目次
自分のワキガ臭に気づかない理由
匂いに慣れてしまっている
人は同じ匂いを嗅ぎ続けていると匂いになれてしまい、その匂いが良い匂いなのか臭いのか判断できなくなってしまいます。そのことを嗅覚疲労と言います。自分がワキガだと気付いていない人は嗅覚疲労の為、自分の匂いがわからなくなっているかもしれません。嗅覚疲労は回復しますが、長時間嗅覚疲労が続くと回復が行われず、いくら強い匂いでも全く感じなくなってしまいます。ワキガの場合は、常に匂いが発生しているため、自分がワキガだと気付かなくなってしまうと考えられます。
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自分ではワキガに気づかない?客観的視点から臭いを判別する方法
汗の臭いだと勘違いしている
汗の匂いとワキガの匂いは全く別物です。言葉で表現するならツンとする匂い。脇の下が匂うからワキガなのか、脇の下にたくさん汗をかくからワキガなのか?そういうわけではありません。匂いだけで自分がワキガだと判断できる人は意外と少ないのです。
遺伝性のため家族も気づかない
ワキガは遺伝的なものも原因に含まれています。家族がワキガだと一緒にいる時間が長いと匂いになれてしまいます。何十年もその匂いに慣れいるため、家族間でもワキガに気付かないことがあります。他人のワキガは指摘しずらいですが、身内同士ならまだ言いやすいはずなのに、気付かないから指摘できません。身内の中にワキガがいるとわかればもしかしたら自分も…?と匂いに気を付けるようになり、配慮できるようになるかもしれません。
嗅覚そのものが減退している
ワキガに気付かない以前に嗅覚が減退している可能性も。嗅覚が減退しているということはワキガ以前に匂いに対して疎いということです。自分の脇の匂いすら気付かず、周囲から言われるまで気付かなかったり、迷惑がられて気付くなどワキガを自覚するの難しいものです。しかし、周囲から迷惑がられたり、孤立しないようにするためにも自覚することはとても大切なことです。
周囲が遠慮して指摘していない
ワキガはとてもデリケートなことです。突然「脇が臭いよ」と言われたら、例え家族や友人であっても言われた方はショックです。指摘する方も正直言いづらいのが現状。言いづらいことを言ってくれた相手の優しさをしっかり受け止めましょう。言われて気付きケアをすることで、これからも良好な人間関係を築いていけることでしょう。
今すぐできるワキガのチェックリスト
服のわき部分が黄色く染まっている
白い洋服や下着の脇の部分が黄ばんでしまうことが多くある場合はワキガの可能性が高いです。この黄ばみはアポクリン腺からでる汗です。やや粘り気のあるのが特徴。背中から出るサラサラで匂いも弱い汗とは全く違います。しかし、脇が黄ばんでしまうのはワキガだけが原因ではないのです。体質に合わない制汗剤を使っていたり、汗腺機能の衰えなどが原因なこともあります。汗腺の衰えると汗の中に含まれるミネラルや鉄分の濃度が高くなり、ベトっとした汗が出やすくなります。その汗が洋服に触れることで黄ばんでしまいます。
耳垢が湿っている
お風呂に入った直後でなくても耳掃除ができてしまう人はワキガの可能性があります。通常耳の中は乾燥していて耳アカもパサパサしています。しかし、アポクリンという汗腺が発達している場合は耳の中が湿っています。綿棒で1回すくってキャラメル状の耳アカが出てきたらワキガの可能性は強くなります。しかし、耳が湿っているからと言って絶対ワキガであるとは言い切れません。判断材料の1つとして捉えましょう。
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ワキガは耳垢で分かる?ベタつく耳垢ならワキガの可能性あり
親や親戚にワキガ体質がいる
両親がワキガの場合80%の確率で遺伝すると言われています。また片親がワキガだと50%の確率でワキガになる可能性があるため、親族にワキガがいる方は可能性は非常に高くなります。ワキガが遺伝したかどうかは思春期にわかることが多いです。ワキガの原因のアポクリン腺の成長は子供から大人の体に成長するころに活発になります。しかし、最近では食生活の変化でワキガの低年齢化が進んでいて、小学校低学年頃からワキガが確認できることが増えているようです。
腋毛に白い粉がつくことがある
制汗剤など何も付けていないのに腋毛に白い粉状のものがついている場合は間違いなくワキガであると言えます。この白い粉状のものはアポクリン腺から分泌されたものが結晶となったものです。しかし、他にも白い粉のできる原因はあります。制汗剤の成分が皮膚に合わず、炎症を起こし剥がれた角質が腋毛につくこともあります。その場合は制汗剤の使用は中止しましょう。
