目次
足の筋肉と筋トレについて
足の筋肉の名前
足の筋トレを行う際に、どの部分の筋肉が鍛えられているのかわかっていると、意識がその筋肉に向くので、効果もあがりやすくなります。筋肉の名前を覚えておくと、部分的にトレーニングしたいときも、トレーニング法を探しやすくなるでしょう。
太ももの表側の筋肉群は大腿四頭筋(だいたいしとうきん)、太ももの裏側の筋肉群は大腿二頭筋(だいたいにとうきん)といい、ハムストリングスとも呼ばれています。
足のすねにある筋肉は前脛骨筋(ぜんけいこつきん)、ふくらはぎの筋肉は腓腹筋(ひふくきん)、膝の裏側にある筋肉は膝窩筋(しつかきん)といい、大腿骨(だいたいこつ)とつながっているとても小さな筋肉です。
筋トレの回数のポイント
筋トレの回数は、ダンベルなどの負荷をかけていない場合は、自分ができる限界まで追い込んでトレーニングするとよいです。1セットの中で限界まで力を出し切ると、その後の超回復の効率が上昇します。
トレーニングによって筋肉は疲労と回復を繰り返しますが、回復した直後に前回のトレーニングよりも筋肉のレベルが上がっている状態を超回復といいます。つまり、限界までトレーニングをすることで、筋肉量がアップしやすいということです。
この超回復までの時間は、48~72時間といわれているので、1日おきにトレーニングを行うのがよいとされています。部位を変えてトレーニングする場合は、毎日でも問題ありません。
また、時間帯としては昼食後2時間~夕方にかけてがおすすめです。この時間帯は体温が上昇して細胞が活性化しているので、効果的にトレーニングできます。仕事などでこの時間帯にトレーニングできない場合は、毎日決めた時間で行うとよいでしょう。
筋トレの注意点
準備運動とクールダウン
筋トレのデメリットといえば筋肉痛になってしまうこと。運動前後のケアが筋肉痛の予防につながります。運動前には、ストレッチや軽い準備運動を行って、筋肉に動く準備をさせます。
運動後は、いきなりやめると血流が急に悪くなって、心臓に負担がかかるため、軽めの運動に移行していってゆっくりとクールダウンするとよいでしょう。
運動直後はアイシング
運動直後にアイシングをするのも、筋肉痛の予防には効果的です。傷みが激しい場合にもアイシングをおこないましょう。患部を冷やすと、麻痺して痛みが緩和されますし、血管を収縮させて筋肉の炎症をおさえられます。
1回あたり20分程度までにして、1日数回に分けて行ってください。運動から1、2日までがアイシングする期間の目安です。その後は温熱療法に切り替えましょう。
温熱療法
筋肉痛がすこし改善されてきたら、今度は温めるのが効果的です。血流がよくなって、蓄積された疲労物質である乳酸を、早く排出できます。新陳代謝が促進されるので、患部の回復を早めてくれるのです。
ぬるめのお湯につかって、やさしくマッサージするのも効果的だといわれています。
睡眠をしっかりとる
筋肉痛に限ったことではありませんが、睡眠中は成長ホルモンが分泌されるため、筋肉を修復し、筋肉もつきやすくしてくれます。筋肉疲労を回復させ、筋肉量を効率的にアップさせるためにも、睡眠はしっかりとりましょう。
足が太くなる筋肉と細くなる筋肉
筋トレで女性が気になることといえば、筋肉がつきすぎて太くなってしまうこと。しかし、足が太くなる筋肉と細くなる筋肉があるので、細くなるほうの筋肉を鍛えれば安心です。
大腿四頭筋は太ももの表側の筋肉なので、鍛えられると競輪選手のように、太くてしっかりした足になってしまいます。反対に足を細くする筋肉は、内転筋群とハムストリングスです。内転筋群には、恥骨筋、薄筋、長内転筋、短内転筋、大内転筋、小内転筋が集まっています。
股関節を内側にまわすとき、外側にまわすとき、曲げるときなどに使われ、外転筋群とともに骨盤を安定させる働をしているのです。外転筋群と内転筋群のバランスが崩れると、骨盤が横にぶれやすくなり、体がゆがんだり、つまづきやすくなったりします。
ハムストリングスは、太ももの裏側の筋肉群。半腱様筋(はんけんようきん)、半膜様筋(はんまくようきん)、大腿二頭筋(だいたいにとうきん)の3つの筋肉の総称で、ひざを曲げる働きをしています。
内転筋群やハムストリングスは、日常の動きでは鍛えにくい部分で、弱ってくるとO脚やX脚になってしまうので、引き締まった足にするためにも、まっすぐで美しい足にするためにも重要な筋肉だといえるのです。
有酸素運動を20分以上プラスすると効果的
