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赤ニキビを潰すことで発生するリスク
赤ニキビとは、白ニキビ・黒ニキビなど初期のニキビに、肌の常在菌「アクネ菌」が入り込み、皮脂をエサとして繁殖していき炎症を引き起こした状態です。
炎症が長期化して治りが遅くなる
ニキビを潰すとは、炎症を起こしているニキビに力を加えニキビに刺激を与えることです。ニキビに刺激を与えることでさらなる炎症を招く可能性や、ニキビを潰した傷口から細菌が入り、炎症が悪化する可能性もあります。
炎症が長期化すると膿を持った、もっとも炎症が進んでいる状態の黄ニキビになってしまうこともあります。ニキビを潰し続けることで炎症を繰り返しニキビがなかなか治らなくなってしまいます。
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ニキビのできやすい肌になる
ニキビを潰すことによって芯が詰まっていた毛穴がぽっかりと開いてしまいます。毛穴はもともと小さくて塞がっているのですが、ニキビを潰した後の毛穴は塞がりにくく大きくなってしまい、皮脂や汚れが詰まりやすくなってしまいます。
ニキビを繰り返し潰すことで、皮脂や汚れが毛穴に詰まりやすくなってしい、ニキビのできやすい肌になってしまいます。
他の毛穴にまで菌を広げてしまう
汚い手などで無理やり赤ニキビを潰すと雑菌がニキビについてしまいニキビが悪化する可能性があります。ニキビに雑菌がついてしまうと周囲の毛穴にも広がり、ニキビを炎症させたり他のニキビを周囲に作ってしまいます。
他の毛穴にもニキビを作り、またニキビを潰してしまうと、ニキビがどんどん増えていってしまいます。ニキビを触りすぎて悪化してしまうことが多いので触りすぎないようにしましょう。
さらなる細菌感染を誘発
赤ニキビを潰してしまうとさらに炎症を起こし化膿した黄ニキビになってしまいます。
表面に黄色っぽい膿が溜まってしまっている状態が黄ニキビです。膿んでしまっているので、膿疱(のうほう)や化膿ニキビとも呼ばれており赤みを帯びて痛みを伴うニキビです。
黄ニキビはアクネ菌がニキビに入り込むことによって炎症を起こしたニキビに、黄色ブドウ球菌が入り込んだことによってさらに炎症が拡大してしまった状態です。炎症が肌の奥にまで及んでいるため、肌の中も傷つき痛みを感じます。
毛細血管の破裂
ニキビが炎症を起こしている場合は毛細血管が傷ついて炎症によりすでに内出血を起こしていることがありますが、ニキビを潰す力と一緒に毛細血管が破裂し血が出てしまうことがあります。
ニキビを潰して内出血することで、肌に残った血液中のヘモグロビンが酸素不足になり変色して赤黒いシミとなります。赤黒いシミになると色素沈着として肌に残ってしまいます。
真皮にまでダメージが及ぶ
炎症を起こしている赤ニキビを潰すことで皮膚の深いところ、真皮にまでダメージが及んでしまいます。真皮にまでダメージが及んでしまうと治るまでに時間もかかりますし、クレーター跡、色素沈着、ニキビ跡として肌に残ってしまいます。
赤ニキビは炎症を起こして刺激に敏感になっているため、ニキビを潰してしまうと肌に強烈な刺激を与え皮膚が剥がれてしまったりと取り返しのつかない状態になってしまいます。
潰れてしまった場合の応急処置
ニキビを自分で潰してしまったり潰れてしまったりした場合は、赤ニキビがこれ以上炎症を起こして黄ニキビになってしまわないように適切な応急処置をすることが大切です。
手を薬用の石鹸で洗う
ニキビが潰れてしまって応急処置をする前に必ず手を薬用の石鹸で消毒をしましょう。
消毒してない汚い手でニキビに触るとさらに炎症を引き起こしてしまう可能性があります。ニキビを潰して傷ついた皮膚や毛穴に雑菌が入り込んでしまい炎症が起こります。
手は身体の中で1番雑菌がついている部分なので、その手で応急処置をしても細菌がついてしまうことになります。薬用の石鹸は手の汚れを落としてくれると同時に、手についている雑菌を殺菌してくれます。
