目次
肌荒れ用お薬の種類
手軽に使用できる市販薬
ドラッグストアや薬局で手軽に購入できる市販薬。主に塗り薬が販売されており、皮膚科で処方される薬よりも副作用が少なく、使いやすいものが多いです。デメリットとしては、処方される薬よりも効果が弱かったり、対応できる症状が少なかったりすることが挙げられます。
しかし、近年では薬剤師などからアドバイスをもらいながら、皮膚科で処方される薬と同じ成分が配合されている薬を選ぶことができるので、セルフケアが手軽にできます。市販薬を使用して、基本的に3日~1週間程度で治らない場合には、皮膚科に相談するようにしましょう。
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肌荒れに効く薬を知りたい。効果的な薬でしっかり治して繰り返さない
皮膚症状を診て専門医が出す処方箋
皮膚科では、皮膚の症状を診断し、一人ひとりに合った薬を処方します。肌荒れやニキビだけでなく、金属などによるかぶれやアレルギー症状、細菌による感染症など幅広い症状に対応できるとともに、市販薬よりも有効成分が多く含まれているため、効果的な治療が可能です。
また、症状を診断する際、皮膚が異常を起こしている原因が分かることで、再発のリスクが低くなります。処方された薬の副作用や効果などを理解した上で、医師の指示に従って用法・容量を守って治療していきましょう。
肌荒れ用処方箋の種類
皮膚炎に効果的なステロイド剤
アレルギー反応や炎症を抑制する効果や、虫刺されやかぶれなどの皮膚炎を改善する効果が期待できる抗炎症薬のステロイド剤。ステロイド剤は多くの皮膚科で処方される薬で、5段階の強さのランクの中から部位や症状によって医師が適切に処方してくれます。
ステロイドは主にアレルギー症状を緩和する効果に優れている一方、皮膚の増殖を抑制したり、皮膚表面の免疫力を低下させたりする作用があり、症状が悪化してしまうなどの副作用が出ることもあります。
殺菌に効果的な内服薬と外用薬のある抗生剤
ニキビの原因となるアクネ菌などを殺菌・抗菌する効果が高い抗生剤。抗生剤には、飲み薬である内服薬と塗り薬である外用薬の2種類があります。多くの場合は患部に直接働きかける塗り薬を使用するケースが多いですが、ひどい炎症により患部に塗り薬が塗布できない時には飲み薬を併用することもあります。
抗生剤は、細菌による感染症が考えられる場合や炎症のあるニキビなどを改善するために処方されることが多いです。しかし、長期的な使用は、肌に必要な良い菌まで殺菌してしまって肌の調子が悪くなる恐れがあります。また、抗生剤が効かない耐性菌ができるケースもあるので、長期使用は控えましょう。
湿疹やかゆみに効果的な内服薬の抗アレルギー薬
アレルギーの初期反応を起こした細胞からアレルギー物質が放出されるのを防止することで、湿疹やかゆみの改善効果が期待できる抗アレルギー薬。ステロイド剤は、幅広いアレルギー症状に効果がありますが、抗アレルギー薬はアレルギーに関係した湿疹などの一部の症状を抑制してくれます。
抗アレルギー薬は体の中に服用する内服薬タイプで、副作用として胃に不快感が出ることがあります。副作用を感じる場合には、使用を中止して医師に相談するようにしましょう。
日本では比較的新しいニキビ治療薬のレチノイド製剤
世界的に広く利用されており、日本では2008年に販売が始められた比較的新しいニキビ治療薬のレチノイド製剤(ディフェリンゲル)。とろみのある柔らかいテクスチャータイプの薬で、皮脂を抑える効果や古い角質を取り除くピーリング効果などが期待できます。
これらの効果から、初期のニキビや軽度の炎症のニキビには効果がありますが、炎症がひどい場合や膿がある場合には効果が薄く、時には強い刺激や乾燥症状を感じることもあります。肌の状態や肌質に応じて、スキンケアの方法を見直し、医師の指示に従って適切に使用しましょう。
近年日本で認可されたニキビ用外用薬の過酸化ベンゾイル製剤
以前から海外で広く利用されていたニキビ治療薬で、日本国内では近年使用が始まったニキビ外用薬の過酸化ベンゾイル製剤。種類には、ベピオゲルやデュアック配合ゲルがあります。
