目次
股関節をストレッチすることのメリット
下半身太りの予防
股関節は上半身と下半身をつなぐ大切な部分なので、大きな筋肉が集まっています。股関節まわりにある代表的な筋肉群は腸腰筋、内転筋群、外転筋群、大殿筋、深層外旋筋、大腿四頭筋、ハムストリングスです。
これらの大きな筋肉が使われなければ、小さな筋肉を使わないよりも、脂肪がたまりやすくなります。女性は特に、腰回りに脂肪がつきやすいため、股関節を動かさなければ下半身太りとなってしまいます。
反対に、股関節を柔軟にして大きな筋肉を動かせば、脂肪燃焼効果が高くなるということです。
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股関節のストレッチですっきりした下半身に。むくみや便秘改善効果も
筋肉がつき体力がつく
デスクワーク、車の使用、エレベーターやエスカレーターの使用など、下半身を動かさなくてよい環境が、現代にはそろっています。運動の好きな人でなければ、股関節まわりの筋肉は固くなっていることが多いです。
そこで、股関節をストレッチして大きな筋肉を動かせば、柔軟性もつく上、動かしていない筋肉であれば十分な筋肉運動になります。筋肉は伸びて、細かい筋線維が切れ、それを修復することで大きくなっていきます。
さまざまなポーズを取る際に体を支えるため、腕や足、体幹といった筋肉を収縮することができるため、筋力がつき体力もついていきます。
むくみや冷えの解消
筋肉が柔軟になることで、血流は促されます。股関節まわりの大きな筋肉がやわらかくなれば、その分血流促進効果も高まります。冷えやすいお尻や足先の血流がよくなれば、体がポカポカ温まる感覚が得られるでしょう。
筋肉が動くことでリンパの流れも促されて、老廃物や余分な水分の排出もしやすくなり、むくみの解消にもつながります。
老廃物の排出促進
筋肉が動いてリンパの流れがよくなると、老廃物の排出が促進されます。老廃物とは、細胞が代謝することによって生じた不要物です。尿酸、尿素、乳酸、クレアチニンなどの老廃物は、汗、尿、便として排出されます。
また、食品に含まれる添加物や金属、疲労したときにでる疲労物質も老廃物です。それによって疲れがたまりやすくなりますし、疲れがとれにくくもなります。吹き出物やニキビなどの肌トラブルにもつながります。
静脈が回収しきれなかった老廃物を、回収するのがリンパの役目です。筋肉を動かせば、静脈もリンパも循環させられるので、効率的に老廃物を排出することができます。
肉離れなどのケガの予防
筋肉が固く、関節の動きが悪いと、肉離れなどのケガにつながります。体の構造上、動いたほうがよい関節と、動かないほうがよい関節があり、背骨や股関節が柔軟に動けば、首、腰、ひざ関節に負担がかかりません。
背骨や股関節が固まっていると、首、腰、ひざに負担がかかるだけでなく、そこをかばったために局所的に筋肉をつかってしまいます。股関節がスムーズに動けば、効率的に体を使うことができるので、肉離れやケガを防止することができるのです。
骨盤が正しい位置に戻る
筋肉が固まると、偏った位置で骨盤が固定されるようになり、姿勢が悪くなります。骨盤のゆがみや姿勢の悪さは、腰痛や肩こりを引き起こします。
股関節は、大腿骨(だいたいこつ)と骨盤をつなぐ関節です。股関節を柔軟にすれば、骨盤が正しい位置に戻り、正しい姿勢をとることができます。そうすれば、体にかかる負荷も正しく分散することができて、体の痛みも緩和できるでしょう。
股関節まわりのストレッチと骨盤矯正ストレッチは、似ているものが多いです。骨盤のゆがみからくるO脚や重い生理痛の緩和も、股関節のストレッチによって改善することができるでしょう。
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生理前や生理中の腰痛緩和
