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大人になっても身長が伸ばせる理由
身長は伸びるが骨は伸びない
成長期の子供は、1年に10センチ近く背が伸びることがあっても不思議ではありません。これは、私たちの体を形成している骨が伸びることによって起こります。大腿骨や脛骨、背骨などの骨の両端にある骨端線という軟骨部分が硬くなり、大人の骨となっていくことで身長が伸びていくのです。
しかしこの成長は成長ホルモンによるもので、基本的に20歳前後で分泌されなくなってしまいます。つまり大人は身長を伸ばすことはできるけれど、子供のように骨自体を伸ばすことはできないのです。
体をほぐすと身長が伸びる可能性がある
骨が伸びないのに身長が伸ばせる理由には、体の歪みが大きく関係しています。正しくない姿勢を続けたり体が歪んでしまう行動が続くと、体がその歪みに慣れて固まってしまうのです。特にパソコン作業が多くなっている現代では、まっすぐな姿勢を保つのは困難な人が多いといえます。
背中が丸まっていたり足を組んだりすることで、体はどんどんとゆがんできます。これを正しい状態に戻すことで、身長を伸ばせる可能性が高いということなのです。
固まった筋肉に有効なストレッチ
体が歪みに慣れてしまうと、筋肉がどんどんと固まってきます。すると、元々の身長よりも低くなってしまうことも。これを解放してあげることで、大人でも身長を伸ばすことが可能なのです。筋肉をほぐすには、ストレッチをすることが大変有効とされています。ストレッチは基本的に筋肉をほぐす目的なので、日常的な姿勢などにより固まった筋肉にも効果的なのです。
なぜ身長が縮むのか
姿勢の歪みなどで縮んでいる
大人になって身長が縮んでしまう大きな原因としては、猫背などの姿勢の歪みがあります。パソコンやテレビ、スマホやゲームの普及により、現代は猫背になりやすい環境といえます。背骨が丸まっていると、それだけで身長は低く見えます。しかしその状態が続いていくと、なんと筋肉がそれに合わせて固まってしまうのです。つまり猫背に合わせて身長も縮んでいくという訳なのです。
ハイヒールによる脚への負担
女性の場合、ハイヒールを履く機会も多いでしょう。このハイヒールも、脚に相当大きな負担をかけてしまう一因となっています。ハイヒールは脚の裏全体ではなく常につま先立ちで歩いている状態となっているため、正しい姿勢を保つことが非常に難しいのです。さらに脚全体にかかる負担も大きく、O脚になりやすいといえます。O脚になると、これも猫背同様に身長を縮める原因となってしまうのです。
加齢により将来さらに縮むかもしれない
猫背やO脚といった体の歪み以外にも、加齢によって身長が縮んでしまうことも考えられます。これは体内にある水分量が大きく関係していて、背骨の椎骨と椎骨の間にある椎間板の水分が少なくなってしまうことが原因です。
子供は体全体の70%が水分ですが、成人では60%、老人では50%と水分量はどんどん減少します。これに伴って背骨にある椎間板の水分も減っていくので、結果として背骨自体の長さが短くなるのです。こうして、加齢によっても身長は縮む可能性が高いといえます。
ストレッチとタイミングの関係
身長が伸びるのは寝始めの3時間
身長を伸ばすのに効果的なストレッチ。ストレッチは1日のうちでも特に効果的なタイミングがあるのです。中でも、就寝し始めの3時間は身長が伸びやすい時間となっています。睡眠中は体中の細胞が修復をしていく時間であり、元の健康な状態に戻ろうとするからです。また体のあらゆる箇所の筋肉が緩むので、身長が伸びやすいといえます。
起床後のストレッチは体を整える
就寝中に伸びた身長は、起床後のあらゆる環境によって縮んでしまうことが考えられます。そこで起床したらまずはストレッチをして、体を整えてあげるとよいでしょう。就寝中は大きく体を動かすことはないので、起きたら全身の筋肉をよく伸ばすことをおすすめします。これによって筋肉はより柔らかくなり、身長が伸びやすくなります。
睡眠前のストレッチは体の負担を取り除く
体の修復に欠かせない、睡眠。そんな睡眠の前には、ぜひストレッチを取り入れていきましょう。睡眠前にストレッチをすることで、日中に多くかかっていた体への負担は軽減することができます。
そして歪みを正すこともできるので、歪みが少ない状態で就寝することができるのです。するとストレッチをしないで就寝した場合よりも、より多く身長を伸ばせる可能性が出てくるでしょう。
ストレッチに運動をプラス
ストレッチだけでも身長を伸ばすのには効果的ですが、できれば運動をプラスするとベストです。運動をすると、体のさまざまな箇所の筋肉をより効果的に鍛えることができます。