過酸化ベンゾイル製剤には、ピーリング作用や殺菌・抗菌作用があり、毛穴詰まりを改善して肌荒れをケアしてくれます。しかし、長期的な使用などにより赤みや乾燥などの症状が出ることもあります。
お肌の新陳代謝を正常化する硫黄製剤
肌に整えてくれる硫黄製剤。即効性は期待できませんが、副作用が出にくいため市販薬としても販売されています。
しかし、硫黄製剤には皮脂の分泌を抑制して肌の表面を乾燥させてしまう作用もあるため、肌を守るバリア機能が低下して症状が悪化してしまうこともあります。一方で、皮脂の分泌が多い思春期ニキビには効果的です。
皮膚の脂質代謝を改善するビタミン剤内服
肌荒れやニキビなどの肌トラブルが起きやすい原因として、ビタミンの不足が挙げられます。皮膚科では、皮脂の脂質代謝を改善したり、肌を早く修復したりするためにビタミンB2やB6、ビタミンCなどのビタミン剤が処方されることがあります。
ビタミンB2には脂質の分解をサポートする効果、ビタミンB6には肌の新陳代謝を正常にする効果、ビタミンCには炎症による色素沈着を防止する効果などがそれぞれあり、肌荒れやニキビケアなどの肌トラブルに有効に働きます。
体質に合わせて補助的治療薬の漢方製剤
体質や症状に合わせて、患部に塗布する塗り薬とともに補助的な治療薬として漢方製剤が使われることがあります。漢方の種類は、炎症を緩和するものや血液の流れを改善するもの、保湿効果のあるものなどさまざまで、体の中から肌荒れやニキビなどの肌トラブルを改善してくれます。
漢方だけで症状が改善する可能性は低いので、漢方はあくまで補助的なものとして考えて、医師に相談しながら治療の方向性を決めましょう。
ドラッグストアで市販薬を選ぶ時のポイント
配合成分をチェック
ドラッグストアでは、肌荒れケアに効く市販薬が数多く販売されていますが、選ぶ際には配合成分をしっかり確認することから始めましょう。配合成分が肌タイプや症状に合っていない場合、刺激が強すぎてかゆみや赤みなどを感じることがあります。
例えば、乾燥肌の場合は、角質を柔らかくする作用や保湿効果が高い尿素や、肌表面に油分の膜を作り肌の保水量をキープするワセリンなどの成分が含まれた市販薬がおすすめです。このように、自分の肌タイプや肌タイプに適した有効成分を知ることで、自分に合った薬を選びやすくなります。
自分のお肌状況を知る
市販薬を選ぶ際には、自分の肌タイプを知る必要があります。肌タイプには、刺激に弱い敏感肌、肌の水分量や油分量が少ない乾燥肌、油分量が多い脂性肌などがあります。もし、自分の肌タイプに合わない薬を使ってしまうと、症状が悪化することもあります。
例えば、脂性肌の人が油分量の多い塗り薬を塗ってしまうと、炎症がひどくなり治りが遅くなることがあります。自分がどの肌タイプに当てはまるのかをまずは理解し、配合成分や成分の量などを確認して、使用するようにしましょう。
効果効能の覧にニキビ、吹き出物と表記があるもの
肌荒れの薬を選ぶ際には、薬の効果効能の欄にニキビや吹き出物と表記があるものを選ぶのがおすすめです。ニキビに効果があるということは消炎効果や殺菌効果などが高いということを指します。また、吹き出物は発疹や化膿を伴った炎症などのさまざまな皮膚炎のことなので、肌荒れなどの肌トラブル全般に効果があるということを意味します。
市販薬を選ぶ際には、効果効能の欄もきちんと確認し、肌タイプや症状に合った効果的な薬を選ぶようにしましょう。
肌荒れやニキビにおすすめの市販薬
アトピスマイル
どんな肌にも使える低刺激な肌荒れ薬用クリームのアトピスマイルのクリーム。セラミドの生成をサポートして保湿力を高めるライスパワーエキスNo.11が配合されており、肌の潤いやバリア機能を高めてくれます。
また、べたつきがなく肌に有効成分がなじむことで、敏感肌やトラブルを抱えている肌を健康的な肌へと整えてくれます。無着色・無香料で低刺激なので、肌が弱い人でも安心して使えます。
アポスティークリーム
アクネ菌による炎症を防ぎ、肌を美しい状態へと導くアポスティーのアポスティークリーム。抗炎症効果や殺菌効果、肌の代謝を改善する効果の高いイソプロピルメチルフェノールなどの有効成分が配合されており、ニキビや吹き出物などの肌トラブルを効果的にケアします。
