目次
疲れやすい原因
自律神経の乱れ まず、自律神経には2種類あります。
・交感神経…活動時や緊張時、ストレスを感じた時に働く
・副交感神経…休息時や睡眠時、リラックス状態の時に働く
この2つの自律神経は、本来バランスよく働かなくてはなりません。しかし、ストレスや生活のリズムが乱れるとこの自律神経の働きもバランスが悪くなり、交感神経ばかりが働きます。すると休息するための副交感神経の働きが減るため、疲れを感じます。
活性酸素から生まれる疲労因子FF
人の体は活動をする時に大量の酸素を使い、その時に活性酸素が発生します。活性酸素は本来、強い酸化作用によって体に入り込んだ細菌などのウイルスを分解する働きを持っているのです。しかし、この活性酸素はあまり多く発生すると、体の細胞まで酸化させてしまうという弱点があります。
活性酸素は、強いストレスや激しい運動により多く発生し、交感神経の働きが活発なときにも活性酸素が大量に発生します。そしてこの活性酸素によって酸化した細胞から疲労因子FF(ファティーグ・ファクター)というタンパク質が分泌されることが2008年に報告されました。
これは、徹夜や激しい運動をさせたマウスの臓器から通常の3〜5倍の疲労因子FFが検出された元気なマウスに疲労因子FFを投与したところ、徐々に疲れて動けなくなり運動をやめてしまったという研究データが報告されており、この疲労因子FFが直接的な疲労の原因であることが解明されたのです。
つまり、自律神経のバランスが悪くなり交感神経が優位に働くと活性酸素もたくさん発生する。そして活性酸素が大量に発生して細胞まで酸化してしまうとそれによって疲労因子FFが生み出される。その疲労因子FFによって疲れやすくなる。という仕組みなのです。
疲れやすい体質を改善するには
質のいい睡眠時間
睡眠と疲れは大きく関係しています。疲れを取るためには、体をリラックスさせる副交感神経の働きが重要になります。つまり、副交感神経が働く睡眠こそ、疲れやすさを改善するポイントになるのです。
そして、先ほど説明した疲労因子FFが発生する時、同時に疲労回復因子FR(ファティーグ・リカバリー・ファクター)という物質も発生します。疲れやすい人、疲れが溜まって回復しない人は、この疲労回復因子FRが少ないため、増やして疲労を回復させなければなりません。
疲労回復因子FRは、副交感神経が優位に働いているときにたくさん増えるため、質の良い睡眠が疲労回復因子を増やすポイントというわけです。
具体的に、質の良い睡眠を取るポイントをまとめます。
・寝る前にスマホやテレビを見ない
・夕食は寝る2〜3時間前に終わらせる
・寝る1時間前くらいにお風呂に入っておく
・部屋は真っ暗にして寝る
疲れをとる食べ物を食べる
疲れをとる食べ物のことを、「抗疲労食品」と言います。最も強い抗疲労作用をもたらす食品成分は、イミダゾールペプチドというものです。このイミダゾールペプチドは強い抗酸化作用を持つことで、疲労回復へ導いてくれる成分で、鶏の胸肉に多く含まれています。
そのため、鶏の胸肉を積極的に食べることで疲労回復につながります。特に、胸肉をスープにして煮込んで食べると、よりイミダゾールペプチドがたくさん抽出されるのでおすすめです。
ぬるめの半身浴でマッサージ
まず、ポイントなのは「ぬるめのお湯」ということです。37〜40℃のお湯に浸かると、疲労回復を促す副交感神経の働きが優位になります。
そして、交感神経の働きが優位になると、筋肉もかたくなり、血液循環が悪くなって血行が悪くなり、そのことにより肩こりや頭痛などの不調が現れてきます。
ふくらはぎの筋肉は全身に血液を送り出すポンプの役割があるため、疲れを取るためには下半身のマッサージをすることもおすすめです。マッサージをすることで血液の流れが良くなり、疲労物質も血液と一緒に排出されるので、結果的に疲労回復につながります。
また、ある研究により全身浴よりも半身浴の方が疲労回復因子FRの発生が増えることが分かっています。そのため、疲れを取るには、全身浴よりも半身浴の方が効果的なのです。
軽い運動をする
疲労回復と言うと、休んだ方がいいというイメージがありますが、実は有酸素運動で軽い運動をした方が疲労回復できるのです。
その主な理由は、有酸素運動によりセロトニンやエンドルフィンという物質が発生し、免疫力を低下させる物質を排除してくれる。適度に酸素供給量がアップするため、疲労回復を促し、疲れにくい体になる。有酸素運動をすることにより血流が良くなり、疲労物質を代謝してくれる。などの理由です。
つまり、疲れた時こそ軽い運動をすることで元気になり、疲れにくい体を作ることができます。
腹式呼吸をする
