目次
鼻に赤ニキビができる原因
皮脂が過剰に分泌している
毛穴の皮脂腺から分泌される皮脂。その本来の役割は、汗と混じり合い、天然の保護クリームとして肌の乾燥や雑菌の侵入を防ぐことです。しかし、さまざまな原因により皮脂の分泌が過剰になると、毛穴が詰まりニキビが発生します。そして、ニキビが炎症を起こした状態が赤ニキビです。
鼻は顔の他のパーツに比べて皮脂腺が多く、もともと皮脂の分泌量が盛んなため、毛穴が詰まりやすくニキビの発生が多い場所です。その上、絶えず外部にさらされていることで、刺激を受けたり雑菌が付ついたりして赤ニキビができやすい傾向があります。
なにかと赤ニキビができる条件が揃っている鼻ですが、裏を返せば、「皮脂の過剰分泌を抑えて毛穴の詰まりを防ぐこと」と「ニキビを悪化させないこと」が、鼻の赤ニキビ対策の重要なポイントなのです。
ターンオーバーが乱れている
健康な肌の細胞は日々生まれ変わっています。およそ28日周期で肌の角質はアカとなって剥がれ落ちますが、この肌の生まれ変わりのサイクルがターンオーバーです。ターンオーバーが乱れてしまうと、剥がれ残った角質が皮脂と共に毛穴に詰まり、ニキビの原因になります。
ターンオーバーは肌の新陳代謝。スムーズな新陳代謝を行うためには、栄養バランスの良い食事が基本ですが、紫外線の刺激やストレスなどもターンオーバーを乱す原因になりますから、注意が必要です。
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美肌のもとは「ターンオーバー」。肌の再生機能を助けるケア方法
アクネ菌が繁殖し炎症している
ちくちくと鼻の赤ニキビが痛むのは、赤ニキビの原因菌として知られている「アクネ菌」が毛穴に入り込んで、毛穴や毛穴の周囲に炎症を起こしているためです。アクネ菌の繁殖に必要なのは、皮脂が豊富なことと空気に触れないこと。その点、皮脂が詰まった毛穴の中は、アクネ菌が増える条件が揃っています。
肌の常在菌であるアクネ菌を完璧に排除するのは困難ですが、アクネ菌が繁殖する環境を作らないことは可能です。アクネ菌の繁殖を防ぐために、毛穴に皮脂を詰まらせないようにしましょう。
ホルモンバランスの変化
女性は、生理周期に合わせて二つの女性ホルモンのバランスが変化して、肌のコンディションが影響を受けます。二つの女性ホルモンの名前は、エストロゲンとプロゲステロン。
エストロゲンは、肌にハリや潤いを与えてくれるホルモンで、生理が終わってから次の排卵が起こるまで増えていきます。一方、プロゲステロンは、皮脂の分泌を促す働きがあり、排卵から生理までの間に急激に増えるホルモンです。
ホルモンバランスが乱れてプロゲステロンが増えすぎれば、過剰に皮脂が分泌されて毛穴は詰まりやすくなり、赤ニキビの原因になることもあります。赤ニキビを作らないためには、ホルモンバランスを整えることも大切な要素です。
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鼻に赤ニキビができやすい行動
生活習慣の乱れ
鼻に赤ニキビができやすい行動として挙げられるのが、生活習慣の乱れです。特に、肌の健康を維持するためには、バランスの良い食生活が大切になってきます。忙しくてつい朝食を抜いてしまったり、お昼は外食で済ませてしまったりしがちですが、食生活が乱れてしまうとバランスよく栄養が取れません。その結果、便秘になることも考えられます。
便秘になると腸の中に便が長く留まるため、不必要な老廃物まで吸収してしまいます。この老廃物は、毛穴の皮脂腺から皮脂と一緒に分泌されますが、量が増えれば、ニキビの原因である毛穴の詰まりを招いてしまうのです。また便秘になると食欲も落ちますし、イライラしてストレスがたまります。ストレスは、ホルモンバランスを乱して、赤ニキビをできやすくします。
このような悪循環を防ぐためにも、まずは、食生活を見直すことから始めてみましょう。
鼻に厚くファンデーションを塗る
鼻の毛穴が気になると、つい厚くファンデーションを塗って、隠してしまいたくなります。しかし、厚くファンデーションを塗るのは、毛穴にフタをしてしまうようなもの。皮脂を詰まらせて、ニキビになってしまう心配があります。
