目次
青クマの特徴とは
血行不良で滞った血が青く見えている
目の下にできるクマにもいくつか種類はあります。その中でも、青黒く見えるのが通称「青クマ」です。
青クマの原因は、目の周りの血行不良です。新鮮な血液がいきわたらず、古くなった血液が静脈を通って目の下に溜まってくると、青黒いクマになるのです。寒い時に唇や足の指が紫色になることがありますが、青クマもこれと同じ原因です。
下に引っ張るとクマが薄くなるのが見分け方
目の下の皮膚を下にひっぱると薄くなるのが青クマの特徴です。これは、皮膚の下の血管が青黒くなっているしるしです。皮膚への色素沈着が原因の茶クマ、赤クマでは引っ張ってみても色は変わりません。
低血圧の人に多くみられる・冷え性だと発生確率が高い
青クマは低血圧の人に良く見られます。低血圧の人は心臓のポンプが血液を流す力が弱いため、末梢神経まで新鮮な血液が回ってきません。そのため、目の下がいつまでも新鮮な血液を得られず、青黒くなってしまうのです
同様に、冷え性も原因は血流が悪いことです。冷えて指先が青白くなってしまうように、目の下のには多くの毛細血管が集まっていて、この血管にも古い血が溜まってしまうのです。
簡単には消せない
つまり、青クマの原因は目だけでなく、低血圧や冷え性といった体質にも関係があるのです。一時的に和らげることはできても、根本的に解決するには、体質から改善していかなければいけません。
将来的にシワやくすみの原因になる
クマができる原因の一つに色素沈着があります。色素沈着とは、肌の奥まで届いたメラニン色素が残って消えない状態で、放っておくとシミやシワ、顔全体のくすみの原因になります。
青クマは色素沈着が原因ではありませんが、常に青クマができていると色素沈着になってしまうことはあります。
青クマができてしまう原因
睡眠不足による疲労
「クマ」と聞いて一番に思い浮かべるのが睡眠不足ではないでしょうか。睡眠不足と血行不良には深い関わりがあります。
人は睡眠中に、体温を下げるため血管が拡がります。睡眠不足が続くと血管が縮まったままになり、血行が悪くなります。また、浅い眠りや不規則な時間に寝ていると、体の細胞を修復する成長ホルモンの分泌が減り、シミや色素沈着も修復されないままになってしまいます。
仕事や人間関係のストレス
強いストレスを感じたとき、体の中ではアドレナリンやノルアドレナリンの働きで血管が収縮します。また、冷や汗をかくことで血液の中から水分がなくなり、血流は一層悪くなってしまいます。
このドロドロの血では毛細血管まで酸素や栄養素が運べず、指先やつま先の冷え、目の下のクマの原因になります。
体温の低下、冷え性
冬場は夏に比べてクマに悩む女性が急増するといわれています。冷えによって血行が悪くなると、その箇所の新陳代謝が落ちるため、どんよりとした青クマができてしまいます。
また、季節に関係なく低体温症(平熱が35℃代)の人も青クマができやすいといわれています。
パソコンのし過ぎによる眼精疲労
スマートフォンやパソコンが手放せない現代人にとっては、眼精疲労は避けられません。
ディスプレイを長時間見続け、画面を凝視しているとき、目の周りの筋肉はピントを合わせようと強い緊張状態になります。これが眼精疲労の原因です。
また、まばたきの回数が減りドライアイになると、さらに目が疲れやすくなってしまいます。目が疲れた状態になると目の周りの血行が悪くなり、青クマになります。
年齢や保湿不足による目元の乾燥
さまざまな肌トラブルの原因、乾燥も青クマの原因の一つです。目の周りの皮膚は薄く、他の部分より乾燥しやすくなっています。皮膚が乾燥すると、新陳代謝が落ちて、色素沈着もしやすくなるほか、老廃物などが上手く排出されずに溜まってゆき、うっ血したりたるみの原因になることがあります。
脂質の摂りすぎなどの食生活の乱れ
食生活の乱れも血行不良を招きます。脂質の多い食生活を送っていると、血液中に余分な脂肪が蓄積されます。この脂肪が血流を悪くし、青クマの原因になります。
飲酒や喫煙の習慣
