目次
ヨガは痩せるイメージを持つ理由と実際
有酸素運動で脂肪を燃焼する
痩せるためには有酸素運動をし、脂肪を燃焼させる必要があります。有酸素運動では血液に含まれているエネルギーを消費し、その後血液中のエネルギーが足りなくなったら脂肪燃焼を始めます。
ヨガは深い呼吸で酸素を取り入れ、強度の高くない運動ですので、有酸素運動です。そのため、ダイエットに向いているというイメージが広まっています。
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基礎代謝を上げてカロリーを消費する
基礎代謝は何もしていない状態でも生命の維持に必要で、心臓を動かしたり体温を保ったりするために必要なエネルギーです。基礎代謝の中で、最もエネルギーを消費するのは筋肉です。身体に筋肉が多いと、基礎代謝が上がり、痩せにくく太りにくい身体になります。
深い呼吸をしたり、インナーマッスルの強化によって基礎代謝が上がる効果を期待して、ヨガを始める人は多くいます。
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ヨガで消費できるカロリーは少ない
ヨガは他の有酸素運動と比べると、消費できるカロリーは少ないのです。体重50kgの20代の女性が、ヨガを1時間すると、消費カロリーは196Kcalです。同じ人がジョギングを1時間すると、約400Kcal消費できるので、ヨガはジョギングの半分程度しかカロリーを消費できません。
脂肪1kgを落とすのに必要な消費カロリーは7200Kcalなので、1kg痩せるためには36時間以上ヨガをしなければなりません。
ヨガで基礎代謝はそんなに上がらない
ヨガで上げられる基礎代謝は、あまり多くありません。ヨガは激しい運動でもなく、筋トレのように強い負担がかかることもないので、増やせる筋肉は限られています。ヨガを続けていても、筋肉痛になったり強い疲労が感じられないのは、筋肉を鍛えられる程の負担がかかっていないからです。
基礎代謝は消費カロリーの7割を占めていますが、ヨガによって増やせる筋肉で、基礎代謝に大きな変化はありません。
ダイエットに必要な要素とヨガの場合
カロリー消費は手足を動かす運動をする
筋肉を動かすことでカロリーが消費されるので、手足をよく動かす運動がダイエットに向いています。例えば、ウォーキングやジョギング、水泳は手と足両方を使う全身運動で、ダイエットに適しています。
中でも、水泳のクロールは1時間で約1000Kcalの消費エネルギーと、ヨガの5倍の消費エネルギーです。水中のように手足に負荷がかかったり、早く動かす必要のある運動は、よりカロリーを多く消費することができます。
脂肪に刺激を与えると分解して燃やされる
身体に溜まった脂肪は、そのままの状態では燃焼できないので、遊離脂肪酸という形に分解する必要があります。人は運動でエネルギーが足りなくなったり、空腹時や寒さなどの刺激で、交感神経の活動が活発になります。すると身体の中の酵素が活性化され、中性脂肪は遊離脂肪酸に分解され、血液中に送られます。
遊離脂肪酸をエネルギーをして利用するのには、酸素が必要です。有酸素運動で脂肪が燃焼できるのは、脂肪が刺激を受け、遊離脂肪酸に分解されているからです。
ヨガのポーズは静止なので運動量も少ない
ヨガは止まっている時間が多いので、運動量が少なくなります。走ったり手足を激しく動かすこともなく、静かな動きが中心です。ポーズによっては、身体に負荷がかかったり力を入れていることもありますが、ダンベルのような重りも使わないので、他の運動よりも負担も少ないのです。
ヨガにはダイエットに必要な運動量が少なく、消費カロリーが低かったり、脂肪に与えられる刺激も少なかったりします。短期間で痩せることを目的にしている人にとっては、効果が物足りない運動といえるでしょう。
ホットヨガも運動量は高くない
ヨガの中でも特にダイエット目的として人気の高いホットヨガも、普通のヨガと同じで、あまり運動量は高くありません。湿度と気温の高い部屋の中で行いたくさんの汗をかくので、消費カロリーは普通のヨガより少し高いですが、ジョギングなどの運動には及ばないのです。
