目次
ツボの押し方のコツ
強い力はいらない
早速ツボの押し方について学びましょう。東洋医学の世界では、ツボの押し方によって効果が変わってくると考えられています。なんとなく、強めに押したほうが効果がありそうな感じがしますが、私達の身体は、身体に起こるさまざまな刺激について常に学習しています。
あまりにも強い力でツボを押し続けると、身体も「ああ、またその刺激か…」と慣れてしまい、十分な効果を得ることができません。しかも、強く押しすぎると、かえって身体が抵抗して、押された部分を分厚い皮膚に変えて、身を守ろうとしてしまうのです。
ツボを押すときは、ゆっくりと指を沈めるイメージで、痛いだけでなく、「痛いけれども気持ちいい」と感じる程度にしましょう。また、押すだけではなく、指で円を描くように揉んでみたり、擦ってみたりと、自分の気持ちいいと思えるポイントを探しましょう。
ゆっくりと深呼吸しながら行う
ツボを押す際には、ただ押すだけではなく、呼吸も意識して行いましょう。普段あまり意識することのない呼吸ですが、呼吸は自律神経によって調整されているということをご存知ですか。
自律神経のバランスが崩れてくると、調整がうまくできず、呼吸が浅くなったり、苦しくなったりします。ツボを押すときは息を止めずに行いましょう。息を吐きながらゆっくりとツボを押していきます。ツボを押し切り、指を離す時に鼻から息を吸います。こうすることによって、血流がよくなり、自律神経の働きが活発になります。
呼吸を整えながら行うことによって、体全体の筋肉がリラックスしやすくなり、ツボを押す圧力が伝わりやすくなります。そのため、余分な力を使わずに効果を得ることが期待できます。自分の呼吸に合わせてゆっくりと、リラックスして行うことが大切です。
ツボの場所を把握する
ツボを押す際には、集中力も必要です。テレビを見たり、本を読んだりしながら行う「ながら押し」は正しいツボの位置を狙えない可能性があるため、おすすめできません。
ツボは人によって微妙に場所が異なるので、ツボの場所を把握したら、実際に周辺も押し込んでみましょう。押していく内に、痛いけど気持ちいいと感じる場所にぶつかるはずです。ツボのある場所は少し凹んでいますので、そこを重点的に攻めて行きましょう。
ツボは体調によっても微妙に変わることがあります。その都度、自分のベストなポイントを見つけましょう。
お灸を使用する
健康のためにお灸をするのもおすすめです。お灸には、身体を温め、内臓の働きをよくする効果があります。自然治癒力や免疫力も高まるので、病気知らずでいられます。
自宅でお灸をするのであれば、火の使わないせんねん灸がやけどの心配もなく、おすすめです。お灸は毎日行っても、問題ありませんので、毎日のリラックスタイムに取り入れて、身体が軽くなっていくのを感じてください。
肩こりに効くツボ
うなじの付け根にある風池(ふうち)
目や耳の疲れ、頭痛に効果のあるツボです。熱っぽい時など風邪の症状を感じた時にもピッタリのツボです。
ツボのとり方
首の左右の筋に指を置き、うなじに向かって動かしていきます。髪の生え際の、左右一番凹んでいる場所にぶつかったら、そこが風池です。指三本で押すように刺激しましょう。
押しやすい手の甲のツボ合谷(ごうこく)
目の疲れや歯の痛みなど、首から上の症状に効果的なツボです。
ツボのとり方
親指の付け根から、やや人指指に上がった場所にある凹んだ部分が合谷です。肩こりやストレスなどにも効果のある、万能のツボともいわれています。お灸をするのであれば、合谷からはじめるのが押しやすくておすすめです。
美バスト効果も期待できる中府(ちゅうふ)
美しいバストラインを目指す人におすすめの美容に効くツボです。
ツボのとり方
鎖骨から下へ下がった両腕の付け根左右にあります。押すと少し痛みを感じますが、それがツボにあたっているという証拠です。親指の腹で円を描くようにグリグリと刺激しましょう。刺激することによって、リンパの流れが良くなり、胸にハリが出てきます。
足のむくみに効くツボ
腰痛や生理痛にも有効な曲泉(きょくせん)
腰痛や生理痛によく効くツボとして知られてます。押すことによって、血流やリンパの流れを良くし、痛みを和らげる効果が期待できます。他にも、肝機能の改善や生理不順、精力など、生殖機能に関わる不調に効果があります。