タバコのニコチンは、血液中の酸素の働きを鈍らせます。そのほかにも、肌をきれいにする女性ホルモンを減らす、自律神経のバランスを崩すなど、血行不良の原因だらけです。
また、タバコを吸うことで体内のビタミンCが消費されてしまいます。ビタミンCは肌の弾力を保つコラーゲンの生成にかかわっているため、タバコを吸うとその分コラーゲンが作れなくなってしまい、肌はダメージに弱くなっていきます。
生まれつき目の下の皮膚が薄い
目の下はわずか0.5~0.6mmと、他の部分よりも薄くなっています。その中でも、人によって皮膚の厚さは違い、0.5mmよりもっと薄い人もいます。生まれつき皮膚が薄い人は、血管が透けやすいだけでなく、皮膚への負担が大きいため、青クマも出やすくなります。
また、だれでも年齢を重ねるごとにコラーゲンやエラスチンなどが減少し皮膚は薄くなっていきます。そのため、血管は透けやすく、受けたダメージは修復されにくくなり、青クマが目立ってくることもあります。
青クマを改善するためのセルフケア方法
目元用のパックで集中ケア
青クマのできた部分は、新陳代謝が悪く乾燥した状態です。パックで肌に潤いを与えて代謝をよくすることで、青クマだけでなく小じわや色素沈着を防ぐこともできます。貼ったまま眠ることで、翌朝のクマを改善するタイプのものが主流です。
化粧水の他にアイクリームで保湿
目元の乾燥を防いで新陳代謝をよくするため、目元専用の「アイクリーム」で保湿するという方法もあります。アイクリームにはビタミンC誘導体、ヒアルロン酸などが含まれ、スキンケアの際に目元に使うことで、色素沈着や皮膚のくすみを防ぎます。
蒸しタオルを乗せて血行促進
血行が悪く青クマができているときに効果的なのが、目元の血行を促進する蒸しタオル。湿らせたタオルを電子レンジで温めるだけで用意できる手軽なケアです。
蒸しタオルを用意するのが難しいときに便利なのが目元専用の「ホットアイマスク」。カイロのように温まるものから、電子レンジで加熱して使うものまでタイプは様々です。
温めることで血行が良くなるだけでなく、目元の筋肉をほぐすリラックス効果もあります。
ハンドマッサージで血流を良くする
マッサージで血行を良くすることもできますが、目元の皮膚は薄いので注意が必要です。クマのできている部分ではなく、こめかみ、眉毛、眉間など目の周りをマッサージすることで全体の血行を良くし、眼精疲労、青クマを解消します。
1.指の第一関節と第二関節の間、平たい部分を使ってこめかみをほぐす
2.人差し指と中指(チョキの形)で眉毛を挟むようにマッサージ
3.眉間の少し下のくぼみを親指の腹で3秒ワンセットを5回
まぶた、目の下、アイホールなどを無理に押し過ぎないよう気を付けてください。
顔のツボ押しで血流改善
顔には眼精疲労や血行不良に効果的なツボがたくさんあります。これを押すときも、目の下の一番皮膚の薄い部分はなるべく刺激しないほうがいいでしょう。
・糸竹空(しちくくう):眉毛の一番外側の所
・太陽(たいよう):眉尻と目尻の中間から少し外側にあるくぼみ
・瞳子膠(どうしりょう):目尻の外側にあるへこみ
特に瞳子膠は青クマ、茶色クマなどクマの種類にかかわらず改善効果があります。
メイクでコンシーラーを使って隠す
忙しい朝、クマを見つけてしまったときはコンシーラーが便利です。デリケートで皮膚の弱い目元にはやわらかい筆ペンタイプ、リキッドタイプがおすすめです。
クマの種類によって、コンシーラーのカラーは使い分けます。青クマをうまく隠してくれるのは、オレンジ系カラーのコンシーラーです。全体的に塗りつぶすのではなく、特にくすみの目立つ箇所にぽんぽんとのせていき、上から普段通りベースメイクをします。ただ、毎回コンシーラーで隠してると摩擦によって色素沈着を起こし、茶クマ、赤クマの原因にもなります。あくまでも応急処置として覚えておきましょう。
▼さらに詳しい解説はこちら
コンシーラーで気になるクマを隠そう。おすすめアイテムと隠し方
目が疲れた時は目薬をさす
