原因で、筋肉が固まっている状態になっています。ストレッチを行うときに、突然強い負荷をかけて伸ばしてしまうと、刺激を与えるどころか筋肉を傷つけて筋肉痛などの症状を引き起こすことに。
筋肉には、伸張反射と呼ばれる防御反応があります。これは、勢いよく筋肉が伸びることに対して、筋肉を収縮させようとする働きのことをいいます。いきなり強い負荷がかることで、余計に筋肉を収縮させ、ストレッチの効果を発揮できなくなります。
筋肉痛のある場所を伸ばす
ストレッチはを日常的に行うことで、体が刺激に慣れて筋肉を働かせ、血行が良くなります。しかし、筋肉痛などの痛みがある場合は、ストレッチにも注意が必要です。ストレッチで治療しようとせずに、まずは専門家や医者に診てもらうことが大切です。
筋肉痛は、改善するのに数日から数週間かかりますが、ストレッチをすることで、さらに回復を遅らせてしまう場合も。痛みを促進させることもあるため、筋肉痛のある場所のストレッチは控えた方がよいでしょう。
目覚めてすぐにストレッチをする
朝は、筋肉が1日の中で一番固くなっているときです。睡眠中は体が休息状態に入るため、体温が下がって血圧が低い状態になります。朝起きて、すぐに体を起こそうとストレッチをしてしまうと、逆に体に負担をかけることに。
代謝活動が活発になる朝食後に、軽めのストレッチから始めるようにしましょう。筋肉が固い状態でのストレッチは、捻挫や筋肉痛などを引き起こしやすくなります。
ストレッチの伸ばしすぎやりすぎでおこるリスク
筋肉が収縮して硬くなってしまう
筋肉は、伸ばしたときに怪我につながりやすいのが特徴です。ストレッチで伸ばし過ぎたときにも筋肉を傷めてしまうため、ストレッチの伸ばしすぎにも注意が必要です。筋肉は基本的には縮むことしかできませんが、ストレッチをすることで、筋肉を伸ばすことができます。
しかし、ストレッチで伸ばしすぎてしまうことで、筋肉はもっと縮める力が強くなるため、筋肉が収縮して固くなってしまいます。
肩こりや腰痛がひどくなる
肩こりや腰痛の主な原因は、運動不足による血行不良や、筋力の低下によるものが考えられますが、ストレッチを行うことで血行が改善すれば痛みは軽減します。しかし、やりすぎてしまうことで、筋肉の表面を傷つけてしまうため、肩こりや腰痛の悪化につながります。
筋肉は回復にも時間がかかるため、温めるなどして負荷を与えずに、血行を改善する必要があります。
ケガをしやすくなる
運動する前に、準備体操としてストレッチを行うことも多いかもしれません。準備体操などで行うストレッチは、ラジオ体操のように、ゆっくりと体を動かしながら行う体操がおすすめです。体を動かすことでこれから運動を行うことを体に伝えることができるため、スポーツ中のけがの予防につながります。
しかし、ストレッチでいきなり負荷をかけすぎてしまうと、ギックリ腰などのケガになりやすくなります。徐々に刺激を増やすことによって、ケガのリスクを抑えることが大切です。
体が疲れやすくなる
体の状態を無視して過度なストレッチなどを行ってしまうと、筋肉中の毛細血管を破壊して体を痛めてしまうことに。筋肉の血行が悪くなると体が疲れやすくなるため、疲労物質が蓄積されて、日常生活に支障をきたしてしまいます。
ストレッチは体に負担をかけるのではなく、やさしく筋肉を伸ばしながら血行を良くすることが大切です。ストレッチのやりすぎは、効果の半減につながりますので、体に無理のない方法で行うようにしましょう。
免疫力が低下する
私たちの体の中の免疫細胞は、唾液中に多く含まれ、粘膜に侵入しようとするウイルスを防ぐ働きをしています。 激しい運動をすることで、免疫細胞の働きが低下するため、風邪を引きやすくなってしまうことも。
激しい運動やストレッチは、エネルギーを消費したり、体温が急激に上昇するなど、体内環境が大きく変化させます。人の体は変化によってストレスを感じるため、免疫に関わる神経機能が過剰に働き、疲弊させてしまう原因になります。
ストレッチ後に痛みがあるときの対処法
動かさずに安静にする
ストレッチ後に痛みがある場合は、無理に動かさずに安静にすることが大切です。無理に動かしてしまうことで、回復を遅らせてしまう場合があるため、なるべく刺激を与えずに冷やしたりするなどして過ごすようにしましょう。
筋肉痛の場合は、筋肉の繊維を修復させるために痛みが伴っている場合があります。ストレッチ後に痛みがある場合は、それ以上悪化させないように注意が必要です。
アイシングを行う
