目次
なぜ生理前に吹き出物ができやすいのか
ホルモンバランスの乱れ
生理前は、ホルモンのバランスが乱れやすい時期です。とくにあごやフェイスラインは、ホルモンバランスの影響を受けやすい部分。
「生理前になるとあごやフェイスラインに吹き出物ができる」という方は、ホルモンバランスの乱れが関係していると言えるでしょう。
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黄体ホルモンの増加
女性ホルモンは「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」の2つがあります。生理前には子宮の状態を整える「黄体ホルモン」が多く分泌され、黄体ホルモンのはたらきによって皮脂分泌が盛んになり、生理前は一時的に吹き出物ができやすくなるのです。
男性ホルモンの増加
生理前は精神的にも体調面でも不安定になりやすく、ストレスを強く感じることで男性ホルモンの分泌が促されます。男性ホルモンもまた皮脂分泌を活発にし、肌の角質を厚くして毛穴を詰まりやすくします。過剰な皮脂と詰まりやすい毛穴によってさらに吹き出物ができやすくなるのです。
生理前に吹き出物ができやすい場所
あごや口周り
生理前の吹き出物は、主に皮膚の薄い部分に出やすいと言われています。ホルモンの影響により一時的に皮脂の量が増加し、皮膚が薄い部分では毛穴が詰まりやすく、吹き出物になりやすいのです。
あご・口周りは皮膚が薄く、毛穴が詰まりやすいため、生理前に吹き出物ができやすい部分です。また口周りは暴飲暴食が原因の吹き出物ができやすく、生理前の食欲増進によって甘いもの・肉・お菓子類など偏ったものをたくさん食べてしまうことも吹き出物の原因になります。
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フェイスライン沿い
フェイスラインは男性の場合、ヒゲが生えている部分。男性ホルモンが強く影響を与えている部分であるため、男性ホルモンの増加によって皮脂分泌が活性化されると、フェイスラインに吹き出物ができやすくなるのです。
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おでこやこめかみ
おでこやこめかみは皮膚が薄い上に、髪の毛の付着によって汚れやすく、刺激も受けやすい部分です。そのためホルモンの影響で皮脂分泌が過剰になると吹き出物が発生し、悪化しやすいのも特徴です。
また、こめかみにできる吹き出物はストレスが主な原因と言われています。生理前は普段よりも強いストレスを感じやすくなり、こめかみの吹き出物を誘発しているとも考えられます。
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生理前の吹き出物をスキンケアで予防するには
必要以上に化粧品を塗らない
化粧品の厚塗りは、吹き出物を悪化させます。吹き出物が出た肌は、つい隠したくてファンデーションやコンシーラーを厚く塗ってしまいますが、厚塗りはNGです。
油分の多いリキッドファンデーションは毛穴をふさぎ、吹き出物を悪化させます。また、界面活性剤・防腐剤・香料などが刺激になる場合も考えられます。
可能であればメイクはしないのが最善策ですが、常にすっぴんというのは、女性にとっては難しいことですよね。
メイクは極力軽めに、せっけんで落ちる程度のナチュラルメイクにおさえるなどの工夫ができれば、より吹き出物の治りを早めることが可能です。
オイルクレンジングは注意して使う
吹き出物肌にオイルクレンジングを使用する際は、注意が必要です。オイルクレンジングはクリームタイプやジェルタイプに比べて洗浄力が高く、肌に負担がかかりやすいのが特徴です。
クリームやジェルのようにクッション性や弾力がないため、メイクをこする際の摩擦がそのまま肌の負担になります。また、メイクを素早く落とすために含まれている「石油系界面活性剤」は肌への刺激が強く、肌に必要な皮脂まで落とすため、乾燥や肌荒れの原因にもなりやすい成分です。
