目次
唇の白いできものの原因
ウイルス感染する白い水ぶくれ
唇にできた白い水ぶくれは、単純ヘルペスウイルスというウイルスに感染することによる、口唇ヘルペスである可能性があります。単純ヘルペスウイルスは、一度感染すると、そのあとも体内に残った状態になり、免疫機能低下やストレスなどにより、再び口唇ヘルペスを発生させてしまうのです。
口唇ヘルペスは、ピリピリとした痛みやかゆみを感じるとともに、口の回りに水泡ができます。病院を受診すると、抗生物質などの、飲み薬や塗り薬を処方してくれます。症状によって、市販薬も使用できますが、最初は念のため、皮膚科を受診しましょう。
かゆみがないパピローマウイルス
幼児に多く発症し、人に感染するパピローマウイルスは、皮膚にできる腫瘍の一種であり、基本的には良性で、いぼのようなものができます。かゆみが全くないのが特徴です。自然に治ることは難しく、また、稀に悪性のものもあるため、見つけたら早めに病院を受診しましょう。
飲酒が原因
口内炎が、唇にできることがあります。口内炎は、基本的には口の中にできることが多いものですが、口角など唇の粘膜にできてしまうことも。口内炎の原因は、ストレスや乾燥、ビタミン不足などさまざまな原因が考えられますが、飲酒などの生活習慣によっても引き起こされてしまうのです。
アルコールの刺激によって口内が傷つけられたり、胃や肝臓に負担がかかったりすることで、口内炎の原因となることがあります。お酒を飲むと口内炎ができやすくなる人は、アルコールにより体の負担となってしまっていることがあるため、なるべく控えた方がよいでしょう。
表皮にできた袋状の粉瘤
粉瘤とは、肌の内側に角質などの老廃物が溜まってしまい、しこりのようになったもののことです。一度できると、自然になくなることはないため、取り除くためには手術が必要です。はじめは目立った症状がなく、そのままにしておく人が多くいますが、しだいに大きくなったり、炎症を起こしたりすることがあります。
早めに処置をすることで、手術の範囲も小さく抑えることができ、体の負担も少なくすることができます。粉瘤が疑われるできものがあるときには、小さいうちに、早めに受診することをおすすめします。
刺激物が接触し炎症する口唇炎
口の周りに、化粧品や歯磨き粉など刺激となるものが触れることで、炎症を起こすことがあります。赤く腫れたり、出血を伴う痛みがでたりする症状があり、接触性口唇炎とよばれています。接触性口唇炎は、紫外線が原因となることもあり、注意が必要です。
乾燥していると症状が出やすいため、唇の保湿もしっかり行いましょう。紫外線の強い季節には、UVカット効果のあるリップクリームを使用するなどのケアが大切です。
体調不良が原因
唇にできものができる原因はさまざまですが、症状が出る状況として、体調不良やストレスなどによって引き起こされることが多いようです。体調を崩したり、ストレスを感じたりすると、免疫力が低下して、健康なときには出にくかったさまざまな症状が出やすくなります。
普段から、生活習慣を見直し、体調管理に気を付けることで、唇のできものの発生を予防することができます。
唇の白いできものを治す方法
白い水ぶくれは抗ウイルス剤内服
単純ヘルペスウイルスにより、口唇ヘルペスには、抗ウイルス剤の内服が効果的です。症状に合わせて、抗生物質や鎮痛剤の、飲み薬や塗り薬が処方されることもあります。早めに治療することで、症状が悪化させることなく早く治すことができます。
外科的治療を行うパピローマウイルス
パピローマウイルスによるいぼは、液体窒素を使用し、凍結することで治療します。液体窒素は、マイナス196度と超低温であり、患部に当てることで、焼き付けるようにして凍結させる治療法です。いぼの大きさにもよりますが、一度の治療ですぐとれるのではなく、何回か通う必要があります。
早めの医療機関相談
唇や口の周りにできものができてしまったら、早めに病院を受診しましょう。口唇ヘルペスは、できる前に、違和感やピリピリとした痛み、ほてりなどを感じることがあります。特に、何度も繰り返している人は気づきやすいようです。
違和感を感じたら、口唇ヘルペスの可能性があるため、早めに受診しておくと安心です。パピローマウイルスによるいぼは、基本的には良性ですが、まれに悪性のものもあるので、注意が必要です。気になる部分があるときには、早めの受診で、より早いケアを心がけましょう。
粉瘤は袋を取る
粉瘤は、自然に消えることはないので、治すためには皮膚科での治療が必要になります。治療方法は、手術によって、溜まった袋ごと取り除きます。範囲は小さくても、皮膚を切開するなど、負担がかかるので、大きくなる前に早めに治療しましょう。治療する範囲を抑え、治るのを早くすることができます。
唇を清潔に保つ
唇を清潔に保つことで、唇のできものを防ぎましょう。口紅やグロスなど、化粧はしっかり落とし、洗顔で顔と同じように洗います。肌にできるニキビなどと同じように、汚れをしっかり落とすことが大切です。
