目次
ダイエットに登山が適している理由
カロリー消費が大きい
登山をするとダイエットできる、ということは間違いありません。
標高差があまりない山でもゆっくりじっくり登ればカロリーを消費できます。
とても地味な運動に見えますが、黙々と歩いているうちに呼吸は早くなってきて汗の量もたくさん出てきます。
登山は結構ハードな運動です。中級者向けの山に登った場合のカロリーは平均1時間で約500〜600キロカロリー程度とされております。2時間で約1000kcalということになります。
この消費カロリーはハーフマラソンを男性が走ったカロリー消費量の8割程度に当たります。標高差があるないにかかわらず、消費カロリーがとても多いのでダイエットしたい方にはおすすめです。
休憩中にも脂肪が燃える
山を登っているときも、下っているときも、脂肪が燃えますが、休憩しているときも脂肪が燃えます。
人間の身体は運動した後に、酸素を使うエネルギー消費が体内でものすごく行われている現象が起きます。これをEPOC(運動後過剰酸素消費量)といいます。
通常、運動後には身体が回復しようと働きます。体は安静時の状態に戻ろうとすることで通常よりもたくさんの酸素を摂取して利用しようとするのでエネルギーを消費するのです。
EPOC効果は、キツイ運動であればあるほど脂肪がガンガン使われて燃やされるので効果が高く、運動し終わってもそのあと数時間、場合によっては24時間続くこともあります。
有酸素運動と筋トレが同時にできる
登山は、マラソンやウォーキングに負けないほどの有酸素運動です。
脂肪が燃焼されるのは運動開始後約20分以降ということはご存知だと思いますが、一定時間以上登山を続ける(ゆっくりじっくり運動を続ける)登山は、基本的に長い時間脂肪が燃焼され続けていることになります。
低い山でもゆっくり時間をかけて登ることができますので有酸素運動が可能になります。そして、登りも下りも脚の筋肉がフル稼働です。
さらにトレッキングの場合ですと、軽食、飲み物、着替えなどをザックに入れ背負います。このザックが広背筋や脊柱起立筋を鍛えます。
さらにポール(杖)を使いますと、身体を支えますので、大胸筋や、腕の筋肉も鍛えられます。
登頂という明確なゴールがある
登山は、登頂というゴールがあります。
どんなに辛くても、せっかくここまで来たんだから頑張ろうという気持ちになりますので、休み休み、景色を見ながら、お話しながら、ゴールを目指せます。
ゴールのない、運動は心が折れやすいですが、登山は登頂という目標、そこにたどり着いた時の達成感がありますので、挫折しにくくなります。
大自然の解放感でストレスが解消される
山の中とは、普段生活しているうえでの騒音、人によるストレスがなく、鳥の鳴き声、風の音、川の音、自然を肌いっぱいに感じられる空間です。
登頂すると、下界では見ることのできない壮大な景色が広がっています。その開放感を味あわせてもらえることで、ストレスが解消され、心が解放され、心身ともにリラックスできます。
違う山への挑戦の意欲
一つの山に登るとまた違う山へ登りたくなります。
それは、山が見せてくれる絶景により、モチベーションが拡大するからです。
山一つ一つが全く違う道のり、辛さ、気持ちよさを味合わせてくれますので、またほかの山へ、ほかの山へ、と登りたくなります。
なぜ、楽ではない道のりなのにまた行きたくなるのでしょうか?それは登った人にしか答えられません。
登山ダイエットのポイント
こまめな水分補給をする
山は乾燥した環境で、太陽との距離も近くなります。
ゆっくりペースでもいつも以上に代謝機能が働き、より多くの水分を必要とします。
脱水症状を防ぐためにもこまめに、5分おきに1口。25分で250ミリ、1時間で500ミリ必要になるので、4時間の行程なら1.5〜2Lの水分を担いで山を登るようにします。
山で運動を行いますと、水分と一緒に塩分も失われます。脱水対策として、市販されている「経口補水液」には水に塩と砂糖が入っておりますので、おすすめです。
炭水化物を摂りながら登る
登山のエネルギー消費量は半端じゃなく、食べ物からエネルギーを補給しないとばててしまいます。
脂肪の燃焼促進剤となるのが炭水化物です。炭水化物は脳のエネルギー源でもあります。炭水化物が不足すると、脳の活動が低下し、疲労感を感じます。
判断能力の低下は遭難にも直結しますので注意が必要です。
そこで、かさばらずに片手でさっと食べれる「おにぎり」があるととてもいいです。山頂で食べるおにぎりは格別です。
話して歩けるペースを維持
山頂に到着するまでの道のりは長いです。