クレンジング時間を極力短く
肌への負担が大きいオイルクレンジングは、極力短時間で終わらせましょう。こすり続ける摩擦が肌にダメージを与えることと、刺激となる成分を長時間肌の上に乗せ続ける状態を避けるためです。
理想のタイムは1分間。オイルクレンジング後はダブル洗顔が必要なので、この時点ではオイルが必要なハードメイクさえ落とせていればOKです。
洗い流しのコツ「乳化」
オイルクレンジングはすすぎが重要です。メイクや汚れを溶かし出したオイルの油分が肌に残ると、肌荒れや吹き出物悪化の原因になります。上手に洗い流すコツが「乳化」です。
クレンジングが終わった状態で、少しずつぬるま湯を顔になじませると、お湯とオイルが混ざり合って白っぽくなり「乳化」します。水分が油分を包んで浮き上がらせ、より効率的に洗い流すことができるのです。
マイルドな洗顔料をしっかりと泡立てて使用
吹き出物肌の洗顔の基本
吹き出物肌の洗顔は「やさしく」が基本です。「清潔にしなくては」とゴシゴシこする・洗浄力の強すぎる洗顔料を使用するなどは、実はNG。
肌がダメージを受けて乾燥すると、肌を守るために皮脂が過剰に分泌され、オイリー肌の原因になります。
それを越して乾燥すると、水分も油分もないカサカサの敏感肌に。弱った毛穴は少量の皮脂でも毛穴詰まりを起こし、乾燥ニキビになります。
やさしい洗顔
肌を健康な状態に整え、皮脂バランスを正常に戻してこそ、吹き出物ができにくい肌になります。刺激の少ないマイルドな洗顔料を使用し、たっぷりの泡で洗いましょう。
泡立てネットを使ってしっかり泡立て、泡のクッションで洗うようにすると、肌への摩擦を少なくすることができます。
さらに毛穴がしっかり開いていれば、泡を乗せるだけでも汚れが落ちてより効率的です。洗顔は入浴時、体が温まった状態で行うか、蒸しタオルで毛穴を開いてから行うのがおすすめです。
30℃程度のぬるま湯で優しく洗い流す
洗顔に使用するお湯の温度にも注意しましょう。40℃以上の熱いお湯は、肌に必要な皮脂まで洗い流してしまい、乾燥を招きます。
お湯の温度は高くても35℃~36℃。吹き出物肌や敏感肌など、デリケートな状態の場合には30℃程度の低い温度に設定しましょう。
しっかりと保湿する
肌の乾燥は皮脂の過剰分泌を招きます。新たな吹き出物の原因になり、バリア機能を損なうことで、今ある吹き出物の悪化にもつながります。保湿はしっかりと行いましょう。
保湿剤の選び方…「ニキビ用」には注意
「ニキビ用」と記載された商品には、強い殺菌力を売りにした刺激の強いものもあるため注意が必要です。肌にやさしく吹き出物に効果的な成分を含んだものを選ぶのがポイントです。
吹き出物に効果的な配合成分
ビタミンC誘導体は皮脂の分泌をおさえ、グリルリチン酸は吹き出物の炎症をおさえるはたらきがあります。
油分はアクネ菌を繁殖させやすいため、ノンオイルがベター。アルコールは肌の乾燥を招くので、アルコールフリーが望ましいです。
中にはニキビができやすい成分を使用していない「ノンコメドジェニック製品」と表記されている化粧品もあります。目的に合わせてしっかり成分を確認し、効果を期待できるものを選びましょう。
ファンデーションのパフをこまめに洗う
使いっぱなしのファンデーションのパフは、雑菌の温床です。一度塗ったら日中ずっとつけたままのファンデーション。パフを洗わずに使用しているとしたら、大量に繁殖した雑菌をファンデーションと一緒に肌に乗せて、日中ずっと過ごしていることになります。
肌の上で雑菌が繁殖するのは吹き出物や肌荒れのもとです。肌につけるものは清潔を心掛け、パフやスポンジはこまめに洗うようにしましょう。
タオルや枕カバーを清潔にする
タオルや寝具も吹き出物に影響しています。洗面所にかけっぱなしのタオルで顔を拭くのは避けましょう。タオルに残った水分や、手を拭いた際の雑菌が付着して、清潔とは言えません。顔を拭く際は必ず洗濯後の清潔なタオルを使用しましょう。