デトックスや、自律神経の働きを正常にする効果が高いホットヨガですが、普通のヨガと同じで、すぐに脂肪を減らせる運動ではありません。
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ヨガでダイエットしても痩せない原因
ヨガは体幹に働きかけるので筋肉がつく
ヨガは体幹、コアを鍛え筋肉をつける運動が多くあります。ヨガを始めてすぐに、体重の変化がみられない、あるいは増えてしまった場合は、体幹についた筋肉が原因かもしれません。筋肉は脂肪よりも重いので、身体に筋肉がつくと一時的に体重が増えます。
ヨガを始めたばかりの頃は、それまで鍛えていなかった体幹に筋肉がつくので、体重が増えてしまう場合があります。
頻度が少なかったり継続期間が短い
ヨガをする頻度が少なかったり、始めてもすぐにやめてしまうと効果が現れません。ヨガで脂肪1kgを落とす為には、36時間以上必要です。週に1度、1時間のヨガをしていたとしても、1kgの減量には約9カ月かかります。
頻度を上げる程、効果は早く現れますが、週に3日のヨガでも1kg痩せるのに約3カ月必要です。ヨガでダイエットの効果を感じるには、頻繁に行うか、長い目で続けることが大切です。
ヨガをした後すぐ食事をしてしまう
ヨガをした後は、気分もすっきりとして、ご飯がいつもよりおいしく感じられます。運動をした後はご褒美にと、食事を食べ過ぎになってしまう傾向が多くの人にあるので、注意が必要です。
特にヨガの後は、内蔵の働きも上がっているので、エネルギーが吸収されやすい状態になっています。食事はヨガの後、しばらく経ってからにしましょう。
ヨガでダイエットに必要な生活習慣ポイント
摂取カロリーの増加を抑制した食生活
ダイエットで体重を落とすには、摂取カロリーを抑えた食生活が基本になります。食べ物によるエネルギーが体の中で余っていたら、ヨガで消費したカロリーで脂肪を燃焼できません。
ヨガは消費エネルギーが少ないので、食べ過ぎに気をつけたり間食を減らしたり、特に意識して摂取カロリーを減らすことがダイエットにつながります。
日常生活で歩く機会を増やす
ヨガでダイエットをするなら、日常生活でも歩く機会を増やしてみましょう。少し時間に余裕を持って1駅分歩いてみたり、遠回りするなどして歩く時間を増やすと、運動不足解消になります。
ヨガの深い呼吸は、有酸素運動であるウォーキングの効果を高めます。運動量が増えると、消費カロリーも増え、筋力低下の予防もできます。ヨガで作った姿勢のよさを、歩くときにも意識できると、より効果的です。
規則正しい生活を心がけ十分に睡眠をとる
ダイエットには規則正しい生活、特に睡眠をしっかりとりましょう。ヨガにより心と身体の緊張が軽減され、深い眠りにつきやすくなるので、睡眠時間はしっかり確保します。
睡眠不足になると、食欲を制御するホルモンや成長ホルモンの分泌が減ります。成長ホルモンが減ると、睡眠中の基礎代謝低下、肪蓄蓄積につながります。規則正しい生活リズムは、質のよい睡眠の元です。良質な眠りがダイエットにはかかせません。
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ヨガを効率的に行うタイミング
無理をしない程度で朝起きてすぐに行う
ヨガは、少しだけ早起きをした朝に行うのがおすすめ。ヨガは体幹を意識したり、腹筋に力がかかるポーズがあるので、胃の中が空の状態だと気分が悪くなりにくいです。
また空腹時は、身体の中の糖分が減少していて、脂肪を燃焼させるのに向いている時間です。ヨガでダイエットをするには、睡眠不足になりすぎない程度に、朝余裕を持って起きて行うと効果的です。
食事後は2時間以上経ってから行う
食後すぐのヨガは避けましょう。食べ物を胃のなかに入れると、消化するために胃は活発に動きます。この胃の動きは血液をたくさん必要とするので、胃が動いている間に運動をすると、身体に負担がかかってしまいます。
お腹がいっぱいの状態だと、頭を下にしたり腹部を圧迫するポーズも思いきり行えません。気持ちよくヨガを行うためにも、食後は2時間以上経ってからがおすすめです。
