目次
もやし ダイエットとは?
主食をもやしに置き換える
低カロリーで栄養満点のもやし。「もやしダイエット」とは主に主食をこのもやしに置き換えたり、肉や魚など高カロリーのおかずの代わりにもやしを食べるダイエット方法です。
もやしは和洋中、どんな料理にも合うため、気軽に始められるダイエット方法として人気です。
もやしはダイエット中に食べても大丈夫?
もやしはなんといっても低カロリーです。品種にもよりますが、スーパーなどで売られている250gの袋を全部食べたとしても50kcalほどです。ダイエット中に食べてもほとんど影響はありません。
特に大豆もやしの原料、大豆は植物性たんぱく質が豊富で腹もちがよく、ダイエットや食事制限中のメニューに最適です。
もやしに含まれる栄養素と効果
食物繊維 便秘改善で肌もきれいに
もやしの栄養素で最も多いのが「食物繊維」。特にもやしには水に溶ける「水溶性食物繊維」と水に溶けない「不溶性食物繊維」の両方が含まれています。水溶性食物繊維は水に溶けてドロドロのゲル状に変化します。このゲルで炭水化物(糖質)の消化・吸収をゆるやかにし、血糖値の急上昇を防いでくれるのです。
さらに、コレステロールなどの脂質を吸着して体の外に排出して体への吸収を抑制する作用があります。つまり、もやしと一緒に食べれば肉の油も吸収されにくくなるのです。不溶性食物繊維は、水に溶けないため、胃や腸で水分を吸収し大きく膨らみます。たっぷりの水分と一緒に摂れば、腸を刺激し、便秘の解消に役立ちます。さらに、便通がよくなることで体に有害な物質を排出するデトックス効果もあります。
ダイエットのためには「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」どちらも摂ることが効果的で、その点でもやしはおすすめの食品です。
ビタミンB群 脂肪燃焼をサポート
食べたもののカロリー(資質や糖質)は、運動などで消費されない限り脂肪として蓄積されてしまいます。
もやしに含まれるビタミンB1、B2などのビタミンB群は、体に入った糖質、脂質、タンパク質がエネルギーに変換される、つまり消費されるのをサポートしてくれます。
アスパラギン酸 疲労回復・代謝の促進
アスパラガスから見つかった疲労回復成分、アスパラギン酸。不思議な話ですが、なんと大豆もやしにはアスパラガスの2倍のアスパラギン酸が含まれています。
アスパラギン酸は、クエン酸に働きかけ、疲労や筋肉痛のもととなる乳酸の分解を促進します。ダイエットで運動する際にはぜひ摂っておきたい栄養素です。
ビタミンC 美容の基本栄養素
生活習慣病、肩こり、腰痛の緩和にも効果がるというビタミンC。体の中の代謝をよくすることで、脂肪の燃焼を助けるだけでなく、コラーゲンの合成を促し、健康な肌や筋肉ができるのをサポートします。
また、血液の中の免疫細胞を活性化させて、体力の低下しがちなダイエット中の体を守ってくれます。
カルシウム・葉酸など 意外?まだあるもやしの栄養
そのほかにももやしには赤血球を作り、体内の代謝をよくするほか、ダイエット中に陥りがちな貧血を予防する「葉酸」、不足すると体脂肪のつきやすい体質になる「カルシウム」、余分な塩分、水分の調整をしてむくみをとる「カリウム」など、体にうれしい成分がたっぷり含まれています。
もやしの種類とカロリー
定番のもやし
緑豆もやし 14kcal/100g
緑豆を発芽させた、一番よく見かけられる、手に入れやすいもやしです。レシピなどでも単に「もやし」と書かれているときはこの緑豆もやしのことです。
関東では色が白く太めでシャキシャキ感のあるものが、関西では細くて長いものが好まれると言われていますが、どちらもカロリーに大きな違いはありません。
黒まめもやし(ブラックマッペ)15kcal/100g
黒豆を発芽させた、こちらもよく見かけるもやしです。
カロリーなどは緑豆もやしとほぼ同じですが、カルシウム、ビタミンCなどはやや多めです。
大豆もやし、小粒大豆もやし 37kcal/100g
もやしの中ではややカロリーの高いのが大豆もやしです。
