目次
見た目でわかるO脚
指2本以上の隙間
O脚とは、脚を揃えてまっすぐ立った時、両膝の間が指2本以上に隙間がある状態を言います。生まれつきのものだと思っている方が多いのですが、実は日常の歩き方の癖や体の歪みにより後天的になっている場合がほとんどです。
脚の隙間が広ければ広いほど重度なO脚と言え、まずは脚の形が見た目に悪くなるので脚を出したりするスタイルに抵抗を持つでしょう。そして一口にO脚といっても、その種類は4種類あります。そして、下半身太りのお悩みも実はO脚が原因だったということが多くあります。
このように、それぞれのタイプによってさまざまな症状が引き起こされてきます。あなたに当てはまるものは次の中にあるでしょうか?
全体がひらく股関節のO脚
O脚になる原因のひとつに股関節の開きがあります。股関節は、骨盤と太ももの骨である大腿骨をつなげている関節で、骨盤のくぼみに大腿骨の先端である「大転子」という出っ張った骨がはめ込まれている形になっています。
この股関節が外側にひらいて、太ももの付け根にある「大転子」が関節から外側へずれているため、骨盤よりも太ももが出っぱり、両足をそろえて立つと、股の間から脚全体に四角に近い形の隙間ができている状態が股関節のO脚になります。
大転子が出っ張るだけではなく、外側に開いている大腿骨と共に、太ももやお尻の肉も外側に引っ張られてしまいますので、上半身は痩せているのに下半身だけボリュームがでたり、お尻が垂れ下ったり、ダイエットをしても太ももだけ痩せなかったりしてしまいます。
股関節と膝がひらくO脚
O脚の中で最も多く見られる、股関節だけではなく膝下も開いているタイプです。膝下の骨にねじれがあるため、両足をそろえて立つと、太もも・両膝・ふくらはぎの間に隙間ができて、まさにOの字のような形の脚になってしまいます。
股関節のO脚と同じように、太もものボリュームも付いてきますし、股関節と膝が外側へずれて開いてしまっているため、下半身全体のバランスも崩れます。そのアンバランスを補うために、すね・太もも・お尻の筋肉がはり、下半身全体が太くなってしまうのがこのタイプです。
また、股関節の歪みにともなって骨盤も開いてしまうので、内臓が下垂傾向になり、お腹がぽっこり出たり、ウエストのくびれがなくなったり、脚もむくみやすく疲れやすい体質になります。
膝から下がひらくO脚
太ももの間はくっついているけど、両膝とふくらはぎの間が空いてしまっているタイプです。両足を揃えて立つと膝下が大きくふくらんだような形になります。
足の裏にかかる重心も外側へ偏っているため、足と繋がっている膝下の骨が、外側へずれて出っ張ってきます。それにともない、スネの外側の筋肉も外側へずれ、負担がかかり、筋肉が硬直し硬くなってしまいます。硬くなった筋肉は膨らむ性質がありますので、外側が異常に発達した太い脚になってしまいます。
また、硬い筋肉には疲労がたまりやすいため、更に硬くなり、血行も滞り、だるさやむくみも出やすくなり、少し長く歩いただけで疲れやすくなります。足が不安定で全身のバランスが崩れるため、腰痛や肩こりにもなりやすくなります。
両ひざ・くるぶしはくっついているXO脚
両膝はくっついているけど、太ももとふくらはぎがくっつかないタイプです。膝上と膝下でOとXを組み合わせたような隙間が空いている内股気味の脚になります。
腰が反っていたり、膝が反り返る「反張膝」だったり、太ももを内側に締める力が強い場合に、このタイプになることが多い傾向にあります。股関節が開き、大転子が外へ出っ張っているため太ももの外側、お尻に肉がつきやすく、膝の外側も発達します。
腰が反っているため、お腹がポッコリ出たり、出っ尻になったりとスタイルが崩れる原因にもなってしまいます。
なぜO脚になるのか
軟骨形成不全やくる病などの先天性
O脚になる原因のひとつが、軟骨形成不全やくる病など、先天的に骨に歪みのある場合です。
後天的なO脚は、股関節や膝関節からのねじれが原因なので、膝の向きが正面ではなく、内側や外側に開いていているのに対し、先天的なO脚は膝は正面に向いているけど、脚の間が開いている状態になります。この場合、残念ながらストレッチでの改善は難しいと言えるでしょう。
普段の歩き方
骨格は日常の癖や身体の使い方に大きく影響を受けます。O脚の場合は、足裏の重心がかたよったり、骨盤の開き、脚の筋力不足などから、歩く時のバランスが崩れ、脚へ伝わる力のバランスも崩れ、ねじれたような歩き方になっているパターンが非常に多く見られます。
