目次
ワキガの臭いを抑えるセルフケア
わき毛の処理をする
薄着の季節、おしゃれや水着などでムダ毛の処理ってしますよね。実は、ワキガのにおいはわき毛を処理することで抑えられることが知られています。しかし、処理の仕方によっては逆効果になる恐れもあるので注意しましょう。
まず、逆効果になってしまう処理方法とは「わき毛を抜くこと」です。毛抜きなどでわき毛を処理した場合、毛根から直接毛を引き抜くことになりますよね。これは肌の奥にある毛根に強い刺激を与える行為になります。
そもそも脇のにおいというのは、「アポクリン腺」という所から分泌された汗を、肌表面にいる雑菌が分解することで生じます。そして、毛根から直接引き抜くと、この「アポクリン腺」を強く刺激する行為になり、刺激された部分は肌を保護しようと汗の分泌を促進します。
そうすると、いつもよりも脇のにおいが強くなってしまうのです。わき毛の処理で、抜く行為だけは気を付けましょう。ワキガに効果的な処理は、「剃ること」です。わき毛を剃ることで、脇に絡まっていた汗の洗い残しがなくなり、脇が蒸れることもなくなるため細菌の繁殖が抑えられるというメリットがあります。
安全剃刀や脱毛用の剃刀の使用をおすすめします。剃刀を使うと、毛根を傷つけることがなく、アポクリン腺も刺激しません。肌への刺激がコントロールしやすいため最も良い処理方法です。肌を傷つけない様に、優しく滑らせる感じで使用しましょう。
汗を拭いたらこまめに拭く
汗をかいたらこまめに拭くことも匂い対策の一つです。分泌された汗が、細菌によって分解される前に拭くことができれば、ワキガのにおいを大幅に軽減することができます。携帯型ウェットティッシュや殺菌効果のあるウェットティッシュを持ち歩き、汗ばんだ時にすぐに拭く様にするのをおすすめします。
しかし、においを気にするあまり、刺激の強いものを使用してしまうと皮膚がただれてしまう可能性があるので気を付けてましょう。多くの人がやりがちなのですが、乾いたハンカチやタオルで拭くのは逆効果になることがあります。
乾いたハンカチなどでは、きちんと汗の成分が拭ききれず、肌に残ったものの濃度が濃くなってしまい、においが強くなることがあります。できるだけウェットティッシュなどを使うようにしましょう。
速乾素材の服を着用する
最近、吸湿性が通気性や良い繊維がどんどん開発され、その生地を利用した洋服が多く販売されています。こういう素材ならば、「汗もすぐに乾くため、においが気にならないのでは?」と思いますよね。実際に使用した方たちの意見を聞くと「やっぱりにおう」という意見の方が圧倒的に多いのです。
これは、汗に含まれる水分だけを発散し、におい成分はそのまま生地に残ってしまうことが原因と考えられます。また、綿や麻といった天然素材に比べると、化学繊維はにおいが残りやすいという欠点があります。速乾素材の服は着心地が良く使いやすいため多くの人に好まれていますが、ワキガのにおいに悩む方とは相性が悪いため、「消臭糸」などを使用した服を選ぶことをおすすめします。
ミョウバン水を吹きかける
ミョウバンとは、ナスをつける時に色落ちしないために入れたり、煮崩れを防ぐためのあく抜きなどに使用されている「食品添加物」のことです。化学的な成分で言うと、カリウム・鉄・アルミニウムといった金属イオンが硫酸塩として結ばれたものの事です。
実はこのミョウバンが、ワキガのにおいを消すのに効果的だと言われています。ワキガのにおいの元である細菌はアルカリ性を好む傾向にあります。ところが、脇の皮膚をミョウバン水を吹きかけることで酸性に変えると、細菌の繁殖を抑えることができます。さらに、ミョウバンには殺菌効果もあるので、においの元となる細菌を倒してくれるのです。
また、ミョウバンには制汗作用も期待できるので、ワキガのにおいに悩む方にとっては嬉しいことずくめの製品です。入浴後につけたり、持ち歩いて外出先で汗が気になったときにつけることもできるので、とても便利ですよ。
ミョウバン水の作り方
必要なものは、「ミョウバン50g・水1,500ml・空のペットボトル」だけです。ペットボトルにミョウバンと水を入れて、蓋をした後よく振ります。ミョウバンは水に溶けにくいので、振ったらそのまま一晩おき、無色透明になったら完成です。
最低でも2週間に一回くらいのサイクルで作り替え、使用しないときは冷蔵保存をしておきましょう。ミョウバン水を初めて使う場合は、肌があれる危険性もあるので初めにパッチテストを行うようにしましょう。二の腕の内側にミョウバン水を塗り24時間置いた後、何もなければミョウバン水を使用しましょう。ミョウバン水は簡単に作ることができるので、是非一度試してみてはいかがでしょうか?
