目次
豆ダイエットが効果がある理由
良質なたんぱく質を含んでいる
豆類の多く、特に大豆は「畑のお肉」といわれるほど、豊富なタンパク質を含んでいます。タンパク質は、血液や筋肉を作る基本成分です。なかでも大豆タンパク質は、吸収率がよく、低カロリーなのでダイエット向きの食材といえます。
大豆タンパク質は、コレステロールや中性脂肪を下げる効果や、食べ物で摂取した余分な脂肪を排出する働きが有り、体脂肪率を下げる効果も期待できます。
ビタミンB1は糖質の代謝に効果的
豆類に多く含まれているビタミンB1をはじめとする、ビタミンB群は、糖質や脂質の代謝を促す働きがあります。そのためお米と豆類の組み合わせは、ダイエット向きの献立です。
ダイエット以外にも、ビタミンB群にはいろいろな働きがあります。ビタミンB群が不足すると、疲労や肌荒れ、口内炎などを引き起こすので、豆類を積極的に摂取することで、これらのトラブルを防ぐこともできます。
ミネラルやビタミンが豊富
豆類には、カルシウムやカリウム、ナトリウムなどのミネラルやビタミンが豊富に含まれています。ミネラルには、骨や歯を作る働きや、心臓の鼓動を正常に保つ働き、精神を安定させる働きや、高血圧を防ぐ働きなど、体の機能を正常に保つために欠かせない栄養素です。
ビタミンの中でもビタミンB群は脂質、糖質、タンパク質の分解を助ける役割があります。特に、豆類に豊富に含まれているパントテン酸やビタミンB2はエネルギーの代謝を助ける効果が高いです。ほかにも、抗ストレス作用や、コレステロールをコントロールする作用、美肌・美髪効果、免疫力アップなど多くの役割もあります。
食物繊維で腸内環境を整える
豆類に豊富に含まれている不溶性食物繊維は、腸内に溜まった老廃物の排泄を促し、便秘の改善に役立ちます。水溶性食物繊維は水分を吸収し、腸内をゆっくり進むので、満腹感を得られやすく、食事制限によるリバウンドを防ぐことができます。
豆類に含まれる食物繊維は大部分が不溶性食物繊維ですが、水溶性食物繊維も含まれているので便秘解消とリバウンド防止の両方の効果が得られます。

豆ダイエットの方法
毎日豆を計130g食べる
豆はダイエットに効果的だからといって、食べ過ぎると逆効果になってしまいます。特に、イソフラボンは摂りすぎるとホルモンバランスを崩す恐れがあるので、1日のイソフラボン摂取上限は75mgと、食品安全委員会によって定められています。
水煮大豆100gにイソフラボンは75mg含まれています。また、豆腐1丁あたりには65mg、豆乳200mlには50mgと製品によってもイソフラボンの含まれる量が違うので、豆を選ぶ際には、摂取上限も気にするようにしましょう。
調理方法は自由
基本的に調理法は自由です。サラダに加えたり、煮物や炒め物に入れたり、用途はたくさんあるので、飽きることなく日々の食事にプラスすることができるでしょう。一番おすすめの調理方法は、蒸し大豆です。蒸すことで栄養を逃がさず、効率的に吸収できるのでおすすめです。
健康的な食材を選択することを意識
ダイエットをする際に大切なのは、食材選びです。カロリーだけでなく、食べ合わせによって効率よく栄養が吸収できるものもあれば、逆に栄養が打ち消されてしまうものもあります。食材を選ぶ際には、カロリーと栄養バランスをしっかり考えて選ぶことが大切です。

豆ダイエットの注意点
慣れないうちはお腹が張ることもある
多くの効果が期待できるからと、豆類を食べすぎると、胃腸に大きな負担をかけ消化のスピードを遅くしてしまいます。消化が遅くなると便秘を引き起こす原因になるのです。
胃腸の機能低下により便秘、またはお腹にガスが溜まるという症状を引き起こします。そのため、お腹のハリを感じるようになるのです。便秘やガスが溜まるのは、腸内に悪玉菌が増えるためです。悪玉菌が増えてしまったら、食事で乳酸菌を積極的に摂るようにし、善玉菌を増やして腸内のバランスを整えるようにしましょう。
食べすぎは下痢になることも
小豆や大豆、ソラ豆 、エンドウ豆などの豆類に含まれている「サポニン」や「レクチン」という物質が含まれています。サポニンやレクチンは 、抗ガン作用やコレステロール低下作用、免疫力アップなど健康増進効果が期待できる栄養素ですが、細胞膜や赤血球を破壊、下痢や嘔吐といった症状を引き起こしてしまうこともあります。
胃腸の弱い人は腸内環境が良好ではありません 。腸内での消化機能が弱っていたり、腸内の善玉菌の数も少なくなっていたりします。そのため腸内の機能が正常に発揮できないので下痢が続いてしまうのです。
食べ過ぎは体調不良の原因に
豆類の食べすぎるということは、豆類に含まれている栄養素も摂りすぎることになります。大豆にはアクがあり、調理できちんと取りきれていなかったり、大豆を摂りすぎたりすると消化不良や貧血のような症状がでます。
ほかにも、イソフラボンの摂りすぎは、更年期のような「ほてり」や、子宮内膜症、乳がん再発リスクが高まるなど健康を害することもあります。豆類は適量を食べるようにしましょう。