ペース配分がとても重要になってきます。無理してハイペースで登ってしまっては苦しいだけで、心も折れてしまうばかりか、山頂に行くまでにばててしまいます。
ゆっくりっじっくり、景色を堪能しながら楽しくお話できるペースを維持することがとても重要です。
こまめに休憩をとる
休憩の感覚は時間に10分程度が目安です。
しかし初心者のうちは息が切れてしまうほど疲れます。特に登りは疲れやすいので最初は30分歩いたら10分休憩くらいの間隔で慣らしていきます。
休みすぎは禁物です。体温が低下するとその後動くのが大変になり、かえって疲労を招いてしまいますので注意しましょう。
しかし、呼吸が大きく乱れた時は目安にとらわれず、こまめに休憩をとり、呼吸を整えるようにしましょう。
登山ダイエットに適した山の選び方
近場にあって日帰りできる
あまり遠い山まで通うのは時間も取られ、続けていくには難しくなってきます。日帰りできるくらい近場の山で行き帰りに時間があまりかかからなく手軽に登れる山から続けることがおすすめです。
標高が低く簡単なハイキングコースがある
実は登山ができる山がたくさんあります。標高が高い山から低い山、登山というよりはハイキング程度の山もたくさんあります。
山には登山コースがいくつかあることが多く、ハイキングコースなども用意されていることもあり、ゆっくり話をしながら森林浴し、少しのアップダウンで登山を楽しむことも出来ます。
アクセス面が優れている
アクセス面が優れている山を選ぶのもダイエットするには重要です。山によっては、山の奥に入っていかないと登山口までたどり着けない山もたくさんあります。
アクセス面が良くないと、めんどくさくなっていかなくなったりしてしまいますので、しっかり場所を調べ、なるべく通いやすい山を選ぶのもダイエットで続けていくにはポイントになってきます。
登山ダイエットにおすすめの山
比較的登りやすい富士山
富士山は決して簡単に登れる山ではありませんが、しっかり整備されており、登山客も多く、初心者でも比較的登りやすい山です。
コースタイムは6〜7時間。登り方を間違えたり、エネルギー補給をしっかりし、服装など、事前に準備をしっかりして挑めばきっと楽しい山歩きができるでしょう。
日本一高い富士山の山頂に到着したときはすさまじい達成感を得ることができ、天気が良ければ、絶景が待っています。
世界一登山客の多い高尾山
知る人ぞ知る高尾山。世界一登山客が多い山です。登山コースは3つ、中腹からの巡回コースやループコースも合わせると10コース以上の登山コースがあります。ケーブルカー、リフトを使ったコースが一番人気となっています。
人気の理由はこのコースにあり、1時間程度で山頂に到着することができ、山道も整備されておりますので登りやすく、登山服を着てのぼる方ももちろんいますが、普段着にスニーカーというカジュアルなファッションで登れることにあります。
山頂からは天気がいいと富士山も見えますので記念写真も楽しめます。
ファミリーに人気の日向山
登山口の標高は約1100m。山頂は1659mと。大体500mくらいの登山になります。
コースタイムは2時間半程度で、山頂には1時間40分ほどで到着しますので、初心者や、ファミリーにも人気の山になっています。
コースはよく整備されておりますので、歩きにくい箇所はほとんどありません。山頂では夏でも雪のように真っ白な景色が広がっています。この真っ白の白砂の絶景には目を奪われます。
登山ダイエットの事前準備
天気予報をチェック
山の天気は変わりやすいです。下界が曇りでも山頂は雨などもあります。風の状況もチェックしておきます。
山頂付近では横殴りの風が吹いてとても登るには危険な時もあります。快晴が理想ですが、曇りの日も、雨や風のチェックも必要になってきます。
ブログなどで山の情報を把握しておく
山に関してのブログはチェックしておくといいです。実際に登ったことのある人の情報が一番よくわかります。標高低い高いに限らず、険しい山や、山道もわかりずらい山もあります。
事前に情報収集し、心得て向かうことでこんなはずじゃなかった、こんな道ならあれが必要だったなどの、登ってから後悔することが少なくなります。
登山グッズの準備
山の天気は変わりやすいです。しっかり装備を整えましょう。
ザックの中には、食べ物、飲み物、雨具、タオル、ビニール袋(ごみ入れ、トイレにも応用可能)、救急セット(絆創膏やガーゼ、ティッシュ)、着替え、レジャーシートです。あると便理なのがトレッキングボールです。脚や膝への負担を軽減させてくれます。