人はストレスを感じたり、疲れていると無意識に呼吸が浅くなります。腹式呼吸で深く呼吸をすると、副交感神経のはたらきが活発になり、リラックスすることができます。正しい呼吸法を身につけるだけで、疲れにくい体につながります。
腹式呼吸の正しいやり方を説明します。まず、背筋を伸ばし、鼻からゆっくりと息を吸い込む。次に、吸い込んだ空気を胸ではなく、お腹(おへその下の辺り)に貯めるイメージで、お腹が膨らむように吸う。そして息を吸った時よりも長い時間、ゆっくりと口から空気を吐き出す。
特に睡眠前にこの腹式呼吸をゆっくりと行うとリラックスした状態で眠りにつくことができます。
気分転換や趣味
疲れやすい人は主にストレスを抱えていることが多いです。そのため、ストレスを減らすことが疲れやすさを改善してくれることに繋がる場合もあります。
疲れが取れない状態が続くとつい横になってしまいがちですが、気分転換に出かけたり、趣味を見つけるとストレス解消になり、疲れを感じにくくなります。
人と話してよく笑う
楽しい気分になり、たくさん笑うと副交感神経の働きが優位になり、心がリラックスします。それによって疲れが取れ、元気になることができます。
この方法は最も手っ取り早くできる方法なので、疲れている時こそ一人にならず、誰かと話をしてたくさん笑いましょう。
こまめに水分補給
水分補給も疲労回復に効果的な手段のひとつです。血液の80%は水分でできています。そのため、体の水分が不足すると、血液の流れが悪くなり、それによって疲れを引き起こすことがあります。
疲労回復に効果的な水分補給の仕方は、20分おきくらいに口を湿らせる程度の水を飲むこと。一度にたくさん飲むのではなく、コップ1杯程度の水をこまめに飲むことを心がけましょう。
冷たい水は体を冷やしてしまうので、なるべく常温の水を飲んだほうがいいです。
疲れやすくなる行動
朝食やお昼を菓子パンですませる
菓子パンには大量の糖分が含まれています。糖分をたくさん摂取したとき、ビタミンB1という栄養素がこの糖分を分解してくれます。しかし糖分ばかり摂取してビタミンB1が摂取されていないと、体内にあるビタミンB1を使って糖分を分解します。
このビタミンB1には、疲労物質を分解したり、ストレスと戦うホルモンを作る働きもあるため、ビタミンB1が不足するとストレスに弱く疲れやすい体になってしまうのです。
つまり朝食やお昼ごはんを菓子パンで済ませている人は糖分ばかり大量に摂取して、体内の貴重なビタミンB1を消費し続けている状態といえます。菓子パンに限らず、甘いものばかり食べている人も要注意です。
冷たいものばかり飲みすぎ
冷たいものばかり飲んでいると体が冷えて基礎代謝がどんどん低下していきます。基礎代謝が低下すると、疲労物質がスムーズに排出されないために疲労が溜まりやすく疲れが取れない状態となるのです。
つまり、疲れにくい体を作るにはこの基礎代謝を上げることがポイントです。
基礎代謝は年齢を重ねるにつれて自然と落ちていってしまうので、無駄に基礎代謝を下げないためにも冷たいものばかり飲むのはやめましょう。
カフェインや甘いものとりすぎ
カフェインや甘いものをとりすぎると体が疲れやすくなります。甘いものについては先ほどの菓子パンの説明のとおりで、糖分をとりすぎると体の中にある疲労回復物質のビタミンB1を大量に消費して糖を分解してしまうことで疲労が蓄積して疲れやすくなります。
カフェインが疲れやすい体になる主な原因は、カフェインをとると疲労回復物質のビタミンDが減少するから。睡眠の質が下がって疲労回復を妨げるから。カフェインをとりすぎるとストレスホルモンを増加させる働きがあるから。などが挙げられます。
適度なカフェインの摂取は問題ありませんが、とりすぎると疲れやすくなります。コーヒーの場合は1日3杯以内にしましょう。
寝る前のテレビやスマホ
寝る前にテレビやスマホを見る生活を続けていると、睡眠や昼夜の生活のリズムをコントロールしているメラトニンというホルモンの分泌が抑制されてしまいます。これにより、なかなか寝付けないなどの睡眠障害が起こります。
当然、睡眠の質が低下するので疲れが取れずに溜まっていく一方です。そのため、疲れやすさを改善するためには寝る前のテレビやスマホをやめることが大切です。
疲れやすい体質のひとへおすすめサプリランキング
株式会社まほろば アスタジー 60粒
この商品の最大の特徴は、疲労回復の強い味方であるアスタキサンチンという栄養素を豊富に含んでおり、その効果はおなじ疲労回復作用を持つコエンザイムQ10の800倍もあるということ。
アスタキサンチンは、人の体内では作り出すことのできない物質で、主にカニやエビなどの赤色を作り出している天然色素で、カロテノイドの一種です。
このカロテノイドには体の酸化を防いでくれる抗酸化作用がありますが、アスタキサンチンは特に強い抗酸化作用を持つため、疲労の原因となる体の酸化を防いでくれるのです。