豆の種類別の効果
大豆は良質なタンパク質源
大豆には大豆イソフラボンをはじめ、大豆サポニン、レシチン、アミノ酸、ビタミン、ミネラルなどの機能性物質が多く含まれていて、さまざまな働きが期待できます。中でもタンパク質は良質で体の代謝を上げたり、脂肪の蓄積を防いだり、コレステロール値を改善したりします。
ほかにも美肌や美髪、女性特有の不調を改善といった働きもあり、ダイエット以外の効果も期待できる食材です。
黒豆は美的効果が高い
黒豆を覆っている黒い種皮は、アントシアニンというポリフェノールの一種が含まれています。アントシアニンには老化防止効果が期待できます。
また黒豆に含まれるビタミンEやビタミンB2には、皮膚の保護などの効果があります。そのため、黒豆には美肌効果があるといわれています。ほかにも便秘解消や女性ホルモンの働きを促進する作用があり、女性にはうれしい効果が多く期待できる食材といえるでしょう。
血液をサラサラにする小豆
小豆に含まれているサポニンや小豆の赤い色素であるアントシアニンといった成分は、コレステロールや中性脂肪の生成を抑え、脂質の酸化を防いで動脈硬化を予防してくれます。また、血栓を溶かす溶血作用も認められており、血液をサラサラにする効果があります。
サポニンやアントシアニンのほかに、ビタミン・ミネラルも豊富に含まれています。中でもカリウムには利尿作用があり、体内の余分なナトリウムを排出することで、血圧を下げる働きをしてくれるのです。また、体内の水分量の調節もしてくれるので、むくみ解消効果も期待できます。
世界で食べられているインゲン
インゲン豆の原産は中南米で、16世紀頃コロンブスによってヨーロッパへ伝えられ、その後中国に伝わり、江戸時代に隠元禅師によって日本に持ち込まれたとされています。広く世界で食べられているインゲン豆ですが、日本では豆を取る前の未成熟の状態で、サヤごと食べる『サヤインゲン』がよく知られています。
サヤインゲンには、ビタミンAやビタミンB群が多く含まれており、老化防止や疲労回復、動脈硬化や血栓予防などの効果があります。カリウムやカルシウム、マグネシウムといったミネラルも豊富に含んでおり、高血圧予防やむくみ防止などにも役立ちます。
夏バテ防止には空豆
夏場には大量に汗をかくことで、体内からカリウムが失われてしまいます。カリウム不足の状態になると、脱力感や食欲不振といった症状から、夏バテになってしまうのです。
空豆にはカリウムが豊富に含まれているので、夏バテや熱中症予防に効果があります。また、ビタミンB群も豊富にふくまれていて、乳酸などの疲労物質の蓄積を防ぎ、疲労回復にも効果的です。
エンドウ豆は肌にいい
エンドウ豆には、βカロテンやビタミンCが含まれているので、抗酸化作用によるお肌の老化防止効果が期待できます。βカロテンは体内でビタミンAに変換され肌のターンオーバーを正常にする働きがあります。また、肌のバリア機能や再生力を高める効果のある、ビタミンB2やビオチンも含んでいるので、美肌作りにより高い効果が期待できるのです。
ビタミン以外にも、食物繊維が豊富に含まれており、便秘解消にも役立ちます。便秘になると老廃物がうまく排出できなくなり、肌荒れの原因になります。そのため、便秘が解消されることも美肌への大事な一歩といえます。
ビタミンやミネラルが豊富なひよこ豆
ひよこ豆はほかの豆類と同様に、ビタミン・ミネラルが豊富に含まれています。ミネラルの中でもカリウムが豊富なので摂りすぎてしまったナトリウム排出を促し、むくみ改善や高血圧予防に役立ちます。
ほかにも、貧血予防に有効な鉄分や、疲労回復に効果的なビタミンB1も含まれています。ビタミン・ミネラルの以外に食物繊維も多く、腸の動きを活発にすることで、体内の老廃物などを排出し、便秘予防をはじめ、動脈硬化、糖尿病予防などにも効果的です。