中華料理、韓国料理ではこの大豆もやしがよく使われます
その分たんぱく質、カリウム、葉酸などが豊富です。豆の部分にも食べごたえがあり、甘みが強く、腹持ちがいいのも特徴です。
変わり種もやし
発芽大豆 188kcal/100g
大豆を原料に、芽は出ていても普通のもやしほど伸びていない状態で食べるのが「発芽大豆」です。通常の大豆に比べて大豆イソフラボンが約1.3倍、大豆オリゴ糖は2.3倍にまで増えています。
また、イライラを鎮めたり、リラックス効果のある「GABA」も含まれています。
ピーナッツもやし 77kcal/100g
その名の通りピーナッツを発芽させたもやしで、シャキシャキとした歯ごたえと、ほのかなピーナッツの甘み、香ばしさが特徴です。ボリューム感、食べごたえがあるので湯がいただけでもおかずになります。
他のもやしに比べてビタミンEやオレイン酸、リノール酸など、体に必要な必須脂肪酸が含まれているのも特徴です。
大鰐温泉もやし
350年以上前から栽培されていたという、青森の特産品です。その名の通り、大鰐温泉を利用して育てたもやしで、普通のもやしの倍以上の長さとシャキシャキした歯ごたえがあるのが特徴です。
そばもやし
そばもやしとは、あの「蕎麦」の若芽のことで、東海や東北を中心に栽培されてきました。蕎麦と同じく、ポリフェノールの一種「ルチン」がたっぷり含まれていて、血行促進や、高血圧の予防にもなるといわれています。
これらはあまり見かけることはありませんが、お店で見かけたらぜひ試してみてはいかがですか。豆を発芽させただけの野菜ですが、豆の真菌などを殺菌し、通気性のよい薄暗い部屋で水を取り替えながら栽培される、とても繊細な野菜です。
もやしダイエットの方法
もやし置き換えダイエット
もやし置き換えダイエットの方法は、1日のうち1食をもやし中心の食事にする、というもの。ごはんや麺類、パンも代わりにもやしとおかずを食べる、というものです。一番効果が早く出るのが、夕飯の主食をもやしに置き換えるもの。夜は副交感神経が働いていて、体が「脂肪蓄積モード」になっています。そのため、夜に食べたものが一番脂肪になりやすく、夜の食事を低カロリーにすれば、朝や昼を置き換えるより効果が出やすいのです。
また、主食を抜くのはつらい…という方は、おかず1品(お肉や魚)をもやしにする方法もあります。主食を置き換えるダイエット程の効果はありませんが、食事の一番最初にもやしを食べることで食べすぎを防ぐ効果もあります。特に、もやしダイエットが効果的なのは便秘がちでポッコリお腹に悩んでいる方。食物繊維の腸整作用で便秘を解消します。もやし自体カロリーが低いのでどの種類のもやしでもダイエットはできますが、緑豆もやしの次の日は大豆もやし、というように変化を付けたほうが続きやすいようです。
もやしマヨネーズダイエット
「マヨネーズ」という、一見ダイエットと最も縁遠そうな調味料ですが、「おいしいから続けやすい!」といわれるダイエット法。やり方は、1日1回おかずにもやしを加えること。置き換えダイエットの時のように、主食を減らしたりなくす必要はありません。
そのかわり、食事の一番最初に茹でたり軽く炒めたりしてマヨネーズをつけたもやしを食べます。マヨネーズを付けるのは、たとえ低カロリーのもやしでも「食べた!」という満足感を得るため。食事の最初に食べることでストレスなく食べすぎを防げるといわれています。
後述の「ダイエット用もやしマヨネーズ」もぜひ参考にしてみてください。
もやし ダイエットのおすすめレシピやメニュー
置き換えダイエットを続けるポイントは「飽きない」こと。いろいろなメニューで楽しんでみましょう。
また、袋に入っているもやしは出荷前に水で洗浄されているので、調理の前に洗う必要はありません。
ただし、袋の中で「青臭い」匂いがこもることがあるため、使用前にさっと水洗いしたほうが風味よく食べられます。洗うともやしのシャキシャキ感が増すというメリットもあります。
ダイエット用もやしマヨネーズ
材料(2人前)
・もやし 1袋(約250g)
・マヨネーズ 大さじ1
作り方
1.もやしはさっと洗い、油の代わりにマヨネーズをひいて熱したフライパンで軽く炒める。
