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顎ニキビが治らない原因とは
保湿が不十分
顎やおでこなどのフェイスラインは、皮脂腺が多く皮脂が過剰分泌されやすい部位です。洗顔やスキンケアをするとき、目の周りや頬は丁寧に保湿しても、顎から顎下までの範囲は見逃しがちです。
保湿が不十分だと肌が乾燥し、皮膚が硬くなります。毛穴も細く弱くなり、角栓が溜まってニキビの原因になるのです。
生理によるホルモンバランスの乱れ
生理周期は排卵を境に、女性ホルモンの「エストロゲン」と「プロゲステロン」が交互に優位になります。プロゲステロンは排卵が終わった生理2週間前から分泌されます。
男性ホルモンと似た働きをするので、皮脂が過剰部分泌され、人によってはシミや色素沈着などの肌トラブルが多発します。顎から頬にかけてのフェイスラインは特に注意が必要です。
生理不順や生理痛がひどい方は、基礎体温をつけて排卵のタイミングをチェックしてみましょう。ニキビが悪化する前に予防が必要です。
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ストレス過多の常態化
自律神経は分泌腺、血管、内臓などを支配し、交換神経と副交感神経の2つでバランスを保っています。ストレスを感じると、交感神経が優位になり、唾液を分泌して血圧や血統を高め、血液を一気に脳に集めます。
皮脂が過剰に分泌され、油脂肌、ニキビ肌の原因となるのです。顎ニキビが発生したら、ストレスを強く感じている可能性があります。
糖質の過剰摂取
体の中で肌の皮脂の分泌をコントロールしているのはビタミンB群です。糖質は分解に大量のビタミンB群を消耗し、本来なら肌のために使われるビタミンB群の量が減ってしまいます。
糖分は、アルコール類にも多く含まれています。お酒は少量なら血行を良くしてくれますが、ビタミンの消耗を避けるため、量を減らしたり糖質ゼロの商品を選ぶなど工夫しましょう。
糖質が少なくても、飲みすぎるとアルコールを分解する臓器・肝臓に負担がかかり、細胞を傷つける活性酸素が増えます。活性酸素は皮脂を酸化させ、ニキビの悪化やニキビ跡の原因になります。
胃腸に刺激を与える食べ物
辛い食べ物に含まれる「カプサイシン」は、適量なら肌の血行を良くしてくれますが、多すぎると胃腸の粘膜を荒らし、栄養の吸収を悪くします。個人差はありますが、食べ過ぎにも注意しましょう。
揚げ物のように油分、脂肪分を大量に含んだものも皮脂の分泌を増やします。特に動物性脂肪は血液中の中性脂肪を増やし、皮脂の分泌を促進します。アクネ菌は皮脂をエサに増殖するので、油分の摂りすぎも顎ニキビの原因となります。
紫外線のダメージ
紫外線のUVB(紫外線B波)は肌のバリア機能を破壊し、肌細胞に直接ダメージを与えます。紫外線はUVA、UVBとも肌の皮脂を酸化させ、毛穴に詰まりやすくします。
肌は紫外線から肌を守ろうとメラニンを合成します。シミやしわ、ニキビ跡の悪化に繋がります。鼻や頬だけではなく、顎から首にかけても日焼け止めを塗りましょう。
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繰り返す顎ニキビを治す日々のケア
良質な睡眠をとる
睡眠は体と心のサイクルを整えます。寝る前にスマホやパソコンを操作したり、寝具の使い心地が悪いと質の良い睡眠は得られません。体を休めるための準備を整えましょう。
遅い就寝でも良質な睡眠をとるには、寝入りから3時間のタイミングでしっかりと眠れているかが重要です。成長ホルモンが分泌され、新陳代謝を促し疲労を回復させます。忙しい女性は、睡眠の質を高める方向にシフトしましょう。
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魚や野菜中心の食生活
赤身の魚や野菜、果物に含まれるビタミン類は体の代謝を助け、肌の健康を保ちます。肉類にもビタミンは含まれますが、脂肪分が多い部位は、肌に悪影響になる可能性があります。
自炊して野菜を取り入れたレシピを活用するのが一番ですが、時間がなくて難しい場合は、加熱処理をしていない生のスムージーや、サラダを積極的に取り入れましょう。
適度な運動でストレスを発散する
軽い運動はストレス発散になるのはもちろん、全身の血行を良くして肌細胞に栄養を届けます。運動したときに流れるさらさらした汗を「エクリン汗」、睡眠中などにかくベタベタした汗を「アポクリン汗」と言います。