アイシングには、炎症を抑えて痛みを和らげる効果があります。ストレッチ後に痛みが出た場合は、炎症を抑えるために、体が血管を収縮させて血液の流れを止めようとします。
しかし、一方で損傷部分を早く治そうと、大量の血液を送ろうとするため、腫れがひどくなることも。腫れはアイシングによって、最小限に抑えることができます。
タオルで圧迫する
タオルで圧迫することで、患部が圧迫され、腫れや炎症を抑える効果が期待できます。圧迫の強さは、ある程度の動きが出せるくらいにとどめるようにし、しびれなどが出ないように注意するようにしましょう。
タオルやハンカチなどで患部を覆い、きつく結んで圧迫し、様子を見ることで筋肉の炎症を軽減することができます。
心臓よりも高い位置に上げる
心臓よりも高い位置に患部を上げることにより、重力を利用して老廃物や腫れなどを抑えることができます。体に力が入らない状態で痛みを感じる部分を持ち上げられるように、大きなタオルやバックなど、補助になるようなものを活用する方法がおすすめです。
ふくらはぎが痛い場合は、仰向けで足を高い位置に置いて寝るようにしましょう。
痛みがひどい場合は整形外科を受診する
痛みや腫れがなどの症状が出ていた場合は、早いうちに整形外科で受診することが大切です。筋肉が損傷してしまうと治療に時間がかかることが多く、無理をして普段通りの生活を送ってしまうと、症状が悪化することになりかねません。
ですから痛みがひどい場合には、専門家のアドバイスを聞き、必要な場合はレントゲンなどを取るなどして、早めの対処をするようにしましょう。
オーバーストレッチを予防するポイント
反動はつけないでゆっくり伸ばす
ストレッチで体を伸ばして痛みが起こる場合は、その強度がオーバーストレッチの状態であることを示しています。伸ばして痛みが出ている状態は、筋肉がこれ以上伸ばしたら危険と、合図を送っている状態です。
オーバーストレッチにならないためにも、反動をつけるなどの負荷は控えるようにし、少しずつゆっくりと伸ばしていきましょう。
時間は20秒間で切り上げる
ストレッチを行う場合は、一カ所の部位につき約20秒ずつを意識し、他の部位も一緒にまんべんなく行うようにしましょう。20秒が物足りない場合は、他の部位とセットで、同じ回数分ストレッチを行うようにし、一カ所だけに集中して行うことは控えることも大切です。
20秒伸ばすだけでも、筋肉を十分伸ばすことができます。伸ばしすぎに気をつけて、行うようにしましょう。
気持ちいいと感じる強さを意識
ストレッチを行うことで、血液の流れが良くなるため、筋肉をゆっくりと伸ばすことで血行が促進され、気持ちいいと感じるポイントがあります。痛みを感じた場合は、強度が強い可能性があるため、気持ちいいと感じる強さに留めてストレッチを行いましょう。
お風呂あがりなどの血行が良くなっているときに行うことで、ストレッチ効果を高めることができます。
床などの硬い場所で行う
ストレッチを行う場合は、床などの硬い場所で行うことが大切です。マットなどの柔らかい場所は、体の痛みを軽減することができますが、体の筋肉に余計な負荷を与える可能性があるため、注意が必要です。
体はバランスを保つために筋肉を働かせるため、床などで行うことで、ストレッチの効果をより高めることができます。
体の硬い場所を把握する
体の柔らかさは人によってさまざまですが、あらかじめ自分の体の硬さを把握することで、オーバーストレッチを防ぐことができます。集団などでストレッチを行う場合は、周りと比べて無理をしがちになりますが、ストレッチ中に痛みを感じるようなら逆効果に。
硬い場所には、なるべく強度を調整しながら、徐々に筋肉を伸ばしていくとよいでしょう。
できるだけ毎日続ける継続する
ストレッチは毎日継続することに意味があるため、毎日継続しながら長期的にストレッチを行うことで、体が柔らかくなる効果もアップします。筋肉は使わないことで衰えていくため、体を本気で柔らかくしたいと考えている方は、毎日決まった時間にストレッチを行うなどしてできるだけ毎日継続するようにし、筋力を鍛えていきましょう。
継続的にストレッチすることで、筋肉の血行不良が改善され、脂肪燃焼効果もアップします。
体を柔らかくするストレッチの方法
股関節をやわらげるストレッチ
股関節は固くなることで、血液の流れが悪くなり、ケガのリスクを高めることに、下記の方法でストレッチを行い、股関節を和らげましょう。
手順
1.あぐらをかいて足の裏を合わせる
