目次
ヨガの美容面への効果
体のラインが引き締まる
ヨガの基本となるのが、呼吸法です。普段私たちは無意識に呼吸をしていますが、仕事に集中している時、猫背など姿勢が原因で肺が圧迫されている場合、ストレスを感じている時など知らず知らず不規則な呼吸になったり、浅い呼吸になったりと偏った呼吸になってしまいます。
呼吸の乱れは、細胞が代謝するのに必要な酸素が不足し、脂肪が燃焼しにくくなってしまいます。ヨガで集中して深く呼吸をすることで身体全体に酸素が巡り細胞の代謝が活発になります。そこにヨガの動きが加わるので筋肉が活発に動き、さらに代謝は促進されます。
つまりヨガは、緩やかに有酸素運動を行っていることになります。有酸素運動は20分以上の継続で脂肪が燃焼し始めるので、ヨガを行う時も20分以上やるようにすると脂肪が燃焼されやすく、引き締まった身体のラインが手に入ります。
肌がきれいになる
肌の代謝には、酸素と栄養が欠かせません。酸素と栄養が不足している肌はくすんでカサつき、ハリもなくなってきます。ヨガを行うと、身体の酸素供給量が増加します。また、全身の筋肉をバランス良く動かし鍛えますので、全身の血流が良くなり、身体の隅々まで酸素と栄養を届けることが出来ます。もちろん末端細胞である皮膚細胞も活性化されますので、皮膚のターンオーバも促進され、保湿力やハリがアップし、みずみずしい潤い肌になれます。スキンケアだけではなく、身体を動かして代謝をアップさせるのも有効な美肌術の1つです。
若返り効果がある
ヨガによって向上するものの中に、リンパの流れがあります。リンパとは、細胞が代謝を行った時に出る二酸化炭素や老廃物を排泄する器官で、血管と同じように全身に張り巡らされています。このリンパの流れは動脈の拍動と筋肉の動きによって流れが促進されます。
あまり運動をしなかったり、座りっぱなしや立ちっぱなしの姿勢が続いたりすると、リンパの流れが滞り、老廃物が身体に溜まってしまいます。排出されない老廃物は脚や腕のセルライトとなって血流やリンパ管を圧迫し流れを滞らせたり、細胞を攻撃して老化を促進させてしまうのです。
ヨガを行うと血流が良くなることから動脈の拍動も強くなり、また全身の筋肉を動かすことでリンパの流れが促進されます。そうすると、老化の原因となる老廃物をスムーズに排泄することができるようになります。
また酸素を効率良く取り入れることで、細胞内でエネルギーを作り出しているミトコンドリアという小器官の活性にもなります。このミトコンドリアはアンチエイジングの鍵とも言われ、機能が向上することで老化の原因となる活性酸素の発生を抑制し細胞のエネルギー代謝が向上します。ミトコンドリアは筋肉に多く存在します。ヨガには自然と筋力が鍛えられる効果もあるので、酸素量を増やし代謝を高めながらミトコンドリアの全体量を増やす効果も期待できます。
この2つの面からヨガをすることで、アンチエイジング効果が期待出来ます。
ヨガの身体面への効果
新陳代謝が上がる
深い呼吸は細胞の酸素供給量が増え、代謝量もアップします。また、あまり運動をしていない普段の生活では、使えてない身体の部位が意外とたくさんあります。動きが少ない筋肉には血流も通いにくくなってしまうため、その部分の細胞は代謝が悪くなり老廃物もたまり、むくみやコリや痛みなどを引き起こしてしまいます。
ヨガを正しく行うと、普段はあまり動かない身体の隅々までを動かすことができ、全身の血行が良くなり細胞へも酸素をスムーズに届けられるようになります。コリやむくみの改善にもなり廃物もスムーズに排出されますので、細胞が活性化し新陳代謝が上がります。
柔軟性が上がる
ヨガは身体が柔らかくないとできない、というイメージをお持ちの方も少なくないと思いますが、身体が硬いからといって諦める必要は全くありません。確かに身体の隅々までしっかりと動かしたり、ヨガの高度なポーズをとるために柔軟性は必要ですが、基本的なヨガのポーズは硬い身体を柔軟にするストレッチ効果があります。基本のポーズから深い呼吸としっかり合わせて行うことで、無理なく自然に身体は柔らかくなっていきます。まずは初心者ポーズからゆっくりと始めてみましょう。
免疫力が上がる
私たちの免疫力は自律神経に支配されています。自律神経とは心臓や内臓の動き、脈拍やまばたきなど、自分の意思とは関係なく自律して動いている神経のことで、免疫機能もその中に含まれます。何事もなければ正常に働いていますが、強いストレスや生活リズムの乱れ、睡眠不足などが原因で、その自律神経のバランスが乱れてしまい免疫力も下がってしまいます。