太ももには脂肪がつきやすいですが、その脂肪を燃焼させるなら、筋トレに有酸素運動を組みあわせるのがおすすめです。有酸素運動はウォーキングやランニングなどの、呼吸ができる程度で行う運動のことです。
20分以上行うことで、脂肪が燃焼され始めます。10分ごとなどに区切っても、効果は変わらないので合計で20分以上有酸素運動をするようにしましょう。
筋トレで筋肉量がアップすると基礎代謝が増えますし、有酸素運動では脂肪燃焼効果があるので両方を取り入れて相乗効果を狙うと、効率的に足を引き締めることができます。
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足を筋トレする利点
カロリーが消費しやすい身体になる
筋肉量がアップすると、基礎代謝もアップするといいました。足の筋トレで鍛えられる太ももの筋肉は、体の中で最も大きな筋肉なので、小さな筋肉を鍛えるよりも基礎代謝がよりアップするのです。
基礎代謝は、寝ていても消費するカロリーのことなので、足の筋トレを行うことで、自然と痩せやすい体になっていきます。
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下半身が安定する
体を支えているのは、当然土台となる下半身です。足を鍛えれば、骨盤もしっかりと支えられるようになるので、体が安定してきます。年齢を重ねるにつれて衰えるのは、上半身よりも下半身のほうなので、意識的にトレーニングすることが大切なのです。
血液循環が良くなってむくみなどが無くなる
ふくらはぎは、第二の心臓と呼ばれるように、血流をうながすポンプ作用があります。上半身の血流は心臓が、下半身の血流はふくらはぎがになっており、心臓は鍛えることはできませんが、ふくらはぎは鍛えることができます。
つま先まで流れていった血液は、重力に逆らって上っていかなければならないため、負荷がかかるのですが、それを助けるのがふくらはぎの役目です。
冷え性などで血流が滞ると、老廃物の排出が悪くなりむくみの原因となります。ふくらはぎを鍛えて血流をよくすれば、老廃物や余分な水分の排出もスムーズになり、むくみが改善されるでしょう。
上半身の発達に貢献
足を鍛えるときに、足だけを動かしてトレーニングするのは運動強度が弱いため、上半身も使いながら行っていくので、間接的に体幹を使うことがほとんどです。
足の付け根である骨盤まわりが鍛えられると、上半身を支える筋肉も一緒に動かされるため、体幹がしっかりして、ブレない体をつくることにもつながります。
自宅でできるふくらはぎの筋肉を鍛える筋トレメニュー
腓腹筋を鍛えるカーフレイズ
カーフレイズは、意外と鍛えにくい腓腹筋やその下にあるヒラメ筋を鍛えることができます。階段などの段差を利用して行いますが、なければ床でも問題ありません。階段の場合は、半分ほど足をのせてかかとは宙に浮かせた状態にし、不安定であれば壁などを支えにしてください。
その状態から、つま先立ちになり3秒ほどキープします。ゆっくりかかとを下ろしますが、このとき床の場合はかかとをつけないようにしましょう。この動きをゆっくり繰り返して15~20回を2、3セット行います。慣れてきて負荷をかけたい場合は、バーベルなどを持って行ってみてください。
前脛骨筋を鍛えるトゥレイズ
トゥレイズはカーフレイズの反対の動きをするので、すね側の筋肉が鍛えられます。壁などを支えにして、軽く手をおきます。足は肩幅に開き、つま先をあげてかかとだけで立ちます。このとき、爪先は出来るだけ高く上げるのがポイントです。
つま先を下ろすときは床につけず、すれすれの位置までゆっくり下ろすことを繰り返します。15~20回を2、3セット行いましょう。負荷が足りない場合は、バーベルなどをもって行ってみてください。
自宅でできる太ももを鍛える筋トレメニュー
消費カロリーNO.1ノーマルスクワット
誰もが知っているノーマルスクワットで鍛えられる部位は、大腿四頭筋、内転筋群、大臀筋で、O脚の改善に効果的です。スクワット1回で消費するカロリーは、腹筋の50~100回分にも相当します。
足を肩幅に開いて立ち、顔は正面を向きます。ひざを90度に曲げて、背中をのばしてゆっくりしゃがみましょう。
ひざとつま先は同じ方向を向くようにし、ひざがつま先より出ないようにするのがポイントです。背中は丸めず、まっすぐのばしますが、腰を反らないようにも気をつけましょう。負荷が足りなくなってきたら、バーベルやダンベルを持って行ってください。