わき汗を大量にかきやすい
多汗症とワキガは似ているようで全く違います。多汗症はエクリン腺からの汗で、緊張する時などに異常なほど汗をかき、ワキガは季節に限らずアポクリン腺から分泌される粘り気のある汗です。また多汗症の場合は脇だけでなく、全身から汗が出ます。しかし、実際はワキガの人が多汗症を併発していることは多いようです。多汗症の人が全員ワキガというわけではありません。あまり気にし過ぎて汗をかきたくないから水分を控えようなんてことは控えましょう。ワキガの場合、水分を控えることでアポクリン腺から出る汗の濃度が高くなってしまい、より匂いが強くなってしまいます。熱中症のリスクも上がりますので、注意が必要です。
わき毛が濃くしっかりしている
女性の場合、ワキガの原因のアポクリン腺が男性より多いため、ワキガになりやすいようです。アポクリン腺は女性の方が活発ですし、何より皮下脂肪を溜めやすいのは女性です。皮下脂肪はアポクリン腺や皮脂腺を刺激する作用があります。ホルモンの変化で生理中や生理前後の一時的にワキガのような匂いになってしまうこともあります。わき毛が濃いからと言ってワキガであるというわけではないのですが、汗が溜まりやすいため匂いを発生する可能性は高いです。
わき毛が多くふわふわしている
男性の場合はわき毛が多いとその分、匂いも目立ってしまいます。毛の根元は湿気が多く細菌が繁殖しやすい環境なのです。わき毛を剃ったら匂いが激減したという話もあります。女性であればわき毛を処理することは珍しいことではないですが、男性の場合抵抗がありますよね。短くカットするだけでも匂い改善の効果的のようです。毛が短くなることで脇の下が乾燥しやすくなり雑菌の繁殖を防ぐことができ、匂いも軽減します。
ワキガの臭いを消す方法
汗をかいたらこまめに拭く
汗をかいたらウエットシートでこまめに拭くこと。汗をかいている状態が長く続くとその分匂いもきつくなってしまいます。脇の下を乾燥させ、細菌の繁殖を防ぐこと。ウエットシートなら簡単に持ち歩くこともできて、手軽に使用することができます。アルコールを含んでいるウエットシートはより効果的です。その後制汗剤の使用がおすすめ。
ワキガ専用クリームを塗る
ワキガを治すことは手術でしかできませんが、ワキガの匂いを消すことはできます。ワキガ専用のクリームを使用することです。
■イソプロピルッメリフェノール(消臭力)配合
■パラフェノールス(制汗力、持続性)配合
■肌に優しいもの
上記のものをクリーム購入の際は選ぶようにしましょう。
わき毛をカミソリで処理する
わき毛を処理することで蒸れにくくなり、細菌の繁殖を防ぐことができます。またアポクリン腺から出る汗の洗い残しがなくなります。アポクリン腺は毛穴の中にあり、汗が出るとわき毛を伝い、汗が蒸発するときに脂質やアンモニアなどがわき毛をコーティングするように残ってしまいます。このコーティングされて残った成分を脇にいる細菌が分解することで発生します。わき毛が無ければ匂いの元をなくすことができます。
入浴剤としてミョウバンを使う
ミョウバンには皮膚を酸性にして細菌の住みにくい環境にしてくれます。また制汗作用、殺菌、抗菌などの効果もあります。ワキガだけでなくアトピーや加齢臭にも効果的。使用量はミョウバン水コップ1杯程度。制汗剤のAg+などの銀イオンが含まれている制汗剤が販売されていますが、このミョウバンも金属イオンでできています。金属イオンは匂いを分解消臭する役割があります。
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手軽に作れるミョウバン水でワキガの臭いとさよならしましょう
わきをアルコールで消毒する
寝ている間も汗をかきます。知らないうちに脇の下で細菌が繁殖しています。脇に繁殖した雑菌を朝一でアルコール消毒をしましょう。夜のお風呂上りも同様に行います。アルコール消毒の際は必ず脇の下を乾燥させることがポイント。使用するアルコールは肌に使用可能なものを選んでください。肌が荒れてしまう可能性があります。
皮膚科医に相談する
あまりワキガのことが気になるようなら皮膚科の医師に相談することも一つの手段です。自分のワキガを気にしすぎて、実際皮膚科の医師に見てもらったらワキガではないと診断される場合も多いようです。治療には手術やボトックス注射、レーザー治療などさまざまなものがあります。中にはワキガを気にし過ぎのあまり精神的ストレスからワキガの匂いを悪化させてしまっている可能性もあります。
ワキガを治すための病院での治療薬
塩化アルミニウム液の外用薬