さらに、皮脂の詰まった毛穴にアクネ菌が入り込めば、炎症を起こして赤ニキビになります。ファンデーションは、毛穴を隠すことではなく、毛穴を詰まらせないことにポイントをおきましょう。
洗顔のし過ぎ
皮脂を取り除こうとするあまり洗顔をしすぎると、肌の潤いを保つために必要な皮脂まで取り去ってしまう恐れがあります。皮脂がまったくなくなった毛穴は、カラカラに乾いた状態です。本来なら皮脂と汗の保護クリームによって守られているはずの肌は、乾燥して刺激や雑菌の侵入を受けやすい状態になります。
そこで肌は、この乾燥状態を改善しようと急いで皮脂を分泌しはじめるのです。すると、過剰に分泌された皮脂が毛穴に詰まり、新しいニキビが発生。さらに増えてしまうという悪循環が生まれます。このようなニキビ発生の無限ループを避けるためにも、洗顔は、朝と夜の2回に留めておきましょう。
泡のすすぎが足りない
シャンプーのときに泡のすすぎが足りないと、シャンプーの成分が肌に残り、肌を刺激することになります。洗浄成分の強いシャンプーなら、肌が乾燥するため、毛穴からはどんどん皮脂が分泌されて、毛穴を詰まらせることに。
ニキビを悪化させる原因にもなるため、シャンプーやリンスの後は、十分に泡をすすいで肌に成分を残さないように注意が必要です。入浴のときは、まずは髪を洗って十分にシャンプーやリンスの成分を洗い流した後、体や顔を洗う習慣をつけると、泡のすすぎが足りないためにニキビが増えた、悪化したということを防げます。
うつ伏せで寝る
鼻は、顔の中でも高さがあるパーツです。そのため、うつ伏せで寝た場合、他の部分に比べてかかる圧力も大きくなり、肌に受ける刺激も多くなります。また、一見きれいに見える枕や寝具にも、意外に雑菌が繁殖していることが多いものです。
ただでさえ刺激を受けている毛穴に、寝具から雑菌が付着して、赤ニキビの原因になることも考えられます。赤ニキビ予防のためにも、枕や掛布団のカバー、シーツなどは豆に交換しましょう。天気がいい日は、なるべく枕や布団じたいも天日干しを行うといいですね。
鼻を無意識に掻く
鼻は、無意識に掻いてしまうことが多い場所。掻くことじたいも、肌に刺激やダージを与えます。しかし、注意したいのは、手に付いている雑菌です。手はいろいろなものに触れるため、体の中で一番雑菌が付着しやすい場所。不用意に鼻を掻いてしまうと手から鼻へと雑菌が移り、ニキビを悪化させてしまう恐れがあります。ニキビの悪化を防ぐためにも「鼻は掻かない」を意識して、極力鼻に触れないようにしましょう。
マスクで鼻を隠す、鼻をかむ
ニキビは、刺激で増えたリ悪化したりします。鼻の毛穴の開きが気になるからといってマスクで鼻を隠すのも、マスクとの摩擦で肌に刺激を与えてしまうため避けた方が無難です。また、鼻をかむときも、意外に肌に負担がかかりますから、毛穴を刺激しないように気を付けましょう。
鼻にできた赤ニキビを治すには
洗顔方法を見直す
赤ニキビを治すには、毎日のスキンケアが大切です。特に洗顔方法は、一番影響が出やすいポイントなので、あらためて見直してみましょう。
洗顔はまず顔を濡らしてから
洗顔する前には、不要な摩擦を防ぐために、まず顔を水で濡らしましょう。水の温度は、毛穴を適度に開き皮脂を取りすぎない「ぬるま湯」が理想的です。
泡立ちのいい洗顔フォームを選ぶ
洗顔は、たっぷりの泡で毛穴の汚れを浮かすイメージで行います。そのためには、泡立ちのいい洗顔フォームを選んでください。泡立ちがよく、低刺激なものが洗顔フォーム選びのポイントです。
毛穴の汚れに効くのはきめ細かい泡
洗顔に使う泡は、きめが細かいほど毛穴の奥の汚れに届きますから、どれくらいきめ細かい泡が作れるかも重要なポイントになってきます。泡立てネットを利用するのもいいですが、手で丹念に泡立てると、よりきめ細かい泡ができるのでおすすめです。
泡を乗せてやさしくマッサージ
まずは皮脂の多いTゾーンから泡を乗せます。顔全体に泡を乗せたら、やさしくマッサージする感覚で洗ってください。じかに手で肌をゴシゴシこするような洗い方は、肌にダメージを与えてしまうので避けてください。