それが、骨や筋肉の歪みに繋がりO脚を引き起こしてしまいます。
外反母趾や偏平足
ヒールを履くことが多い方やすり足で歩く癖のある方などは、土踏まずをあまり使わないため、土踏まず周辺の筋肉が退化し、外反母趾や偏平足や浮足になりやすい傾向にあります。これらは足裏の重心が偏る原因になります。
この場合、主に外側に重心がかたよるため、膝下の骨や大腿骨の外側へ余分な力が伝わり、骨が外側へねじれ、膝関節や股関節が開きO脚を作り上げてしまいます。
無意識に座った姿勢
床に座る時、無意識に正座をしたり、お尻を床につけて足を曲げるペタンコ座りやあぐらをかいていることはないでしょうか?日本人の約8割がO脚と言われていますが、その原因のひとつが正座やこういった床によく座る生活スタイルから来ていると考えられます。
O脚になる正座、ならない正座
正座が全て良くないという訳ではありません。問題なのは、正座の仕方になります。座った時足が重なっている正座の仕方は、膝下の骨がねじれた状態になってしまいます。これが習慣的に行われると膝下の外側にある腓骨が外へずれてしまい、「膝下O脚」の原因になってしまいます。
正座をする時は、足を重ねず親指同士を平行にする座り方を心がけましょう。
骨盤がずれる座り方
ペタンコ座りやあぐらは、膝下の骨のねじれも引き起こしますが、骨盤が開いてしまう原因にもなります。骨盤が開いていしまうと股関節も外側へ開き、大腿骨が外側へせり出た「股関節O脚」になってしまいます。同時に膝下もねじれた状態で座るため、「膝下O脚」も引き起こしてしまいます。
また、脚を揃えて横に曲げる横座りは、膝下のねじれにもなり、骨盤の左右のズレの原因にもなります。女性らしい座り方なのでやってしまいがちですが、習慣化するとO脚の原因となるので気をつけましょう。
維持が難しい立ち姿勢
多くの女性は、立っている姿勢が無意識に内股になってしまう傾向にあります。内股になっている状態では、骨盤の後ろ側が外に開いた状態となり、同時に股関節も外側へ開いてしまいます。そして自然と外側重心になりますので、膝下の外側へねじれにもつながりますので、この状態が長く続くと、O脚の原因になってしまいます。
また、太ももも膝下の筋肉も外側へ流れ、余分な力も加わるため硬くもりあがった状態になり、下半身太りにもなり、太ももを内側へ締める筋力も衰えるので、たるみが出てしまいます。
膝をそらせて立つ「反張膝」
筋力の少ない女性に見られがちな立ち方で、膝が後ろに反り返っている立ち方です。立った時に膝が太ももよりも後ろに反っていると反張膝という事になります。
反張膝になる原因としては、体幹や脚の筋力が少ないため、膝を反らせて膝関節の骨を噛み合わせる事で、つっぱり棒のように骨で身体を支えようと無意識にやってしまっている事と考えられます。これは姿勢を良くしようとした結果、なってしまっている傾向もあります。
膝を反らせる事で、膝下と太ももの骨にねじれが生じてしまい、重心が外側になる原因や、股関節や膝関節が外側にずれる原因となり、O脚につながってしまいます。
骨盤のゆがみ
股関節は骨盤とつながっているので、骨盤の状態とO脚とは密接な関係性があります。骨盤の前傾や後傾、左右差などの歪みは骨盤の開きを引き起こし、そこから股関節の開きに発展し、O脚を作り出してしまいます。
骨盤は、スポーツでの身体にかかる衝撃や日常生活で身体を動かした時、普段の立姿勢や座り姿勢、鞄をどちら側に持つかの癖、などのバランスが悪いと歪んでしまいます。
赤ちゃん時の動き
産まれたばかりの赤ちゃんは、脚の骨がまだしっかりと作られていなく、軟骨のような状態です。その時期に無理に立たせようとしたり、急につかまり立ちをしたりすると、歪んだ脚が形成されてしまうことがあります。
O脚の様々な影響
歩きに支障をきたす疲れ・だるさ・痛み
O脚は、骨盤と大腿骨がうまく連動して動かなかったり、太ももや膝下が外側へねじれていたりするため、歩き方にも支障が出てしまいます。
正常な状態だと、歩くときの衝撃はそれぞれの関節で吸収されますが、O脚の場合はそれができないため部分的に負担がかかり、少し歩いただけでも疲れやすかったり、すぐに脚がだるくなったり、ふくらはぎや太ももの外側に痛みが出たりしてしまいます。