また、アスタキサンチンには疲労物質である乳酸の生成を抑制するはたらきもあるため、疲労回復、疲れにくい体をつくるためにとても良い栄養素といえます。
日本予防医薬イミダペプチドソフトカプセル 84粒
この商品は、疲労について研究をしている日本予防医薬という会社が開発した商品で、疲労回復効果の高いイミダペプチド(イミダゾールペプチド)をソフトカプセルに液体状に閉じ込められています。ソフトカプセルなのでドリンクタイプの滋養強壮剤などに比べて飲みやすいのが特徴です。
このイミダペプチドは、体内に取り込まれるとカルノシンとアンセリンという2つのアミノ酸に分解されます。そして疲れている部分に届くと再びイミダペプチドに合成して疲労回復に効くという変わった性質を持っています。つまり、体の疲れている部分にピンポイントに働きかけてくれるのです。
DHC イミダゾールペプチド
この商品は、疲労回復に有効なイミダゾールペプチドに加え、体の酸化を防いでくれるコエンザイムQ10とビタミンC、さらにエネルギーを生み出すオクタコサノールというパワフル成分もともに配合されています。天然成分でできているため安心して飲むことができます。
Ethical Nutrients スーパー B デイリー ストレス+ 内容量記載なし
この商品は、元気を生み出すビタミンB群とビタミンCを豊富に含む商品です。ストレスによる肉体的、精神的疲労が起きると、ストレスに対する抵抗力を生み出す副腎が疲労することで、疲れが取れず慢性的な疲労になります。ビタミンCはそんな副腎に働いて疲労を取り除いてくれます。
また、ストレス耐性を付けてくれるロディオラというハーブ成分も含まれているため、この商品はストレスによる疲労から体を守ってくれるサプリです。
小林製薬の栄養補助食品 すっぽん高麗人参 60粒
この商品の特徴は、疲労回復を助けるビタミンB群を豊富に含むすっぽんと体内の赤血球を増加させ酸素を体の隅々まで送ることで疲労の原因となる酸素不足を解消させてくれる高麗人参を豊富に含んでいることです。宇和島産のすっぽんを使用しており、着色料・香料・保存料不使用で体に優しい商品です。
疲れやすい体質改善には漢方薬も効果的
副作用が低く体に優しい
疲れやすさは体質的なものもあるため、漢方薬で体質そのものを改善していくのも効果的な手段のひとつです。漢方薬は、西洋薬に比べて比較的副作用が出にくく、穏やかに体に作用して体質を改善してくれます。
自然界に存在する植物などから作られているため、化学合成されている西洋薬よりも体に優しく、妊娠中や授乳中にも安心して飲むことができます。
未病にも高い効果がある
未病とは、健康と病気の間のような状態で、自覚症状や目立った症状はないものの病気になる一歩手前の状態です。
漢方薬は、そんな未病の状態にも高い効果があり、即効性というよりは緩やかに体に効いていきます。病気になる前に体質を改善して早く元気にすることができるというわけです。
疲れやすい人へおススメの漢方薬
シードコムス 冬虫夏草 90粒
この商品はアミノ酸やビタミンを豊富に含む冬虫夏草の子実体を贅沢に使用しており、疲れ気味の体に効いて体質を改善してくれます。また、冬虫夏草には肺の機能を高める作用があるため、肺機能を高めることで持久力がつき疲れにくい体になるのです。
ツムラ ツムラ漢方補中益気湯エキス顆粒 24包
この商品は疲労回復を助けてくれるニンジンとオウギという生薬が含まれているため疲労倦怠や虚弱体質の人向けです。また、内臓に働きかけて弱った胃腸を元気にしてくれるので、疲れにより食欲がない人にもおすすめです。
松浦薬業 十全大補湯エキス細粒 48包
十全大補湯は、疲労感を改善して気力と体力をつけてくれる商品です。また、血の巡りを良くしてくれることで疲れた体を元気にしてくれる働きをします。
クラシエ漢方 人参養栄湯エキス顆粒クラシエ 45包
この商品は、中国の古典漢方書である和剤局方に載っている薬方で、疲れて体がだるい人におすすめです。ニンジンやトウキをはじめとした12種類の生薬から抽出した人参養栄湯エキス粉末でできています。病み上がりの体力低下や貧血にも効果的で、ほかの漢方薬に比べて比較的効き目が現れるのが早いのが特徴です。
その日の疲れはその日のうちにとれることがベスト
いかがでしたか?疲労の原因はさまざまで、普段なにげなくやっていることが疲労をさらに悪化させていることもあります。疲れは一度たまるとなかなかすぐに取ることができません。その日の疲れはその日のうちにとれるのがベストです。
次の日に疲れを持ち越さなければ、毎日元気に生活することができますよね。今の生活を見直して、疲れにくい体質づくりをしてみませんか?