目次
体脂肪率について
体重のうち体脂肪の重さが占める割合
体脂肪率とは、自分の体重のうち体脂肪の重さが占める割合のことをいいます。体脂肪は、大きく「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の2つに分けられます。
皮下脂肪とは、皮膚の下に蓄積され身体のエネルギーを蓄えたり、体温を一定に保つ働きをする脂肪のこと。皮下脂肪が増えると、お腹や腰周り、二の腕や顔の輪郭などスタイルを崩してしまう原因となります。
内臓脂肪とは、内臓の周りについている脂肪のこと。血液中に脂肪を増やし、さまざまな生活習慣病を引き起こします。
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体重と体脂肪率は別?体脂肪を減らして健康的な体を目指そう。
体脂肪が増える原因
体脂肪が増える原因には、食生活や運動不足、加齢による基礎代謝の低下などがあげられます。食生活では、食べ過ぎや栄養分の偏りによって、体脂肪が増えてしまうことが考えられます。
食べたいものを食べたいだけ食べる
食事の際に満腹になるまで食べ過ぎてしまうことは、カロリー過多により体脂肪が増える原因となります。栄養バランスを考えず、好きなものだけを食べてしまっていては、脂肪や糖分、塩分などを摂りすぎてしまうことも、体脂肪を増やしてしまう原因です。
食事は、腹八分目が目安。野菜や果物などを上手に取り入れて、バランスよく食べることが必要です。
早食い
ものをあまり噛まずに食べるという人は、体脂肪を増やす可能性が高いので注意が必要です。早食いは、満腹感を得られにくいという特徴があるため、つい食べ過ぎてしまいがち。また、すぐにお腹がすくので、間食をしてしまうということも多いようです。
一口に20回噛むことを心がけ、ゆったりした食事を楽しみましょう。
不規則な食事
不規則な食事は、体脂肪が増えやすい傾向にあるようです。食事を抜いてしまうと、身体が足りない分の栄養素を補おうとするため、きちんと食事をしているときよりも、栄養の吸収が高まってしまいます。それにより、脂肪や塩分、糖分が体内に蓄積されてしまい、体脂肪の増加につながってしまうのです。
食事は、一日3回。朝、昼、晩とバランスよく食べることが大切なのです。
間食をする
お菓子やスイーツといった間食は、糖分や脂肪分がたくさん含まれています。1日の摂取カロリーをオーバーした間食は、体脂肪を増やす原因となるため、注意が必要です。
どうしてもお腹がすいてしまったときには、低カロリーで脂肪分の少ないものを食べるようにするのがよいでしょう。
アルコール
毎日の飲酒は、体脂肪を増やす原因となります。ビールや日本酒には、たくさんの糖分が含まれています。また、おつまみとして食べるものには、脂肪分や塩分の多く含まれているため、栄養が偏りがちで、カロリーオーバーになってしまうことも。
適度な飲酒を心がけ、おつまみには枝豆や冷奴といった、ヘルシーなものを食べるようにしましょう。
体脂肪率とBMIとの違い
体脂肪率が、体重のうち脂肪の割合を示したものというのは、先述の通りです。それに対してBMIとは、体重と身長のバランスから、外見的な肥満度を測定するための指針となる数値のことです。
BMIの計算方法
BMIを導き出すための計算方法は、「体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))」。
判定の目安としては、
BMI数値
18.5未満:やせ型
18.5〜25未満:普通
25〜30未満:肥満1
30〜35未満:肥満2
35〜40未満:肥満3
40以上:肥満4
例えば、身長160cmで体重54kgの場合、「54÷(1.6×1.6)=21.09」。BMI=21.09で、BMI値は標準ということになります。
また、上記のうち最も健康的で、病気になりにくいとされる標準BMI値が「22」です。自分の標準体重は、この22をもとに導き出すことができます。
標準体重の計算方法は、「(身長(m)×身長(m))×22」。
例えば、身長160cmで体重54kgの場合、「(1.6×1.6)×22=56.32」。最も健康的な標準体重は、56.32kgということになります。
体脂肪率の測定方法
アルキメデスの原理を用いた水中体重法
体脂肪率を測定するには、様々な方法があります。その中の一つが、「アルキメデスの原理を用いた水中体重法」。これは、陸上と水中とでの体重の差を割り出し、体の密度を測定するというものです。最も実際の体脂肪率に近い、正確な数値が割り出せるといわれている測定方法です。しかし、測定できる施設が限られてしまうことや、測定時間がかかるなどの理由から、一般的にはあまり用いられていません。
圧力の変化で測定する空気置換法
体への負担が少なく、短時間で測定できるのが「空気置換法」と呼ばれる測定方法です。これは、カプセル状の容器に入り、体に空気圧を与えます。その圧力の変化で、体の密度を測るというもの。少しずつ測定できる施設は増えているようですが、まだまだ数少ないのが特徴です。
体に微量の電流を流すインピーダンス法