お風呂上がりは行わない
お風呂から上がって、すぐにヨガは行わないように気を付けてください。お風呂で身体が温まることで、血液の循環がよくなっています。そこにさらにヨガで血液のめぐりを上げると、内蔵に負担がかかったり。気分が悪くなってしまう場合があります。
お風呂に入ると血圧が下がるので、ヨガのポーズでめまいや立ちくらみを起こすこともあります。ヨガは入浴後、30分以上経ってからにしましょう。
できれば毎日ヨガを続けましょう
ヨガは決まった時間でなくてもいいので、できる範囲で毎日行うようにしましょう。毎日少しずつでもヨガをすることで、効果が見えやすくなります。
足のむくみが気になるから足を使うポーズを中心にしたり、肩こりがあるから腕を動かすポーズを中心になど、その日の自分が気になることに合ったポーズを選んでもかまいません。毎日少しでも、自分に向き合うヨガの時間を取れると、心のストレスも軽減していきます。
ヨガをすることによる身体への影響
冷え性や体の不調が改善する
ヨガは冷え性などを改善し、身体の調子をよくする効果が期待できます。ヨガの動きは、普段使っていない筋肉や関節をほぐし全身の血行を良くし、新陳代謝を活発にする働きがあります。
ヨガの深い呼吸法は、自律神経の働きを高めます。新陳代謝と自律神経の働きが上がることで、冷え性や身体のコリなど不調が改善されていきます。
歪みを改善して正しい姿勢を覚える
ヨガで比較的すぐに効果が見えるのは、正しい姿勢を作れるようになることでしょう。体幹を意識したヨガのポーズは姿勢をよくし、骨盤のずれや歪みを正常に戻します。骨盤の歪みが改善されると、ホルモンバランスも整います。
ヨガで正しい姿勢をいつでもキープできるようになると、身体の歪みから来る不調を減らせます。正しい姿勢をいつも保てると、背筋がすらりと伸び、外見も美しさもアップします。
ダイエットへの直接的な効果が少ない
ヨガは消費カロリーが低いので、ダイエットに直接的な効果は少ないです。効果を感じるには、少なくとも週に2回程度は行いましょう。それでも、実際に効果を感じられるには、長期的継続が必要です。
家でも道具などの準備なしで行える手軽さがヨガにはあります。自宅で行えばお金もあまりかからないので、継続しやすい運動です。すぐにダイエット効果は表れませんが、ヨガは体重を落とす以外にも、身体にとってよいことも多いので、続けるメリットはあります。
インナーマッスルが強化される
ヨガはインナーマッスルを強化します。インナーマッスルとは、筋トレで鍛えられる表面の筋肉とは異なり、骨に近い深い部分にある姿勢を正しく保つのに大切な筋肉です。
インナーマッスルが動くと、その近くにある深いリンパも刺激されます。リンパの流れが良くなると、老廃物を排出する働きや新陳代謝が高まり、美肌や体調不良の改善になります。インナーマッスルは、ヨガのポーズと呼吸法で鍛えることができる筋肉です。
身体が柔軟になってくる
ヨガの動きは柔軟な身体を作ります。身体の筋肉を気持ちよく伸ばしたり、縮めたりを繰り返すことで、徐々に身体は柔らかくなります。難しいヨガのポーズも、最初は上手くできなくても、何度も行うとだんだんと形になってきます。
辛いポーズは無理をせず、身体が気持ちがいいところでキープすることから始めましょう。しばらく続けると、気がつけばヨガを始める前より、ずっと身体が柔らかくなっているはずです。
脳を刺激させてリラックスさせる
ヨガは、ポーズと呼吸法で身体や脳を刺激した後、瞑想によってリラックスさせます。ヨガの三大構成は「ポーズ」「呼吸」そして「瞑想」です。ポーズと呼吸を瞑想の前に行うことで、心も身体も完全にリラックスさせる目的があります。
体の外側も内側からもリラックスできるヨガの瞑想。ストレスや思考をリセットする効果も、ヨガには期待できます。
ヨガでダイエットを成功に近づけるメカニズム
カロリー消費量よりも摂取量をコントロールする
カロリーを消費することよりも、取り入れるカロリーを調整して、ダイエットの成功を目指しましょう。どのようなダイエットも、摂取カロリーが消費カロリーを上回っていたら、体重を落とすことはできません。