そのほか、双眼鏡(遠い景色を見て楽しむ)や熊鈴があるといいでしょう。カメラは絶対に必須ですね。
食事は登山の2〜3時間前に済ませておく
登山の前の食事は2〜3時間前に摂るのが最適です。
食事に多く含まれる「でんぷん」を消化してエネルギーに変えるのにはそれくらい時間がかかります。登山口についてから食事をとる予定であれば、ついて早々に食事を済ませ、小1時間ほど時間をおいてから登山を開始したほうがいいです。
朝食をとらないと、体内にエネルギー源の脂肪があったとしても、燃えがたい脂肪にはなかなか火が付きません。燃え出す前に燃料不足に陥り、ばてやすく、辛い山歩きになってします可能性が高いので注意しましょう。
地図を準備して工程表を作る
登山の計画はゆとりあるものにすることが大切です。登りたい山が決まったら、山と高原地図などの登山地図を使用して、日が暮れてぎりぎりになって下山するよりも、余力を残して早めの下山ができるように計画をしっかりします。
コースは何コースあるか、コースによっては簡単なコースから難易度が高いコースなど分かれていることもあります。
山頂からは、縦走できる山もあり、隣の山まで楽しむことも出来ます。向かうコース、順序をしっかり計画し、山を楽しみます。
標高、コースタイム、山小屋の位置、水場、山小屋の有無、交通機関の連絡先などを調べておきましょう。
遭難時に必要な登山計画書を作る
登山計画書は、万が一登山者が事故にあってしまったときに、第三者が確実にパーティの足取りを追えるよう、登山コースやメンバーが記入された計画書のことです。
各メンバーの緊急連絡先、県警部署に提出したり、登山口で提出します。もし登山計画書を作らずに、山に出かけてしまって遭難してしまった場合、目的の山が分かっていても警察の救助隊がどこを捜索していいかわからず、一つの山に登るにも、ルートがたくさんありますので、捜索に時間がかかり場合によっては見つからないこともあります。
登山計画書を提出することで、遭難時の有力な手掛かりになりますので、ぜひ実行して万が一の場合に備えます。
山域、山名、登山期日、登山形態(日帰り、古宿泊り、テント泊など)、メンバー全員の個人情報、リーダーの名前、メンバー全員の緊急連絡先、日別の行動予定、緊急時の避難コース、装備内容、食料の量、携帯電話の番号 等を記入しておくといいでしょう。
登山後のアフターケア
筋肉痛を防ぐためにアイシング
登山後には、山登りで疲れている脚を冷やしましょう。
登山の翌日から筋肉が痛み出しますが、筋肉痛が始まってからアイシングを行うのでは遅いです。筋肉に溜まった疲労をアイシングにより鎮静化させることができます。
基本的に冷たい水に浸したタオルで10分から20分ほど冷やします。登山中に筋肉痛が起きた場合は、冷たい飲料で冷やすのが良いでしょう。
なお、登山後だけでなく、登山中もストレッチするとなおいいです。休憩中にゆっくりとストレッチをします。大きく足を延ばすように行うと筋肉を傷めるのをやわらげることができます。
しっかり寝て十分な休養をとる
人間には自然治癒力があります。
睡眠は、疲労回復の王様といっても過言ではありません。心と身体の疲れをとるには大きな効果があります。
眠っている間の深い呼吸により、身体は柔らかくなり、脳の記憶は整理され、疲労を自分で回復する力を増やすことができます。
油断して暴飲暴食しない
たくさん運動したからといって、暴飲暴食をしてはいけません。
身体は使ったエネルギーを回復させようとエネルギーを使い続けています。
暴飲暴食をすることにより、逆に身体に負担をかけ、運動後の疲れに加え、翌日にはぐったり、場合によっては体調を崩しかねません。
適度な量の食事が一番いいです。
お風呂に浸かって脂肪燃焼を助ける
冷やしっぱなしではあまり効果がなく、冷やして落ち着いた後はお風呂でゆっくり温めると、筋肉痛の元になっている痛みの物質や固まった血液が筋肉から出ていきます。
血行を促進することで筋肉をいたわることができ、回復も早くなります。
定期的な登山でゆるくダイエットを続けよう
本格的な登山ではなく、緩やかな坂道を上り下りするハイキングのような登山でも、ダイエット効果はあります。
登山はいいことずくしです。最初は無理せず、ゆっくりと登山していき、体力がついてくるにつれどんどんほかの山も楽しめるようになってきます。
山はいろんなことを教えてくれる偉大な場所といえます。定期的に山に行き、行きかう人と会話し、景色を楽しみ、疲労も楽しみ、日々の活力になることは間違いないでしょう。
ゆるく、楽しみながらダイエットを続けましょう。