アルコールで消毒する
ワキガ特有のにおいは、アルコール消毒をすることでも抑えられると言われています。アルコール消毒が効く理由の一つは、ワキガの原因の元である細菌を殺菌してくれるからです。消毒用アルコールの殺菌力は非常に素晴らしく、塗ってから30秒程度で細菌を99%以上殺菌してくれるのです。
細菌を素早く殺菌してくれるので、塗ってすぐににおいが消えたという声もあります。しかし、アルコール消毒も万能ではありません。消毒をしても、細菌の繁殖力はとても強いため、3~4時間で元の数に戻ってしまいます。
かといって、消毒用アルコールをこまめに塗ると肌荒れの原因になってしまいます。そのため、消毒用アルコールを使ってにおい対策をする際は、一時的に、すぐににおいを抑えたいという時に使うことをおすすめします。
市販のデオドラント剤を使う
市販のデオドラントには、スプレータイプやクリーム・ジェルタイプ、スティックタイプやシートタイプなど様々な種類があります。まず、一般的なスプレータイプはワキガの方には向かない製品であると言えます。
その理由として、「消臭効果だけでなく、香り付きのものが多いから」です。香り付きのものを使ってしまうと、ワキガのにおいと混ざってしまいにおいが強くなる可能性があるのです。実際に、スプレータイプを使用してにおいが強くなったという声も多いのです。
制汗作用もあり、消臭対策にはなりますが長時間の持ちは期待できません。もし、スプレータイプのデオドラントを使う場合は、無香料のものを選び、短時間利用として使いましょう。スティックタイプのものは、薬剤を直接肌に塗るためスプレータイプのものよりも高い消臭力が期待できます。
軽度のワキガの方にはおすすめできる製品です。手を汚さずに薬剤を塗ることができるスティックタイプですが、肌に直接塗るため、スティック部分の衛生面の問題が指摘されています。また、クリームタイプのものは直接指で塗りこむため、スプレータイプやスティックタイプのものよりも気になる部分にしっかりと塗ることができます。
そのため、市販のデオドラント剤の中でも最も効果が高いと言えます。汗をかいても落ちにくいため、何度も塗りなおす必要もありません。しかし、クリームタイプのものは伸びが良いのですが、汗をかくとベタついてしまい洋服に付いてしまうこともあります。
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デオドラントでワキガ対策。1日中安心できるおすすめ制汗剤は?
ワキガの臭いを消すワキガ専用クリーム
CLEANEO クリアネオクリーム 30g
ワキガの匂いを消す作用がある商品でおおすすめなのは「CLEANEO クリアネオクリーム 30g」です。こちらの商品は、パラフェノールスルホン酸亜鉛とイソプロピルメチルフェノールという、制汗成分と殺菌成分の両方が含まれており、ダブルの力で効果的にワキガのにおいを予防できます。
殺菌検査も実施済みで、永久保証制度あり。約99%の殺菌力が認められています。抑臭試験も行っており、約30分間で効果を発揮します。
NOANDE ノアンデ・アドバンスド トランスパ 30g
ワキガのにおいを根本から抑え、快適な肌をキープしてくれるのがNOANDE ノアンデ・アドバンスド トランスパ です。328種に上る試作品を経て完成した商品で、フェノールスルホン酸亜鉛という収れん効果や殺菌効果、消臭効果がある成分が含まれています。
DeoLab 薬用デオラボクリーム 40ml
薬用デオラボクリームは、ミョウバンを配合した「ミョウバンクリーム」のことです。ワキガ専用の医薬部外品として厚生労働省に認可されたクリームです。サリチル酸ナトリウムという成分が、細菌の繁殖を抑えて殺菌。清潔な肌を長時間保ってくれて、ワキガに悩む方には嬉しい製品です。全額返金保障もついています。
Draromarance ドクターアロマランス? 35g
医療関係者が集まり開発された、ワキガ専用のクリームです。ワキガに有効なクリームとして厚生労働省にも認可されている製品です。
フェノールスルホン酸亜鉛配合という制汗剤の中でも効果が高いと言われる成分が配合されています。細菌の繁殖を抑え、殺菌する効能も認められているんですよ。パッチテストを行い、アレルギー反応が出ないか確認した後、汗やにおいが気になる所に塗ってください。