間食を減らしたり、ご飯を小盛りにするなど、少しずつカロリーを減らすことも、毎日継続すると大きなカロリー減につながります。ヨガで大幅に消費カロリーを上げることは難しいので、摂取量をコントロールすることを中心にして、体重を減らしましょう。
心が食欲など刺激のあるものに向かわなくなる
ヨガを続けていると、食欲などに心が向かわなくなります。瞑想を取り入れるヨガは、心の雑念が取り払われます。ストレスや疲れがたまっていると、つい甘いものなど食べ物で発散したくなります。ストレス解消のためのカロリー摂取は、身体にとっては余分なエネルギーになり、脂肪として蓄積されます。
ヨガの深い呼吸と瞑想は、心が落ち着くストレス解消にもなるので、食欲などの刺激でストレス解消をする必要がなくなります。
食べたい欲望が制御され適切な摂食ができる
ヨガが習慣になると、適切な食事量が分かるようになってきます。ヨガは自分と向き合う時間でもあるので、身体が必要としている量だけ、食べ過ぎないよう心が制御されていきます。
余分なカロリーの食事を欲しがらないので、ダイエットにつながるといえるでしょう。腹八分目が身体にとってちょうどよい量と身体も心も知ると、満腹にしたい欲望が抑えられていきます。
身体によくない食べ物を欲しくなくなる
ヨガで得られる欲望の制御の働きは、身体によくないものを食べたいと思わなくします。ヨガの呼吸法は酸素を取り込むだけでなく、生命エネルギーをよい流れにします。生命エネルギーの流れがよくなると、自分は何を必要としているのか、自分自身を知ることができます。
例えば油や塩分をたくさん使ったジャンクフードや、砂糖たっぷりの炭酸ジュースは、身体が必要としていないと気づけます。身体が欲していない食べ物を、心も必要としなくなるのです。
ヨガを行うことで自然に痩せやすい身体になる
ヨガはカロリー消費といった直接的なダイエット効果は少ないですが、自然と痩せやすい身体を作ります。痩せやすい身体になるためには、日々の習慣にヨガを取り入れる必要があります。
自然に痩せやすい身体を手に入れると、リバウンドもしにくく、理想の体型を維持しやすくなります。ヨガはカロリー消費が目的のジョギングなどの運動とは異なり、長期的なダイエットになります。
ダイエット効果にもつながる主なヨガのポーズ
骨盤と太ももを使った英雄のポーズ
骨盤を意識し、太ももを使う英雄のポーズ。このポーズは全身に大きな動きもあるので、代謝向上に効果があります。特に上体を反らすときに、肩甲骨の筋肉を大きく伸ばすので、肩凝りの解消に最適です。
英雄のポーズは難易度によって3つの種類があります。1から2、2から3と一連の流れとして行うこともできます。ストレス解消や集中力アップと、心にもよい効果があります。
股関節を柔軟にする三角のポーズ
三角のポーズはヨガの代表的なポーズで、股関節を柔軟にします。お尻まわりの筋肉をほぐし、太ももや足を引き締められます。初めのうちは膝を曲げてもいいので、お尻が飛び出た姿勢にならないように意識しましょう。両手は体幹から広がるTの字をキープします。
普段あまり意識することのない、身体の側面を伸ばせるポーズです。お腹まわりをひねるので、腰痛改善や、消化器の不調を良くする効果があります。
下半身とバランス感覚を使った木のポーズ
手を上に伸ばして片足立ちをしている木のポーズ。下半身の力と、バランス感覚が必要で、意外とキープするのが難しいポーズです。木のようにまっすぐそびえるイメージで、体幹を鍛えることができます。血行が促進されるので、むくみの改善に適しています。
バランスを保つことによって集中力も高まります。目線をなるべく遠くに向けることで、バランスをとりやすくなります。
ヨガでダイエットは長期的に継続して効果が見えてくる
いろいろな効果のあるヨガですが、ダイエットには長期的な継続によって効果を実感できます。ヨガだけでダイエットをしていると、なかなか身体に変化が見られないので不安になるかもしれません。ですが、ヨガを続けていると、痩せることだけでなく、ゆっくりと身体と心は健康に向かっています。
体重を減らす以外にも魅力の多いヨガ。すぐに痩せなくても継続して、身体の内側も外側もきれいを目指しましょう。
