軽度のワキガは手術不要。においの原因と予防のための適切なケア方法

2017.07.01

軽度のワキガは手術不要。においの原因と予防のための適切なケア方法

スキンケア

NADECICA編集部
NADECICA編集部

ワキガは程度によって症状の強さが異なります。手術しなければ治らないイメージが強いですが、軽度のワキガは適切なケアを日常的に行うことで十分に対処が可能です。ワキガの知識と正しいケアで、ニオイにとらわれず自信溢れる毎日を手に入れましょう。

INDEX

目次

    ワキガの原因について

    ワキガは優性遺伝

    優性遺伝とは

    ワキガは「優性遺伝」です。優性遺伝とは、親から子へ、より受け継がれやすい遺伝子のことを言います。かつて人間が動物であった頃、ワキガのニオイはフェロモンの役割を担っていました。自分の持つ遺伝子をニオイによって周りに伝え、より相性の良い異性をパートナーとするために使われていたのです。

    種族の子孫繁栄のために重要な役割としてプログラムされていたワキガは、フェロモンが退化した現在もなお、人体の中で「優先されるべき遺伝子」として残されているのです。

    ワキガのニオイが出る仕組み

    ワキガの原因は遺伝によるものです。しかしニオイ自体が遺伝するわけではなく、ニオイを発生させる仕組みをもった「体質」が遺伝するためです。

    人間の体には「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」という2種類の汗腺があり、「エクリン汗腺」は全身に存在する汗腺。主に体温調節の役割を担い、成分の99%が水分でできたサラリとした汗を出します。

    ワキガの原因になるのは「アポクリン汗腺」で、脇の下・耳の中・乳輪周り・陰部などの限られた部分にのみ存在し、タンパク質・脂質・糖質・鉄分・アンモニアなどを含んだ粘り気の強い汗を出します。多くの成分を含んだ汗が細菌に分解されることで、ワキガ独特のニオイが発生するのです。

    ワキガと非ワキガの違い

    ワキガの原因のアポクリン汗腺。しかしアポクリン汗腺は誰の体にも存在する汗腺のため、ワキガと非ワキガを分ける明確な基準は「アポクリン汗腺の個数と大きさ」です。

    アポクリン汗腺の個数は、遺伝により生まれつき決まっているため、増減することがありません。ニオイ物質を含んだ汗を出すアポクリン汗腺が生まれつき多く、また汗腺が大きく働きが活発である場合、ワキガであると判断されるのです。

    軽度のワキガはアポクリン汗腺数は多いものの汗腺が小さく、働きが弱い場合と、アポクリン汗腺は少ないが汗腺が大きく活発に働いている場合の2パターンが考えられます。

    片親の場合は50%両親の場合は80%の確率

    優性遺伝であるワキガは、かなりの高確率で子どもに遺伝します。両親のうちのどちらかがワキガであった場合には50%、両親ともにワキガの場合は80%の確率で子どもに受け継がれるのです。

    ワキガは遺伝以外でなることはない

    両親から受け継ぐ遺伝子によって、アポクリン汗腺の数が決まります。そのため遺伝以外の原因で突然ワキガになることはないと言えるでしょう。両親ともにワキガではないのに、子どもだけがワキガという場合には、祖父母の遺伝子による「隔世遺伝」が考えられます。

    軽度ワキガの症状

    耳垢が湿っぽく柔らかい

    脇の下だけでなく耳の中にも存在するアポクリン汗腺。脇の下と耳の中のアポクリン汗腺数は比例すると言われており、ワキガの場合には耳の中のアポクリン汗腺による発汗で、耳垢が湿った状態になります。

    重度のワキガレベルになると、溶かしたキャラメルのようなネバついた耳垢ですが、軽度の方は少し湿り気を含んで柔らかくなっている程度でしょう。

     

    ▼さらに詳しい解説はこちら
    ワキガを簡単セルフチェック。人に言えない体臭の悩みもこれで解決

    下着の脇の部分に黄ばみができる

    普段着ているインナーの脇の部分に黄ばみができるのもワキガのサイン。アポクリン汗腺からの汗には、さまざまなニオイの原因物質とともに、黄色い色素を含む成分も分泌されます。それが衣類に付着することで着色を起こすのです。

