目次
腰痛の主な原因
姿勢の崩れ
腰痛は一度痛みを感じるとなかなか治りが遅く、普段の生活に支障をきたす場合があります。腰痛の主な原因の一つが、姿勢の悪化によるものです。座り方や立ち方など、重力に対して重心がずれてしまうと腰の骨や筋肉に負担がかかり、腰痛を引き起こすことに。
腰痛の痛みは腰に過度な負担がかかったことによる筋肉痛やねんざが主な腰痛の原因です。猫背や腰に負担がかかる姿勢は腰痛を引き起こします。
運動不足による筋肉の硬直
私たちの体の筋肉は、運動などの体を動かすことで鍛えることができます。筋肉は使わないと衰えていくため、運動不足は筋力の低下や血行不良を引き起こすことに。筋肉が硬直することで血液の循環とリンパの流れが悪くなって老廃物が溜まりやすくなります。老廃物が溜まると脂肪が蓄積されやすく、体重の増加で腰にかかる負担がますます増えてしまう原因になるのです。
体重の増加による負担
腰には常に大きな負荷がかかっています。重い荷物を持ったり、座ったり、立ち上がったりすることも腰の筋肉を使っていることに。このような動きだけでも、体重の約2.5倍の負荷がかかるといわれていて体重が増加することで、腰にかかる負担も増えることになるのです。
体重が50kgの方は約125kgもの負担がかかっているため、体重が増えるとそれだけ腰に負担が大きくなり、腰痛を引き起こすことにつながります。
同じ行動や姿勢の繰り返し
普段座っているときの姿勢や、立ち仕事をしているときに同じ姿勢になることはありませんか?同じ動作を繰り返すと、いつも同じ筋肉を使うことになり、使われない筋肉が衰えて骨のゆがみにつながり、腰痛を引き起こすことに。筋肉が落ちてしまうと、体重が腰に全てかかってしまうため、腰の筋肉に疲労が蓄積されます。同じ行動を繰り返すことで、慢性的な腰痛や、急性腰痛の発生を引き起こすのです。
体内の冷えや内臓疾患
腰痛は腰以外が原因で痛みを発生する場合があります。体の冷えや内臓疾患、病気などによる痛みです。
胃腸などの消化器系疾患や、腎臓、膀胱などの泌尿器系疾患のほか、女性の場合は子宮内膜症や生理痛などが原因で腰痛が起こることがあります。
腰を使って運動しているわけでもなく、強いストレスがなくても痛みが発生した場合は、医療機関へ早めに受診することが大切です。
ストレッチポールの効果
腰痛の改善
腰痛に悩まされている方は、ストレッチポールを使うことで腰痛の改善が期待できます。特に運動不足の方や筋肉を普段から鍛えたい方は、ストレッチポールを使うと腰痛予防だけでなく、普段酷使して使っている腰回りの筋肉を緩め、骨盤や股関節などの状態を正常な位置へ戻す効果も。腰痛は筋肉痛などの筋肉の低下によって引き起こされる場合が多いため、体幹を鍛えることは腰痛の予防につながります。
姿勢の改善
ストレッチポールを使うと得られる大きなメリットは、姿勢の改善です。スマホやパソコンの日常的な使用やデスクワークの増加などによって、姿勢が悪くなって体が歪んでしまいがち。ストレッチポールを使うことで、体のゆがみを解消し、体が本来あるべき姿勢に戻す効果が期待できるのです。
姿勢が改善されると血液の循環がスムーズになり、脂肪が燃焼されやすい体質に変化して、ダイエット効果をアップさせることができます。
バランス力の向上
ストレッチポールに乗ると外側の筋肉が緩み、さらに細かい動きをすることで体のインナーマッスルとよばれる深層部の筋肉が刺激され、関節が正しい位置へ戻っていきます。関節が正しい位置に反ると、筋肉や関節を正しく使うことができ、バランス力の向上につながります。
老化とともに衰えてくる三半規管の機能の低下や、運動不足による体幹の不安定さから転びやすくなったり怪我をしやすくなることがありますが、ストレッチポールで体幹を鍛えることにより姿勢が改善し、バランス力の向上につながります。
骨盤のゆがみ改善
ストレッチポールの上に寝転がることで、骨盤のゆがみが解消し、硬くなった股関節周りの筋肉を緩めることができます。筋肉を緩めることで股関節が正しい位置に移動し、正常に機能するようになります。
骨盤の歪みを改善すると、上半身と下半身のバランスを上手にとることができ、腰痛の予防につながります。骨盤がゆがんでしまうと姿勢も悪くなってしまうため、ゆがみを改善することで全身の筋肉を効率よく使えるようになります。