フルスクワットの中間で止めるハーフスクワット
フルスクワットは、ひざを90度からそれ以上に曲げて行う、ノーマルスクワットよりも負荷のかかるスクワットです。そのフルスクワットの中間までで止めるのが、ハーフスクワットです。
筋肉への負担が軽いので、筋トレ初心者やウォーミングアップの筋トレとして最適です。回数やトレーニング時の注意点は、ノーマルスクワットと同様になります。
下半身の瞬発力を鍛えるジャンプスクワット
ノーマルスクワットにジャンプが加わって、上級者向けになったスクワットです。筋肉の収縮と伸張の差が大きいので、トレーニング効果がアップします。
ノーマルスクワット同様に足を肩幅に開いて立ち、両手を頭のうしろで組みます。背中をまっすぐにしたまま、ひざを曲げて腰を落し、90度の角度まできたらジャンプしましょう。つま先で地面を押しあげて、跳ね上がるようにするのがポイントで10回3セット行いましょう。
足の筋力トレーニングのブルガリアンスクワット
ブルガリアンスクワットは、片足ずつ行うトレーニングで、ある程度トレーニングを積んで筋力がついてきた中級者向けです。
ノーマールスクワットのポーズから、片足をひざくらいの高さのベンチに乗せて、反対の足だけでスクワットをします。ベンチに乗せていないほうの足を鍛えることを意識し、そのひざがつま先よりも出ないように気をつけて、10回を3セット行いましょう。
内ももを鍛えるアダクション
アダクションは、横向きの姿勢で足を上げ下げするので、内転筋群やハムストリングが鍛えられます。
横向きに寝て、上体を起こし片手で支えます。上になっている足を反対の太ももの前におき、のびている足をゆっくりと上下させます。このとき上体をなるべく動かさないことがポイントです。10~15回を各2、3セット行いましょう。
アダクションの正しいやり方
アダクションは、普段使われていない内転筋群やハムストリングスを動かすので、急に始めると足がつったり、筋肉痛になったりします。トレーニング前には、必ずストレッチを行って筋肉をほぐしておきましょう。内ももの筋肉だけを使って足を上げるように意識し、勢いをつけないことが大切です。
内ももを鍛えるサイドレッグリフト
サイドレッグリフトは文字通り、横向きに寝て足を上げ下げするトレーニングです。
横向きにまっすぐ寝て、床側の腕を前に伸ばして体を支えます。のばした両足のつま先は正面に向け、上になっている足をゆっくりと上げ下げしましょう。内ももやお尻まわりの筋肉が動いていることを意識しながら、10~15回を各2、3セット行います。
バスタオルを使って行うタオルスクイーズ
バスタオルをはさんで内ももを鍛えるトレーニングです。
仰向けに寝て、ひざを軽く曲げます。太ももの間にバスタオルを丸めてはさみ、両ひざでつぶすようにしましょう。ひざを内側に入れるような感覚で、内ももが使われてることを意識してください。その状態を10秒キープし5秒休むことを、10回行います。
大腿四頭筋を刺激するシシースクワット
シシースクワットは、股関節は曲げずに行うスクワットで、腰を下ろすときに筋力が必要なので、中級者向けのトレーニングです。
体を支えるため、柱や重みのあるテーブルなどにつかまり、片方の手は腰などにあてておきます。両足を肩幅に広げて、つま先はまっすぐ前を向けましょう。この状態から、ひざを曲げて上体を後ろに傾けて、腰を前に出します。このとき、肩からひざまでが一直線になるようにしましょう。
これと同時にかかとを上げ、両ひざを90度からそれ以上に曲げます。ゆっくりともとの状態に戻り、10~15回を3セット行いましょう。
バランス感覚も鍛えることのできるレッグランジ
大きく足を踏みだすトレーニングなので大腿四頭筋、ハムストリングス、大殿筋が鍛えられ、O脚の改善効果があります。
足を肩幅に開いて立ち、両手を頭のうしろに組みます。息を吸いながら大きく1歩前に、片足を踏みだします。太ももが地面と平行になるくらいまで、腰を落しましょう。息を吐きながらもとに戻り、10~15回を3セット行います。
常に背筋を真っ直ぐ保つのがポイントです。レッグランジのときに、足を踏みだしたら元に戻らず前に進んで行くと、筋トレとウォーキングの相乗効果が期待できます。
体幹部を安定させるシザーズランジ
ジャンプを組み合わせて、深く沈むので体幹鍛えられ、大腿四頭筋や大臀筋のトレーニングになります。