意外に見落としている寝具ですが、頻繁に洗濯できない寝具には、ダニや雑菌が大量に繁殖しています。直接顔に当たる枕カバーはこまめに清潔なものに取り換えて、布団の中にもぐり込んで寝るのも避けた方が良いでしょう。
髪の毛が顔にかからないようにする
実は髪の毛はとても汚れています。吹き出物ができると他人に見られたくないため、つい髪の毛で隠してしまいますが、髪の毛には空気中の汚れや雑菌が大量に付着していて非常に不潔。
汚れた髪の毛がニキビを覆うことで雑菌が侵入して炎症。さらに毛先のチクチクとした刺激も、吹き出物には悪影響です。また、吹き出物に後ろめたさを感じる気持ちも、ストレスになって治りを遅らせます。
吹き出物を早く治したいと思ったら、思い切って髪を結んで解放しましょう。通気性が良くなると雑菌も繁殖しにくくなり、悪化を予防できます。
生理前の吹き出物を生活習慣で予防するには
良質な睡眠
吹き出物の予防には良質な睡眠が欠かせません。肌の修復は眠っている間にしか行われず、とくに脳が休まる深い眠りの「ノンレム睡眠」が重要です。
眠りの浅い「レム睡眠」時には、脳は絶えず働いており、体だけが休んでいる状態です。しかし深い眠りの「ノンレム睡眠」時には、脳も多くの機能を停止させて休んでいるため、全身の機能の回復が行われるのです。
とくに入眠から3時間の間には、肌や筋肉の再生を促す成長ホルモンの分泌が活発に。このゴールデンタイムにホルモンをコントロールしている「脳」を十分に休め、成長ホルモンの分泌を促すと、肌の再生力を高めて吹き出物の予防につながります。
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安眠のツボ押しと不眠解消の生活習慣を身に付けてスッキリ目覚めよう
私は、毎月生理前には肌荒れがひどく、それに加えてとても体がだるくなり眠たくなってしまいます。
ある日生理予定日の2日前ほどから腹痛がひどく、生理前の眠気を利用して早寝を試して見ました。ゴールデンタイムと言われる時間にしっかり睡眠を取りました。
後ほど気づいたのが、その2日前から早寝をした際の生理期間は肌荒れがなく、逆に肌の調子が良かった気がしました。それから私は生理前に睡眠を取るようにしています。
是非、生理前の吹き出物を気にしている方はこの方法を試して見てください。 生理前にできる吹き出物。生活習慣とスキンケアで予防する方法とは?さんを0人が応援しています! SNSでシェアすることで、モデルの表示順位がアップします。
肌や粘膜を健康に保つビタミンA郡を摂る
鶏レバー・豚レバー・にんじん・ほうれん草・小松菜・カボチャなどに含まれるビタミンAは、肌や粘膜を丈夫にして、うるおいを保ちます。
お肌以外にも鼻・のど・胃の粘膜を丈夫にするため、抵抗力もアップ。胃が傷ついて発生する吹き出物の予防にもつながります。
皮脂の分泌を抑えるビタミンB群を摂る
ビタミンB群には皮脂分泌を抑えるはたらきがあります。レバー・うなぎ・鶏肉・卵・納豆などに多く含まれるビタミンB2は脂質の代謝をサポートし、皮脂分泌をコントロール。
また、マグロ・カツオ・レバー・鶏ささみ・鮭などに多く含まれるビタミンB6には、オイリー肌や肌荒れを予防するはたらきがあり、ビタミンB2とB6は一緒に摂取するのが良いと言われています。
コラーゲンの合成に必要なビタミンCを摂る
美肌に良いと言われているビタミンC。体内でコラーゲンを合成する際に必要な栄養素で、ビタミンCが十分であればターンオーバーが正常に行われるため、毛穴詰まりを防いで吹き出物を予防します。
また、抗酸化作用をもつため活性酸素を除去することで吹き出物の炎症・悪化も予防。パプリカ・ピーマン・ブロッコリーなどの野菜と、キウイ・オレンジ・ゆず・レモンなど酸味のあるフルーツにも多く含まれています。
抗酸化作用があるビタミンEを摂る
強い抗酸化作用を持つビタミンEは、皮膚の若返りを助け、アンチエイジングでも注目されています。皮膚の酸化を防ぐため、毛穴の黒ずみの改善も可能。
たらこ・なたね油・アーモンド・アボカドなどに多く含まれ、同じく強い抗酸化作用を持つビタミンCと一緒に摂ると、相乗効果を得られます。
油分を控えた食事