withCOSME ラポマイン 24g
肌のメカニズムにとことん着目し、「肌を乾燥させないワキガケア」という製品を完成させました。肌の保湿をすることでわきがのにおいの原因である余分な汗や皮脂を抑えることに着目した製品です。ジェルクリームなので伸びが良く、パンシルの消臭効果をプラスしているので、においを防いでさらさらの触り心地の良い手触りにしてくれます。
また、イソプロピルメチルフェノール配合という成分も配合しています。これは殺菌効果を望める成分で、このイソプロピルメチルフェノールが配合されているおかげで、高い殺菌・消臭効果を期待できるのです。
ワキガの臭いを抑える助けになる栄養素
皮脂の代謝を促進するビタミンA
ワキガは食生活で体内から改善できると言われています。ワキガを完全に治すことはできませんが、におい対策にはとても有効なのです。健康な人間の血液が通常、弱アルカリ性です。ところが、活性酸素の働きが活発になると酸性に変わり、病気の原因になったり、老化が進むなどの悪影響が起こります。
ワキガのにおいも同じで、体が酸化してしまうとにおいが強くなってしまうのです。そこで必要なのが、抗酸化作用や活性酸素除去作用がある食品を身体の中に取り込むことです。その代表的な栄養素として「ビタミンA」が挙げられます。
ビタミンAが多く含まれる食品は、「レバー・うなぎ・シソ・ニンジン・モロヘイヤ」などです。この他にも緑黄色野菜や魚にも、ビタミンAは多く含まれています。ビタミンAには効率のいい摂取方法は、「油と一緒に摂取すること」。油と共に食べることで体内でビタミンAを吸収しやすきくなります。
抗酸化作用のあるビタミンC
ビタミンCが多く含まれている食品には、高い抗酸化作用が期待できます。また、ワキガのにおいの原因となる過酸化脂質の増加を抑える働きもあるため、におい予防には効果的な成分。ビタミンCが多く含まれている食品は、「パプリカ・レモン・柿・ゴーヤ・いちご・アセロラ・パセリ・ブロッコリー」などです。
特に果物には多く含まれているので、意識して食べるようにしましょう。ビタミンCは水溶性という性質のため、身体の中に長く留めておくことが出来ません。そのため、1日の内で1食だけをビタミンCたっぷりにするのではなく、1日3回ほどに小分けして摂取すると効率的にビタミンCを吸収することができるようになります。
また、ビタミンCは熱と酸化に弱いので調理の際には注意が必要です。あまり加熱せず、新鮮なうちに食べることが大切です。さらに、ビタミンCは食後に摂取するほうが体内での吸収率が上がります。果物は、食後のデザートとして食べるようにしましょう。
脂質を代謝するビタミンE
体内に不純物や老廃物コレステロールが溜まると、血液がどろどろの状態へと変化します。血液がこの状態になると、ワキガの原因となるアポクリン腺から分泌される汗の質も変化し、においがきつくなってしまいます。
ビタミンEは、このような血液をサラサラにする効果があり、高い抗酸化作用が期待できます。また、ビタミンEは脂質に溶けるという性質があり、細胞膜の不飽和脂肪酸の部分に入り込んで細胞膜を守る働きもあります。そのためビタミンEが不足してしまうと、循環器疾患や自律神経失調症など多くの病気に罹りやすくなってしまうのです。
ビタミンEが多く含まれる食品は「いくら・アーモンド・あんきも・ひまわりの種・落花生」などです。さらにビタミンEは、「ビタミンC」と一緒に摂取するとより抗酸化作用が働き、ワキガにも効果的に作用します。ビタミンEは熱に強い性質なので、油と相性が良い成分です。油を使って調理すると体内に吸収されやすくなるので、どんどん調理して摂取するようにしましょう。
体の酸化を防ぐポリフェノール
ポリフェノールは高い抗酸化作用が期待できる成分で、活性酸素の増加を防ぐ事が出来ます。また、ワキガのにおいの原因となる過酸化皮質の発生を抑えてくれる効果があります。さらに、抗酸化作用だけでなく抗菌作用もあるため、においそのものの軽減が期待できます。
ポリフェノールが多く含まれる食品は「赤ワイン・春菊・レンコン・大豆・コーヒー・お茶・ブルーベリー・ごま」などです。