ヨガで行う深い呼吸は、自律神経を調整する効果があるためストレスが解消され、免疫力のアップにも繋がります。
体力がつく
ヨガでまず大事になるのが、呼吸法とストレッチ効果ですが、その効果により全身の代謝がアップします。代謝とはエネルギーを作ることなので、全身のエネルギー量が上がり体力がついてきます。
また、しっかりとポーズをとれるようになると全身の筋肉が自然に鍛えられます。ムキムキの筋肉にはなりませんが、しなやかさを持った柔軟性のある筋肉が全身にバランス良く付いてきます。筋肉はエネルギーを生み出す力が多いため、ヨガを継続することでさらにに体力をつけていくことができます。
肩こりを解消できる
コリの原因は筋肉の硬直により血流が悪くなり、老廃物が溜まっている状態です。肩回りの筋肉は、全身の中でもかなり大きな面積を持っている筋肉で、約5キロある頭部を首と共に支える働きと、腕を動かすという重要な役割にも関わっています。そのため姿勢が崩れたりデスクワークを長時間したりであまり動かなくなると、すぐにコリや痛みが出やすい筋肉になります。ヨガの動きは、肩回りの筋肉もしっかりと動かすため、硬直しやすい筋肉もほぐれ、血行も良くなり、肩こりが解消されます。
ゆがみを矯正できる
身体は、脚を組んだり、同じ手にバッグを持ったり、頬杖をついたり、片足に重心をかけたりするなどの日常の癖で歪みが生じてしまいます。歪んだまま放置すると、筋肉もそのまま硬くなってしまい、血行も悪くなりますし、他の部分にも影響を及ぼしバランスの悪い身体になってしまいます。左右で身体の柔らかさが違うのもそういった歪みが原因かもしれません。歪みにくい身体とは、柔軟性があり、インナーマッスルが発達している身体です。そのため姿勢が崩れにくく、少し歪んでもヨガやストレッチなどで矯正することができます。さらにインナーマッスルが付いていると、お腹周りに余計な脂肪がつきにくく、いいプロポーションを保つことができます。
冷えやむくみが改善される
冷えやむくみは、血流とリンパの流れの滞りにより引き起こされます。深い呼吸により身体の緊張状態が緩和されて血行が良くなり、暖かい血液が全身を巡ると冷えが改善されていきます。そして冷えはリンパの流れを滞らせますので、冷えが解消されることでリンパの流れも良くなります。またふくらはぎは第2の心臓とも言われ、下半身の筋肉の動きで静脈とリンパの流れが促進されます。ヨガのポーズは下半身の動きもしっかりカバーしますので、むくみの原因である余分な水分もリンパに乗って排出され、むくみ改善につながります。
内臓機能の向上
深く呼吸をすると、肺の収縮をサポートしている横隔膜が大きく膨らみます。その動きが外からは触れらない内臓をマッサージする効果がありますので、深い呼吸を繰り返すことにより内臓が活性化します。また、深い呼吸と合わせて肋骨や背骨も動きますので、周辺の筋肉がほぐされ血行も良くなり、血液を作り出している脊柱やリンパ液を作り出している胸間も活性化し、血液とリンパの流れも良くなります。これにより自律神経も整い、内臓機能の向上に繋がります。
便秘解消を期待できる
上に記したように、内臓機能が向上することで、腸の働きも活性化しお通じが良くなります。また腸を守っている骨盤の歪みが矯正されることも腸の働きの改善になります。便秘薬を飲んでもいまいち効果が出ない人はヨガを試してみてもいいでしょう。
腰痛の改善
腰痛の原因は、主に骨盤の歪みですが、その歪みはお腹や腰回りのインナーマッスルが少なく、正しい姿勢を保てないことが原因です。お腹や腰回りの筋肉は天然のコルセットと言われ、姿勢維持のためにとても重要な働きをしている筋肉となります。ヨガの深い呼吸法とポーズにより、このお腹・腰回りのインナーマッスルが自然に鍛えられますので、コルセットを巻いているのと同じ効果が得られ、骨盤の歪みと腰痛が改善されます。
ヨガの精神面への効果
自律神経が整う
自律神経には、活動的なモードになる交感神経と、リラックスモードになる副交感神経があります。日中は交感神経が優位になっていて、バリバリ仕事をしたり活動的な状態になっています。そして夜になると副交感神経が優位になって気分も落ち着き休息状態に自然に切り替わります。ですが、遅くまでの残業や過度なストレス、パソコン・スマホなどの電子機器を使用することで、夜になっても副交感神経に切り替わりにくい社会になっています。交感神経はアクティブで血管が収縮した興奮状態なので長く続くと、疲れが抜けずイライラしたり、内臓などの働きの乱れから、便秘や肌荒れなど様々な症状が引き起こされます。