また、保湿成分としてヒアルロン酸やコンドロイチンなどが配合されていることで、しっとりとした使い心地です。弱酸性で無香料・無着色・エタノールフリーで、肌への刺激が低く患部に優しく働きかけます。
オロナイン
昔から万能薬として親しまれているオロナインH軟膏。あかぎれや切り傷、ニキビ、やけどなどのさまざまな肌トラブルのケアに使えます。殺菌・消炎作用のある成分が配合され菌の増殖や炎症を防止することができるため、特に炎症を起こしている赤ニキビのケアにおすすめです。
また、オロナインにはワセリンなどの油分が多く含まれているため、乾燥肌の保湿にも効果的です。
アンナザルべ・エース
角質を柔らかくして患部を殺菌するイオウなどの有効成分が配合されたエスエス製薬のアンナザルべ・エース。有効成分の皮脂排出・吸収効果や殺菌効果、抗炎症効果などによりニキビや肌荒れなどのケアに効果的で、健康的な肌に導きます。
伸びが良くべたつかない使用感や、患部にすぐになじんで塗った後も目立ちにくい点などから、高い人気のあるアイテムです。
HPクリーム
乾燥による皮膚の炎症を抑制しながら肌を優しく保湿してくれるHPクリーム。皮膚科で処方される薬と同じ成分が配合されており、肌荒れやニキビなどの肌トラブルのケアに最適です。
保湿効果・抗炎症作用・血行促進作用などのある有効成分が配合されていることで、炎症を緩和しながら肌の潤いをしっかりキープしてくれます。
チョコラBB
肌トラブルや疲れに効果的なビタミンB2やB6などが高単位に配合された飲み薬のチョコラBB。肌の修復や再生に必要な栄養素を取り入れることで、肌荒れやニキビ、口内炎などに有効に働きます。
1日2錠で必要な栄養素を摂取できて手軽ですし、体の中から肌トラブルケアや疲れケアができます。
困った時の「チョコラBB」女性なら1度は試された事があると思います。私もお世話になる1人です。何故チョコラBBは人気なのか、簡単にご説明します。出来てしまったニキビを改善するには、ビタミンB2などのビタミンB群も大切なんです。不規則な生活からニキビぐ出来てしまうのは、栄養素の不足が考えられます。
(※下記、エーザイさんのホームページに記載されている内容です。チョコラBBプラスは、活性型ビタミンB2を最大量※配合。細胞の生まれ変わるサイクルをサポートし、脂肪の過剰な分泌をコントロールする働きでしつこいにきびをカラダの中からケアする医薬品です。内側からきちんとケアしましょう。)基底層から効く為、肌のターンオーバー正常化が期待出来ます。食事だけでは補いきれないビタミンを、手軽に補給出来るのは有難いですよね。ビタミン剤は上手に服用する事で美肌の強い味方になってくれます。ただ、添付資料記載の服用期間が過ぎても、ニキビや肌荒れが治らない時には医療機関へ行きましょうね。 肌荒れを早く治したい。薬の種類や効果的な治し方などを知ろうさんを0人が応援しています! SNSでシェアすることで、モデルの表示順位がアップします。
皮膚科でニキビに処方されるお薬
ディフェリンゲル
半透明の柔らかなテクスチャータイプの塗り薬のディフェリンゲル。多くの皮膚科で処方されている薬で、ニキビの原因となる毛穴の詰まりを改善したり、皮脂の分泌を抑えたりする効果があります。特に、軽度なニキビや白ニキビなどの初期のニキビに効果的です。
ダラシンTゲル
抗生物質配合で殺菌・抗炎症作用に優れたダラシンTゲル。ニキビの原因となるアクネ菌を殺菌し、炎症を抑えられる効果が高く、赤ニキビの治療や予防に効果的と言われています。
しかし、長期的に使用すると耐性菌ができてしまうので、短期的に集中して肌トラブルをケアするように心がけましょう。
肌荒れにおすすめなサプリメント
ライフスタイルマルチビタミン
天然素材の12種類のビタミンと11種類のミネラルがバランスよく配合されたライフスタイルのマルチビタミン。体や肌に必要な栄養素をバランスよく摂取できるため、効果が出るのが早く、健康的で美しい肌へ導いてくれます。
人工甘味料や人口着色料、防腐剤などは一切使用されていないため、体に優しく効率的に栄養を取り入れることができます。
プラセンタサプリメント