サプリメントを上手く活用
ビタミンやポリフェノールを効果的に摂取すると、ワキガのにおいを軽減することができます。その大切な栄養素は、サプリメントでも補うことができます。
ワキガを治すことはできませんが、食物で摂取するのが大変な栄養素をサプリメントで手軽に摂取できるのは嬉しいですよね。ワキガに効果的なサプリメントを選ぶ際のポイントは2つあります。
それは、「抗酸化作用の高さ」と「女性ホルモンのバランスを整える」ものです。抗酸化作用の高いサプリメントは、軽度から重度のワキガのどんなワキガにも作用しにおいを抑える効果が望めます。女性ホルモンのバランスを整える効果のサプリメントを摂取したほうが良い理由としては、加齢によって女性ホルモンが低下することで、ワキガが悪化してしまう場合があります。
このような女性ホルモンが関係したワキガの場合には、ホルモンバランスを整えてくれるサプリメントが非常に効果的です。ビタミン類のサプリメントやワキガ専用の体臭サプリメントは、食生活のサポート役として使用しましょう。自身の食生活をしっかりと見直してから、サプリメントを選ぶようにしましょう。
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ワキガ対策サプリの効果とは。においの原因を取り除いて悩みを解消しよう
ワキガの病院での治療法
汗の分泌を抑制するボトックス注射
ワキガを根本から治す方法として、病院での治療はとても有効です。病院でワキガを治す方法の一つに、「ボトックス注射」があります。「ボトックス」とは、ボツリヌス菌から抽出されたたんぱく質の一種で、神経伝達物質の「アセチルコリン」の伝わりを弱める働きがあります。
このボトックスを体内に入れるのが「ボトックス注射」です。例えば、筋肉にボトックスを注入すると神経を通して送られる命令が弱められるため、筋肉の収縮が弱まり、筋肉がリラックスした状態になります。ボトックスは人体に無害なたんぱく質なので安全性が認められており、このボトックスを脇下に注射することで、汗腺の活動を抑制して汗の分泌を抑える効果も望めます。
ボトックス注射をすることで、汗の分泌が抑えられるためワキガのにおいの軽減にも繋がります。効果はずっと続くものではありませんが、一般的に1回の施術で約半年ほどの効果が望めます。しかし、効果の持続には個人差があるため、「絶対に半年間は汗の分泌が抑えられる」と断言はできません。
治療時間は短く、日常生活に支障や制限もほとんどありません。ボトックス注射は、切らないで治療したい方やにおいや汗の程度が比較的軽度の方に向いている治療です。
汗腺を刺激するレーザー治療
医療機関で行われるレーザー治療は、エステサロンで行われる脱毛の延長戦の施術ではなく、レーザーを利用して「アポクリン腺を破壊する」ために行う施術になります。レーザー治療の中でも「レーザーサクション法」というものがあります。
この治療は、脇を数センチ切開し、そこからレーザーを照射する器具を挿入してアポクリン腺を直接焼いて吸引する方法です。切開する傷が最小限で済み、痛みや腫れなどが少ない施術です。アポクリン腺を直接破壊するため、汗の分泌が極端に減り、ワキガのにおいを大幅に減らすことができます。
しかし、レーザー治療にはデメリットもあります。小さな傷から器具を挿入し、アポクリン腺を破壊していきますが、この方法ではすべてのアポクリン腺を破壊することはできないのです。アポクリン腺を完全に破壊することができないため、ワキガが再発する可能性が多くあります。
一時的ににおいの軽減が望めますが、長期的には再発してしまう方が多くいらっしゃいます。軽度のワキガの場合は、長期的に効果が持続することもありますが重度の場合は、確実に再発してしまうと言えます。レーザー治療の料金は、病院によって様々ですが安い所なら1回数千円で治療が受けられます。
しっかりと切開し、全てのアポクリン腺を丁寧に取り除く場合は、1回の治療で数万円という病院もあります。ご自身のワキガの状態と照らし合わせて、どの治療法が良いのかをじっくり考えましょう。
毛根を固める電気凝固法