    また衣類に黄ばみが残るほどではない場合にも、一日着た下着の脇部分を嗅いで、ニオイ残りを感じる場合は軽度のワキガであると考えられます。

    沢山汗をかくと匂いが気になる

    軽度のワキガの場合、日常生活ではニオイを感じない方も多くいます。しかし、発汗量が増えるとニオイの原因物質も多く分泌され、強いニオイが発生する場合があります。

    また発汗量の増加により、アポクリン汗腺の汗とエクリン汗腺の汗が混ざり合うことも、雑菌の増殖を促してニオイを強める原因に。運動時はもちろん、通勤時やデートなどでの予期せぬ発汗に注意しましょう。

    親のどちらかがワキガである

    優性遺伝によって高確率で遺伝するワキガ。両親のどちらかにワキガの人がいる場合には、少なからず自分にもワキガの要素があると考えた方が良いでしょう。

    普段は感じなくても、生活習慣やストレスなど特定の条件が揃うと、アポクリン汗腺の働きが活発になり強いニオイが発生する場合があります。日頃からデオドラントには気を配っておくことをおすすめします。

    とくに脇に汗をかく

    実は脇は汗をかきやすい部位です。脇の下にはアポクリン汗腺だけでなくエクリン汗腺も集中しているため、汗自体が多く出るのです。しかしエクリン汗腺からの汗であっても、大量に発汗されてアポクリン汗腺から出るニオイ物質と混ざると、雑菌の温床になります。

    またストレスは脇汗を増加させると言われており、特にアポクリン汗腺は精神的要素が発汗に影響を与えます。日頃から脇汗が多い方や「緊張して脇汗がびっしょり」という場合には、ニオイに注意した方が良いかもしれません。

    脇に限らず全身の毛が濃い

    毛深さとワキガに明確な関係性はありません。しかし、体毛が濃い方にはワキガの傾向が強く見られます。比較的体毛の薄い日本人に比べ、国民の8割以上がワキガと言われるアメリカやヨーロッパの人は、胸毛・もみあげ・眉毛など体毛が濃いイメージがあります。

    また日本国内でも沖縄県にはワキガが多いと言われており、沖縄の人も顔の彫りが深く毛深い特徴を持っています。古くから受け継がれる遺伝子の中に、共通する部分が多く含まれているのかもしれません。

    脇毛にも特徴がある

    ワキガの方は脇毛にも特徴が見られます。男女で特徴が違い、女性の場合は脇毛が濃く太く、ひとつの毛穴から2本以上の毛が生えているような状態です。

    男性の場合は逆に、猫のように柔らかい毛が量多く生えているのがワキガの特徴です。毛が濃く太いとワキガのように感じますが、実は性別によって異なるので自身の脇毛の形状をチェックしてみましょう。

    重度と軽度のワキガの違い

    臭いの違いは距離

    非常にわかりやすいワキガレベルの差は「ニオイの届く距離」です。重度のワキガはすれ違うだけでも強烈なニオイを感じ、立ち去った後にもその場にニオイだけが残り続ける「残り香」も発生します。

    まるで「ワキガ臭をまとっている」ような状態になるのは、大量に分泌されたニオイ物質を含む汗が、蒸発する際にニオイを拡散させるためです。

    軽度のワキガは、ニオイ物質の分泌自体が重度のワキガよりも少ないために拡散しにくく、脇を直接嗅ぐ・本人に鼻を近づけるなどしないと気付かない場合がほとんどです。

    周りに気づかれるのは重度

    軽度のワキガは基本的に周囲に気付かれません。自分のいる周りでヒソヒソ「臭い」という声が聞こえたり、すれ違いざまに嫌な顔をされるのは重度のワキガです。ワキガは自分では気付きにくいため、周りから強い反応を感じる場合は、病院で診察を受け、今後の方針を相談した方が良いでしょう。

    軽度のワキガに有効な対策

    いつも清潔に保つ

    重度なワキガであっても、入浴直後はにおいません。体を洗うことにより、ニオイを発生させる原因物質と細菌が洗い流され、清潔な状態になるためです。清潔な状態をキープできればニオイは発生しないのです。