体に微量の電流を流し、その抵抗値から体脂肪率を測定するのが「インピーダンス法」といわれるものです。両手でセンサーを握って測る体脂肪計として、家庭用として普及されており、一般家庭でも簡単に測定することが可能です。手軽に測定ができるため広く普及していますが、測定値の正確性には、やや欠ける、メーカーによって測定値が異なるなどの特徴があります。
超音波を身体の一部に当てる超音波法
画像をもとに体脂肪率を測定するのが、超音波を身体の一部に当てて跳ね返ってきた情報をもとに組織を調べるという「超音波法」です。脂肪の暑さによって体脂肪を正確に測ることが可能ですが、設備が高価であるため、測定する施設が少ないという特徴があります。
数箇所の脂肪をつまむキャリパー法
身体の脂肪をつまんで体脂肪率を測定する「キャリパー法」は、ピンチキャリパーと呼ばれる器具を使って行います。脂肪の厚さから体脂肪率を測定する方法で、安価で簡単に測ることができます。しかし、特定の場所での脂肪の厚みを測定するため、正確性にはやや欠けること、脂肪を正確につまむためのスキルが必要であることなどの特徴があります。
体脂肪率を測定する時の注意点
裸足で測定する
体脂肪率を測定するときには、いくつかの注意点があります。そのうちの一つが、「裸足で測定すること」です。これは、足の裏と体脂肪計の間に物があると、電気抵抗に誤差が生じるため、正しい数値を測定することができなくなってしまうからです。足をきれいに洗ってから、清潔な状態で測定しましょう。
身体を伸ばした状態で測定する
体脂肪を測定するときには、身体をピンと伸ばした状態で測定しましょう。腕や足が曲がったままだと、筋肉の断面そうが大きくなり、実際の体脂肪よりも大きく測定されてしまいます。正しい数値を測るためにも腕、足は伸ばしておきましょう。
体脂肪率を測定する時間に気をつける
体脂肪率を測定する際には、測る時間帯にも注意が必要です。これは、身体の水分量が変化するため。朝起きたばかりのときは、体内の水分量は均等ですが、夕方になると下半身位集中します。電流が流れる水分が下半身に行き渡っていなければ、実際の体脂肪よりも大きく測定されてしまうため、体脂肪率は、夕方以降に測定する必要があります。
体脂肪率が変動する原因
生理前は水分量が増加
体脂肪率には、体内の水分量が大きく関係しています。体内の水分量が多いときは、電流が流れやすい状態になっているため、体脂肪率は低く測定されます。逆に水分量が少ないときには、電流が流れにくく、体脂肪率が高く測定されるということがわかっています。
生理前には、体内に水分を溜め込む作用のある女性ホルモンが多く分泌されるため、水分量が上がり、体脂肪率は下がります。逆に生理中には、月経の血液と一緒に体内の水分が排出されるため、体脂肪率は高くなります。
運動をした後は水分量が低下
運動をした後は汗をかくため、体内の水分量が低下します。しかし、筋肉の保水作用によって、運動後の体脂肪率は低く測定されるのが特徴です。
身体がむくんでいる
水分を取りすぎたり、お酒を飲んだりして身体がむくんでいるときは、体内の水分量が多くなります。このときの体脂肪率は低く測定されるため、むくみのない状態で測定する必要があります。
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「マッサージのコツと効果的なやり方」肩こり・腰痛・むくみを解消
入浴後は水分量が変化する
入浴後の水分量は、お湯に浸かっている時間が長いほど多くなります。お風呂から上がった状態で体脂肪を測定すると、身体の水分量が多い分電流を通しやすくなるため、通常よりも低い数値で測定されます。
飲食後は手足の血液量が減る
飲食後は、食べ物を消化する働きが活発になるため、胃や腸に血液が集中します。手足の血液量が減り、電流を通しにくくなるため、通常よりも低い数値で体脂肪率が測定されます。
体温の変化
体温の変化によって体脂肪率も変化します。体温が高いと、体脂肪率は低くなり、体温が低いと体脂肪率は高く測定されます。
おすすめの体脂肪計
タニタ デュアルタイプ体組成計 インナースキャンデュアル RD-907 (ブラック)
スマートフォンと連携してアプリでデータ管理ができる筋肉の質を分析する「筋質点数」の測定機能を搭載したタニタのデュアルタイプ体組成計 インナースキャンデュアル RD-907。体脂肪率や基礎代謝だけでなく、筋質点数と呼ばれる、運動量によっての点数で筋肉の総合評価をしてくれます。
また、自動認識機能で、乗るだけで測定できる手軽さも魅力。判定結果は、赤・黄・緑の3色で表示されるわかりやすさと、モダンでスタイリッシュなデザインもおしゃれで人気の高い商品です。
https://www.amazon.co.jp/dp/B01N426O2F/ref=psdc_2145971051_t1_B01N2I3CKU
タニタ 体組成計 BC-705N (ホワイト)
乗るピタ機能で簡単測定、前回値を表示する、5人まで登録が可能なタニタ 体組成計 BC-705N (ホワイト)。体脂肪やBMI、筋肉量、内臓脂肪レベル、基礎代謝量、体内年齢、過去データ、アスリートモードなど、さまざまなデータを収集、登録することができます。樹脂素材で、とても軽量。大型画面で数字もはっきり見えるので、年配の方にもおすすめです。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00E37SO0Y/ref=olp_product_details?_encoding=UTF8&me=