大半の人が悩む腰痛
O脚の人のほとんどは骨盤が開いたり、歪んだりしています。骨盤の開きからO脚になるパターンもありますし、足裏にかかる重心のかたよりからO脚になり、骨盤が歪むパターンもあります。
骨盤は上半身をつなぐ筋肉が付着しているため、歪みがあると筋肉が圧迫されたり、引っ張られたりして動きが悪くなります。動きの悪い筋肉には老廃物がたまりコリや痛みが出てしまいます。
また、骨盤は身体を支える重要な働きをしていますので、歪むと上半身のバランスも崩れ、腰に負担がかかり、腰痛を引き起こしてしまいます。
女性の悩みの生理痛
子宮は骨盤の中にあって守られています。骨盤が歪みむと、骨盤内の血流が悪くなり、子宮が冷えてしまい収縮がうまくできなくなってしまいます。また、股関節の筋肉が硬くなると生理痛に骨盤が開きにくくなり、骨盤を広げるために分泌されるホルモンが過剰になり、生理痛がひどくなってしまう原因のひとつになります。
O脚や骨盤の歪みを改善することが、生理痛の改善にもなるかもしれません。
意外なところへ影響の肩こり
脚の形と肩こりは全く関係ないように思えますが、身体は全て繋がっています。O脚と骨盤の歪みは切っても切れない関係にありますが、骨盤が歪むと身体を支えるバランスが崩れ、背中や肩への負担がかかるため、骨盤の歪みと肩こりも切り離せない関係にあります。
骨盤が正しい位置にあると、スイカほどの重さの頭部を丈夫な骨盤でしっかり支えられますが、骨盤が歪むと肩や背中で頭部の重さを支える状態になり、背骨や筋肉に負担がかかってしまいます。
こらが肩こりの原因にもなりますし、長く続くと背骨が圧迫され、神経の流れや血流の滞りにもなってしまいます。
見た目にわかるセルライト・むくみ
股関節には、老廃物を処理する大きなリンパ節があります。下半身とお腹周りの老廃物はここのリンパ節に流れ込み排出されていきます。
O脚だと、股関節がずれたり硬くなったりする事がほとんどですから、、そのリンパ節が詰まってしまい、老廃物が排出されなくなります。排出されなかった老廃物はリンパ管を通り体内に逆戻りし、脂肪と結びついてセルライトとなってしまいます。
また、股関節のずれは血流とリンパの流れを滞らせるので、むくみの原因にもなりますが、セルライトがあるとさらに血流やリンパの流れが圧迫されてしまいます。
そして、またセルライトができやすくなり、脂肪もつきやすくなるという悪循環に陥ってしまいます。
体内に影響がある冷え性
O脚だと、股関節・膝関節の骨のねじれや骨盤の歪みによる圧迫で、どうしても血流が悪くなり、冷えは起こりやすいです。
冷えは美容と健康の大敵と言われています。血流も悪くなり酸素や栄養の供給がスムーズにできなくなるため、代謝もターンオーバーも落ち、肌のくすみや乾燥、たるみやシワにつながります。また、体温が下がることで身体の免疫力も下がり、風邪や病気になりやすかったりします。
見た目と痛みを伴う外反母趾
O脚で、膝下や脚全体にかかる負担が外側へ傾いていると、足裏へかかる体重も外側へ傾きます。その状態で立ったり歩いたりを続けていると、自然と足の裏に内側をあまり使わなくなり土踏まずが退化し、へん平足になります。
そうすると、足の親指を動かす筋肉も退化し、内側に引っ張られ外反母趾になりやすい傾向にあります。外反母趾は骨自体が歪んでいくので、痛みを伴いますし、痛くて内側に体重をかけれなくなるため、O脚を悪化させてしまったり、O脚の改善も難しくなってしまいます。
見た目が気になる太くなった下半身
O脚は、脚の外側や太ももの前面に負担がかかるため、その部分の筋肉が発達し盛り上がってしまいます。また、血流とリンパの流れも滞るため、むくみやセルライトにより、下半身太りになってしまいます。
上半身は細いけど、下半身だけはボリュームがある人や下半身だけなかなか痩せない人は、O脚を疑ってみたほうがいいでしょう。
TV番組「世界一受けたい授業」で紹介されたO脚改善ストレッチ
ペタンコ座りストレッチ
膝下が外側に向いてしまっている脚を、矯正するストレッチです。
・両膝が肩幅くらいになるように膝立ちになり、足のつま先を外側に開く。
・ふくらはぎ上部あたりで、左右それぞれの膝下の骨をつかむように置く。
・でふくらはぎの上から手で脚を床方向に押さえながら、腰を曲げずにお尻を床に近づける。
・お尻を下げたまま、10秒間ストレッチ状態をキープする。
