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アボカドダイエットとは?
「アボカドダイエット」とは、食事の前にアボカドを食べ、空腹感を抑えて食べ過ぎを防止するダイエット方法です。濃厚な味わいやカロリーが意外に高いことから、ダイエットには向いていないと思っている方も多いかもしれません。
ダイエット中は栄養バランスが崩れがちなので、やみくもにカロリーカットするよりも、栄養豊富な食材を積極的に取り入れるのがおすすめです。森のバターとも呼ばれるアボカドは、世界一栄養価の高い果物として、ギネスブックにも登録されています。
アボカドはダイエット中に食べても大丈夫?
アボカドのカロリーは100gで187kcal、1個約220kcalです。ご飯1杯分とほぼ同じカロリーで、果実の中では最もカロリーが高くのにも納得です。注目したいのが、果実の約20%含まれているアボカドの脂質です。
体脂肪になりにくい脂質の「不飽和脂肪酸」なので、体内で固まりづらく、健康に良い油とされています。そのほか、ビタミンやミネラル、食物繊維や抗酸化物質であるグルタチオンなど、さまざまな栄養素が含まれています。アボカドが「食べる美容液」 と呼ばれる所以でもあります。
食べ過ぎ防止にぴったりの食材
アボカドは満腹感が得やすく、腹持ちも良いので、食べ過ぎを防止できます。アボカド1個をレシピに取り入れれば、バランスの良く栄養素を摂取できるので、結果的にカロリーカットに繋がります。
アボカドに含まれる栄養素と効果
1つ目の栄養素「オレイン酸」
脂肪酸は「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2種類があり、「オレイン酸」は不飽和脂肪酸のひとつです。飽和脂肪酸は肉などの動物性の食品に多く含まれていて、重要なエネルギー源である一方、過剰摂取すると肥満や病気の原因となります。さらに、中性脂肪やコレステロールが増加しやすくなるリスクがあります。
不飽和脂肪酸は植物性の食品に多く含まれており、体内で固まりにくく中性脂肪やコレステロール値の調節をしてくれます。血液をサラサラにしたり、血管や細胞の老化を防ぐ役割もあるので、動脈硬化や高血圧などの生活習慣病の予防にも役立ちます。
オレイン酸は悪玉コレステロールを減らす
不飽和脂肪酸は、さらに「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」に分けられます。オレイン酸は一価不飽和脂肪酸の代表格です。一価不飽和脂肪酸の特徴は、多価不飽和脂肪酸に比べ、酸化しにくく、善玉コレステロールを減らさずに悪玉コレステロールを減らしてくれる点にあります。
過酸化脂質の発生を抑え、脂肪がつきにくくなったり、ホルモンバランスを整えてくれるので代謝アップも期待できます。
2つ目の栄養素「カリウム」
カリウムはミネラルの一種で、アボカドにはバナナの1.5倍のカリウムが含まれています。効率的にカリウムを摂取するには、生のまま食べるのがおすすめです。水に溶けやすい性質があるので、加熱調理の必要がないアボカドは最適な食材といえます。
カリウムが不足すると、夏バテのような脱力感が出たり、精神面ではイライラや不安を感じたりします。ダイエット中特にしっかり摂取したい栄養素ですね。
カリウムには利尿効果がある
加工食品のような、多量にナトリウムが含まれる食品を摂取すると、カリウムとナトリウムのバランスが崩れてむくみが発生します。
カリウムには、老廃物や余分な水分を尿として排出してくれる利尿効果があります。アボカドは、塩分を多く摂取しがちな現代の食事には、特に欠かせない食材なのです。
3つ目の栄養素「食物繊維」
食物繊維は「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があります。水溶性食物繊維は、水分を吸収してゲル化するのが特徴で、主に海藻類や芋類に含まれています。腸内で発酵し善玉菌を増やし、腸内環境を整えてくれる働きがあります。
不溶性食物繊維は、消化の際に吸収されずに腸まで到達します。便のカサを増やし、腸の蠕動運動を促すことで便秘の解消にもつながります。
アボカドの食物繊維は不溶性&水溶性
便秘は腸内環境が原因なので、便秘が続く体内の栄養素の循環させる機能が低下し、結果的に代謝が低下して太りやすくなります。
アボカドには、キャペツの約3倍、100gあたり5.3gの食物繊維が含まれています。また、不溶性2:水溶性1の割合なので、便秘解消に効果的です。
食物繊維は血糖値の上昇を抑える
食物繊維には、血糖値の上昇を緩やかにし、インスリンの分泌をおさえる効果もあります。食べ過ぎや運動不足で太る理由はインスリンなのをご存知でしょうか。