水で血や浸出液を洗い流す
ニキビを潰した際に肌が傷ついて血や浸出液が一緒に出てきた場合は、水で洗い流すようにしましょう。水で流した後も浸出液が出てくる可能性がありますがその浸出液は放っておいても大丈夫です。
浸出液は膿と違ってさらっとしており透明で、たまに黄色っぽいこともあります。浸出液には皮膚のターンオーバーを促して傷を早く治してくれる効果があります。ニキビを潰した後の皮膚は傷口が開いたままで雑菌が入ったり、刺激を受けやすくなっているのですが、浸出液が出ることで傷口を守ってくれます。
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アルコール綿で消毒
傷口を水で流したら、アルコール綿でしっかりと消毒しましょう。傷が大きくて深い場合しみてしまう可能性がありますが少し我慢して消毒することが大切です。ニキビを潰した後の皮膚は雑菌が入りやすい状況になっていますし、ニキビを潰した時にすでにニキビの中に雑菌が入り込んでしまっている可能性があります。
殺菌効果のある市販薬を塗る
ニキビの傷跡を消毒した後は、ニキビの炎症を抑えたりアクネ菌を殺菌するためにも殺菌効果のある市販薬を塗りましょう。ニキビを保湿しながらしっかりと殺菌してくれる軟膏がおすすめです。
軟膏の中には目立ちにくい肌色の軟膏や、軟膏を塗った後にメイクができるものなどいろいろな種類があります。炎症が進んでしまっているニキビには、抗生物質やステロイドの配合されている効き目の強い軟膏を選ぶことをおすすめします。
絆創膏を一晩貼っておく
ニキビ用の軟膏を塗った後に絆創膏をニキビの上から一晩貼っておくと効果を期待できます。絆創膏をニキビの上に貼ることで寝ている時に軟膏が枕についてしまったり、雑菌がニキビに侵入するのを防いでくれます。
絆創膏にも丸くて小さいサイズのものや、通気性がよく血液や浸出液を吸収してくれたり、絆創膏を剥がす際に皮膚表面の角質細胞を一緒に剥がしてしまわないように工夫されているものもあります。
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悪化の際は早急に皮膚科を受診
赤ニキビはすでに炎症している状態なので、触ったり潰したりするとさらに悪化してしまい、自分ではどうしようもない状態になってしまうことがあります。悪化してしまった際は早急に皮膚科を受診しましょう。
潰れた赤ニキビのホームケアの注意点
潰れてしまった赤ニキビを自分でケアするときは注意しなければならない点がいくつかあります。
直接手で触らない
身体の中で一番汚い部分である、手でニキビを触ってしまうことにより、雑菌がニキビに入ったり刺激を与えてしまいさらに炎症してしまう可能性があります。潰れた後のニキビは絆創膏などを貼って直接手で触らないようにしましょう。
残った芯を絞り出さない
残ってしまったニキビの奥の芯を無理やり取り出さないようにしましょう。赤ニキビの奥にある芯はなかなか取れず、無理に取り出そうと力を入れてしまうと毛細血管が破裂して血が出てきてしまったり、ニキビの表面に傷ができてしまいます。
毛細血管が破裂すると内出血を起こして赤黒いシミになって残ってしまう可能性もありますし、表面にできた傷から雑菌が入ってしまいニキビの炎症がさらに悪化して黄ニキビになってしまうこともあります。
1日に何度も洗顔しない
1日に何度も洗顔を行うと肌が乾燥し、肌を守ろうとして皮脂が過剰分泌されてしまいます。洗顔は多くても1日2回にしましょう。
朝と夜の2回洗顔を行うことがニキビのない肌を保つためには最適です。洗顔をした後は肌にやさしいコットンやシルクの素材のタオルで、水を吸い取るようにやさしく顔に押し付けて拭き取りましょう。タオルの素材が良いと肌に刺激を与えません。
メイクの厚塗りで隠さない
ニキビを隠すためにファンデーションやコンシーラーでメイクをすると、毛穴を塞いでしまいニキビの原因になります。ニキビができる原因は毛穴がふさがってしまうことなので、メイクで毛穴を塞いでしまうとニキビができる可能性が上がります。
