目次
ピーリングのメリット
古くなった余分な角質を取り除く
ピーリングとは、日本語にすると皮をむくという意味ですが、肌のケアでのピーリング美容用語として定着してきました。
ターンオーバーが乱れて、皮膚に残った古くなった角質や毛穴に詰まった皮脂汚れなど、洗顔では落としきれない汚れをを取り除くお手入れ方法のことをピーリングと言われています。
肌をやわらげ、次に使う化粧品の肌なじみがよくなる
古くなった角質は、肌のごわつきを招いてしまう事もあります。硬くごわついた肌に、化粧水や美容液を塗布しても、なじみが悪くなってしまいますが、古くなった角質を除去してあげる事で、肌がやわらぎ化粧品のなじみが良くなります。
メラニンの排出促進
古くなった角質を取り除く事で、肌のターンオーバーが整いやすくなります。ターンオーバーが正常に行われる事により、肌に蓄積されたシミやニキビ跡などの原因とされるメラニンも肌表面に押し出され、垢となって剥がれ落ち排出されやすくなると言われています。
また、真皮層のコラーゲン、エラスチンの生成を助け、真皮を肥厚させ、メラニンの生成を抑制する効果が期待されます。
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メラニンを徹底解説。メラニンの構造を理解して、適切な対策をしよう
ターンオーバーを促す
古くなった角質を取り除く事で、肌の生まれ変わろうとする力が働きやすくなり、ターンオーバーが正常化しやすくなるといわれています。
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美肌のもとは「ターンオーバー」。肌の再生機能を助けるケア方法
肌の代謝促進
ターンオーバーが正常化する事で、遅くなっていた肌の代謝促進に繋がります。
ピーリングで目指すところは、あくまでターンオーバーの正常化であり、細胞の生まれ変わりをを早めるということではありません。
ターンオーバーが正常化することで、肌の代謝促進につながり、結果として、お肌のシミ、くすみ、ニキビ、ニキビ跡などの肌トラブルの改善につながりやすくなります。
自宅でピーリングをする際の注意点
ピーリング後は日焼け対策を
古くなった角質を除去している為、いつもより薄くなったお肌は敏感な状態になっています。紫外線による刺激にも敏感になっているので、日焼け止め等でしっかりお肌を紫外線から守ってあげましょう。
朝は避け夜に実施する
角質が薄くなっているため、乾燥しやすかったり、肌がさまざまな刺激に敏感になっています。外出前に行ってしまうと、角質が薄くなり、いつもより抵抗力の弱いお肌にダイレクトに紫外線があたってしまい、肌が赤くなってしまったり、過度に乾燥してしまう可能性があります。必ず夜に行い、保湿をしっかりしてあげましょう。
使用頻度、方法を守る
ピーリングに関するいろいろな製品が販売されています。各製品の使用頻度、方法は必ず守りましょう。効果が緩やかで、毎日使っても良いとされる製品もありますが、市販のピーリングでは基本的には週に1回程度のものが多いようです。
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頻度を守ったピーリングでいつでもすべすべのくすみのない肌に
傷や炎症がある場合は実施しない
ピーリングの手法としては、酸を肌に塗り古くなった角質を溶かしていく方法、いわゆるケミカルピーリングと、その他薬剤は使用せず物理的な方法で古くなった角質を除去していく方法、ダイヤモンドピーリング、レーザーピーリングなどがあります。
いずれにせよ、ピーリング自体、角質を除去するお手入れ方法なので、傷や炎症があるところには、大変強い刺激を感じたり、傷や炎症を悪化させてしまう可能性があります。こういった場合は使用しないようにしましょう。
肌荒れなどを起こした場合は使用を中止し、医療機関へ
その日の体調や、体質によっては、肌荒れなどを起こしてしまう可能性があります。二の腕の内側やフェイスラインの目立たないところで必ずパッチテストを行って、赤みやかゆみなどの異常がないことを確認してから、実際に使ってみるようにしましょう。
万が一、異常が出た場合は速やかに皮膚科等の医療機関を受診しましょう。
妊娠中・授乳中は行わない
妊娠中・授乳中は特にホルモンバランスが乱れやすくなっていたり、肌も抵抗力が弱まっているため、行わないようにしましょう。
自宅でできるピーリングの種類
固形石けん、スクラブを配合した洗顔料タイプ
洗顔と同時にピーリング効果が得られる製品で、固形石けんで泡立てて使います。
微細な粒々が入っており軽くマッサージするように擦りながらなじませると、消しゴムのカスのように角質や汚れが落ちるタイプのものです。
比較的成分の緩やかな物も多く毎日使えるものから、週に一度程度のものまでさまざまな製品があるようです。
拭き取る化粧水タイプ
洗顔後、保湿目的の化粧水の前に行うプレ化粧水です。化粧水をコットンなどに含ませてふき取ることによって、古くなった角質を除去します。シートあらかじめ化粧水が含まれているウエットシートタイプもあります。
毛穴の汚れを除去し、角質を柔らかくすることで、化粧水の浸透がよくなり、肌のトーンアップも期待できます。強く擦りすぎると肌を痛めてしまいますので強くなり過ぎないように気を付ける必要があります。