インスリンが増えると、ブドウ糖がエネルギーと使用されずに体に脂肪がつく原因となります。アボカドダイエットで食物繊維を摂取れば、脂肪が蓄積されにくくなりますよ。
4つ目の栄養素「ビタミンE」
アボカドはビタミンEが豊富なので、動脈硬化や老化防止に効果があります。小さめサイズ1個、100gあたり3.3mgのビタミンEが含まれています。
厚生労働省の食事摂取基準によると目安量は、1日7mg、許容上限量は800mgです。エイジングケアや美容効果があるので、必要量はしっかり摂っておきたい成分です。アボカドを食べる量は、1日1~3個未満を目安にしてください。
アボカドの種類とカロリー
アボカドは世界中に1000以上の品種があり、大きくわけてメキシコ系・西インド系・グアテマラ系の3つに分かれます。日本に出回っている大部分は、メキシコで多く栽培されているグアテマラ系の「ハス種」です。
1つ目の種類「ハス」
いつも私たちがスーパーで購入しているアボカドで、表面がゴツゴツしていて、熟すと皮が黒くなります。コクがあってネットリとした味わいがあります。1個当たり約220 kcalです。
2つ目の種類「ベーコン」
日本で生産される代表的な品種のひとつです。ベーコン種はハス種に比べると傷みやすいのですが、寒さには強いので日本での栽培に適しています。国内で11月頃から収穫され、ハス種に比べると少し大きめです。
表面はなめらかで皮は濃い緑色をしています。熟しても色が変わらないので、触ったときのやわらかさで熟し具合を判断しましょう。味や触感は、ハス種より優れていると言われています。
3つ目の種類「フェルテ」
世界では2番目に生産量が多い品種です。ベーコンと同じくなめらかな表面ですが、皮は薄い緑色で、香りが良いのが特徴です。味はまったりと濃厚です。熟しても黒くならないので、食べごろが分かりにくいのが難点です。
アボカドダイエットの方法
食前にアボカドを食べるだけ
食事の前にアボカドを食べます。アボカドは栄養豊富ですが、カロリーが高いので1日1個を目安に食べましょう。アボカドに含まれる脂質が満腹感につながり、食べ過ぎ防止になります。
いつもの食事にプラスしてアボカドを食べてしまうと太ってしまいます。アボカドダイエットは摂取したアボカドの分だけ、他の食事のカロリーを減らすことが必要です。
アボカドは消化の良い朝がおすすめ
基本は1日3 回、カットしたアボカドを食前に食べる方法ですが、ランチはお弁当や外食という方が多いのではないでしょうか。
そのときは、朝・晩の2回、アボカドを半分ずつ食べましょう。消化の良い朝は積極的にアボカドを食べましょう。1日の活動のエネルギーとなってくれます。
果糖が含まれるので炭水化物を減らして調整
アボカドは果物なので果糖が含まれます。ほかの果物に比べれば少ないのですが、夜遅くに食べるのは効率的ではありません。なるべく早く晩御飯を済ませ、炭水化物を減らすなどして調整しましょう。
アボカドの食べごろ&保存方法
アボカドは皮の色が黒く、皮の上から押したときに少しやわらかいものが食べごろです。やわらかすぎると種の周りが傷んで食べられない可能性があります。
熟していないアボカドは常温保存し、熟したアボカドは冷蔵保存します。カットしたアボカドは、空気に触れないようしっかりラップをして、冷蔵保存します。空気に触れると黒く変色してしまうので注意しましょう。
アボカドダイエットのおすすめレシピやメニュー
切ってそのまま食べても美味しいですが、一手間加えることで飽きずに食べることができます。調理するときは、カロリーオーバーを防ぐためマヨネーズなどの油脂が含まれる調味料より、醤油や塩などでさっぱり味に仕上げると良いでしょう。
1つ目のレシピ「アボカドの種茶」
アボカドの果実が栄養満点というのはよく知られていますが、実は種にも水溶性食物繊維がたっぷり含まれています。食事のときに一緒に飲むと効果的ですよ。いつもは捨ててしまう種を再利用して、ダイエットに生かしてみましょう
材料
・アボカドの種 1個
・水 1リットル
作り方
- アボカドの種を1cm幅に切る※種は固いと思われがちですが、根野菜くらいの固さなので包丁で切れます。種を切るときは転がりやすいので、気を付けましょう。
- 水の中にアボカドの種を入れ、30~40分ほど煮出す。
2つ目のレシピ「アボカドとカカオのムース」
卵・小麦・乳製品を使っていないローフードのおやつです。ダイエット中に甘いものが欲しくなったときにおすすめです。
カカオに含まれるココアポリフェノールには、血行促進効果や食欲を抑える効果、基礎代謝がアップして脂肪を燃焼しやすい体にしてくれます。また、バナナに含まれるビタミンB群もダイエット向きです。朝食のパンに使っても良いですね。