柔軟性の向上
柔軟性とは、関節の動く範囲のことをいいます。関節の可動範囲が広ければ広いほど、体が柔らかくなり、関節の動く範囲が広がって動きやすくなることで、素早い動作やしなやかな動きが可能になるのです。運動能力をアップしたいときは柔軟性を向上させると、身体能力の向上につながります。ストレッチポールによって骨のゆがみを改善し体の柔軟性を向上させましょう。
筋肉の緊張によるコリの改善
筋肉は使わないと硬直し、凝り固まっていきます。運動不足などで代謝が悪くなると、毛細血管の数が減り、筋肉に血液が循環されにくくなります。運動して体温を上げることで代謝がアップし、筋肉が緩んでコリの改善につながります。
ストレッチポールは筋肉の深層筋とよばれるインナーマッスルを鍛える効果があるため、普段緊張している筋肉のコリの改善効果が期待できます。
疲れの予防
「ストレッチポールで疲れの予防?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、ストレッチポールを使うことで全身の筋肉がゆるめられ、ストレッチ効果で副交感神経が活発になってリラクゼーション効果がアップします。
体がリラックスすると胸が広がり、呼吸が深くなって酸素が体内にたくさん取り込められるようになります。全身の血流がよくなることで疲労回復につながり、体が疲れにくくなる効果が期待できるのです。
睡眠不足の解消
生活習慣の悪化やストレスなどにより、睡眠不足に悩まされている方も多いかもしれません。ストレッチポールを使うとリラックス効果が高まり、体幹を鍛えて血流がよくなるので良質な睡眠につながります。睡眠不足が解消すると成長ホルモンがたくさん分泌されるようになり、基礎代謝のアップにもよい影響が。寝る前にストレッチポールを使うことで、寝つきがよくなるでしょう。
代謝がアップする
運動などによって体温が上がり代謝機能の向上につながります。ストレッチポールを使うと体の歪みが解消され、体幹が鍛えられるので代謝のアップが期待できます。体幹が鍛えられると筋肉に血液が送り込まれ、体温が高くなって老廃物が排出されやすくなります。そして、脂肪がエネルギーとして燃焼されやすくなるため、ダイエット効果も促進されます。
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代謝をアップするにはどうしたらいい?方法やおすすめ商品のご紹介
ストレッチポールの特徴
事故やケガなどしにくい
ストレッチポールは棒状のタイプなので怪我をするリスクが少ないのが特徴です。高さや厚さは種類によって異なりますが、仰向けになってストレッチを行うため、体がポールから落ちたときもほとんど衝撃がありません。素材も柔らかく、肌を傷つけることもないので、手軽にストレッチを行いたい方におすすめです。長さや厚さも自分の体に合ったものを選ぶことで、体にフィットしやすくなるでしょう。
効果を実感しやすい
筋肉を鍛えるためには、ストレッチやマッサージのほか、振動を与えて関節を緩めることが大切です。円柱状のストレッチポールは、仰向けの状態で縦に乗るので、体の背面が体重によって下から持ち上げられ、自分の体重を利用して少ない負荷で筋肉を緩めることができます。
通常のストレッチよりも体への負荷が少なく、体幹を使うことで高い効果を実感することができるのも、ストレッチポールの特徴です。
手軽に使える
バランスボールの場合は、体を安定させるためにバランスをとる必要がありますが、ストレッチポールは仰向けになって寝るだけの簡単な動きで済むため、手軽に使うことができます。ストレッチポールに慣れてきたら足の下に乗せたりするなどして、エクササイズ効果をさらにアップさせることも。軽いので持ち運びもできるため、室内だけでなく屋外でリラックスしながら使用するのもおすすめです。
ストレッチポールの種類
適度な硬さのストレッチポールEX
定番のストレッチポールEXは適度な硬さが特徴です。カラーのバリエーションもネイビー、ピンク、ライトグリーン、アイボリー、オレンジの5種類から選ぶことができます。長さ98cm、直径15cmの円柱形で高さとほどよい硬度があるため、フィットネスクラブやジムなどでも多く使われているタイプです。
小柄な女性は長さをハーフタイプにするなどして使いやすいものを選びましょう。