深い呼吸は交感神経を緩め、副交感神経を活発にする働きがあるため、ヨガを行うことで副交感神経のスイッチを入れ、ストレスを緩和しイライラしにくい状態を作ることができます。
集中力が高まる
私たちの日常は、テレビやスマホから色んな情報が自動的に入ってきてくれるので、物事を深く考えたりする時間がなく、脳はあまり活性されていません。普段の生活では脳の20%ほどしか使われていないと言いますが、ヨガの呼吸やポーズをとることに意識を向け、瞑想を行うことで脳は活性化され、集中力が高まり残りの80%の部分も使えるようになると言われています。
うつ症状の緩和
人間の姿勢と精神状態は深い関係にあります。姿勢が悪いと呼吸は浅くなり、自律神経の乱れに繋がります。また、全身の血行も悪くなるため脳の働きも低下し、セロトニンやアセチルコリンなど、減少するとうつ症状になりやすいホルモンがスムーズに分泌されなかったりします。ヨガによる呼吸と身体の動かし方が、血行をと自律神経の乱れを改善するため。うつ症状の緩和や再発防止に役立つことが、近年の研究により分かってきています。気分が晴れない、モヤモヤやイライラが収まらない場合は、ぜひヨガをやってみるといいでしょう。
ヨガの女性特有のトラブルへの効果
月経不順の緩和
月経不順は、骨盤の歪みによる子宮機能の低下や骨盤周りの血行不良、自律神経の乱れによるホルモンバランスの崩れなどが原因です。ヨガを行う効果として骨盤の歪みと自律神経の乱れも改善されるため、生理痛や月経不順の緩和にも効果的です。
不妊への効果も期待
骨盤の歪みが矯正されることで、骨盤周りの血行が良くなり子宮機能が活性します。また自律神経の乱れや血行不良の改善により、妊娠するために分泌される女性ホルモンのバランスも整うため、妊娠しやすい体質になる可能性が期待できます。
効果的なヨガのやり方
鼻呼吸と深い腹式呼吸に集中する
呼吸をする時のポイントは鼻で吸うことです。鼻にはフィルターの役目をしてくれる毛と、吸った空気を保湿してくれる水分があるため、きれいで潤った空気を体内に取り入れることができます。いわば天然のフィルター付き加湿器です。また鼻呼吸は腹式呼吸がしやすい呼吸方法です。深い腹式呼吸を行うことでインナーマッスルもある程度は鍛えられますし、乱れがちな自律神経も整います。
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ヨガ呼吸法のやり方。毎日の体がスッキリし健康的な体を維持できる
無理をしない
ヨガは手軽にできるところも魅力の一つです。気負いすぎると取り掛かるのが面倒になって、続かないパターンに陥ります。1日10分でも効果があるので、お風呂の後や寝る前など、ついでにできるタイミングなどに軽くやる事から始めてみましょう。また、無理に身体を柔らかくしようとする必要はありません。自分の体重の負荷くらいで行いましょう。「痛気持ち良い」くらいでポーズをキープするくらいがちょうど良いさじ加減です。
今の自分と向き合う
ヨガスタジオに行くと、先生は完璧なポーズを楽々と取りますし、ベテランの生徒さん達もいて、ついつい人と比べてしまい「全然できてない」「私には向いてないんじゃないか」と思いがちです。過去の経験からも、そこまでの道のりが遠く感じられるかもしれませんが、大事なのは人や過去の自分と比べるのではなく、今の自分と向き合うことです。インストラクターや他の生徒さんと同じことを無理にしようとせずに、今の自分の身体の状態を把握し、少しづつできる範囲行っていきましょう。
ポーズをキープする時は平行と一直線を意識する
ヨガポーズをキープするにはバランスが大事になります。バランスととるため、手足を伸ばすときは左右一直線になるようにする事と、骨盤を床と平行に保つ事が大切です。インナーマッスルや脚の筋力が弱い間はフラフラするかもしれませんが、この2つを意識する事で自然とインナーマッスルも他の筋力も鍛えられ、しっかりとバランスが取れるようになってきます。
定期的に継続して行う
ヨガは日常に取り入れる事でより高い効果が期待できます。はじめから毎日やるのは難しいですが、週に1〜2回は継続して行うと、身体の変化も早く感じられ、より楽しく行えるようになるでしょう。
効果を実感するまで時間がかかる
エクササイズはなんでもそうですが、すぐに効果を実感できるわけではありません。ヨガも同じように、呼吸とストレッチ効果により身体が柔軟になって、ポーズのキープもバランス良くできるようになると、筋力もついてきます。効果が実感できるようになるのはそこからなので、短くでも3ヶ月はかかるでしょう。やりながら少しでも可動域が広がったり、痛気持ちいと思える範囲が広がったりなど、小さな変化を楽しみながらコツコツと続ける事が大切です。