オムロン 体重体組成計 HBF-701 カラダスキャン
オムロン 体重体組成計 HBF-701 カラダスキャンは、部位別にダイエットの進捗状況をチェックでき、両手両足測定で正確に測れる体脂肪計です。体脂肪の他にも、部位別皮下脂肪率同年齢の比較や、部位別骨格筋率同年齢比較、体脂肪率判定、部位別皮下脂肪率、基礎代謝などをチェックすることが可能。初めて測定した日を「MY基準日」に設定、ダイエットの目安として登録することができます。
https://www.amazon.co.jp/dp/B001EUNKHK/ref=olp_product_details?_encoding=UTF8&me=
パナソニック 体組成バランス計 EW-FA23
乗るとすぐに測定が開始される自動認識機能付きの体脂肪計、パナソニック 体組成バランス計 EW-FA23。体脂肪はもちろん、内臓脂肪レベル、皮下脂肪率、基礎代謝、BMI、筋肉レベル、骨レベル、体年齢、体幹バランス年齢などを測定することができます。
さらにダイエットサポート付きで、減量目標を設定し、目標までの体重をカウントダウン表示してくれます。目標が達成できたら、画面にごほうびのキラキラが表示されるユニークさも人気の一つ。プチプラで優秀な体脂肪計です。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0095EFAKW/ref=olp_product_details?_encoding=UTF8&me=
美容体重と適正体脂肪率
見た目を重視した美容体重
体重には、標準体重の他に、モデル体重や美容体重というものがあります。基準となるのがBMI。身長に対してどれくらいの体重が必要なのかを知るための数値として、上記にもご紹介しています。
標準体重は、最も病気になりくく、健康的な身体を維持するための体重として、BMI値22を基準に算出しています。
一方、モデル体重は、モデルや女優などの芸能人に多いとされている、かなり細めの体重です。BMI値の基準をを18にして算出された数字であり、一般では、かなり痩せすぎの印象が強いといえるでしょう。
モデル体重と同様、美容体重も見た目を重視した体重の数字となります。標準体重よりも少なく、モデル体重よりもガリガリとした痩せすぎ感のない体重です。ダイエットを目指している人の多くは、この美容体重を目安にするのが良いでしょう。
美容体重のBMI値の基準値は20です。見た目がもっともスリムに見える理想の体重です。
美容体重の計測方法
標準体重もモデル体重も、美容体重も基本的な計測方法は同じです。BMIの基準値を変更するだけで、簡単に算出することができます。標準体重BMI基準値22、モデル体重BMI基準値18、美容体重BMI基準値20をもとに計算してみましょう。
計算式は、「(身長m×身長m)×BMI基準値」。例えば、身長160cm・体重55kgの人の場合だと、「1.6×1.6×22=56.32」。標準体重は、およそ56kgです。
モデル体重の場合、「1.6×1.6×18=46.08」で、およそ46kgが目安となります。
美容体重は、「1.6×1.6×20=51.02」で、およそ51kgが最も美しく見られる体重ということになります。
年齢や体型によって異なる適正体脂肪率
ダイエットのための目安となる体脂肪率ですが、年齢や体型によって適正な体脂肪率は異なります。目安として体脂肪率の平均値を知っておきましょう。
まず、男女に分けた場合の適正体脂肪率は、男性15〜20%、女性20〜25%です。自分の体脂肪が、これ以下だと「痩せ」、男性25%以上、女性30%以上で「肥満」に分けられます。また、年齢別で見た場合、20〜30代の女性だと、体脂肪率:〜20%=痩せ、21〜34%=標準、 35〜39%=やや肥満、40%〜=肥満。
40〜50代だと、体脂肪率:〜21%=痩せ、22〜28%=標準、 29〜35%=やや肥満、41%〜=肥満となります。
ただし、体脂肪は、見た目に影響する皮下脂肪だけではありません。痩せているように見える人でも内臓脂肪が多く、実は内臓肥満という場合もあります。体脂肪率は、高すぎても低すぎてもいけません。自分の年齢にあった平均値をしっかりと理解しておきましょう。
正確な体脂肪率を把握して理想的な体型に
ダイエットの大敵のようなイメージの体脂肪率ですが、本来は体温を維持したり、外部の衝撃から身体を守ったりと重要な役目もあります。体脂肪率は、上記にも述べたとおり、年齢や身長、体格に合わせた適正な数値を守ることが大切です。体脂肪率が平均より高ければ、糖尿病や高血圧、動脈硬化などの可能性が高まり、平均より低ければ、発ガンや免疫力の低下などにつながってしまう可能性もあります。
適正な体脂肪率は、ダイエットにとっては体重よりも重要なポイントです。見た目が大きく変わるだけでなく、健康を維持することにもつながります。
正確な体脂肪率を測定するには、先述のポイントを元に「毎日同じ時間に測定すること」が必要です。自分の正確な体脂肪率を把握して、見た目もきれいなスレンダー美人を目指しましょう!