眼精疲労が続くと筋肉がこわばり、血流が悪くなって青クマの原因になります。特にパソコンやスマートフォンで目を酷使した後は目薬で間接的にクマを予防することができます。
目薬を選ぶときは、以下のような血行促進成分、ピント調節機能調整成分、目に潤いを与える成分が入ったものがおすすめです。
・ビタミンB12:目のピント調整を行う毛様体の血流を改善する
・天然型ビタミンE:毛細血管の血流を良くする
・ビタミンA:角膜や網膜の細胞を保護する
・タウリン:新陳代謝を促し疲労を回復する
・ネオスチグミンメチル硫酸塩:目のピント調節機能を調整する
クリニックで行われる青クマの治療法
ケミカルピーリングで角質を取り除く
時間がない、自分の手に負えないほど青クマがひどくなってしまった…そんな時は、皮膚科・美容外科でも治療を受け付けている場合があります。
ケミカルピーリングは、特殊な薬剤で、肌に残っている古い角質を取り除く、いわば肌の状態を言ったんリセットする治療法です。このケミカルピーリングを行うことで、肌のターンオーバーのサイクルも正常に戻るといわれています。
色素沈着を起こしてしまった肌にも効果的ですが、1回ではなく何度か繰り返し施術を行う必要があります。
▼さらに詳しい解説はこちら
ケミカルピーリングが自宅でできる?憧れのツルツルたまご肌を目指す
高周波を用いて血流の改善をする
レーザーや、ラジオ波などを照射することで目の下のクマの改善を目指す治療法です。真皮層を加熱すると線維芽細胞という細胞が刺激され、コラーゲンの生成が活発化されます。特に血行不良によって起こる青クマに効果的とされます。
切開などを行わないため日帰りで治療できますが、月に5回ほどのレーザー照射が必要です。
切開して毛細血管を焼却する
「下眼瞼切開術」と呼ばれる手術です。目元の皮下脂肪を手術で取り除き、腫れぼったくなった舌瞼をスッキリさせます。同時に青クマの元となっている毛細血管を焼却するため、クマもなくなります。
手術は日帰りで行われ、かかる時間は1時間半ほどです。局所麻酔で1週間後には抜糸することができます。
ヒアルロン酸を注入する
コラーゲンなどと同様、肌のハリや弾性力を維持しているヒアルロン酸を注射で注入する方法です。ヒアルロン酸は保水力が高いため、肌全体がふっくらと潤い。目の周りの血行が良くなることでクマも改善します。
施術時間は10分~15分ほどで、メイクも洗顔も当日から可能になります。
保険外治療のため費用は全額自己負担
施術の費用は保険が効かず、全額自己負担となります。病院にもよりますがヒアルロン酸注入なら8万円以上、レーザー治療なら1回5万円を数回など、決して安くはありません。自分でマッサージや生活習慣の改善などを行った後の、最後の手段と考えた方がいいかもしれません。
青クマ解消の助けになる栄養素
ドライアイを予防するビタミンA
目の疲れの原因にもなる「ドライアイ」。ただ目が乾きやすいだけではなく、角膜を傷付けたり、目の疲労、炎症、血行不良など様々な症状の原因になります。
ビタミンAは、角膜・網膜の細胞を正常に保ち、涙の量、つまり目の潤いを一定に保つ働きがあります。うなぎ・レバーのほか、緑黄色野菜に含まれています。
血管を丈夫にするビタミンC
青クマの原因は毛細血管に古い血が溜まり、栄養が届かなくなることです。毛細血管は非常に繊細で、疲れや加齢によってどんどんもろくなっていきます。
ビタミンCはコラーゲンを生成し、血管の壁を強くする働きがあります。パプリカやアセロラなどの野菜・果物に含まれています。
眼精疲労を改善するビタミンB2
ピントが合わないとそれだけ目の筋肉を酷使し、クマ、疲れ目のほか、視力低下の原因にもなります。
ビタミンB2は、眼精疲労の改善や、ピント調節機能、瞳孔の光量調節作用をサポートします。レバーなどに多く含まれていますが、毎日摂るのは難しいので目薬、サプリメントなどを上手に利用しましょう。
貧血に効果のあるビタミンB6・鉄分
赤血球に含まれるヘモグロビンには、酸素と結びつき全身の細胞に運搬する働きがあります。ヘモグロビンがうまく働かず、酸素がうまく運ばれない状態が貧血です。