油分の多い食事もNG。生理前はホルモンのはたらきで皮脂分泌が活発になるため、揚げ物・肉類・洋菓子など油分の多い食品を多く摂っていると、さらに多くの皮脂が分泌されます。
多すぎる皮脂は毛穴詰まりの原因。処理しきれずに溜まった皮脂にアクネ菌が繁殖し、吹き出物になります。生理前には油分の多い食事は控えるようにしましょう。
体を冷やす冷たい飲み物を避ける
体が冷えるとあごニキビができやすいと言われています。冷たい飲み物は胃腸の機能を弱らせ、全身の代謝が低下。代謝の低下は足もとを冷やして冷え性につながり、足もとの冷えは子宮を冷やします。
子宮が冷えることで女性ホルモンの働きに影響を与え、ホルモンバランスによる吹き出物につながるのです。
生理前に限らず、女性は日常的に暖かい飲み物を摂るのがおすすめです。常温でも構いませんが、自分の体温よりも高い温度の飲み物を摂ると体が温まり、吹き出物の予防はもちろん全身の機能アップにつながります。
刺激物を含む食べ物を避ける
胃腸が荒れると口周りにニキビができやすくなります。刺激の強い食べ物を摂取すると体は「危険」を感じ、少しでも早く消化・排出するために、胃酸を大量に分泌します。
多すぎる胃酸は胃腸の粘膜を傷つけ、消化吸収機能が低下。必要な栄養素が吸収できなくなり、便秘にもなりやすくなります。栄養の不足と腸内環境の悪化により吹き出物につながるのです。
お風呂で体を温める
ニキビに入浴はとても効果的です。体が温まって血行が促進されると、肌の新陳代謝が活発になる上に、毛穴が開いて汚れや老廃物が排出されやすくなります。
お湯の温度は40℃以下で、10分~20分ゆっくりとつかるのががおすすめです。ぬるめのお湯に長くつかることで、体が芯から温まり、リラックス効果もあります。
しっかり汗をかいて毛穴が開いた状態になってから洗顔を行うと、毛穴の汚れが効率よく取れ、吹き出物予防に効果的です。
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お風呂で有意義なリラックスタイム
軽い運動をする
ストレスは全身の機能を低下させ、ニキビの発生・悪化を招きます。軽い運動はストレス発散に効果的で、10分程度軽いウォーキングをするだけでも、頭がすっきりとしてリフレッシュできます。
また代謝がよくなり不要な老廃物を排出する点でも、吹き出物の予防に効果的と言えるでしょう。
漢方で吹き出物を予防するには
白ニキビには当帰芍薬散
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は、女性ホルモンのバランスが原因の吹き出物に効果的です。
とくに群生してなかなか治らない「白ニキビ」に効果があり、自律神経の乱れを緩和するはたらきがあるため、ストレスによる吹き出物に処方される場合が多くあります。
赤ニキビには清上防風湯
清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)は炎症を起こしている吹き出物に処方されます。熱や炎症をおさえる生薬や、気や血を巡らせる生薬などが配合されており、こもった熱を冷まして膿や腫れを鎮静。
また食事療法も同時に行われる場合が多く、炎症がある場合に香辛料や油物などは「熱」を生む食べ物のため、避けた方が良いとされます。逆にきゅうり・トマト・レタスなどの夏野菜は、体の熱を取るため、炎症時にはおすすめです。
ホルモンのバランスを整え生理前の吹き出物を予防しましょう
ホルモンバランスの乱れが原因で発生する生理前の吹き出物。生理周期によって強制的にホルモンが変動するため、手の打ちようがないようにも感じてしまいますよね。
しかし乱れた生活が悪循環を生むように、生活スタイルを見直し、ホルモンバランスを整える生活を少しずつ取り入れていけば、改善も可能です。
ホルモンバランスが安定すれば、吹き出物だけでなく生理痛や生理前の不快症状の改善も期待できます。吹き出物にも不快症状にも悩まされず、生理が毎月のハッピーデーになるように、できることから始めてみましょう。