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大豆 ダイエットとは?
大豆ダイエットとは、毎日の食生活に大豆を取り入れるダイエット法です。食事制限や置き換えなどをしないため、栄養もバランスよく摂ることができ健康的で無理なく続けられるダイエットです。
大豆はダイエット中に食べても大丈夫?
一見、カロリーが高そうに感じる大豆ですが、たんぱく質やビタミン類、食物繊維などさまざまな栄養素がバランスよく含まれています。また、大豆の脂質には、生活習慣病や成人病を予防・改善する働きのあるオレイン酸や、α-リノレン酸といった、体に大切な脂肪酸も含まれています。
大豆イソフラボンなど女性に嬉しい効果のある栄養素も豊富なため、カロリーが高いからといって太りやすいわけではありません。ダイエット中は、食事の栄養が不足したり偏ったりしてしまうことも多いため、積極的に取り入れたい食品です。
大豆に含まれる栄養素と効果
食物繊維は便秘解消に効果あり
大豆には、不溶性食物繊維が多く含まれています。不溶性食物繊維とは、水に溶けない食物繊維です。水分を吸収して膨らむため、腸を刺激して便通を良くしてくれる働きや、満腹感を得られやすくなり食べ過ぎを防止する効果があります。
美容効果が期待できる大豆イソフラボン
大豆イソフラボンには、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きがあるので、ホルモンバランスの乱れを整えます。ホルモンバランスが整と、美肌効果や生活習慣病の予防や改善が期待できます。
また、大豆イソフラボンに含まれているダイゼインという成分は、腸に入り代謝されると、女性ホルモンと同じ働きをするエクオールを作り出します。エクオールは、大豆イソフラボンを摂取したからといって、すべての人が作り出せる成分ではありません。しかし、エクオールを作れる腸内環境に整うので、摂取は無駄にはなりません。
腸内環境の改善に大豆オリゴ糖
腸内の善玉菌のエサになり、腸内環境を整えてくれるオリゴ糖は大豆にも含まれており、大豆オリゴ糖といわれます。大豆オリゴ糖は、消化酵素に強いので、大腸までしっかりと届き、善玉菌のエサとなります。
善玉菌は、腸のぜん動運動を活発にして腸内環境を整え、病原菌などからの感染を防ぐ働きをします。
ダイエットに効果的な大豆たんぱく質
大豆の約3割はたんぱく質です。たんぱく質は、血液や筋肉の元となる栄養素です。中でも、大豆たんぱく質は吸収率が高く低カロリーなため、ダイエットに効果的です。中性脂肪やコレステロールを抑える働きもあり、生活習慣病の予防や改善にも期待できます。
大豆レシチンで血管を元気に保つ
大豆レシチンには、血管内の余分なコレステロールや老廃物を排出する働きがあります。動脈硬化など、血管の老化現象を抑える効果が期待できます。
また、大豆レシチンから作られるアセチルコリンという脳神経伝達物質が、認知症の予防や改善につながると期待されています。
大豆の種類とカロリー
乾燥大豆と大豆の水煮(黄大豆)
黄大豆は、私たちが普段食べている一番身近な大豆です。納豆や豆腐などの大豆製品にも、黄大豆が多く使われています。乾燥した黄大豆の100gあたりのカロリーは約439kcalです。
乾燥大豆は噛み応えがあり、満足感を感じやすいため、食べ過ぎ防止効果が期待できます。水煮にすると、質量は2倍になり、100gあたりのカロリーは、約180kcalです。
小豆
大豆の小粒のものを小豆といいます。小豆は、エネルギーの元となるたんぱく質や、整腸作用のある食物繊維を豊富に含んでいます。
脂質や糖質の代謝に欠かせないビタミンB2などのビタミンB群や、ダイエット時に不足しがちな亜鉛や鉄分も含んでいるため、積極的に摂取したい食材です。乾燥小豆の100gあたりのカロリーは、約339kcalです。