赤ニキビは初期状態の白ニキビや黒ニキビと違い炎症を起こしているので、メイクをすると肌に刺激を与えてしまいさらに悪化する可能性があります。ニキビへの負担も考えてメイクをしないようにしましょう。
化粧水はコットンを使って保湿する
化粧水はコットンを使って保湿した方が肌の細かいところまで化粧水を浸透させることができます。化粧水を手でつけると手の表面にはデコボコがあるため肌にうまく馴染んでいきません。
コットンを使うときは顔の下から上に向かって練り込むようにコットンを肌に当て、化粧水を肌に浸透させていきましょう。刺激を与えないように優しく肌に当てるのがコツです。
紫外線は肌に負担のないもので対策
ニキビができている皮膚に紫外線が大量に当たるとメラニン色素が合成され、色素沈着を起こしたりアクネ菌が活発になってニキビの炎症が悪化してしまう場合があります。外出するときはなるべく紫外線を浴びないように帽子や日傘を持ち歩きましょう。
日焼け止めをニキビに塗ってしまうと刺激が強く、ニキビが悪化してしまいます。帽子や日傘など肌に負担のないもので紫外線対策を行いましょう。
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赤ニキビの回復を早める生活習慣とは
赤ニキビの回復を早めるためには規則正しい生活習慣がカギです。バランスの取れた食生活や睡眠をしっかりと取ってニキビを早めに回復させましょう。
睡眠は毎日8時間十分にとる
個人差もありますが私たちに必要な睡眠時間は8時間と言われています。8時間睡眠を十分に取ることによって睡眠中に肌のターンオーバーに必要な成長ホルモンが分泌され、肌のターンオーバーを促してくれるのでニキビが早く回復します。
肌のターンオーバーを促してくれる成長ホルモンは22時〜2時の間に多く分泌されます。この時間帯は肌のゴールデンタイムと呼ばれているのでこの時間に眠りについているのが望ましいです。
食事を1日3食きちんと食べる
食事を1日3食きちんと食べることで身体の機能が動き新陳代謝も上がり、栄養をしっかりと吸収してくれます。時間がなくても朝ご飯・昼ごはん・夜ご飯を取るようにしましょう。バランスの取れた食事も大事なので心がけると良いです。
野菜や果物の食べ物を多く摂る
ビタミンにはコラーゲンの生成を促し、肌を保湿したり肌のターンオーバーを促す効果があります。また、食物繊維は便秘を解消してくれます。便秘になると老廃物が腸に溜まり有害物質になって肌の表面にニキビとして出てきてしまいます。
野菜や果物にはビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。
有害物質を出さないために、便秘を解消してくれる食物繊維を、肌の健康を守ってくれるビタミン・ミネラルを、野菜や果物から摂取するようにしましょう。
不足しがちな栄養をサプリで補う
ビタミン類は口から摂取しても吸収されにくいので、ビタミンが凝縮しているサプリで足りない分を補いましょう。ビタミンのサプリメントにもさまざまな種類があり、ビタミA、ビタミンB、ビタミンCなど分かれています。
特に肌に良いとされているのは皮脂の過剰分泌を防いでくれるビタミンB群、肌の再生を促してくれる亜鉛です。サプリメントだと手軽に摂取することができます。
寝具やタオルは清潔なものを使う
枕カバーやシーツは毎日寝るときに肌に接するので、毎日取り替えて清潔に保つことがニキビを早く回復させるために重要です。
寝ているときは昼間と違い常にシーツが肌に接しており刺激を与えている状態です。できるだけ肌に摩擦を与えないように、シーツの素材はコットンやガーゼにすると良いでしょう。
赤ニキビを潰すメリットがあるかを見極めよう
赤ニキビはうまく潰れると炎症が引いていきますが、芯が奥に残ってしまったり肌を傷つけてしまうと悪化してしまいます。赤ニキビを自分で潰すとデメリットも多いので、潰す前によく考えましょう。