義務化しない
長く続けるためには、気負わず楽しくやる事が大切です。「やらなきゃいけない」という気持ちがあるとストレスになりますし、出来なかったとき自己嫌悪に陥り、逆効果になってしまいます。義務化をするのではなく、ヨガで得られる効果と効果を得た後の自分像をイメージしながら無理なく楽しく続ける事が大切です。
初心者は教室へ通うと効果が高い
初めてヨガをやる人や経験が浅い人は、まず教室に通う事をおすすめします。正しいと思ってやっているポーズも少し手や足の位置、身体のバランスが違うだけでも効果が半減してしまいます。何事も基本が大切なので、プロであるインストラクターに自分のポーズを正してもらい、それをしっかりと実践する事から始めましょう。
慣れてきたら家でも行う
ヨガは身一つで、畳一畳ほどのスペースがあれば行える手軽さも続けやすいポイントです。慣れてきたら是非家でもやったりと日常生活に取り入れてみましょう。毎日行うとより効果が得られます。自宅でもできるようにDVDやアプリなどもありますので、活用するといいでしょう。
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自宅でヨガをしよう。正しい呼吸で身も心も健康になる
ゆったりした服装で行う
ヨガは様々なポーズととるため、あまりピッタリとして締め付け感がある服装は、動きが制限されるため良くありませんし、血流も悪くなるため、身体を無理なく動かせるストレスのない服装で行いましょう。
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初心者におすすめのポーズ
背骨周りの筋肉をほぐすキャット&カウ
キャット&カウは、四つん這いになり猫のように背中を丸めたり、牛のように背中を反らせたりするポーズで、比較的簡単にでき、ヨガを始める際のウォームアップとしても最適です。
まずは四つん這いになります。この時手は両肩の真下、膝は骨盤の真下で垂直になるようにします。ゆっくりと息を吸いながら、自分のおへそを見るようにして背中を丸めていきます。完全に息を吸いきったら、次に息をゆっくり吐きながら、骨盤のすぐ上の腰骨から首の骨へと順番に起き上がるように背骨をそらしていきます。顎をできるだけ遠くへほこんだ状態で呼吸を止め、数秒キープします。
比較的簡単なポーズですが、普段動かさない背骨や肩周りの筋肉がほぐれ、背中やお腹・お尻の引き締め効果もあります。
下半身の引き締めを期待できるウォーリア?
こちらも比較的簡単にできる、下半身とお腹周りのインナーマッスルを引き締め鍛えるのに効果的なポーズです。
足を肩より幅2つ分に広く開き、右足を90度外に開きます。息を吸いながら両腕を肩の高さに上げ、鎖骨から広げるようなイメージで指先を遠くに伸ばし、顔を右に向けます。この時身体も一緒に右を向いてしまわないように、骨盤が床と平行になっていることを意識してください。息をゆっくりと吐き、右の踵の上に右膝が来るまで踏み込みます。この状態のままゆっくりと呼吸を繰り返し20〜30秒キープします。左側も同様に行います。
ポーズを維持するのに最初はかなりプルプルするかもしれませんが、徐々に下半身とお腹のインナーマッスルが鍛えられてくれば、しっかりポーズを維持できるようになり、呼吸もスムーズに行うことができます。
リラックス効果が高いチャイルドポーズ
ヨガのポーズの中でも、リラックス効果が高いポーズになります。少しきつめのポーズの合間に入れても副交感神経を高める働きをしてくれます。初心者から上級者まで使える簡単なポーズです。
まずは両手は肩幅、足は腰幅の四つん這いの状態になります。足の甲は床につけておきます。ゆっくりと息を吐きながらお尻を踵の上に下ろしていきます。おでこを床につけ、肘を緩めて肩の力を抜きます。そのままゆっくりと1分間ほど呼吸を繰り返します。
とても簡単で家でも簡単にできるポーズです。ストレスを感じた時などに行うのもオススメです。
自分のペースでコツコツ続けることが大切
ヨガは、美容効果もダイエット効果も高く、骨格や自律神経も整うので、極めれば究極のエクササイズと言えます。しかしどんなにいいエクササイズも続かなければ意味がありませんし、張り切りすぎて無理な動きをしてしまうと、返って身体を痛めたりしてしまいます。無理をせず自分のペースでコツコツと続けていきましょう。