電気凝固法とは、どちらかというと病院よりもエステサロンで多く使われている施術で、切開をしない切らない治療法の一つです。電気凝固法は細い電極針を毛根から数ミリ離れた皮膚に刺し、高周波電流を流してアポクリン腺やエクリン腺を熱凝固させることでワキガの症状を軽減するという治療法です。
ワキガの主な原因であるアポクリン腺は毛根に皮膚腺と一緒にあるため、これを電気で固めることによりワキガが軽減されると考えられています。もともと脱毛法として考案された施術であるため、脱毛効果も期待できる治療法です。
しかし、においの軽減にはなってもワキガの完治にはならないというデメリットがあります。電気凝固法はアポクリン腺を破壊し、根絶できるわけではないのでアポクリン腺の一部が残っていれば、そこからまた再生してしまい、ワキガが再発する可能性があります。
アポクリン腺を取り除く直視下手術法
直視下手術法とは、わきの下を3~5?ほど切開して、皮膚の裏側についている「アポクリン腺」を医師が目で確認しながら取り除く切除法です。1回の術で完全ににおいや多汗症を改善することができ、重度のワキガでも効果的な治療法です。
ワキガの原因のアポクリン腺は、素人でも見ればわかるほど大きいので、医師が取り残すということはまずありません。徹底的に取り除くことが可能です。アポクリン腺を完全に切除することができれば、ワキガの完治が望めます。
ワキガだけでなく、同時に多汗症や脱毛にも効果があり、再発の可能性も低いです。副作用もほとんどないため、安心して治療を受けることができます。しかし、この切除法にも少なからずデメリットが存在します。
まず、最大で5?ほど切開するため、傷跡が残ってしまいます。また、麻酔が切れると痛みが出てくるためケアが必要になります。術後は3日~4日ほどは患部を固定しなければならず、生活に多少の支障が出てしまいます。さらに、レーザー治療などとは違い完全にアポクリン腺を摘出する切除法のため、費用がかかってしまいます。自由診療のため、安くても1回の施術で約8万円ほどかかります。
専用の機械を使う非直視下手術法
非直視下手術法とは、術後の傷跡を考慮して考えられた治療法です。非直視下手術法の中でも特徴的なのが2種類あります。まず、「超音波吸引法」をご紹介します。超音波の熱でアポクリン腺を破壊し、吸引するのが超音波吸引法です。
皮下組織吸引法というアポクリン腺などをかき出す方法よりも効果はありますが、こちらもアポクリン腺を完全に取り除くことは難しいため再発のリスクがあります。また、きちんとした病院・医師の元で治療を受けないと、火傷や皮膚壊死といった合併症のリスクがあります。
超音波吸引法を受ける場合には、しっかりと病院を調べてから受診するようにしましょう。費用は18万~30万円ほどかかります。2つ目の非直視下手術法は「皮下組織削除法」という治療法です。
これは、カミソリのような刃と皮膚を押さえるローラーがついた専用器具を使って使うのが特徴の治療法です。わきの下を1cmほど切開し、皮膚の表面をローラーで転がしながらカミソリ部分で皮下組織ごと削り、アポクリン腺やエクリン腺を除去していきます。
傷口が小さく済むうえに、高い効果を期待できます。一回の治療で、約20万~40万円ほどかかります。しかし、患部が回復するまでが約1週間ほど固定する必要があり、完治するまでに時間がかかります。また、この施術には医師の高い技術を必要とします。医師の腕が不確かなものだと、皮膚に穴が開いてしまったり、壊死したりする危険性もあります。
ワキガの臭いを抑えるための生活習慣
お酒やタバコをやめる
お酒は「におい成分の塊」もの言われるほど、体内に入れれば体臭が強くなります。また、体内のお酒が代謝される際も、強い臭い成分を発生させます。これが、身体から排泄されるため、汗や口臭がきつくなるのです。
さらにお酒は汗腺を刺激する作用も持っています。摂取してすぐに体温を上昇させ、発汗量を増やす作用があるためワキガの方はお酒は避けた方が良いでしょう。お酒によって感染が刺激され出た汗の中には、アポクリン腺から分泌された汗も含まれています。
そのためワキガの方がアルコールを摂取すると急激ににおいが強くなってしまいます。出来るだけお酒は飲まないようにし、飲む際にはにおい対策をすることをおすすめします。さらに「タバコ」もワキガのにおいを強くさせる原因になります。