2.塩コショウ、ポン酢などで味を整える。
「もやしマヨネーズダイエット」の基本レシピです。なるべく食事の1番最初に食べ、満足感・満腹感を得られるようにしましょう。
お腹いっぱいになれるもやしチヂミ
材料(2人前)
・もやし 1袋(約250g)
・豚こま切れ肉 150g
・にら 1/2束(約50g)
・卵 1個
・小麦粉 2/3カップ
・ごま油 適量
<たれ>
・酢、しょうゆ、ねぎのみじん切り 各大さじ2
・白すりごま 大さじ1
・砂糖 小さじ1
・一味唐辛子 少々
作り方
1.もやしはざるに入れ、さっと水で洗い水けをきる。にらは長さ3~4cmに切る。
2.たねを作る。ボールに卵を割りほぐし、水1/2カップを加えて混ぜる。さらに小麦粉を加えて混ぜ合わせ、もやし、にら、豚肉を順に加え、全体が均一になるまで混ぜ合わせる。
3.フライパンにごま油をひいて中火で熱し、【2】を流し入れてフライ返しで押さえながら両面をこんがりきつね色になるまで焼く。
4.たれの材料を混ぜ合わせる。
5.食べやすい大きさに切って器に盛り、たれをかける。
もやしを1袋丸ごと使ったボリュームのあるメニューです。腹持ちがいいので満足感も満点。
もやしは下茹でを行わないので、栄養素が流れ出る心配もありません。
もやしと豚肉のスパイシーカレー炒め
材料(2人前)
・もやし 1袋(約250g)
・豚バラ薄切り肉 150g
・ピーマン 1個
・カレー粉 大さじ1
・サラダ油、酒、塩 少々
作り方
1.もやしはざるに入れ、さっと水で洗い水けをきる。ピーマンは縦半分に切り、へたと種を取って、縦に幅5mmの細切りにする。豚肉は幅2cmに切る。
2.フライパンにサラダ油大さじ1を中火で熱して豚肉を入れ、ほぐしながら炒める。
3.全体に焼き色がついたらカレー粉をふり、さらに炒める。酒大さじ1、塩小さじ1/2を順に加えて炒め合わせる。
4.もやし、ピーマンを加え、もやしの表面に油がなじむまで菜箸で全体を返すように混ぜて火を止める。
5.塩で味を整えてできあがり。
もやしに飽きてきたときにも嬉しい、スパイシーな炒め物です。カレーの辛み成分カプサイシンにはエネルギーの代謝を促す効果もあるので、運動の前に食べるとよりカロリーを消費できます。
お腹スッキリ。水菜ともやしのゴマサラダ
材料(2人前)
・もやし 1袋(約250g)
・水菜 2分の1袋
<タレ>
・ごま油 大さじ2
・すりごま 大さじ1
・麺つゆ 小さじ1
・醤油、塩 各小さじ2分の1
・おろしにんにく
作り方
1.もやしはさっと水で洗い、ボウルに入れて、ラップをふんわりかけて、レンジで加熱(600wで3分ほど)。
2.もやしは出てきた水分を捨てて、広げて冷ます。
3.水菜を洗って、3、4㎝程度に切っておく。
4.タレの材料をまぜ、もやし、水菜とよく混ぜる。
水菜ももやしと同様、食物繊維やビタミンが豊富でダイエット中にはうれしいレシピです。
お腹がすっきりしない時や、脂っこい食事の後におすすめです。
定番・もやしときゅうりの中華風ナムル
材料(2人前)
・もやし 1袋(約250g)
・きゅうり 1本
・ちくわ 2本
・ごま 少々
・砂糖 大さじ1
・酢 大さじ1
・醤油 大さじ2
・ゴマ油 小さじ1
作り方
1.きゅうりとちくわを食べやすい大きさに切る。
2.もやしを洗ってレンジあたため(600Wで2分)水気を絞る。
3.【1】と【2】をボウルに入れ、調味料を加えて混ぜ、冷蔵庫に入れて冷やしながら味をなじませる。
4.冷えたらゴマをトッピングしてできあがり。
材料がシンプルで作りやすいレシピです。緑豆もやしでも作れますが、大豆もやしを使うと食べごたえ、腹持ちがアップします。
ボリュームアップ!もやしの豚肉巻き蒸し
材料(2人前)
・豚もも切り落とし肉 100g
・もやし 1袋(約250g)
・ぽん酢 適量
・柚子胡椒・大根おろし・小葱・大葉など お好みで
作り方
1.モヤシはヒゲ根を取り、豚切り落とし肉を貼り付ける様にして巻いていく。
2.フライパンに【1】の巻き終わりを下にして並べ入れ、ふたをして弱火で蒸し焼きにする。