ヘモグロビンは鉄とたんぱく質、そしてたんぱく質をサポートするビタミンB6からできています。 どれかが不足するとヘモグロビンの生成されず、貧血を引き起こします。
ビタミンB6はニンニクや赤身の魚に多く、たんぱく質は肉類、魚類、大豆製品に多く含まれています。
目を健康にするポリフェノール・アントシアニン
ポリフェノールは食品の苦み成分です。その中の一つ、アントシアニンは目の網膜の細胞の再合成を促し、眼精疲労や視力の改善に有効だといわれています。
アントシアニンが多く含まれる食品はブルーベリー、黒豆などですが、中でもカシスに含まれる「デルフィニジン配糖体」はクマの解消、血流改善に特に効果的だといわれています。
サプリメントをうまく活用して
アントシアニン、鉄分などを毎日食品だけから摂るのは困難です。また、ビタミン類は一度にたくさん摂っても尿として排出されてしまいます。バランスの良い食事は大切ですが、サプリメントやビタミン成分配合の目薬を活用したほうが効率がいい場合もあります。
青クマを予防する生活習慣
睡眠をしっかりとる
目は起きている間中働き続けています。そんな目の筋肉や毛細血管、皮膚が修復されるのは、睡眠中「成長ホルモン」が出ている間です。
成長ホルモンは夜の22時から2時に活発になります。その間に脳も体も眠っている状態「ノンレム睡眠」をとれているのが、一番体の修復に良い状態です。人がノンレム睡眠に
入るのは入眠から2、3時間後。10時か11時までに布団に入れば、成長ホルモンの活発な時間にノンレム睡眠をとることができます。
軽い運動を毎日続ける
適度な運動は睡眠に入りやすくしてくれるだけでなく、身体中の血流が良くなるので、疲れ目や青クマにも効果的です。無理なく続けられて、体に酸素を取り入れられる、ウォーキングなどの有酸素運動がおすすめです。
湯船に浸かって体を温める
疲れているとついシャワーで済ませてしまいますが、目の血行を良くするためには湯船につかる方が効果的です。筋肉に蓄積された老廃物の代謝も促進しますので、血行不良による眼精疲労、クマにもおすすめです。
夜の入浴のポイントは、40℃以下のぬるめのお風呂に長めに浸かることです。40℃以下のお湯は副交感神経を刺激する作用があり心身をリラックスさせてくれます。逆に熱すぎるお風呂は交感神経を活発にし、かえってリラックスできない、眠れない状態になってしまいます。
就寝前のストレッチ
就寝中はずっと同じ姿勢でいるので目の血流が滞りがちです。簡単な「目のストレッチ」で、疲れを翌日に持ち越さないようにしましょう。
目の周りをほぐすウィンク
1.素早くウインク 各10回(左右交互)
2.ゆっくりウインク 各10回(左右交互)
3.強めにウインク 各10回(左右交互)
4.ギュッと目をつぶってパッと開く 3回(両目一緒に)
固まった筋肉を伸ばすストレッチ
1.左上を3秒見つめ(左眉を見るイメージで)正面に戻す、次に右上を3秒見る 各1回(左右交互)
2.左斜め下を3秒見つめ(左ほほを見るイメージで)正面に戻す、次に右下を3秒見る 各1回(左右交互)
3.左真横を3秒見つめ(左耳を見るイメージで)正面に戻す、次に右上を3秒見る 各1回(左右交互)
4.髪の生え際(おでこの上)を3秒見つめ正面に戻す 1回
5.あごを3秒見つめ正面に戻す 1回
6.鼻を3秒見つめ正面に戻す 1回
冷たいものを飲みすぎない
冷たい食べ物、飲み物は眼精疲労を悪化させます。冷たいものをよく摂っていると、慢性的に体が冷え、血管の収縮、血行不良から青クマにつながります。逆に、温かい物、体を温める食べ物は血行を良くして目の疲労、青クマ解消にも効果的です。
体を冷やしてしまう飲み物はカフェインのコーヒーや栄養ドリンク、逆にショウガや唐辛子などは体を温めてくれます。
目だけではなく体全体を意識しよう
青クマの原因は目の血行不足ですが、その陰には体全体の疲れや不摂生が隠れています。たかがクマ、と侮らず、体からのサインを見逃さないよう、クマが目立つようになったらその機会に食生活・生活習慣を見直しましょう。