青大豆(緑豆)
青大豆には、良質なたんぱく質、ビタミン類、カリウム、食物繊維、葉酸、必須アミノ酸などの栄養成分がバランスよく含まれています。必須アミノ酸は筋肉や体を作る元となる成分で、私たちの体には欠かせない栄養素です。
乾燥青大豆の100gあたりのカロリーは、約435kcalです。
黒豆(黒大豆)
黒豆には、シアジニンというポリフェノールが豊富に含まれています。シアジニンは、脂肪の吸収を抑える働きがあるため、ダイエットに効果的です。
さらに、整腸作用のある食物繊維や、大豆イソフラボンの抗酸化作用による美肌の効果にも期待できます。乾燥黒豆の100gあたりのカロリーは、約442kcalです。
大豆 ダイエットの方法
煎り大豆に置き換えダイエット
煎り大豆は、大豆をフライパンなどで油をひかずに煎ったもので、噛みごたえがあり満足感を感じます。大豆ダイエットは、1食または間食を煎り大豆に置き換えるという方法です。肉や間食に置き換えれば、食べ過ぎを防止できます。
大豆製品を取り入れるダイエット
大豆製品には、いろいろな種類があります。大豆だけではなく、大豆を原料とした食材も取り入れることにより、食事のバリエーションも増え、ダイエットを継続しやすくなります。
豆乳には糖質や脂質の吸収を抑えるサポニンや、便秘解消に効果のある食物繊維、むくみを改善するカリウムが含まれています。おからや豆腐、納豆などの大豆製品には、食物繊維や善玉菌が含まれているため腸内環境を整える効果があります。
栄養素をまんべんなく効率的に摂取できるので、肉の脂身やお菓子の糖質・脂質に置き換えて効率的にダイエットできます。
▼さらに詳しい解説はこちら
おからのダイエット効果は?大豆の力できれいと元気を手に入れよう
大豆 ダイエットのおすすめレシピやメニュー
おからヨーグルトサラダ
材料
・おから(200g)
・ヨーグルト(260g)
・サラダ昆布、戻したもの(2分の1カップ程度)
・人参(5分の1本分)
・ドライイチジク(1個)
・ハーブソルト、塩でもOK(少々)
・胡椒(少々)
・はちみつ(大さじ1)
作り方
- サラダ昆布を戻しておきます。人参は千切り器で細かくします。ドライイチジクも食べやすい大きさに切ります。
- ボールに全ての材料を入れて混ぜ、出来上がりです。
ポイント
ヘルシーなおからと、ヨーグルトを使用したサラダです。おからは腸内で水分を含むと膨らむため、満足感を感じられやすくダイエットに最適な食品です。ヨーグルトと合わせることで、食物繊維やカルシウムなどもバランスよく摂取できます。
ダイエットに五目豆
材料
・大豆(250g)
・だし昆布(大きめなもの1枚)
・干し椎茸(3枚)
・こんにゃく(2分の1枚くらい)
・人参(半分)
・鶏むね肉(半分くらい)
・戻し汁(適量、気持ち多めに)
・だし汁(約500㏄)
・みりん(約大さじ3)
・三温糖(約大さじ2)
・醤油(約大さじ2)
作り方
- 大豆を一晩水につけておきます。だし昆布、干し椎茸も水で戻しておきます。干し椎茸の戻し汁も使うので捨てないで置いておきます。
- 材料を一口大にカットします。ごぼうは酢水につけてアク抜きをします。こんにゃくはカットしてから湯がいて臭みをとっておきます。
- だし昆布、干し椎茸の汁を鍋に入れます。干し椎茸、鶏肉を一口大にカットします。
- 鍋に材料、戻し汁を入れて、だし汁は具が少し出るくらい迄いれます。調味料もこの時に全部入れておきます。
- 鍋に蓋をして、中火で鍋が沸騰するまで煮ます。沸騰したら、弱火にして30から40分、火の加減や大豆の硬さを見ながら放置します。
- それから火を止めて、鍋が冷めるまで具が柔らかくなるまで待ちます。鍋が冷めたら出来上がりです。
ポイント
低カロリーな食材を使用したおかずです。大豆をメインに、こんにゃくや椎茸、鶏肉を加えると、バランスよく栄養を摂れます。お鍋に入れるだけで簡単に作れるので、保存やお弁当のおかずにも向いています。