またストレッチだけよりも効率がよいので、身長を伸ばすのにも有効です。激しい運動が苦手という人は、できる範囲の軽い運動でも構いませんので、ストレッチのタイミングや運動との組み合わせで、その効果をあげていきましょう。
身長を伸ばすためのストレッチの方法
起きたら全身で背伸びをする
身長を伸ばすためのストレッチの一つとして、背伸びがあります。朝起きたら、まずは全身をしっかり使って背伸びをしてみましょう。このとき、背骨を思いっきり伸ばすイメージで行うと効果的です。
就寝中ほとんど同じ姿勢でいる訳ですから、こうしてまずは体全体の骨と筋肉を伸ばしてあげるのです。ポイントは、体全体を使って伸びをするということです。
寝る前にやるうつ伏せストレッチ
寝る前には、うつ伏せになることがおすすめです。うつ伏せの姿勢になると、自然と背中がスッと伸びることになります。たったこれだけでも、身長を伸ばす効果のあるストレッチになるのです。
できれば、うつ伏せの姿勢でちょっと胸を張るイメージをしていくとより効果的です。これを寝る前に行うことで、体の歪みを少なくすることができるでしょう。
ぶら下がるだけのストレッチ
鉄棒などにぶら下がっているだけでも、身長を伸ばすには効果的です。ぶら下がっていると、体全体が重力に引っ張られることになります。すると体の歪みは、重力によって引っ張られてまっすぐになっていくのです。
特に背骨には効果的で、猫背になりやすい人にはおすすめ。ぶら下がっているだけでOKなので、誰でも始めやすいストレッチですね。
背中の筋肉をほぐす
身長に大きく関係している、背中の筋肉。この筋肉をほぐすには、背中を丸める猫のポーズをしてみましょう。四つんばいになってできるだけ背中を丸め、視線はお腹を見るようにします。
この状態から息を吐きながら顔を上げ、次は息を吐きながらまた視線をお腹へ持っていくのです。この動きによって、背中の筋肉は徐々にほぐれていきます。
座り仕事の合間にできる座りストレッチ
座り仕事の場合、同じ姿勢が長く続くケースが多くなっています。同じ姿勢でいる時間が長いと、それだけ筋肉は固まりやすくなってしまうので身長を縮める原因に。そこで座り仕事の合間に、猫背を解消する座りストレッチをしていきましょう。
座ったままの状態で、背中を意識して胸を張りましょう。このとき肩甲骨同士をくっつけるイメージで行うと、より効果的です。たったこれだけでも、筋肉はほぐれていきます。
股関節まわりをほぐしていく
体の歪みで多い箇所の一つとして、股関節まわりがあります。股関節まわりの筋肉をほぐすことで、身長を伸ばせる可能性があるのです。
普段あまり意識することのない股関節ですが、開脚ストレッチや前屈ストレッチをするだけでもほぐすことができます。最初はちょっと辛いかもしれませんが、できる範囲でストレッチしていきましょう。
正座の状態で足のストレッチ
正座をした状態で、ゆっくりと上半身を後ろへ倒していきましょう。慣れるまでは、手で上体を支えながらゆっくりと倒していきます。このとき、息をゆっくり深く吐きながら行うとよいでしょう。
そして床に背中がついたら、その状態をキープします。始めのうちは30秒、慣れてきたら2~3分ほどキープできるとよいですね。これによって大腿骨まわりの筋肉と背中の筋肉をしっかりと伸ばすことができます。
ボールを使ったストレッチの方法
バランスボールを使ったストレッチも、大変効果的です。バランスボールに乗り、姿勢を維持しながら前後左右に移動するだけのストレッチです。簡単そうに見えるこのストレッチですが、実は全身の筋肉を駆使しないとできないもの。
効率よく全身の筋肉を使えるので、身長を伸ばすのに大変有効なストレッチなのです。始めのうちは、バランスボールに乗ってバランスを取るだけでもストレッチになります。
小尻効果もあるつま先歩き
つま先歩きは、非常にバランス感覚を必要とします。面積の小さなつま先だけで全体重を支える訳ですから、体が歪んでいるとなかなか難しいのです。そこで、意識的につま先歩きをするだけでも身長を伸ばすストレッチになります。これには小尻効果もあり、脚の筋肉もかなり鍛えられます。自然と姿勢もよくなるので、大変おすすめ。
身長を伸ばす以外にストレッチがもたらす効果
リラックス効果
ストレッチには、身長を伸ばす以外にも多くの効果が見込まれています。まずは、リラックス効果です。全身の筋肉をほぐすことができるストレッチでは、日々溜まってしまうストレスを軽減させることができるのです。ストレスが溜まると筋肉に負荷がかかるので、この負荷を軽くするストレッチは有効といえます。
頭が切り替えられる
ストレッチをすることで、頭を切り替えることができます。どうしてもやる気が起きないときや、気持ちの切り替えができないときにもおすすめです。体を動かすことにより、自律神経系が安定して精神バランスも整うのです。すると、頭や気持ちの切り替えが簡単にできるようになるのです。