唇の乾燥を防ぐ
唇は乾燥しやすいため、汚れを落としたあとには、唇の保湿ケアを忘れないようにしましょう。特に冬などの乾燥が気になる季節には、リップクリームを持ち歩き、こまめにケアすることで乾燥を防ぎましょう。
乾燥すると、さまざまな症状が出やすくなります。保湿を心がけ、唇を整えることで、トラブルを予防します。
▼さらに詳しい解説はこちら
唇が乾燥する原因は?正しいリップケアでぷるぷるな口元に
ビタミンB類を多く摂取する
ビタミンB群が不足することにより、できものや肌荒れ、口内炎などの原因となることがあります。特にビタミンB2やB6は、皮膚や粘膜を健康に維持する働きがあり、積極的に摂りたい栄養素です。
レバーやうなぎ、まぐろなどに多く含まれているので、いつもの食生活に意識して取り入れてみましょう。普段からバランスのとれた食事を摂ることが大切です。
市販薬を使う
唇のできものの原因によって、治療法はさまざまですが、市販薬で治療できるものもあります。口唇ヘルペスや、刺激物による口唇炎など、治療や症状の緩和に効果的です。ドラックストアなどで手に入るので、病院に行けないときでも安心です。
ただし、市販薬は、一般的な症状に合わせたものであり、人によっては効果が期待できないこともあります。市販薬を使用しても、なかなか治りにくい場合には、使用を中止し、念のため病院を受診するようにしましょう。
口唇粘液嚢胞について
下唇の粘膜にできる透明のもの
口唇粘膜嚢胞とは、唇などの粘膜にできる水泡のことです。透明で、痛みはありませんが、直径5~10mm程度の半球状のふくらみがあり、口の中に違和感を感じることが多いようです。水泡の中には、ウイルスなどではなく、唾液が溜まっているだけなので、万が一噛んでしまっても心配はいりません。
唾液が組織に溜まるのが原因
唇や舌、頬などの粘膜の下には、たくさんの小唾液腺があり、唾液を分泌し、口の中の粘膜を湿らせています。小唾液腺が詰まり、唾液が周囲の組織に溜まってしまうと、白い水ぶくれのようなものができることがあり、それを口唇粘膜嚢胞といいます。
自然治癒する可能性もある
口唇粘液嚢胞は、放っておいても自然に治ることがあります。生活に支障がなければ、そのままにしておいて問題ありませんが、再発することも多いようです。一度治ったと思っても、またできてしまうこともあるので、注意が必要です。
歯科口腔外科を早めに受診
基本的には、悪いものではありませんが、家庭では他の病気との違いもわかりにくいので、気づいたら早めに、歯科口腔外科を受診しましょう。治療は、再発防止のため、嚢胞をすべて取り除き、原因となっている部分の唾液線を除去します。早めに受診することで、適切な処置を受けることができます。
口唇粘液嚢胞の治療は保存療法もある
口唇粘液嚢胞の治療法は、嚢胞を取り除く方法だけでなく、そのまま残した状態で、薬を注入する方法もあります。薬剤を注射器で注入することで、炎症を起こさせ、腫れをひかせることができます。
唇のできものに効果がある方法
殺菌効果のあるアロマオイル
病院での治療法以外にも、効果的なケア方法があり、家庭で行うことができます。口唇へルぺスなど、抗ウイルス対策には、殺菌効果の強い、ティーツリーといわれるアロマオイルがおすすめです。綿棒などで、少量つけることで、患部を殺菌します。
ただし、数日塗っても変化がなく、悪化がみられたときには、使用を中止し、病院を受診しましょう。
エタノールで消毒
市販のエタノールで消毒することで、口唇ヘルペスなどの症状改善に効果があります。エタノールには、殺菌・消毒効果があり、ヘルペスウイルスを殺菌することができます。ドラックストアなどで購入することができるので、便利です。
アシクロビル含有軟膏を塗る
ヘルペスウイルスの増殖を抑える、アシクロビルが配合された軟膏を塗るのも効果的です。市販のものだと、へルペシアクリームやアクチビア軟膏などがあり、アシクロビルを50mg配合しています。忙しく、なかなか病院を受診できないときに、ドラックストアなどで購入できるのはうれしいですね。
唇を清潔に保ち予防を心がけてみよう
唇にできものがあると、目立ちやすく、早く治したいという気持ちになりますね。できものの種類によって、治療薬で効果的に治せるものや、外科的手術が必要なもの、自然に治るものなどさまざます。
また、完治するまでには数日~数週間程度かかるものも多く、一度できてしまうと、治るまでの間、人目が気になり、憂鬱な気分になってしまうことも。唇に起こるトラブルは、原因はさまざまですが、体調不良やストレスなどによって引き起こされることが多くなります。
一度治っても、繰り返しできてしまうことも多いため、予防の観点で、体調管理をすることが大切です。自身の生活習慣を見直し、唇を清潔に保つことで、症状が起こるのを予防することができます。規則正しい生活習慣と、正しい唇のケアで、トラブルに負けない唇を目指しましょう。