2.背筋を伸ばしながらゆっくり前に倒していく
とっても簡単な方法なので、寝る前など、いつでも行うことができます。足の裏を合わせた後は、手で少しずつ圧力をかけながら、膝を床につくように倒していきましょう。そして、痛いと感じたポイントで止め、無理に押しすぎないことが大切です。
太ももの筋肉をほぐすストレッチ
太ももの筋肉は、運動をしていない方は筋力が衰えている傾向にありますので、以下の方法で筋肉を伸ばし、血行を良くしていきましょう。
手順
1.うつ伏せに寝て片足の膝を胸の位置まで曲げる
2.もう片方の足も曲げて足首を手で掴む
太ももの筋肉が伸びていることを意識しながら、呼吸を止めずに左右20秒ずつ行いましょう。
腰の痛みを解消するストレッチ
腰痛に悩まされている方も多いかもしれません。仰向けに寝て両膝を曲げるだけの簡単ストレッチで、腰の血行を改善し、腰痛を解消しましょう。
手順
1.仰向けで寝て両膝を軽く曲げる
2.お腹に手を当ててゆっくりと腹式呼吸を行う
呼吸は腹式呼吸を行うことを意識し、深く息を吐きながら両膝を曲げることを意識しましょう。寝る前などを使って行うことで、血行を良くして睡眠不足を解消する効果が期待できます。
背中の痛みに効果的なストレッチ
背中はずっと同じ姿勢でいることで、慢性的に疲労が蓄積され、血行が悪くなる傾向があります。背中の筋肉を伸ばすことを意識しながら、肘を曲げていきましょう。
手順
1.両腕を上げて片方の肘を曲げる
2.片方の肘を手で掴みゆっくりと引っ張る
両手をそれぞれ20秒ずつ行い、背中の筋肉が伸びていることを確認しながら伸ばすことがポイントです。場所を選ばす行うことができるため、仕事の合間などにも行うことができます。
ストレッチ以外で筋肉をほぐす方法
温かいスタジオで行うホットヨガ
ヨガは呼吸法を意識しながら行うストレッチ法ですが、温かい室内で行うホットヨガは、体温を上げて代謝が促進されるため、筋肉の緩みを促進して、ストレッチによる痛みを軽減する効果が期待できます。
ホットヨガを取り入れてるスタジオは、近年増えてきています。精神的にもリラックスすることができるため、筋肉をほぐしながら心身ともにリセットする効果が期待できます。
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関節の可動域を広げる柔軟体操
柔軟体操は動作が簡単で、体が硬い方でも気軽にできるというメリットがあります。体を少しずつ柔らかくすることで、関節の可動域を広げることができるため、筋肉や体への負荷が少ないのも特徴です。
柔軟体操を行うことで、ストレッチやヨガなどの効果をさらに高めることができます。体が硬くてストレッチが苦手という方は、まずは柔軟体操から始めてみましょう。
プロの施術による整体マッサージ
整体の主な目的は、体の筋肉をほぐして柔らかくすることです。最初に骨の位置などを確認し、プロの整体師によって体に負担がかからない方法でマッサージやストレッチを行います。
日常生活でできる簡単なストレッチなどのアドバイスもしてくれるため、体の状態をチェックしながら家でも体をほぐすことができます。体の硬さなどの状態をチェックしたい方は、プロの施術による整体マッサージを受けてみましょう。
温かいお風呂と冷たいシャワーを交互に繰り返す
温かいお風呂と冷たいシャワーを交互に繰り返すことで、血液の流れが促進され、老廃物がスムーズに排出されるようになります。温かいと血管は広がり、冷たくなると血管が収縮されるため、肌トラブルなども改善され、全身の血行が良くなります。
血管の伸縮作用が活発になることで、自律神経のバランスが整い、筋肉もほぐれやすくなります。
温湿布を張って温める
温湿布を気になる部分に張ることで、血行が良くなり、筋肉のコリをほぐすことができます。ストレッチよりも負荷が少なく、温めることで腰痛などが軽減されるため、ストレッチや運動などによる痛みにも効果があります。
肩や腰、目元など、気になる部分に湿布を張ることで、血行を改善して、凝り固まった筋肉を緩める効果が期待できます。
ストレッチを正しく行って体の柔軟性を高めよう
ストレッチを行うことで、全身の血行を良くし、筋肉のコリを改善してダイエット効果をアップさせることができます。しかし、ストレッチは痛みが伴ったり、オーバーストレッチなどでやりすぎてしまうことで、体に余計な負担をかけることに。
無理のない正しいストレッチ法を行い、体の柔軟性を高めて理想の体に近づきましょう。