ぬるま湯で泡を十分に落とす
顔をすすぐときも、人肌よりもやや低めのぬるま湯を使ってやさしく、きれいに泡を洗い流しましょう。ぬるま湯を使う理由は、適度に皮脂を残してきれいに泡と汚れを洗い流すためです。冷たい水は、汚れを落とす前に毛穴を引き締めてしまい、熱いお湯は、皮脂を取りすぎてしまいますから、「洗顔にはぬるめのお湯」と覚えておきましょう。
洗顔後には清潔なタオルを
洗顔して、さっぱりと汚れと余分な皮脂を洗い流したあとは、清潔なタオルでやさしく水分を拭き取ってください。せっかくきれいになった肌を汚れたタオルで拭いてしまっては、雑菌を塗りつけてしまうことになりかねません。「フェイス用タオルは、いつも清潔に」。これも、洗顔するときの大切な注意ポイントです。
ニキビを触って悪化させない
赤ニキビは、ただでさえ毛穴で繁殖したアクネ菌が炎症を起こしている状態ですから、触ってしまうと刺激や雑菌の侵入でさらに悪化してしまう恐れがあります。また、早くニキビを治したいからと、ここでこの赤ニキビを潰してしまうと、さらにニキビの悪化を招き、肌の深層部分までダメージを与えかねません。
肌の深層部分は、肌の再生を行う大切な役割を担っています。この部分が大きなダメージを受けると、ニキビを潰したことでできた穴が、完全には塞がらずにクレーター状のニキビ跡として残ってしまう可能性があるのです。傷跡にならないまでも、シミになって残ることもあります。ニキビ跡を残さないためにも、ニキビを触って悪化させないようにしましょう。
化粧は薄めもしくは控えめにする
ファンデーションやコンシーラーには、多かれ少なかれ油分が含まれているものがほとんどです。この油分が肌に付くと赤ニキビを刺激して、悪化させてしまうこともあるため、なるべく油分が少ないものを選ぶようにしましょう。油分を含まない、低刺激のニキビ用の化粧品もありますので、自分にあったものを探してみてください。
ただし、ニキビ用の化粧品であっても、化粧が毛穴にフタをすることには変わりがありません。毛穴の詰まり防止の意味でも、化粧は薄めもしくは控えめにしましょう。
ストレスを溜めないよう気を付ける
仕事や人間関係など、何かとストレスが溜まりがちな毎日ですが、ストレスは、女性ホルモンのバランスを乱すため、赤ニキビを増やしたり悪化させたりします。ストレスを感じることは避けられないかもしれませんが、大切なのは適度に発散させてストレスをため込まないことです。
とっておきのお茶を飲みながら、ゆったりとした時間を過ごしたり、アロマテラピーでリラックスしたりと、何か一つでも楽しめることを生活の中に取り入れると、いいストレスの発散になりますよ。
生活習慣を見直す
生活習慣を見直すことも、鼻の赤ニキビを治すための重要なポイントです。特に注意したいのが「寝不足」。寝不足は美容の敵といいますが、ニキビにとっても大きな敵です。肌の新陳代謝は寝ている間に活発になり、ニキビなどのダメージの回復を行っています。つまり、寝不足になると肌の新陳代謝が落ちて、赤ニキビの回復を遅らせてしまうのです。
肌の回復力が高まるといわれているのが、22時から2時の間の「肌のゴールデンタイム」。この時間帯に、しっかりと睡眠を取るようにしましょう。
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市販の塗り薬を使用してみる
赤ニキビが悪化して膿を持ってしまう前に、市販の塗り薬を使用してみるのもひとつの選択肢です。薬は正しく塗ってこそ効果が引き出せます。薬の塗り方は、まず使用方法をよく確認してから、洗顔後の清潔な肌へ清潔な指や綿棒を使って、赤ニキビ全体に適量を塗りましょう。
手や指先には雑菌がたくさん付着していますから、必ずよく洗ってから薬を塗ることが大切です。綿棒で塗る場合も、使いまわしをせずに薬を塗るたびに新しく交換します。市販薬を使う場合は「清潔」が、赤ニキビを悪化させずに薬の効果を引き出すポイントです。
皮膚科を受診