抗炎症作用やホルモンバランス調整作用、組織を修復する作用など健康や美容に効果的なプラセンタサプリメント。体を作るために必要な栄養素がたっぷり配合されているため、肌荒れやニキビなどの治りを早くしてくれます。また、プラセンタに含まれているペプチドやヒアルロン酸などの美容成分で、潤いやハリのある肌に導いてくれます。
プラセンタが配合されたサプリメントは数多くありますが、殺菌されたプラセンタが使われているか、プラセンタの量が適正で体に負担を与えないかどうかなどを確認しながら選びましょう。
善玉元気
乳酸菌とポリフェノールがバランスよく配合されている微腸整サプリメントの善玉元気。体の内側から健康をサポートし、お腹や肌の調子を整えてくれます。また、アントシアニンやクエン酸などの若々しさを保つ美容成分もたっぷり配合されているので、肌荒れケアの他にもしわやたるみ改善といったアンチエイジングにも最適です。
肌荒れ用お薬の有効な使い方
お薬を清潔に使用する
肌荒れ用の薬は、洗顔後の綺麗な肌に使い、患部に触れる指も清潔にしておきましょう。洗顔後は、余分な皮脂や角質が取り除かれているので、薬の成分が浸透しやすく治りが早くなります。
また、薬本体は使った後にしっかりとキャップを閉めて保管し、細菌や雑菌が薬に付着するのを防ぎましょう。特に、キャップ部分とキャップの内側に薬が付着したままになっていると、汚れやチリなどが付きやすいので、気づいた時に拭き取るようにしてください。
塗り薬はメイクと重ねてはいけない
塗り薬とメイクを重ねてしまうと、薬の効果が薄まったり、皮膚の炎症がひどくなったりすることがあります。ファンデーションには、皮膚との密着を高めるために油分が多く使用されているため、患部に重ねて塗ってしまうとアクネ菌の餌になり、炎症がひどくなることがあります。
できるだけ塗り薬とメイクを重ねるのは避け、メイクアイテムも油分が少なく低刺激のものを選ぶようにしましょう。
完治するまで使用する
肌荒れやニキビが治りかけているのに、途中で薬を使うのを止めてしまう人は多いと思います。しかし、途中で止めてしまうと肌の修復や再生のスピードを落とす要因になってしまうので、できるだけ完治するまで使用するようにしましょう。
薬に指定されている期間までに完治せず、炎症がひどい場合には皮膚科に相談するようにしてください。
用法用量をきちんと守る
飲み薬の内服薬を使用する際、決められた容量を守らずに多く飲み過ぎると体に負担を与えてしまい、胃の不快感や腸の不調などの副作用が起こることがあります。症状を早く改善してくれる薬ほど副作用が起きる可能性が高くなるため、用法容量をきちんと守るようにしましょう。
ニキビや肌荒れの予防
お肌の潤いを維持する
ストレスなどにより肌のターンオーバーが乱れると、古い角質や余分な皮脂が毛穴に残りやすくなり、保湿成分が上手く角質に届かずに乾燥を招き、肌荒れやニキビなどが起きやすくなります。
ニキビや肌荒れを予防するには、洗顔で顔の汚れや皮脂などをしっかり落とし、化粧水や乳液、ボディクリームなどでしっかりと保湿することが大切です。また、肌のターンオーバーを乱れさせないために、食生活や生活習慣なども見直す必要があります。
体の中から予防する
血行改善や腸内環境の改善など、体の中から肌トラブルを予防したい場合には、漢方などの飲み薬やサプリメントがおすすめです。食生活を見直したり、適度な運動に気を付けたりしてもどうしても症状が緩和しないことがあります。そのような時に、肌や体に良い有効成分を効率的に摂取できる飲み薬やサプリメントは効果的と考えられます。
しかし、飲み薬やサプリメントはあくまで補助的なケアアイテムとして考え、日々バランスの良い食生活や適度な運動、十分な睡眠時間の確保などに気を付けて生活しましょう。
体内外からキレイになって肌荒れやニキビとおさらばしよう
肌荒れやニキビが起きている患部を塗り薬でケアすることも大事ですが、再発防止や予防のために飲み薬やサプリメントなどで体の内側からケアする必要もあります。
薬を選ぶ際には自分の肌タイプや配合成分などを確認した上で、自分に合った薬を選び、有効な使い方で肌トラブルをケアすることが大切です。
体内外から美しくなって肌荒れやニキビを改善・予防し、いつまでも健やかな素肌を保ちましょう。