ワキガの外用薬として塩化アルミニウム液が使用されます。塩化アルミニウムは皮膚を引き締める収れん作用があり、汗腺を塞いでくれることから制汗効果が期待できます。制汗させることができれば匂いを抑えることができます。塩化アルミニウムは濃度が高いほど効果が出ますが、市販で販売されている制汗剤は5%ほどなのであまり効果は期待できません。
抗コリン剤の内服薬
ワキガの内服薬として代表的なのは臭化プロバンテリンという抗コリン剤です。汗の分泌を抑える働きがありますが、口や目の渇きや尿の出が悪くなるといった副作用があり、継続的な使用はおすすめできません。ワキガの根本的な治療薬ではないので、内服薬も外用薬も汗やにおいを抑える作用もあるものだということのようです。
菌を抑える抗生物質
外用薬の他にも細菌の繁殖を抑える抗生物質を塗る場合もあります。外用薬と併用して使用するとより効果が期待できるようです。抗生物質は薬が効いている時間のみ効果が期待されるもの。副作用もあるため、長期間の使用は控えた方が良さそうです。
ストレスを和らげる抗不安薬
周囲からの反応を気にしてしまったり、ワキガであることが精神的な負担となってしまい、自律神経のバランスを崩してしまっている可能性があります。その際、抗不安薬を処方されることもあります。自律神経のバランスが乱れることで不必要な汗が出て、ワキガの悪循環が始まってしまいます。抗不安剤を処方され、それを飲むことで乱れていた自律神経が整い、不必要な汗をかくことがなくなります。
強い緊張を緩和する自律神経調整剤
自律神経が乱れると常に緊張しているような状態になり、冷や汗を頻繁にかくようになります。その冷や汗が匂いの原因になってしまい、ワキガを引き起こす可能性があります。そのため病院での治療の際、自律神経調整剤を処方される場合があります。
ワキガ臭を軽減する生活習慣
お酒をやめる
お酒やたばこはワキガに関わらず体臭を強くさせます。消化しきれなかったアルコールが汗となって体の外に出ていきます。またアルコールは摂取後すぐに発汗量を上げる働きもあり、ワキガの人がアルコールを飲むと匂いがきつくなりますので注意しましょう。1日20本以上の喫煙をする人はアポクリン腺の活動は活発になってしまうという実験結果が出ています。ニコチンの量が多い少ないに関係ありません。体内にニコチンを入れていることが問題です。
脂肪分の摂取を控える
ワキガと脂肪分の関係は肉を食べることで皮脂が脂っこくなる、皮脂の分泌が増えるなど、皮脂へ影響を与えます。肉にたくさんの脂肪分が含まれています。過剰に摂取しすぎるとワキガの原因のアポクリン腺から排出されます。また肉にはたんぱく質が多く含まれています。体にとってたんぱく質は重要な栄養素ですが、匂いにとっては悪影響です。たんぱく質を摂取すると汗の量が増えます。ワキガの場合匂いがきつくなってしまいます。
ダイエットを行う
代謝の低下がワキガを引き起こすことのあります。代謝が低下すると汗にアンモニアが含まれ、甘酸っぱい匂いに。アンモニアは肌環境をアルカリ性に傾かせるので、雑菌の繁殖を促し、匂いがきつくなる環境を作っています。また間違ったダイエットでワキガになってしまうこともあります。それは食べないダイエット。運動をせず、食べ物だけを控えるダイエットはワキガを悪化させます。食事制限だけでなく、運動を取り入れた正しいダイエットでワキガ改善を目指しましょう。
毎日湯船に浸かって汗を流す
ワキガ改善には特に洗うことが大切なので、お風呂タイムは欠かせません。湯船に浸からずシャワーのみはおすすめできません。シャワーのみは毛穴の汚れを落としきれず、残ってしまい雑菌のエサを残すことになります。しっかりと湯船に浸かって汗を出すようにしましょう。ワキガを抑える上で汗を出すのは重要なこと。毛穴に詰まった汚れを汗をかいて流してから体を洗うことで雑菌をキレイに洗い流すことができます。
しっかり睡眠をとる
規則正しい生活を送ることがワキガを改善させるためには有効です。朝方まで遊んで、顔がベタベタと脂っぽい状態になってしまいます。これは顔だけでなく、全身でも同じことが起きています。この脂は雑菌が繁殖しやすい脂ですし、匂いを作り出す元でもあります。そんな状態が長く続いたらワキガ改善は目指せません。しっかり睡眠を取ることが大事になってきます。
ワキガの臭いに気づいたら生活を見直そう
匂いはなかなか自分では判断しずらいので気付かず生活してしまうと思います。ワキガの根本的な改善はセルフケアでは難しいですが、匂いを抑えることは日常生活のケアで改善できます。デオドラントを塗っても効かない人はワキガが強くなりやすい生活を送っている可能性が考えられます。同じワキガでも匂いの差によって生活習慣の違いが大きく関係しています。匂いの元となる食べ物は控え、睡眠をしっかり取り、お風呂でもケアをすることが大事になってきます。