3.肉の色が変わりモヤシが透き通ったらできあがり。
お好みのポン酢や薬味を付けて食べる。
豚肉のうまみがもやしにしみこんで、お肉が少なくてもボリューム満点、ダイエット中にも家計にも優しいメニューです。豚肉にももやしと同じビタミンB群が含まれているので、体の代謝アップにも効果的です。
もやしがメインのもやし鍋
材料(4人前)
・もやし 3~4袋(約700g)
・お好みの野菜、キノコなど 適量
・お好みの肉、魚など
・春雨やくずきりなど
・豆腐 1丁
・昆布(10cm程度の切れ端) 1~2枚
・顆粒和風だし 大さじ2ぐらい
・醤油 大さじ1
・酒 少々
作り方
1.鍋に水を入れ、0.5~1cmぐらいに刻んだ昆布を入れておく。
2.昆布が戻ったら火にかけ、沸騰したら、顆粒和風だし、酒、しょうゆで味付けする。
3.もやし以外の野菜、肉などを入れる。
4.キノコ、豆腐を入れ、最後にもやしをかぶせるように入れる。
5.しんなりするまで煮込んだら完成。もやしは一気に入れず、なくなったら補充する。
メインはもやし!もやしは鍋の定番の具ですが、メインとしても活躍します。もやしから水気味が薄くならないように調整してください。もちろん、栄養とうまみの染みだしたスープもおいしく飲むことができます。
お弁当にも!簡単ビビンバ
材料(4人前)
・もやし 1袋(約250g)
・鶏ひき肉 300グラム
・ほうれん草 1束
・玉子 4個
・醤油 大さじ1
・みりん 小さじ1
・ラー油 大さじ1
・コチュジャン 大さじ1
・きざみのり 少々
作り方
1.ほうれん草はゴマ油で炒める。
2.もやしを2分ほど鍋でゆでる。
3.鶏ひき肉をラー油、醤油、みりん、コチュジャンで炒める。
4.ごま油をひいたフライパンで、ごはんを焦げ目がつくまで炒める。
5.お皿またはお弁当箱にご飯をのせて、ほうれん草、もやし、ひき肉をのせる。
6.おうちで食べるときは生卵を落とし、最後にきざみのりをのせてできあがり。
大豆もやしで作るとより本格的なビビンバになります。お弁当にするときはやや濃いめの味付けにすると冷めてもおいしくいただけます。ただし、生卵は入れないようにしましょう。
もやし ダイエットで気を付けること
もやしダイエットを成功させるために、いくつか注意しなければいけないポイントがあります。
体の健康にもかかわってくることなので要注意です。
1つ目の注意点 低栄養状態
もやしにはたくさんの栄養が含まれていますが、もやしだけ食べていてはたんぱく質、脂質、糖質などの栄養が不足になってしまいます。
例えば3食すべてをもやしに置き換えると、体重は減るかもしれませんが明らかに栄養失調です。低栄養の状態が続くと、筋肉が減ることでかえって基礎代謝が減り、痩せにくい体になってしまいます。
2つ目の注意点 加熱のしすぎ
もやしに含まれるビタミン類は熱に弱く、加熱しすぎると外に溶けだしてしまいます。ゆでるとき、炒めるときはなるべく短時間でサッと加熱するようにしましょう。
また、ビタミンは水にも弱いので洗うときも軽く流す程度で問題ありません。
スープに入れたり、蒸し焼きにするのも栄養が逃げにくくおすすめです。
3つ目の注意点 賞味期限を守ろう
もやしは意外に傷みやすい野菜です。
というのも、ほとんどが日光の当たらない環境で栽培されるため、大腸菌などの細菌が発生しやすいのです。
常に冷蔵庫で保存し、賞味期限を守り、一度袋を開けたら、その日のうちに使い切りましょう。
加熱しすぎるのもよくありませんが、生のまま食べるのも避けた方がいいようです。
もやしが痛みにくい保存方法としては
・袋に3カ所ほど小さい穴をあけておく
・蓋つきの容器に入れ、もやしがかぶるぐらいの水と一緒に保管する(水は毎日変えましょう)
・洗ってしっかり水を切ってから密閉できる袋に入れて、冷凍庫で保存する
などの方法があります。
最後に
低カロリーで栄養バランスがよく、一年中安く手に入るもやし。ぜひお料理のレパートリーを増やして積極的に食べるようにしたいですね。
また、同じもやしでもたくさんの種類があるので食べ比べてみるのもおすすめです。