O脚がひどい人ほど、お尻が深く下がらないので、下がらない人は間にタオルを敷いてもいいです。
寝ころび足組ストレッチ
膝上と膝下のねじれた脚をまっすぐに矯正するストレッチです。
・床に仰向けになり、両腕は下ろした状態で両ヒザを立てる。
・片方の脚を上げてもう片方の脚にかけ、寝たまま脚を組む。
・上にした脚の足を、もう片方のふくらはぎの下へくぐらせる。
・10秒間キープする 。(左右それぞれ行う)
身体が硬くてふくらはぎの下へ上の脚をくぐらせれない場合は、上の脚を反対方向へ身体を倒し、床へ膝下を押し付けるようにしてもいいです。
内もも締めエクササイズ
・枕を敷いて仰向けに寝ている状態から、両ヒザの間にタオルを挟み、体全体を横に倒す。
・両膝のおさらを内側にキュッと回す。
・その状態のまま、下になっている脚を床から浮かせる。
・その状態を5秒間キープする。(左右それぞれに行う)
※一度に5セット~10セットから始め、慣れるに従って20セット~30セット行う。
ストレッチ以外の改善方法
歩き方を意識する
脚がねじれた歩き方を改善するためには、まずは足裏をしっかりと使って正しくバランスと取れるようになることです。土踏まずをしっかり使う歩き方をするために、なるべくヒール歩行やすり足歩行をしないように意識しましょう。
次に、脚の外側になるべく負荷をかけないようにするために、みぞおちから脚が生えているイメージで歩くようにしましょう。体幹を使った歩行になるので、脚の負担が軽減されるとともに、太ももの全体の筋力がバランス良くなります。
座り方を変える
普段の座り方を、脚がねじれたり、骨盤に歪みに影響が少ない座り方を意識しましょう。床に座る時はなるべく脚を伸ばして座ったり、足裏を重ねない正座をしましょう。
一番いいのは床に座らず椅子やソファーに腰をかけることですが、その際は脚を組まないように注意しましょう。
お尻など下半身の筋肉をほぐす
歪んだ骨に付着している筋肉は、老廃物がたまって硬くなっています。付着している筋肉が硬いと、矯正しても骨は動きにくく、歪んだ状態に戻りやすい性質があります。矯正の効果も出やすいので、ぬるま湯に浸かったり、マッサージをしたり、股関節のストレッチをするなどして、筋肉を柔らかく保っておくといいでしょう。
ヨガのバランス練習からO脚が改善
片足で立つ「木のポーズ」とも言われるヨガのバランスポーズは、足裏全体でバランスをとるため、O脚でなまりがちな土踏まずを強化してくれます。また、脚全体の筋力がバランス良く鍛えられ、骨の湾曲の改善にもなりますので、O脚の矯正効果が期待できます。
O脚の人は、そもそもバランスが崩れているので、初めは片足で立てない人も多いと思いますが、諦めず続けることで筋肉が強化されて、だんだんとバランスが取りやすくなってきます。
▼さらに詳しい解説はこちら
ヨガで体幹を鍛えてストレスを解消。きれいな身体も手に入れよう
ツールを使って骨盤矯正
O脚の人のほとんどは骨盤が開いているため、骨盤ベルトなどを使って日頃から骨盤を締めておくと、股関節の開きも改善して、脚の外側にかかる負担も減ってきます。
また、足裏の外側重心を改善するために、土踏まず方向に体重がかかるようなスリッパなどを日常的に使うのもおすすめです。
場合によってはグッズを活用
O脚の負担を和らげるソルボ疲労対策ウェッジヒールタイプ
インソールタイプの歩き方矯正グッズです。普段から使えるので日常的に歩き方を矯正できます。左右の底減りも均等になります。
美脚をつくるケアランス フロッシュスラリスト
家での矯正用スリッパです。外側より内側が低い設計になっているため、足の内側に体重がかかり、外側に開きがちな脚を日常的に矯正へと導きます。立体構造になっているため、足裏にしっかりとフィットし土踏まずをサポートします。
マジックテープで簡単装着rocoroco(ロコロコ) 美脚 サポートベルト
自宅で読書やテレビ見ながら装着することにより、矯正するタイプのサポートベルトです。太もも・膝・膝下の3点を固定することで脚のねじれを矯正し、O脚やX脚を矯正します。
ほとんどの人は日常の行動が原因
O脚は生まれつきのものではなく、日常の身体の使い方や癖が原因のことがほとんどです。原因が分かれば少しの意識と日常の習慣で多くは改善できます。悩んでいる方は是非実践して美脚を手に入れてください。