ヘルシー大豆サラダ
材料
・豆(1パック)
・きゅうり(1本)
・カニカマ(お好きなだけ)
・黒コショウ(少々)
作り方
- 豆(真空パックで売ってるもの)を、ボウルに準備しておきます。パックの水が少しあるので気になる方は、水を切って下さい。
- きゅうりを細切りにして、ボウルに入れます。
- カニカマを適当に割いて、ボウルに入れます。
- ボウルの中の材料を全て混ぜて、出来上がりです。
ポイント
冷蔵庫の中にある食材を使って作れるサラダです。材料を混ぜるだけで、手早く簡単にできます。低カロリーなので、たくさん食べても安心ですね。きゅうりの代わりに豆苗、カニカマの代わりにかまぼこを使うなど、バリエーションを工夫してみてください。
肉なしおからハンバーグ
材料
・玉ねぎ(2分の1個)
・舞茸(1袋)
・卵(1個)
・おからパウダー(大さじ5)
・パン粉(大さじ2)
・片栗粉(大さじ1弱)
・和風だしの素
・醤油(各小さじ1)
【ソース】
・A醤油、みりん、酒(各大さじ2)、砂糖(大さじ1)
・B大根おろし、山椒など(お好みで)
作り方
- 玉ねぎと舞茸をみじん切りにし、耐熱容器に入れて、ふんわりラップをして1~1分30秒分レンジで加熱します。
- 粗熱が取れたら、容器に全ての材料を入れ混ぜ合わせます。
- フライパンに少々の油(分量外)を熱し、2の生地を丸めて、焼いていきます。
- 焦げ目がついたら裏返し、両面をこんがり焼きます。
- ハンバーグを取り出し、Aを入れて煮ます。煮詰まったらハンバーグにかけて、お好みでBをかけて出来上がりです。
ポイント
肉を使わずに、おからと舞茸で作ったヘルシーなハンバーグのレシピです。おからはボリューミーで、舞茸には食感と風味がたっぷりなので、1食で満腹感を感じられます。低カロリーなので、ダイエット中におすすめです。お弁当やロコモコ丼風にアレンジしても楽しめます。
白滝と大豆の煮もの
材料
・白滝(400g)
・大豆水煮(155g~)
・舞茸(1袋)
・豚小間肉(200~300g)
・人参(中2分の1本)
・切り昆布(お好みの量)
・ごま油(大さじ2)
・昆布だし顆粒(2分の1袋~1袋)
・酢(大さじ2)
・砂糖、三温糖やきび糖でも(大さじ2)
・醤油(大さじ2~3)、炒りごま(お好みの量)
レシピ
- 白滝は湯がいておきます。 食べやすい長さに切っておきます。
- お鍋にごま油を熱し、白滝を炒めます。
- 豚小間肉、人参、舞茸を加えて混ぜ炒め、大豆の水煮と切り昆布を加えて、水を具材がかぶるくらい入れて煮ます。
- 昆布だし顆粒、砂糖、酢を入れて、蓋を少し開けて、煮ます。
- 醤油を加えて煮て、煮汁が半分くらいになったら、炒りごまを加えて出来上がりです。
ポイント
白滝と大豆を使った、ヘルシーでさっぱりとした煮物です。食べ応えがあり、普段のダイエット食にもおすすめです。汁気が少なくなるまで煮詰めれば、保存食やお弁当にもピッタリです。
大豆3兄弟のとろーりつくね丼
材料
・米/水(各1合)
・絹ごし豆腐(1丁)
・A鶏ひき肉(100g)
・A生おから(50g)
・Aしょうゆ・片栗粉(各小さじ1)
・B玉ねぎ【みじん切り】(4分の1個分)
・B片栗粉・カレー粉(各小さじ2分の1)
・C玉ねぎ【スライス】(4分の1個分)
・C昆布だし(200㏄)
・C薄口しょうゆ・みりん(各大さじ1)
・豆乳(200㏄)
・ごま油(小さじ1)
・片栗粉(小さじ1)
作り方
- 炊飯器に米、水、その上に絹ごし豆腐をのせ、いつも通りに炊きます。
- Aの材料をよく捏ねます。
- BをAに合わせて、さらによくこねます。
- 8等分に丸め、ごま油で両面1分ほど焼いて、取り出します。
- 鍋にCを入れ、フタをして3分ほど中火で加熱します。