タバコに含まれているニコチンは、中枢神経を刺激し、そこに存在する「体温調節機能」も刺激します。そうすると、本来は必要がないはずの汗が分泌されるようになるのです。必要がないはずの汗が分泌されると、体温が下がり始めます。すると代謝が悪くなり、汗の質が通常のものとは違い悪くなっていくのです。
この質の悪い汗には、におい物質が沢山含まれているためワキガのにおいを強くしてしまいます。また、タバコを吸うと汗腺が刺激されるという報告も出ています。汗腺が刺激されるということは汗の量も増え、質の悪い汗がどんどん出てきてしまいます。ワキガの方はタバコは吸わない方がいいため、吸っている方は禁煙を心掛けることをおすすめします。
動物性の脂質を含む食べ物を控える
肉や魚などの動物性たんぱく質を多く含んでいる食品は、「脂質」が多く含まれています。肉類などの脂質を多く摂取すると、アポクリン腺の脂質量も揚がるため、においの原因となりる細菌の繁殖を促してしまうのです。
細菌の繁殖が促されれば、汗をかいた時のにおいはさらにきつくなってしまいます。また、肉や魚だけでなくジャンクフードや乳製品などの動物性脂肪の多い食品もできるだけ避けた方が良いでしょう。皮脂腺やアポクリン腺を刺激し、ワキガ特有のにおいが強くなってしまいます。
運動や入浴で汗をかく
運動をすると汗を沢山かくからよくないのでは…と考える方は多くいらっしゃいます。しかし、運動はワキガ軽減のためには欠かせないものです。0どんどん運動をして汗を流しましょう。運動不足に陥っている人は、普段から汗をかきにくくなっています。
すると、新陳代謝が低下し老廃物や不純物が排出されにくい身体になってしまい、結果体内に溜め込む状態になります。こういった身体で汗をかくと、老廃物が沢山含まれた汗になり、ワキガのにおいを強くしてしまいます。
そこで、運動をして代謝を上げることで汗をかくと、汗腺の機能がどんどん刺激されて老廃物を体内に溜めない身体が作られます。すると汗の質が改善してさらっとした汗になり、ワキガのにおいが軽減されていくのです。
ワキガで悩む方は「入浴」も大切なポイント
シャワーで済ますのではなく、湯船にきちんと浸かることが大切です。シャワーだけで済ますと、きちんと汚れを落とすことができていません。湯船につかることで汗腺に詰まった油脂や古い角質を落とすことができるのです。
また、湯船につかったり、半身浴をして汗を沢山かくようにしましょう。お湯につかって汗をかくことでデトックス効果が期待でき、普段かかない汗を沢山かくことで、不純物や老廃物を体外に排出することができます。
睡眠をしっかりとる
睡眠とワキガにも深い関係性があります。睡眠不足はホルモンバランスを乱し、自律神経の乱れを引き起こします。そして交感神経の過度な緊張を引き起こすのです。
「交感神経」が緊張すると。発汗が促され、質の悪い汗が分泌されます。その結果、ワキガの体臭や汗は強まってしまうのです。交感神経が緊張状態にあると、汗をかく必要のない場面で汗をかいてしまいます。そのため身体を十分に休めて、交感神経が優位の状態にもっていき、身体や精神的な緊張度を下げましょう。
好きなことをしてストレスを解消する
ストレスはワキガ体質の方には大敵です!ストレスが慢性的に続くと、自律神経が乱れストレスに対する体制がどんどん弱くなっていきます。そして些細なことでもストレスと感じ取り、交感神経が働き発汗作用が促されてしまいます。
緊張や興奮状態になり易く、すぐに汗をかく体質に変化していってしまうのです。ストレスが原因で分泌された汗は質が悪いため、においの原因となります。軽度のワキガであったはずなのに、ストレスから重度のワキガになってしまうこともあるのでストレスは本当に怖いものなのです。
そこで、ストレスを溜めないように、適度に発散するようにしましょう。お休みの日を好きなことをしてゆっくり過ごしたり、天気の良い日のお出掛けしたりなど、自分の好きなことをして過ごす時間がとても大切です。
自分に合った方法でワキガの臭いを解消しよう
ワキガにも軽度のものから重度のものまで、人によって様々な違いがあります。そのため治療法や対処法も個人によって大きく違ってくるので、自分の体質をしっかりと見極めたうえで、自分に合ったものを選択しましょう。