生理前や生理中には「リラキシン」というホルモンが分泌されます。これには、出産の際に赤ちゃんが出てきやすいよう、骨盤をゆるめる働きや、生理の経血をスムーズに排出する働きをします。
しかし、骨盤がゆるんだままいつものように体を使うと、腰に負担がかかり腰痛となってしまうのです。リラキシンは骨盤だけでなく、関節や靭帯もゆるめます。
股関節周りが不安定な状態で、腰に痛みが走ると筋肉が緊張します。痛みで筋肉が緊張すると、血流が悪くなるので、さらに痛みが強くなるという悪循環に陥るのです。
この腰痛を改善するためには、股関節周りの筋肉を日頃から鍛えておくことが大切です。ストレッチだけでも筋肉は鍛えられますから、筋トレよりも取り入れやすいストレッチを日々の習慣にするとよいでしょう。

股関節の柔軟性チェックリスト
あぐらがかけない
あぐらがかけないのは、骨盤のつなぎ目に隙間ができているためか、股関節まわりの筋肉が固まっているためです。柔軟性がなくなって、縮こまっている筋肉によって、骨盤がゆがむので開いたり曲げたりすることがしにくくなります。
また、股関節はさまざまな方向に動かすことができるので、自由に動かせる反面、骨のつなぎ目は強くありません。そのため、たくさんの靭帯と複数の筋肉で支えているのです。
その筋肉が固いと骨盤がうまく機能せず、あぐらがかけないのはもちろん、腰が丸まって負担がかかってしまいます。
左右の足の長さが違う
骨盤が左に傾いたり、右に傾いたりすると、足の長さが左右で違ってきます。骨盤が傾くのは、同じ足ばかり組む、同じ方向ばかり向く、同じ側ばかり立てひざして座るなどしているからです。
決まった足ばかり使っていると、筋肉のつきかたも変わってしまいます。筋肉のつきかたに左右差が出れば、骨盤もどちらかに傾いてしまうのです。
靴のかかとの減り方が左右均等ではない
親指のつけ根とかかとが、左右均等にすり減っていれば、正しく歩けている証拠です。ですが、外側がすり減っている人は、O脚で骨盤や股関節が外側に広がっています。内側がすり減っている人は、X脚で骨盤からひざにかけて内側にねじれています。
これらは、股関節の筋肉が弱ったり固まったりしたことで、骨盤にゆがみが生じているからです。
何もないところで転ぶ
なにもないところで転ぶのは、視力低下や脳の病気の可能性もありますが、筋力の低下も大きな原因です。股関節の筋肉が使われないと、筋力も落ちますし、筋肉が凝り固まって、思ったように動かなくなってしまいます。
歯のかみ合わせが悪い
股関節の柔軟性は、巡り巡って歯のかみ合わせを悪くすることもあります。股関節の筋肉が固まって、骨盤がゆがむと、バランスを取ろうとして上半身がゆがみます。上半身のゆがみは、顔やあごの骨格もゆがめてしまい、結果としてかみ合わせが悪くなるのです。
左右の肩の位置が違う
骨盤が左右に傾くと、そのバランスを取るために背骨がゆがみ、それにともなって肩の位置に左右差が生じてしまうのです。
片側ばかりでかばんを持ったりしていると、左右の肩の位置に違いが出て、そのバランスを取るために骨盤がゆがむということも起こります。
外股歩きである
外股歩きは、股関節をつねに外側に回した位置になっていて、足先が外側に向いています。後ろから見ると、肩で風を切るように歩き、左右に大きく揺れています。この場合、ひざや股関節がうまく使えいません。
股関節が外側に回されているので、骨盤が後ろに傾きやすく、腰への負担が大きくなります。また、靴のかかとの外側がすり減る歩きかたで、足が地面につくときの衝撃を逃がしにくく、ひざや股関節に負担がかかってしまいます。

股関節が固い原因
長時間のデスクワークによる筋肉の疲れ
長時間デスクワークや車の運転は、肩や首がこる、腰が曲がる、股関節が外に開くなど体にデメリットをもたらします。筋肉の緊張が続くことでコリが生まれ、股関節を動かすときの邪魔になるのです。