睡眠の質が上がる
体を効率的に動かすストレッチをすることで、睡眠の質を上げることもできます。睡眠は身長を伸ばす上でも欠かせませんが、日々の健康を保つ上でも欠かせない時間です。そんな睡眠時間をより効率的に過ごすには、睡眠の質を上げることが大切です。体を動かすことによって、体はより熟睡しやすい状態となっていくでしょう。
痩せやすい体質に変化
ストレッチをすると、代謝が上がります。代謝が上がると、エネルギー消費が増えて痩せやすい体質へとなっていきます。またストレッチによって神経の高ぶりを抑えることができるので、ホルモンバランスも整います。こうした要因によって、生活スタイルを変えずとも痩せやすい体質になれるのです。
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簡単なストレッチを日常に取り入れる。基礎代謝をアップする方法
ストレッチを行う重要なポイント
毎日継続していく
ストレッチの効果を存分に引き出すためには、毎日継続していくことが非常に重要です。体の歪みは、日々少しずつ蓄積されていきます。そのため1日だけのストレッチでは、一時的な効果しか生み出せなくなってしまいます。だからこそ毎日少しずつでも継続してストレッチをしていくことが、とても重要なポイントなのです。
無理をしない
ストレッチは、特に始めのうちは体が慣れずに大変なものです。しかし無理をしてストレッチをすると、逆に筋肉を傷めてしまうことも。ストレッチをするときは、自分のできる範囲で無理をしないように進めていくことが大事です。毎日続けていけば、徐々に慣れてストレッチの範囲も広がっていくでしょう。
頭の中のイメージが大事
ストレッチをするときは、頭の中でイメージをしっかりと作っておくことがポイント。ただ単に体を動かすのではなく、筋肉を意識してストレッチをしていきましょう。
これにはイメージが非常に重要で、イメージした筋肉はしっかりと伸ばされるものです。ストレッチをするときは自分の体をしっかりとイメージしながら行いリラックス状態を保つことがポイントです。
過度な目標を立てない
身長を伸ばしたいという一心で、ストレッチに励む人も多いと思います。しかし高すぎる目標を立ててしまうと、逆にストレスとなってしまうケースも。
ストレッチをすることで、人によって2~3センチ伸びる可能性があるといわれていまが、個人差が非常に大きく出てくるものなので決して過度な目標は立てずに自分のペースでストレッチを進めていきましょう。
栄養をしっかり摂る
カルシウムは大人にも必要
身長を伸ばすには、栄養をしっかりと摂っていくことも不可欠です。子供は骨を伸ばすために、カルシウムが特に多く必要といわれていますが、大人も同様にしっかりと摂る必要があります。
カルシウムは骨を強くして、ストレスを軽減させ体を強くしてくれます。魚や牛乳などカルシウムを多く含む食材を摂り入れて、しっかり補給していきましょう。
人間に必要なタンパク質
人間の体の約半分を構成しているとされている、タンパク質。しかしそんなタンパク質のうちの約半数は、体内で生成されない成分となっているため、食事からしっかりと摂取することが大切です。卵やイワシなどタンパク質が多い食品をぜひ積極的に摂取していきましょう。
特に必要なビタミン群
ビタミン群は、身長を伸ばす上で特に必要とされている栄養素です。中でもビタミンCとビタミンDは、骨や軟骨を健康に保つ上で欠かせない成分です。ビタミンCはピーマンやレタスに多く含まれ、ビタミンDはサンマやキノコなどに多く含まれています。これらを毎日バランスよく食習慣に入れていくと、身長を伸ばす上でも効果的です。
バランスのよい食事を1日3食きっちり摂る
身長を伸ばすには、さまざまな栄養素が必要です。カルシウム、タンパク質、ビタミン群は特に必要とされる栄養素ですが、それ以外の栄養素もバランスよく摂っていくことが大切です。また1日3食、なるべく同じ時間に食べることも大切なポイント。規則正しく栄養バランスのよい食事を摂ることは、身長を伸ばすためには欠かせない要素なのです。
諦めなければ大人でも身長は伸びる
身長が伸びるのは、基本的に子供だけという認識が強くあるかもしれません。しかし実際には、大人も身長が伸びる可能性はあります。特に大人になってから身長が縮んでしまった気がするという人の場合、ストレッチで伸ばせる可能性が非常に高いといえるでしょう。
ストレッチは誰でもすぐに始められるものですが、その効果をしっかりと引き出すには無理をせず毎日継続していくことがとても重要です。また身長を伸ばす上では、食事と睡眠も大切です。これらを心がけてストレッチを取り入れ、少しでも身長を伸ばしていきましょう。