材料
・アボカド 1/2個
・バナナ 1本
・純ココア 大さじ2
・メープルシロップ 大さじ1
・くるみ 1個
・シナモンパウダー(お好みで) 少々
作り方
- バナナとアボカドを1口サイズに切って、ボウルに入れスプーンの背ですりつぶす。
- トロっとしてきたら、ココアパウダーとメープルシロップを加えてよく混ぜる。
- シナモンパウダーを加えてよく混ぜる。(お好みで
- よく混ぜたら冷蔵庫で1時間くらい冷やす。
- 器によそって、くるみを上にトッピングでのせる。
※アボカドの青臭さが苦手な方は、シナモンパウダーを入れると気にならなくなります。ブレンダーやフードプロセッサーなどがあると、すりつぶす手間がはぶけますので便利です。
3つ目のレシピ「アボカドと豆腐とマグロのサラダ」
マグロにはビタミンB群をはじめ、ミネラルや中性脂肪を減らす効果があるEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれています。
豆腐はタンパク質が豊富で、脂肪の代謝の促進や腸内環境を整えてくれたりとダイエットにぴったりです。食べごたえもあるので、ご飯を抜けば糖質カットもできます。
材料
・アボカド 1/2個
・木綿豆腐 100g
・マグロ 150g
【調味料】
しょうゆ 大さじ2
ごま油 小さじ2
おろしにんにく、砂糖、塩 各少々
作り方
- 木綿豆腐をキッチンペーパーやふきんで包む。ザルつきのバットに入れ、お皿などの重しをして水気を切る。
- 水切りした豆腐とアボカドを1.5cm角に切る。マグロは食べやすい大きさに切る。
- 調味料を全て混ぜ合わせる。
- ボウルに豆腐・アボカド・マグロ・調味料を入れ、しっかり混ぜ味を絡ませる。お皿に盛りつけて出来上がり。
※豆腐は500Wのレンジで3分くらい加熱すると、手早く水切りができます。
4つ目のレシピ「トマトとアボカドのもち麦サラダ」
もち麦は大麦の一種で、食物繊維が豊富です。また、白米に比べてカロリーも低く、コレステロールを下げる効果もあります。プチプチした食感で食べ応えもあるので、ご飯の代わりにおすすめです。ト
マトに含まれるリコピンは血液の流れを活性化し、代謝アップや効率よくエネルギーに変えてくれる効果がありますよ。
材料
・アボカド 1/2個
・ゆでたもち麦 50g
・トマト 1個
・レモン汁 大さじ1
【ドレッシング】
オリーブオイル 大さじ1
わさび 小さじ½
しょうゆ 小さじ1
酢 大さじ1
はちみつ 大さじ1
刻みしょうが 小さじ1
作り方
- トマトを1cmのダイス切りにする。
- アボカドも1cmのダイス切りにし、レモン汁をかける。
- ボウルにドレッシングの材料を入れて混ぜ、トマト・アボカド・もち麦を加え混ぜる。
アボカド ダイエットで気を付けること
1つ目の注意点「食べ過ぎに注意」
アボカドは栄養豊富なので、とにかくカロリーが高いです。今までの食事にアボカドをプラスすると、アボカド分のカロリーを多く摂取することになります。アボカドダイエットをする際は、ごはんやパン、いも類など中心に、普段の食事の量を減らしましょう。
2つ目の注意点「カリウムの過剰摂取」
アボカドの適正摂取量が1日1個のわけは、カロリーオーバーだけが理由ではありません。カリウムの過剰摂取を避けるためです。アボカドの1個あたりのカリウム含有量は1000mg。1日あたりのカリウム摂取量は女性で2000mg~2600mgとなっています。
食品から摂取する分には、多く摂りすぎても尿から排出されますので心配はいりません。しかし3500mgを超えての摂取が控えたほうが良いとされています。
3つ目の注意点「血圧を下げる薬を飲んでいる方は注意」
血圧を下げる薬には、カリウム濃度を上げてしまう作用があるので、アボカドを食べるのが心配な方は医師に相談してみると良いでしょう。カリウムは芋やほうれん草、バナナなどさまざまな食品に含まれており、摂取しやすい栄養素なので気を付けないと過剰摂取になってしまいます。
4つ目の注意点「Ⅱ型の糖尿病の方は過剰摂取に注意」
アボカドにはマンノヘプツロースという、インスリンの生産と分泌を抑える強い作用のある成分が含まれます。Ⅱ型の糖尿病の方はインスリンの分泌が悪くなっているため、アボカドを摂取する際は注意が必要です。
アボカドを上手にダイエットに取り入れましょう
食べ過ぎに気を付ければ、アボカドはダイエットの強い味方です。極端な食事制限をするダイエット方法は、必要な栄養素が足りず体調や肌の調子が悪くなってしまうことがあります。アボカドはダイエット効果だけではなく美肌効果もあるので、ストレスを溜めず健康的にダイエットができますね。