柔らかめのストレッチポールMX
ストレッチポールEXと比べると少し細く、やわらかな肌触りが特徴です。背中への負担が軽減されているため、女性や高齢者、小柄な男性など、小さなサイズを使いたい方におすすめです。
全国の医療従事者やトレーナーのアドバイスから、医療現場でのリハビリや毎日のエクササイズまで、さまざまな用途に合わせて使うことができます。EXで背中や腰に違和感のある方は、内芯でしっかり背骨を支えるMXがおすすめです。
かまぼこ型のハーフカット
かまぼこ型のストレッチポールは、高齢の方やバランスをとるのが難しい人におすすめです。長さは約41cmで、平面を下にしたときの高さは7.5cmです。
縦に2本並べるとストレッチポールEXと同じようにエクササイズをすることができ、高さに不安がある方や背骨周りが固い方はかまぼこ型のハーフカットを使うことで、エクササイズの幅を広げることができます。長いストレッチポールと合わせて使うのもおすすめです。
ストレッチポールを使った腰周りストレッチ法
骨盤のスライド運動
骨盤の位置を正常に戻し、股関節周りの筋肉を緩める効果のあるスライド運動は、姿勢の改善にも効果的です。やり方はとても簡単ですので、初めて使用する方はまずはスライド運動から始めてみましょう。
1.ポールの上に横になる。
2.リラックス姿勢で、骨盤を左右に10から20回揺らす。
揺れが大きくなってしまうと手足で踏ん張ってしまうため、大きすぎない揺れを保つように注意しながら行いましょう。
股関節を動かすワイパー運動
ストレッチポールの上で横になり、片足ずつゆっくりと両足を伸ばしていきます。かかとを軸にして両足を内外に小さく揺らし、両足を伸ばすときは腰が反ってしまわにように注意し、足に力が入らないようにして揺らすようにするのがポイントです。
1.ポールの上に横になり、片足を伸ばす。
2.伸ばした足を内外側にバイバイの様に5回動かす。
3.足を内側で止めて、外側に脱力する。
4.少しずつ内側への力を強めて、繰り返す。
股関節の可動域を改善するフロッグキック運動
股関節の可動域を改善し、柔軟性をアップするフロッグキック運動です。痛みを感じない程度で、各動作をゆっくりと行うのがポイントです。呼吸を止めないようにしながらリラックスして行いましょう。
1.片足を伸ばして、そこから内側に倒す。
2.そのままカカトを股間方面に引き寄せるようにして膝を立てる。
3.ヒザを外に倒して、カカトを滑らせるようにして脚を伸ばす。
4.左右5回ずつ繰り返す。
股関節調整のバタ足運動
股関節を調節するだけでなく、腹筋を使って行うのがバタ足運動です。息を吐きながら、カカトでお尻を交互に軽く叩き、10秒くらいで2~3セット続けます。手は床に自然な状態でつけ、力を抜くことを意識しましょう。
1.ポールの上に横になって、両足を床から持ち上げる。
2.息を細く吐きながら、カカトでお尻を交互にトントンと軽く叩く。
3.10秒くらい2~3セット続ける。
骨盤の機能を改善するバイク運動
ストレッチポールの上での転がりながら、自転車をこぐようにイメージして足を動かすバイク運動。息を吐きながら太ももの筋肉を使って自転車をこぐ動作をします。10秒間動かしたら、今度は逆回転させるイメージで10秒間動かしましょう。
1.ポールに寝転がり、息を吐きながら、太ももを左右交互にお腹に近づけるように引き寄せる。
2.自転車をこぐような感じで動かす。
3.10秒動かしたら、今度は10秒間逆回転させる。
効果的なストレッチポールの使い方
複式呼吸を同時に実施
ストレッチポールでエクササイズをするときは、呼吸法を意識しましょう。背筋を伸ばして鼻からゆっくり息を吸い込み、おへその下に空気を貯めるようなイメージでお腹をふくらませていきます。お腹をへこませながらゆっくりと長く息を吐き、吸うときよりも長い時間をかけて息をしっかりと吐きます。腹式呼吸は自律神経をリラックスする効果があるため、運動中の筋肉の緩みを促進します。
室温が20度台
ストレッチポールを使ってエクササイズを行うときは、室内温度が高すぎたり低すぎたりすると、体に不調を引き起こすことに。寒すぎない20度台を目安にしてリラックスして行うようにしましょう。