また、両ひざがだんだん開いて、股関節が外側に開いていくと、骨盤と股関節をつないでいる中殿筋(ちゅうでんきん)が後ろに引っ張られます。同時に、深層外旋六筋の一つである梨状筋も凝って固くなってしまうのです。
梨状筋が固くなることで、梨状筋の下を走っている坐骨神経が圧迫され、太もも裏やふくらはぎがしびれることもあります。
加齢による軟骨のすり減り
年齢を重ねると血管や筋肉が固くなり、関節のクッション役である軟骨もすり減ってしまいます。軟骨は骨同士を結びつけ、滑らかに動くようにしてくれます。
保水力があるので、表面はとても滑らかです。肌の水分量も加齢とともに減少するのと同じように、軟骨の水分量も加齢とともに減少してしまいます。
また、関節に力がかかるとそれに合わせて変形するので、力を分散し吸収してくれます。その軟骨がすり減って機能が低下してしまうと、当然股関節は動かしにくくなってしまいます。
骨がずれている可能性
股関節のストレッチをしていても、一向にやわらかくならない場合は、骨がずれている可能性があります。股関節亜脱臼をしていれば、腰痛もともなうので、骨に異常があると気づきやすいのですが、脱臼とまではいかない程度に骨がずれていれば、気づかないこともあるのです。
骨がずれていれば重心もずれてしまい、骨盤がゆがむので股関節が固くなってしまいます。

股関節の柔軟性に必要な筋肉
股関節と腰部に関わる腸腰筋
大腰筋(だいようきん)、腸骨筋(ちょうこつきん)、小腰筋(しょうようきん)の総称が腸腰筋(ちょうようきん)です。腸腰筋は、体の奥にありインナーマッスルとよばれ、骨盤を前に傾けるときと、股関節を曲げるときに使われます。
股関節を曲げるときには、大腿直筋(だいたいちょっきん)も関係してきますが、筋肉の大きさや筋肉の入りかたから、腸腰筋が最も強く働きます。また、骨盤を前傾させるのが腸腰筋ですが、反対に、後傾させるのは大殿筋やハムストリングスです。
どちらが強く働きすぎても、骨盤は正しい位置になりません。これらの筋肉をバランスよく柔軟にすることが、骨盤を正しい位置にし、理想的な姿勢をつくることにつながります。
胴体と足を繋ぐ大腰筋
胸や腰椎から大腿骨に左右にのびている筋肉で、股関節を曲げるときに強く働き、姿勢を保つためにも大切な筋肉です。左右にのびている筋肉なので、左右差がつくと片側に傾いた姿勢になり、腰椎も安定しなくなります。
また、胸からのびているので、胴体と股関節をつないで背骨の下半分を支えてくれています。腰回りや姿勢に問題を抱えている人は、意識して左右対称に、柔軟にしておくとよいでしょう。
50%の人が欠如する小腰筋
小腰筋は、腰椎から骨盤につながっており、細く小さい筋肉です。大腰筋に沿うようにして存在し、補助的な役割しかしないため、約50%の人には欠如している筋肉といわれています。小腰筋が欠如していても問題ないですが、腰が弱くなる可能性があります。
大腰筋、腸骨筋とともに、太ももを上げる動作のときにはたらきます。ランニング、階段の上り、ボールを蹴るなどのときなどです。
お尻の筋肉の梨状筋
梨状筋(りじょうきん)は、深層外旋六筋(しんそうがいせんろっきん)の一つとして、股関節を外側に回すときに使われます。深層外旋六筋には他に、内閉鎖筋、外閉鎖筋、大腿方形筋、上双子筋、下双子筋があります。
大殿筋よりも深層にあって、梨のような形をし、仙骨と大腿骨をつないでいる筋肉です。歩いていて方向転換するとき、立っているときに股関節を安定させます。スポーツの際には軸足の動きに大きくかかわります。
太ももの内側に位置する内転筋
内転筋群には、長内転筋、短内転筋、大内転筋、小内転筋、薄筋、恥骨筋の6つがあり、股関節を内側に回す働きをします。しかし、その反対の動き、つまり外側に回すという働きもするのです。
例えば、歩くときに、足を前に踏みだしてかかとを地面につけたときは、股関節が曲がっていて、内転筋は股関節を外側に回します。足裏をつけて反対の足を踏みだそうとしているときは、股関節は伸びていて、内転筋は股関節を内側に回します。