ダイエットに効果的な豆の加工品
食べ過ぎも抑えられる厚揚げ
厚揚げとは、豆腐をある程度の大きさに切り油で揚げたものです。油で揚げているので、カロリーが高くダイエットには向いてにと思われがちですが、豆腐よりも栄養価が高くダイエットに向いた食品なのです。
厚揚げは中身がぎっしりと詰まっていて、ボリュームがあり食べ応え十分なので、少量で満腹感を得られます。厚揚げの糖質は非常に低く、糖質制限に最適な食材です。
調理前に油抜きをすると、カロリーも押さえられておすすめです。厚揚げは味がしみやすいので、うす味でも十分満足できます。
病気予防に効果的な納豆
納豆は大豆食品の中でも、優秀な健康食品として知られています。納豆には、良質なタンパク質をはじめ、ビタミンEやビタミンB群、食物繊維、鉄分やカルシウムなどがぎっしり含まれたスーパーフードです。中でも「ナットウキナーゼ」は納豆特有の成分で、血液をサラサラにする成分として注目されています。
血栓を溶かし、心筋梗塞や脳卒中などの予防に役立ちます。血液がサラサラになると、循環がよくなるので代謝も上がり、ダイエットの効果も期待できます。ただ、高カロリーなので食べ過ぎると逆に太ってしまうこともあり、食べ過ぎには注意が必要です。
セレブに人気のフムス
今、モデルやセレブの間で注目されている「フムス」とは、ペースト状にしたひよこ豆のことです。フムスは中東の国で古くから食べられている料理で、一般的にはピタと呼ばれるパンにつけて食べます。ダイエットで食べる場合には、オリーブオイルをつけてそのまま食べたり、野菜のディップとしてフムスを一緒に食べたりする方法が一般的です。
フムスはひよこ豆からできているので、植物性でしかも非常に栄養価が高く、タンパク質や食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれており、ダイエットに最適な料理といえます。また、ペースト状ではありますが、タンパク質が豊富に含まれていることから、腹持ちがよくサラダにかけるドレッシングの代わりに使うと、満腹感も得られおすすめです。
美容に気を付けたいなら豆乳
豆乳は大豆を煮詰めた汁をこして繊維質を除去した、乳状の飲み物です。これににがりを入れて固めると豆腐になります。豆乳には、大豆イソフラボンや大豆タンパク質が豊富に含まれていることはよく知られています。大豆イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンとよく似た構造をしているので、体内で女性ホルモンと同じような働きをしてくれるのです。
また、豆乳に含まれるビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2は血行促進、肩こり改善、美肌効果、皮膚の保護といった効果があります。グルタミン酸やアスパラギン酸は、保水力が高く髪の乾燥やパサつきを防ぎ、潤いを保ちます。
腸の掃除にはおからが一番
大豆から豆乳を取り除いたあとの搾りかすがおからです。おからには大豆の食物繊維がほぼ残っているので、ほかの大豆製品と比べて2倍以上の食物繊維を含んでいます。おからに含まれる食物繊維は、ほとんどが不溶性食物繊維で、腸内で水を含んでふくらみ、腸を刺激することで蠕動運動をうながし老廃物を排出します。
ただ、過剰な摂取は便を硬くしてしまい、便秘を引き起こすので注意してください。また、生のおからを乾燥させたおからパウダーは、生のおからよりも効率的に食物繊維を摂ることができ、注目の食材です。
高野豆腐はアレンジがたくさん
高野豆腐は、豆腐を凍らせて、解凍、脱水し乾燥させた食品で、古くから親しまれてきた、日本古来のスーパーフードです。低糖質で良質なタンパク質を多く含んでおり、さまざまな健康効果が期待できます。
食べ方も煮物にしたり、細長く切って太巻きに入れたり、卵とじにしたりとさまざまなアレンジができる優れものです。ほかにも炒め物やサラダ、おつまみやおやつなど、いろいろな料理に使うことができるので飽きることなく食べることができます。