エクリン汗は体中の血行を良くし、ニキビやニキビ跡の改善に効果的です。ただ、汗をかいた後をそのままにしておくとニキビ・肌荒れの原因になります。運動後はシャワーを浴びて汗を流しましょう。
お風呂に浸かって冷えを予防
体が冷えると毛細血管が委縮し、細胞まで栄養が行き渡りません。顎ニキビを治すには、血行の流れを良くしましょう。お風呂にゆっくりつかることで、体が温まり血行が良くなるだけでなく、肌にいいエクリン汗が分泌されます。
シャワーが習慣になっている方は、湯船に浸かる回数を増やしましょう。入浴剤や防水のスピーカーで音楽を聴くなど、入浴時間にリラックスできる工夫をすると良いですよ。
痛い顎ニキビに効く市販薬
顎ニキビの応急処置に市販薬を使う
薬の種類は、ドラッグストアで販売されている一般用市販薬と、皮膚科で処方される医療用医薬品、漢方の3種類があります。悪化していないニキビであれば、市販薬で応急処置ができます。
市販薬は塗るタイプが主流です。「ステロイド」が入っている場合は、長期使用を避けましょう。継続的、広範囲に使うと肌の抵抗力が弱まりニキビの原因になり得ます。顎ニキビの薬を選ぶときは、腫れを抑える「抗炎症成分」、アクネ菌と戦う「殺菌成分」に注目しましょう。
テラ・コートリル軟膏
抗菌薬成分の「オキシテトラサイクリン塩酸塩」が配合されています。病院で処方される薬と同じ系統のもので、ニキビの原因菌の増殖を防ぎます。強力な抗炎症成分の「ヒドロコルチゾン」も配合されているため、化膿し始めた赤ニキビに特に効果的です。
ペアアクネクリームW
抗炎症作用のある「イブプロフェンピコノール」と殺菌成分「イブプロフェンピコノール」でニキビの悪化を抑えながら新しい吹き出物、ニキビができるのも予防します。
透明なクリーム状なので、塗った上からメイクができます。
オロナインH軟膏
傷薬として使われることの多いオロナインですが、殺菌成分「クロルヘキシジングルコン塩酸」が配合されているため、ニキビの炎症を抑えるのに効果的です。
ひどい顎ニキビを治す皮膚科の処方薬
細菌を弱らせる抗生物質
抗生物質が含まれた外用薬は、効果が高い一方、長く使い続けると薬の効かない新たな「耐性菌」ができる可能性があります。抗生物質を使いながら、スキンケアや生活習慣改善を行い、なるべく早く治せるよう専門機関から指導されます。
内服薬であれば、抗炎症作用が高く副作用の少ない「ビブラマイシン」、塗り薬だと耐性菌のできにくい「デュアック」などがよく使われます。
炎症を抑えるステロイド剤
ステロイドには抗炎症作用があるので、ニキビ治療に使われます。あくまで炎症を抑える薬なので、すでに化膿しているニキビには効果的ですが、初期のニキビにはあまり使われません。
長期使用はリスクがありますが、一日に塗る回数、量、使用期間を守れば素早く顎ニキビを鎮静化させられます。
PMSの改善に役立つ漢方薬
生理前の吹き出物や肌荒れ、不快な症状をPMSといいます。これら女性特有の症状には漢方薬が有効なケースもあります。体質に合うかどうか確認しながら服用してみましょう。
加味逍遥散(かみしょうようさん)
血液循環をよくして体をあたためる効果のほか、ホルモンバランスを整え、生理前のイライラ、肌荒れを抑える効果があります。
婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)
血液を補って貧血を防ぐ「補血作用」と、血行を改善する「活血作用」を併せ持つ漢方です。血流がよくなるため、手足の冷えや乾燥肌に効果があります。
桂枝茯苓丸料加薏苡仁(けいしぶくりょうがんりょうかよくいにん)
この漢方も血の巡りをよくし、主に顎や頬などのフェイルラインのニキビ、肌荒れを改善します。
男性ホルモンを抑える低用量ピル
避妊や生理痛改善に使われる低用量ピルは、ニキビや肌荒れ改善にも効果的です。ピルは毎日同じ時間に飲む必要があります。飲み忘れに注意が必要です。
日本では医師の処方箋が必要なので、内科や婦人科を受診します。通院は1回きりではないので、自宅や会社近くの病院が便利でしょう。費用は1月2~3,000円程度です。個人差はありますが、1カ月前後で肌に変化が出てきます。
原因を解消して顎ニキビの連鎖を断ち切ろう
あなたの顎ニキビが治らない原因は見つかったでしょうか?薬で改善するのは炎症が起きている赤い部分と色素沈着です。繰り返す顎ニキビには根本治療が必要です。肌にダメージが残ったクレーターは、ピーリングやレーザー治療を併用しましょう。普段の生活の中にも改善できるポイントはたくさんあります。食生活、睡眠時間、運動など、顎ニキビだけでなく肌にも体にもいい習慣を心掛けましょう。