ツボのとり方
膝を曲げた時にできるシワ内膝側の端の内側にあります。ツボは基本的に左右対称ですので、曲泉も左右の足にあります。同じように刺激しましょう。
冷えを改善してくれる太渓(たいけい)
腎臓とつながりのあるツボのため、下半身の冷えに効果があるのはもちろん、老化の予防にも効果があります。また、水分代謝をよくし、むくみの予防にも効果的です。
ツボのとり方
内くるぶし少し後ろ側、アキレス腱との間にあります。押すと少し凹んだ部分があります。そこが太溪です。押すときは、親指の腹で押しこむように刺激しましょう。
押しやすく効果的な足三里(あしさんり)
胃とつながっているツボです。松尾芭蕉が、旅の前に足三里にお灸を据えていたことでも有名です。昔から、足の疲れを取りたいときに押されているツボです。
ツボのとり方
向こう脛の内側から指4本分ほど下がった場所にある一番くぼんでいる場所です。太い骨に沿った部分にあるので、親指などで骨を押すようなイメージで刺激しましょう。
足裏の気持ちいいツボ湧泉(ゆうせん)
足の疲れに効くツボで、気力や体力を回復させる万能のツボといわれています。
ツボのとり方
土踏まずのやや上のあたりにあるややくぼんだ場所です。両手の親指の腹を使って、強く押しこむように刺激し、湧泉が温かく感じる程度になるまで押しましょう。
疲労回復に効くツボ
腕にある万能ツボ曲池(きょくち)
腕の疲れ、肩こりに効果のあるツボです。お灸をするにも定番の場所でもあります。温めることで血行がよくなり、疲れが緩和されます。
ツボのとり方
腕を曲げた時にできるシワの端の部分です。押すと少し痛みがありますが、ツボに入ったという証拠です。場所も押しやすいので、ちょっとした合間のリフレッシュに押すことができます。
冷えや自律神経に作用する指間穴(しかんけつ)
冷え性や自律神経を整えるツボです。また、脳や内臓の疲れを取りたいときにも効果的です。
ツボのとり方
手の甲側の人差し指から小指までのまたの部分に位置します。親指と人差指でつまむようにし、つねるようにひっぱって刺激しましょう。左右交互に繰り返し、手が温まってくるまで繰り返しましょう。
頭痛にも効く百会(ひゃくえ)
どのタイプの頭痛にも効き、自律神経の乱れにも効果のあるツボです。また、精神的なストレスを緩和したいときにも効果を発揮し、抜け毛、薄毛、耳鳴り、立ちくらみ、二日酔いにも効果があります。
ツボのとり方
頭のてっぺんと左右の耳をつないだ延長線上にあります。指の腹で揉むように刺激しましょう。
目が疲れたら承涙(しょうきょう)
眼精疲労に悩んだら押してみましょう。なんとなく頭が重い…と感じるときにも効果があります。
ツボのとり方
目の真ん中の真下にあります。目の周りなので、あまり強く押しすぎないことが大切です。押すというよりも、左右を指で軽く擦るように刺激しましょう。
つらい症状の時はプロに頼むのも手
適格に適度な力で押してくれる
自分ではどこまで押せばいいのかわからない場所でも、資格をもったプロに任せれば、しっかりと行ってもらうことができます。
また、身体の状態によってはツボ押しをしないほうがいい場合もあります。そのため、プロによる身体の状態に合わせたしっかりとしたアドバイスも期待できます。
体がリラックス状態で行える
自分で押せない体勢や無理な箇所を無理なく刺激してもらうことができます。無理に身体をねじったりして痛めるのを防ぐことができ、プロが全て行ってくれるので、自身はリラックスしていどむことができます。ゆっくりと呼吸をしながら施術をしてもらいましょう。
ツボ押しで明日も元気に
ツボで病気などを治癒させることはできませんが、日頃から押すことによって、健康の維持に役立てることができます。ツボ押しに即効性はありませんが、毎日少しづつでも続けることによって、効果を実感することができるでしょう。
働き過ぎなどで疲れが溜まると、なんとなく身体も重く、気力も弱まってきます。この症状を放っておくと、やがて大きな病気につながる可能性があります。ツボ押しを利用して疲れは当日の内に解消し、翌日に残すことなく健康に過ごしていきましょう。