このように、内転筋群は骨盤と大腿骨につながる筋肉で、股関節は大きく動くため、正反対の働き両方をこなしているのです。骨盤の動きに大きく関わっているので、内転筋をストレッチすると、立っているときや歩くときの安定性が向上します。
ストレッチをするときは、骨盤の位置が前後左右に傾いていないか、注意することがポイントです。
股関節を安定させるのは腸腰筋、小殿筋、深層外旋六筋
腸腰筋、小殿筋(しょうでんきん)、深層外旋六筋は、体の奥にあるインナーマッスルで、関節をまたぐようにして走っているので、股関節を安定させる働きがあります。
これらの筋肉は、大腿骨の頭部分である大腿頭骨近くにあります。股関節はさまざまな方向へ、クルクルとよく動くので、大腿頭骨は不安定です。それを支えるために特に大切なのが、腸腰筋、小殿筋、深層外旋六筋なのです。
大腿頭骨を前から支えているのが腸腰筋、後ろから支えるのが小殿筋と深層外旋六筋で、これらを鍛えることで股関節が安定し、アウターマッスルを鍛えるときにも安定して筋肉を使えるようになります。
大殿筋、中殿筋、小殿筋
股関節を安定させるのに大切な小殿筋は、お尻にある殿筋の一つです。殿筋は、大中小にわかれ、一番上に大殿筋(だいでんきん)、真ん中に中殿筋(ちゅうでんきん)、一番下に小殿筋があるという構造になっています。
大殿筋は、体の中でも大きな筋肉で、股関節を伸ばしたり開いたりするときに使います。歩くときでいえば、かかとを地面につける直前から着地のときに一番よく働く筋肉です。
中殿筋は、主に股関節を開くときに使われますが、立っているときや歩いているときに、体がブレないように支えるという重要な役割も果たしています。歩くときでいえば、片足立ちになっているときに使われる筋肉です。
小殿筋は小さな筋肉で、股関節を内側に向けるときに使います。深層にあるぶん鍛えにくいですが、股関節の動きに直接関わる筋肉です。

股関節を柔らかくする簡単ストレッチ
寝ながらできるストレッチ
1.仰向けに寝て片ひざを立てる
2.伸ばしたままの足のつま先を反らせ足を伸ばす
3.伸ばした足を内側にひねり骨盤を浮かせる
これを片側10~20回、2~3セット行いましょう。つま先を反らせることによって、お尻や太ももの裏側が伸び、内側にひねることで、内転筋をのばすことができます。骨盤のゆがみを整える効果もあります。
あぐらをかくだけのストレッチ
1.椅子に座った状態で片足を座面に乗せて折り曲げ、ひじを乗せて上半身をひねる
2.20秒キープした後左右の足を2~3セット行う
ひねりを加えることで、股関節外側や太もも裏の筋肉を伸ばします。折り曲げた片足にのせるのは、それとは反対側のひじにすることで、くびれをつくる筋肉も伸ばすことができます。
股関節を柔らかくするストレッチ
1.床に寝そべり右ひざを立て左足は折り曲げる
2.右足に力を入れて腰を浮かせる
3.しばらくキープして元に戻り反対も行う
これを左右10回ずつ、2~3セット行いましょう。伸ばしにくい股関節の付け根を、しっかり伸ばすことができます。腰を浮かせるときに、力が入りやすいので、ゆっくりと息を吐くように意識してください。
股関節とお尻のストレッチ
1.床に座り右足を折り曲げ左足の太ももの上に置く
2.両手で右足のひざを抱え体の方へと引き寄せ10秒キープ
3.反対の足も行う
これを左右10回ずつ、2~3セット行います。ひざを抱え込むことによって、太もも裏だけでなくお尻の筋肉も伸ばすことができます。ひざを引き寄せるときに力が入らないよう、息を吐きながら体に近づけましょう。
内転筋のストレッチ
1.床に仰向けに寝て両ひざを曲げ片足のひざのみ外側に開く
2.この状態を30秒キープして反対も行う
これを左右10回程度、2~3セット行います。ひざを外側に開くことで、縮こまりやすい内転筋を伸ばすことができます。寝ながらなので、力を抜きやすくリラックス効果も高いポーズです。