ストレッチ中は汗をかくこともあるかもしれませんので、汗でお腹を冷やさないためにも、汗を吸収しやすいウェアや、こまめに汗をふくなどの工夫が必要です。常温の水などで水分補給をしながら行いましょう。
リラックスできる環境
全身の筋肉を緩めるためにも、リラックスできる環境で行うことが大切です。運動中にストレスを感じてしまうと、筋肉が硬直するだけでなく、血管が収縮して血行不良になり、酸欠状態を引き起こすことに。好きな音楽をかけてリラックスしながら行いましょう。ストレッチをする前は、軽い準備体操などをして体をほぐしておくと、より効果を高めることができます。
ゆっくりの動作で実施
ストレッチポールは動作が簡単なため、はりきって激しい動きをしてしまう方も多いかもしれません。ストレッチポールは骨のゆがみを改善し、骨盤や股関節を正常な位置に戻す働きを促します。そのためにも、ゆっくりとした動作で行い、体への負担を減らすことが大切です。
力が入りすぎたり、呼吸が乱れてしまうと効果も半減してしまいます。呼吸を楽にリラックスしながら、ゆっくりと行いましょう。
使う身体の部位を意識
ストレッチポールは動作によって使う筋肉が異なりますので、動かしている筋肉をイメージしながら行うようにしましょう。ストレッチポールを使ったエクササイズの前後で変化があったかどうかなど、セルフチェックをすると骨盤のゆがみや姿勢の改善を意識することができます。
回数が増えていくと、背中の床への接地面が大きくなることも。これは、背骨まわりの筋肉が緩んで正しい位置に戻ったことが理由として考えられます。体の動きを意識しながら楽しく行いましょう。
腰を浮かせない姿勢を維持
ストレッチポールに乗るときに腰を浮かせてしまうと、骨盤の位置が正常にならないだけでなく、腰に負担がかかって腰痛を悪化させてしまうことに。エクササイズ中は腰を浮かせない姿勢を維持するようにし、体の負担を減らすことを意識しましょう。
力が入りすぎてしまう場合は、フォームが正しくない場合がありますので、体に負担のかからない姿勢を意識することが大切です。
ストレッチポールの使用制限
腫れや炎症があるとき
ストレッチポールの使用は、腰痛がひどかったり、腫れや炎症などの症状があった場合は控えるようにしましょう。筋肉が腫れや炎症を起こしている場合は、筋肉を使うと炎症を促進してしまうことがあります。腫れや炎症は冷やしたりするなどして症状を改善することを第一に考えましょう。痛みを感じる部位に負担をかけない方法をするなど、使用を制限することが大切です。
医師による使用制限
医師によるストレッチポールの使用制限がある場合は、体に負担をかける可能性があるため、使用を制限しましょう。筋肉に損傷がある場合は、回復までに数週間かかるといわれているため、筋肉を駆使することで回復を遅らせてしまいます。
体に負担のかからない柔軟体操やマッサージを行うなどして、体がしっかりと回復するまでストレッチポールの使用は控えるようにしましょう。
高血圧など内科的疾患
普段から血圧の高い方や、高血圧を伴う代謝疾患などの内科的疾患がある方は、ストレッチポールを使ったエクササイズを行うことで、血圧の上昇を招く可能性があります。血圧が高くなることで、めまいや高熱などの症状を引き起こす恐れがあるため、医師に相談するか、使用を制限するようにしましょう。
体調が優れなかったり過度なダイエットによるエネルギー不足の方は、体調不良を起こす場合があるため注意が必要です。
腰部の筋膜リリース
腰部の筋膜リリースは、通常のストレッチとは違い、腰部に集中して圧をかけて筋肉を伸ばしていく方法です。運動機能を向上する方法として注目されていますが、筋肉は伸ばせば伸ばすほど縮もうとするため、縮む力が強くなり、腰痛を引き起こしてしまうことに。
筋膜リリースをした場合は、ストレッチポールを行うことで腰への負担を強めてしまうことがありますので、状態を見ながら行うようにしましょう。
ストレッチポールをうまく活用して腰痛対策
ストレッチポールは姿勢の改善だけでなく、インナーマッスルと呼ばれる筋肉の深層筋を鍛えることができるエクササイズです。骨盤の歪みを解消して腰痛を防止するだけでなく、睡眠不足の解消にも役立てることができます。
ストレッチポールは怪我や事故のリスクも少ないため、安心して使うことができます。ストレッチポールを効果的に使い、腰痛対策と健康な体作りに役立てていきましょう。