塗って少し放置してから洗い流すマスクタイプ
パックすることで角質が除去できるタイプです。パックすることにより古くなった角質をふやかして除去します。さまざまな美容成分が配合された製品があります。擦りすぎる心配がなく、比較的初心者にも使いやすいタイプです。
塗りっぱなしの美容液タイプ
塗布することで角質を緩め、古くなった角質をはがれやすくする効果が期待できます。こちらもふき取るタイプと違い刺激が少なく、肌を擦りすぎる心配がないので、初心者にも使いやすいタイプです。ピーリング効果の高いグリコール酸5%以上配合のものが効果が高くおすすめです。
手作りピーリング剤
自宅にあるものを使って作ることも可能です。ヨーグルトに含まれる乳酸とフルーツ酸の働きを利用したものや、黒砂糖の粒子の細かさを利用し角質の除去効果が期待できるもの、レモンに含まれるクエン酸によりピーリングが期待できるものなど多数あり、リーズナブルにピーリングが行えるのが魅力です。
美顔器を使っての物理的ピーリング
ダイヤモンドピーリングやウォーターピーリングなど美顔器を使い、物理的に古くなった角質を取り除く方法もあります。機械を購入する必要があるため、初期投資が必要ですが、最近では1万円以下のリーズナブルな美顔器もたくさん販売されています。
自宅用ピーリング剤の選び方
肌への浸透が浅く刺激が少ないAHA配合
ピーリング剤に配合された成分のタイプはAHAとBHA大きく2つに分類されます。
AHAはフルーツ酸とも呼ばれており、種類としてはリンゴ酸、クエン酸、乳酸、グリコール酸など。BHAは、トリクロール酢酸、サリチル酸マクロゴール、サリチル酸エタノールなどがあります。
BHAは美容クリニック等で使われることもありますが、ピーリング作用がとても強いので、使用方法を誤るとお肌にダメージを与えてしまうケースもあり、使用に特に注意が必要な成分となります。なるべくAHA、フルーツ酸配合とされるものを選ぶようにしましょう。
肌を擦るタイプは肌への負担が大きいため避ける
スクラブ入りのものや、肌を擦ってピーリング効果を得るタイプのものは、加減が難しく必要以上に擦ってしまう事により、肌に負担をかけてしまう可能性があります。
ジェル、クリーム、美容液タイプのこちらは、強く擦りすぎてしまう心配がないため、使いやすくおすすめです。
pH値を確認
日本では、現在のところ、濃度やphの基準は設けられていませんが、高濃度(30%以上)低ph(2.0以下)ではリスクが激増するといわれています。
ピーリング先進国のアメリカでは、消費者向けの製品等の自主規制値が、化粧品の場合は10%未満、ph3.5以上、エステサロンなどでは、30%未満、ph3.0以上、医師は30%以上、ph3.0以下と定められています。
㏗7.0が中性を示し、7.0以下の数値は酸性、7.0以上の数値はアルカリ性を示します。
健康なお肌はph4.5〜6.0の弱酸性といわれており、ph2.0以下となると強い酸性を表します。ピーリングを自宅で行う際には、必ず、phが3.5以上のものであるかどうか確認してから行うようにしましょう。濃度も10%程度の物が望ましいでしょう。
手作りクエン酸ピーリングの方法
食用クエン酸を選択する
販売されているクエン酸にも、3タイプあり、主に掃除等で使う工業用として販売されている物、食費添加物として販売されている物、医薬品として販売されている物があります。
工業用として販売されている物には、不純物が含まれる可能性があるようなので、作る際は口に入っても問題のない、食費添加物の物を選ぶようしましょう。
30mLの水に3gのクエン酸を混ぜて溶かす
水:クエン酸が10:1の割合になるように混ぜ合わせます。クエン酸は酸性の為、刺激が強い場合は水が少し多めになるようにして薄めるか、重曹をクエン酸と同量の3gかそれ以下の少量加えて調整します。使用する水は不純物のない、精製水やミネラルウォーターを選ぶようにしましょう。
クエン酸水を塗って、5分ほどおいてから洗い流す
スプレーボトル等を使用すると使いやすいようです。気になるところにスプレーして、5分ほど放置し、その後洗い流します。古くなった角質や汚れを溶かして落とすケアなので、洗い流す際に、ぬるっとした感触があります。洗い終わると、薄い角質が一皮むけたように、つるっとした仕上がりに感じることが多いようです。
ピーリング後のケア
十分な保湿
ピーリングは、古くなった角質を取り除くお手入れを行っているため、角質が薄くなりお肌の水分が蒸発しやすい状態になっています。いつも以上に保湿をして、お肌に充分な水分をあたえてあげましよう。
日焼け対策
角質が薄くなることによりいつもは大したことのない刺激でも、お肌が敏感に反応してしまう事あるようです。特に紫外線にも敏感になり、お肌が赤くなりやすかったり、しみになりやすかったりする可能性があるので、日焼け対策はしっかり行うようにしましょう。
使用方法に注意して自宅で手軽にピーリングを
目に見えて効果を実感しやすいピーリングですが、効果的な反面、使用方法を誤ると肌を痛めてしまう可能性のあるお手入れ方法でもあります。自身の肌の状態を確認し、使用前には必ずパッチテストを行い、ピーリング後には保湿、紫外線対策にも注意し、自宅で手軽にピーリングの効果を最大限に引き出しましょう。