股関節が固い人向けのストレッチ法
立ったままの内転筋ストレッチ
1.大きく足を開いて片足に体重をかける
2.30秒キープした後逆の足もやる
左右交互に10~20回行いましょう。おへそを床に向けるようにすると、骨盤が前に傾き効果的に内転筋を伸ばすことができます。つま先を横にしてしまうとハムストリングスが伸びるので、つま先は前にしておきましょう。
壁を使った内転筋ストレッチ
1.壁に手を当てその状態から片足を後ろに上げて平行に内外に動かす
2.股関節やももの内外に効くように10回繰り返し反対も行う
運動不足の人は、内転筋は特に固いか弱っているので、10回ずつ両足行うだけでもつらいでしょう。無理をせず、息を吐きながら動かすことを意識して、できる範囲で行ってください。次第に、動かせる範囲が広がってくると思います。
ハムストリングのストレッチ
1.仰向けに寝た状態で片足を伸ばし片足のもも裏を両手で持ち上げる
2.足は直角にすることを意識し反対側も行う
左右交互に10回、2~3セット行うとよいでしょう。これも力が入りにくく、リラックスして筋肉を伸ばすことができるので、呼吸をより意識するとよいです。
太ももの外側ストレッチ
1.仰向けになり右足を左太ももの上に乗せ手で押さえながら左に倒していく
2.30秒間キープし反対側も行う
左右交互に10回ずつ行いましょう。足を左に倒すとき、一緒に息を吐いていきます。じっくりと太もも外側やお尻の筋肉が伸ばされて、気持ちよいポーズです。
股関節の柔軟性を上げるストレッチ
1.あおむけ寝で壁にお尻をつけ両足の裏をつける
2.手を使ってひざを壁に押し当て負荷をかける
これを10~20回行いましょう。両足の裏は開いて壁につけ、ひざを壁に近づけると、伸ばしにくい足のつけ根が伸ばされていきます。ひざが壁につかな人もいるので、無理せず気持ちよく伸びる範囲で行ってください。

180度開脚を目指す人のストレッチ法
左右に前屈する股関節ストレッチ
1.片足を外側に折り曲げた状態で座る
2.伸ばした足の方に向かって両手を広げながら体を折り曲げる
左右交互に10~20回行います。よく知られている両足を伸ばして前屈する方法ではなく、片足ずつグーッと伸ばすので、前屈がしやすいです。片足ずつしっかり伸ばせるので、股関節、お尻、太もも裏を効果的にストレッチすることができます。
正面に前屈する股関節ストレッチ
1.片足を外側に折り曲げた状態で座る
2.両腕を前に伸ばし頭は腕よりもさらに下にいくようにする
左右交互に10~20回行います。外側に折り曲げた足を体から遠くすると、より股関節周りの筋肉が伸びていきます。180度開脚するには、背中や腰も柔軟にするとよいので、このポーズは背中や腰もしっかり伸ばすことができるのでおすすめです。
うつ伏せで股関節ストレッチ
1.うつ伏せの状態で片足を腰の位置まで上げ手でつかむ
2.腰が浮かないように恥骨からべったり床につける
左右交互に10~20回行います。太ももの前側など、主に前面の筋肉を伸ばすことができます。腰が浮いてしまうと、効果的に伸ばすことができないので、骨盤は床にしっかりとつけましょう。
四つん這いで股関節ストレッチ
1.四つん這いの状態から片足を横に伸ばしお尻を後ろに引く
2.横に開いた足は前の方に直角に上げる
左右交互に10~20回行います。足を横にのばしてお尻を引くと、片足が開脚した状態になります。その状態で、足を上げると股関節が回され、さまざまな筋肉を刺激することができるのです。慣れていないとバランスが取りにくいので、無理しないように行ってください。

股関節ストレッチをする時のポイント
お風呂上りにするのがおすすめ
ストレッチがウォーミングアップとして行われるのは、体が温まることで筋肉がほぐれやすくなるからです。筋肉がほぐれれば、その後の運動に対応しやすくなります。