- フタを開け、5を戻しいれて豆乳を加え、煮込みながら片栗粉(水小さじ2で溶いておきます)を入れてとろみをつけ、火を消します。
- 器に炊けた1をお好みの量入れて、7を広げて出来上がりです。緑の野菜(小口ねぎなど)を中心に盛り付けると、彩りがきれいです。
ポイント
豆腐、豆乳、おからを使用したつくね丼のレシピです。栄養満点で、ボリュームたっぷりなのに低カロリー。ダイエット中でも安心して食べられます。食べ応えがあるので、主食として大活躍してくれます。水溶き片栗粉のとろみは、他のダイエットレシピにも応用できます。油を使わないでボリュームを出せるので、ぜひ活用してみてくださいね。
豆乳で豆腐グラタン
材料
・オリーブオイル(小さじ1)
・玉ねぎ(2分の1個)
・木綿豆腐(1パック、150g)
・豆乳(100~150㏄)
・小麦粉(大さじ1)
・顆粒コンソメ(小さじ1)
・ピザ用チーズ(好きなだけ)
・パン粉(無くてもOK)
・乾燥パセリ(無くてもOK)
レシピ
- 豆腐を電子レンジで温めた後、10~20分程度よく水切りします。
- オリーブオイルでフライパンを温めます。その間に、玉ねぎを薄切りにします。
- 玉ねぎを中火で炒めます。
- 玉ねぎの色が変わり始めたら、小麦粉を加えて弱火で炒めます。
- 火は弱火のままで、玉ねぎに小麦粉がなじんだら、豆乳とコンソメを加えます。
- オーブンの余熱を入れます(200度で10分)。オーブンが無い場合は、トースターでもOKです。
- フライパンを時々かき混ぜ、2〜3分煮詰めればホワイトソースの完成です。この時、豆乳に膜が張らないように注意しましょう。
- グラタン皿に1の豆腐を移し、上からホワイトソースをかけます。
- ピザ用チーズとパン粉をかけ、オーブンで焼きます。トースターの場合は、7~10分程度を目安に様子を見ながら焼いてください。
- 焼きあがったら、乾燥パセリをふりかけて完成です。
ポイント
炭水化物を使用しないで、豆腐と豆乳を使ったヘルシーなグラタンです。カロリーも糖質も低いので、ダイエット中でも安心して食べられます。野菜ばかりの食事に飽きたとき、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
大豆 ダイエットで気を付けること
食べ過ぎないように注意
大豆は、ヘルシーで健康的な食品ですが、調理方法や状態によっては消化不良や体調不良の原因となる可能性もあります。
大豆がもつアクを調理の過程などできちんと取り切れていなかったり、食べ過ぎてしまったりすると、消化を阻害したり貧血の症状などを引き起こすことがあります。体のだるさやお腹の膨満感など、体の調子の変化を感じたら一旦大豆を摂るのをやめて、専門機関を受診しましょう。
過剰な摂取によりアレルギーを起こすことも
女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをする大豆イソフラボンは、長期に渡って過剰に摂取することにより婦人科系の病気の原因となる可能性があります。
大豆だけであればあまり問題はありませんが、イソフラボンのサプリメントを摂取している方や、婦人科にかかっている方は注意が必要です。アレルギーを引き起こす可能性もあるため、適量を心がけて食べましょう。
大豆を取り入れて「食」と「健康」をより豊かに
大豆には、たくさんの栄養が豊富に含まれていることが分かりました。大豆ダイエットは、毎日の食事に大豆を取り入れる方法です。大豆製品にもさまざまな種類があるので、豆乳や納豆、豆腐、おからなど、どれか一種類に限定することなく、その日の気分に合わせて食材を選べます。そのため、大豆ダイエットは飽きにくく継続しやすいこともメリットです。美容や生活習慣の予防や改善の効果も期待できる大豆や大豆製品をぜひ毎日の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。