食べ合わせで栄養価アップ
でんぷん質の豆とトマト
豆に含まれる鉄分を効率よく吸収するためには、ビタミンCが必要です。豆に含まれる植物性の鉄分は、吸収されにくいという特徴があります。そこでビタミンCを一緒に摂取することで、鉄分が吸収されやすい形に変化し、鉄分の吸収率が上がります。
豆腐と魚で骨を強化
カルシウムは吸収率の低い栄養素です。そこでカルシウムの吸収を助けてくれる、ビタミンDを一緒に摂取することをおすすめします。
ビタミンDは、カルシウムの吸収を促進するだけでなく、骨に沈着するのも助ける効果があり、骨粗鬆症の予防にも効果的です。豆や大豆製品のカルシウム吸収率は18%と、とても低いので、骨ごと食べられる小魚を一緒に摂るといいでしょう。
大豆とじゃがいもで視力を維持
ビタミンEは若返りのビタミンといわれるほど、抗酸化力が高いビタミンです。また、ビタミンEには血管を拡張させて、血行を促進する働きがあります。そのため、酸素と栄養をしっかり送り届けることができ、視力回復にも効果的です。ビタミンEと一緒にビタミンCを摂ることで、効果を高めることができます。
納豆とタマネギで冷え性改善
納豆に含まれるナットウキナーゼという酵素には、血栓を溶かす効果があり、血流改善に役立ちます。タマネギにはケルセチンというポリフェノールの一種で、血行をよくする働きの栄養が含まれています。ナットウキナーゼとケルセチンの2つの血行促進効果により、冷え性を改善効果が期待できます。

おやつにおすすめの豆料理
炒り大豆は歯ごたえ抜群
炒り大豆というのは、節分のときに食べる豆のような状態の大豆です。豆を炒る際は、油を使わずフライパンで炒めたり、オーブントースターで焼いたりする方法があります。炒り大豆は固いので、しっかり噛んで食べる必要があり、少量で満足感を得られます。
また、しっかり噛むことで唾液の分泌量も増えるので、免疫力の向上も期待できます。ただ、炒り大豆はあまり消化がよくないので、おなかの調子が悪いときや、食べ過ぎには注意が必要です。
糖質を気にしないおからクッキー
ダイエット中のおやつとして人気なのがおからクッキーです。おからクッキーは、通常のクッキー比べ糖質やカロリーが半分ほどなので、ダイエット中のおやつに向いているといえます。おからを使用していることで満腹感を得られやすく少量で満足できます。
いろいろな味が販売されていたり、さまざまなレシピが紹介されていておからを使って自分で作れたりするので、飽きることなく続けられるでしょう。ただ、カロリーも糖質もゼロではないので食べすぎには注意が必要です。
意外と満腹になる豆乳
豆乳には大豆タンパク質が含まれているので満腹感を得られやすく、食べ過ぎを防ぐことができます。食事の前にコップ1杯の豆乳を飲むことで、無理なく食事量を抑えることができるのです。ほかにも抗酸化作用や血行促進、コレステロールの排出など効果があるので、効率的にダイエットできます。
豆乳の1日の摂取量は200mlまでといわれています。大豆イソフラボンの摂りすぎはホルモンバランスを崩す原因になるので、摂りすぎには十分注意しましょう。
アンチエイジング効果のあるあんこ
小豆には赤ワインよりも多くのポリフェノールが含まれており、細胞の老化を防ぎ、シミやシワを改善する効果が期待できます。小豆の食物繊維は便秘の解消だけでなく、腸内環境を整え腸内で悪玉菌が増殖するのを防ぎます。腸内環境が整うことで、老廃物の排出や有毒ガスの発生を抑え、肌荒れや吹き出物を防いで美肌に導くのです。
一気に和風になるきな粉
きな粉は、抹茶や黒蜜などと並んで「和スイーツ」に欠かせない食材ですが、きな粉には豊富な栄養が含まれています。きな粉の原料は大豆なので、良質なタンパク質のほか、鉄分やカルシウム、マグネシウム、リン、カリウムなどのミネラルも豊富に含まれています。
そのためダイエットのみならず、健康維持にも役立つ優秀な食材といえるでしょう。また、きな粉は細かくすりつぶして粉状になっている分、大豆をそのまま食べるよりも、消化しやすく効率的に大豆の栄養を体に摂り入れることができるのです。
少量で満足できる甘納豆
甘納豆は、小豆やインゲン豆、エンドウ豆などをシロップで煮詰めて砂糖をまぶしたおやつです。また、豆が原料なので食物繊維やカリウム、サポニンを含んでいて、便秘やむくみ解消、脂肪燃焼なのど効果も期待できます。
甘納豆は砂糖などを使用しているので、糖質が高く少量で満足でき、腹持ちがいいのも特徴です。ただ食べ過ぎたり食後に食べたりすると、脂肪として吸収されてしまうので注意しましょう。

豆は栄養価が高いのでダイエットにおすすめ
豆類にはダイエットに欠かせない、良質なタンパク質や食物繊維、サポニンなど多くの栄養を含んでいます。また、イソフラボンなど女性にうれしい栄養素も含んでいるので、ダイエットだけでなく美容や健康にも効果がある優れた食材です。いつもの食事に少し加えるだけでさまざまな効果が期待できるので、上手に取り入れて健康的にダイエットしていきましょう。