運動不足な人は、ストレッチも体を温めてから行うほうがよいです。お風呂上りに行えば、筋肉がほぐれているので、いつもは難しいポーズも比較的行いやすくなります。
ほとんどの人が夜に入浴すると思いますが、入浴後から就寝前は気持ちも落ち着いていて、副交感神経が働いています。副交感神経はリラックスしているときに働くので、筋肉も伸びやすくなるのです。
のんびりとした気持ちでストレッチすることで、より副交感神経が働き、寝つきもよくなり質の良い睡眠をとることができます。就寝前は、一日でたまった筋肉疲労をリセットする効果があるので、ストレッチにはおすすめのタイミングです。
痛みを感じるまでの無理をしない
筋肉を伸ばすときに痛いくらいのほうが、効果があるように思うかもしれません。しかし、痛みを感じるほど伸ばしてしまうと、筋肉を傷めてしまいます。
5~10段階にわけて、ゆっくりと伸ばしていくとよいでしょう。無理をせず、痛みを感じる手前まででとめておくのがポイントです。最後までのばしたら、その状態を5秒キープします。このキープの時間を、30秒くらいまでにするのが目標です。
伸ばしている筋肉を意識する
伸ばしている筋肉を意識しながらストレッチをすると、脳と筋肉が活発に動くようになります。意識しないときと比べて、効果的に筋肉を伸ばすことができます。
意識するからといって、筋肉を緊張させてはいけません。リラックスして伸ばすことも大切なポイントです。リラックスしたほうが筋肉はやわらかく、伸びやすくなります。無意識では、自分で思うよりも力が入っているため、意識してリラックスするようにしましょう。
腹式呼吸で息を長く吐きながら行う
筋肉の緊張をゆるめるという意味でも、息を吐きながら伸ばすようにするとよいでしょう。腹式呼吸に慣れていない人は、吐くほうが難しく、長く吐くことはより難しいです。息を吐ききれば、自然に吸い込むことができるので、吐くことを意識しましょう。
呼吸を止めてしまうと筋肉が緊張してしまうので、慣れない人は「フー」「ハー」と声を出しながら行うとよいです。筋肉を伸ばした状態を10~30秒キープしたいので、その間長くゆっくり息を吐き出しましょう。
反動をつかわない
ストレッチが上手くいかなかったり、最後の何回かがキツくなってくると、つい反動をつけて筋肉をのばしてしまうことがあります。しかし反動をつけて筋肉を伸ばすと、自分の限界以上に伸びてしまい、筋や腱を痛めることになるので注意しましょう。
反動を使うと、筋肉が反射的に収縮するという伸張反射が起きます。筋肉を伸ばしているはずが、かえって筋肉を収縮させてしまいます。せっかくのストレッチが無意味になってしまってはもったいないので、無理をしないで行ってください。
毎日少しの時間しかできなくても継続していく
筋肉は使わなければ、毎日少しづつ固まっていきます。ですから、あまり時間が取れなくても、毎日ストレッチを続けていくことで、筋肉の柔軟性を保つことができます。
1日に5分10分でも、時間を確保するようにし、ゆとりがあれば30分以上行えるとよいでしょう。入浴後にストレッチする、就寝前にストレッチするなどと、毎日行うことに組み合わせて習慣にしてしまえば、継続しやすくなります。

股関節を柔らかくして下半身をすっきりさせよう
股関節を柔らかくするということは、その周りの筋肉をゆるめることです。股関節周りの筋肉をゆるめることによって、リンパの流れもよくなり老廃物を排出しやすくなります。ストレッチだけでも筋力がつくので体力がつき、下半身太りの予防にもなります。
お風呂上りなどの体の温まったときに行うことで、効果的に筋肉を伸ばすことができ、毎日の習慣に組み合わせることで、継続することができるでしょう。ストレッチをしないと少しづつ柔軟性が失われてしまうので、習慣にすることが大切です。
股関節周りの筋肉を柔軟にして、すっきりとした下半身を手に入れましょう。