赤ニキビが長引くと、治った後にシミとして残ってしまうことがあります。また、赤ニキビが悪化すると、膿をもった黄ニキビになり、痛みも肌へのダメージも大きくなります。市販の薬を使っても効果が見られない場合は、ニキビが治った後にシミや傷跡を残さないためにも、早めに皮膚科を受診して治療することをおすすめします。
鼻の赤ニキビにおすすめの市販薬
ジョンソンエンドジョンソン テラコートリル 軟膏 6g
テラコートリル軟膏には、殺菌効果に優れたオキシテトラサイクリン塩酸塩と抗炎症作用のヒドロコルチゾンが配合されており、主に、皮膚の発疹や発赤・かゆみなどに使用される塗り薬です。赤ニキビを作り出しているアクネ菌には、オキシテトラサイクリン塩酸塩が優れた殺菌効果を発揮し、ヒドロコルチゾンが炎症に作用します。
ジョンソンエンドジョンソン テラコートリル 軟膏 6g
オロナイン オロナインH軟膏 30g
抗炎症作用のクロルヘキシジングルコン酸塩液が配合された「オロナインH軟膏」は、患部を消毒して赤ニキビの炎症を抑えてくれます。オリーブ油やワセリンなどの成分も含まれているため、肌になじみやすくしっとりとした使用感の軟膏です。
オロナイン オロナインH軟膏 30g
ペア ペアアクネクリームW 14g
クリームタイプの塗り薬「ペアアクネクリームW」には、抗炎症作用のイブプロフェンピコノールが配合されており、赤ニキビの不快な炎症に作用します。また、皮脂の塊であるコメドができるのを防ぐ成分・イソプロピルメチルフェノールが肌の内部に浸透して、ニキビの根本に働きかけます。
ペア ペアアクネクリームW 14g
クレアラシル ニキビ治療クリーム 18g
クレアラシル ニキビ治療クリームには、抗炎症作用のグリチルリチン酸ニカリウムが配合されており、赤ニキビの炎症に作用します。クレアラシルの特徴は、まずニキビを開いてアクネ菌を殺菌し、その上で腫れや痛みに働きかける点です。
クレアラシル ニキビ治療クリーム 18g
ニキビの時におすすめの化粧品ブランド
常盤薬品工業のノブシリーズ
常盤薬品工業のノブシリーズは、敏感肌のための化粧品ブランド。専門家からの知見・原料へのこだわり・安全性試験の三つの取組みで、敏感肌に寄り添った化粧品を作り続けています。そんなノブシリーズのなかにも、ニキビに悩む方向けのノンコメドジェニック「ノブ ACシリーズ」があります。低刺激性で無香料・無着色。もちろん、ノンコメドジェニックテスト済みです。
ライスフォースのアクポレスシリーズ
ライスフォースのアクポレスは、開発に皮膚科医のアドバイが生かされた、ニキビに悩む方向けの薬用スキンケアシリーズ。毛穴に詰まった汚れをしっかり落として皮脂に働きかけ、ニキビのできにくい肌を目指します。保湿成分、ライスパワーエキスが配合されており、しっとりとした使用感が特徴です。
富士フイルムのルナメアシリーズ
富士フイルムのルナメアシリーズは、独自のナノ技術で配合された成分が、ニキビの原因に働きかけるスキンケアシリーズ。抗炎症成分グリチルレチン酸ステアリルが配合されているため、赤ニキビケアにもおすすめです。また、全アイテムに、植物由来の保湿成分ハーバルモイストエキスが配合されているため、鼻に赤ニキビがあるのに「乾燥が気になる」という方にもおすすめのシリーズになっています。
ビーグレンのニキビケアプログラム
ビーグレンは、肌の奥に成分を届ける「浸透深度」に着目した化粧品ブランド。ビーグレンのニキビケアプログラムは、ニキビとニキビ予備軍に働きかけて、ニキビを繰り返さない健やかな肌作りのために作られたプログラムです。洗顔料・化粧水・美容液・クリームの四つのステップで、できてしまった赤ニキビをケアしていきます。
鼻に赤ニキビができたら早めに対処しよう
ニキビは、ホルモンバランスの乱れや寝不足・ストレスなどの影響でできやすくなります。もしも、鼻に赤ニキビができてしまったら、刺激を与えず清潔を心がけること。その一方で、栄養バランスのよい食事を取るなどの生活習慣を見直すことが大切です。
悪化すると、傷跡が残ってしまうこともある赤ニキビ。早めに対処をして、本来の美しい素肌を取り戻しましょう。