立っているところから大きく1歩踏み出して、ひざを曲げながら重心を深く落とします。重心はまっすぐ下に下ろすようにしましょう。
重心を落したら真上にジャンプし、足を入れ替えて着地します。上半身の姿勢が崩れないように意識するとトレーニング効果が高まります。1回ごとに姿勢や使われている筋肉を意識しながら15回ほど行いましょう。負荷が欲しいときは、ダンベルを持って行うことも可能です。
立って行うレッグカール
ひざ下を曲げることでハムストリングスを鍛えられるので、O脚の改善効果があります。器具を使わない場合は立ってトレーニングをします。
足を肩幅くらいに広げて立ち、片方のひざを曲げて、そのかかとがお尻につくようにします。ひざをのばして元の状態に戻しましょう。これを10~20回、3セット行い、反対も同様にトレーニングします。
ジムなどの器具で、うつ伏せになって行う場合は、上体を反らせすぎると腰に負担がかかるので注意して行いましょう。
マシンを使って太ももを鍛える筋トレメニュー
レッグプレスを使ったレッグエクステンション
レッグプレスはシンプルなつくりなので、初心者でも使いやすいマシンです。足の曲げのばしをするレッグエクステンションでは、大腿四頭筋、ハムストリング、大臀筋が鍛えられます。足をフットプレートの高い位置に置くほど、大殿筋やハムストリングスを効果的に鍛えられます。シートを浅めに設定することでも、同様の効果があります。
シートに座り、フットプレートに足をおきます。グリップを握って体を安定させ、足をのばします。完全ひざがのびる直前で、またひざを曲げましょう。8~15回を2、3セット行います。
グリップを握りこむと、力が分散して足の筋肉を効率的にトレーニングすることができないので、注意してください。
ハムストリングスの強化にデッドリフト
デッドリフトはバーベルを使ったトレーニングで、体の裏側の筋肉はほとんど使うことができます。下半身では大殿筋、ハムストリングス、上半身では脊柱起立筋、僧帽筋、広背筋などが鍛えられます。
床に置いたバーベルを両手で持ち、上半身と床が垂直になるまで上げていくトレーニングです。腰でバーベルを上げると、腰を痛めてしまうので、大殿筋とハムストリングスを使って持ち上げるように意識しましょう。
自宅でできるお尻を鍛える筋トレメニュー
腰も鍛えることのできるヒップリフト
腰を上げ下げすることで、大腿四頭筋、ハムストリング、背筋群が鍛えられます。
仰向けに寝て、ひざを軽く曲げます。両手を体の脇に置いて支えます。3秒かけて腰をあげ、肩からひざまでが一直線になるようにしたら、1秒キープしましょう。また、3秒かけて元に戻りますが、完全に床につける前にまた腰を上げます。
10~12回を2、3セット行います。ひざを曲げて足を置くと、体から離すと大殿筋とハムストリングスが鍛えられ、体の近くに置くと、大殿筋と背筋が鍛えられます。お尻を上げ過ぎると、腰に負担がかかるので気をつけましょう。足をバランスボールに乗せて行うことも可能です。
お尻にしっかり効くヒップアダクション
横向きに寝た状態で、片足を動かすトレーニングで、大臀筋や中臀筋を鍛えられます。
横向きに寝て、上体を起こし体を片手で支えるようにします。片方のひざを曲げ、反対側の足をのばしたまま、足首を90度にキープします。そこから足を山なりに上げ下げしますが、足の内側が常に上を向いているようにしておきましょう。
膝を曲げないように意識して、往復10回を目安に行ってください。
お尻のラインを綺麗にするリバーステーブルアップ
座った状態から、お尻を上げるトレーニングで、おもに大殿筋やハムストリングスを鍛えられます。
床に座ってひざを軽く曲げます。両手は体のほうに向けて、肩幅くらいの位置におきます。その状態からお尻を浮かせて、肩からひざまでのラインを一直線になるようにしましょう。
腕と背中が90度、太ももとふくらはぎが90度になるようにすると、体がテーブルのような形になります。この状態を2秒キープしたら、ゆっくり元に戻り、10回を目安に行いましょう。
足の効果的な筋トレで理想のスタイルを手に入れて下さい
足の筋トレを行うことで、体の中で一番大きなお尻の筋肉を鍛えられます。大きな筋肉を鍛えれば、それだけ基礎代謝もアップするので痩せやすい体になれるのです。第二の心臓と呼ばれるふくらはぎを鍛えると、血流がアップしむくみも解消できます。
ハムストリングスと内転筋群を鍛えることで、細くて引き締まった足を手に入れることができるでしょう。