    汗をかいた部分をこまめに拭き取ったり、インナーを活用して肌に汗が残らないようにするのも、軽度のワキガには効果的。

    拭き取りの際には水で濡らして固く絞った清潔なタオルを使い、インナーはニオイ残りの強い化学繊維を避け、綿や麻などの天然素材を選ぶのがポイントです。

    こまめに制汗剤を塗る

    市販のスプレーやロールオンなどの制汗剤は、持続時間が短いため、こまめな塗り直しが必要です。ニオイを感じてからではなく、定期的に時間を決めて塗りなおしておくことで、汗の発汗自体を防ぐためより効果的です。

    殺菌成分入りの石鹸を使う

    ニオイ成分を作り出す細菌の繁殖を抑える石鹸を使用しましょう。ただし、殺菌成分や洗浄成分が強すぎるものはNG。皮膚の常在菌には、ニオイを発生させる菌の増殖を抑制し、ニオイを抑える成分を作り出しているものも存在します。

    良い働きをしている常在菌まで根こそぎ殺菌してしまうと、ニオイを発生させる菌がより増殖しやすい環境になり逆効果です。また強すぎる洗浄成分は肌を乾燥させ、皮脂分泌を過剰にするため、強いニオイの原因に。

    天然成分を使用し、常在菌を守りながらも雑菌の繁殖を抑える、マイルドなタイプのワキガ向け石鹸を選ぶと失敗しません。

    コーヒーやタバコを控える

    コーヒー・タバコはワキガにも良くありません。口臭を強くするイメージが強いですが、カフェインやニコチンは汗腺を刺激して発汗を促します。汗の量が増えればそれだけニオイ物質も多く分泌され、ニオイの原因になります。

    またコーヒーもタバコも、体内で活性酸素を発生させます。体の細胞を傷つけてサビつかせる活性酸素により、皮脂が酸化することもニオイを強くする要因に。タバコは禁煙が望ましく、コーヒーがやめられない場合にはカフェインレスコーヒーでの代用がおすすめです。

    効き目の確実なデオドラントを使う

    軽度のワキガの場合は、一般的なデオドラントでも十分対応可能です。しかし質の良いデオドラントを使用すると、塗り直しの負担が少なく効果も高いため、より安心して毎日を過ごすことが可能です。

    おすすめなのがワキガ向けのクリームタイプの制汗剤です。直接脇に塗りつけるため密着度が高く、ニオイのもとになる汗をしっかり抑え、制菌・抗菌作用などにより雑菌の繁殖も抑制。持続時間が長いものが多く、軽度のワキガであれば朝塗れば夕方までOKなものも多いでしょう。

    脇の下はデリケートなため、天然成分使用で敏感肌にも使えるタイプを選ぶのがおすすめです。刺激の強いものもあるので、購入前にはよくチェックしましょう。

     

    ▼さらに詳しい解説はこちら
    デオドラントでワキガ対策。1日中安心できるおすすめ制汗剤は?

    ワキガを気にしすぎない

    アポクリン汗腺は、ストレスで発汗量が増加します。体温調節の役割を持つエクリン汗腺とは違い、アポクリン汗腺は精神的な影響により汗をかく性質があるためです。

    極度の緊張時に脇汗をびっしょりかくのもこのためで「におったらどうしよう、自分が気付いていないだけかもしれない…」とビクビクしたり、事あるごとにドキっとしたりするのはニオイを強める原因になります。

    軽度のワキガなら、適切なデオドラントを行ってさえいれば、周りが不快になるほどのニオイを発することはありません。せっかくのデオドラントをより効果的にするためにも、必要なケアをしたなら「あとは気にしない」というのも一つの対策と言えるでしょう。

    半身浴や運動で汗を流す

    日常的に汗をかく習慣は、ワキガにとても効果的です。汗は溜まれば溜まるほど臭いが強くなります。普段汗をあまりかかずにいると、発汗によって排出されるはずの老廃物が溜まり続け、いざ汗を大量にかいたときに一気に流れ出して強いニオイを発するのです。

    筋トレなどの激しい運動は「無酸素運動」と言われ、体臭を強くするためNG。体臭におすすめなのは「有酸素運動」です。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を取り入れたり、入浴時間を長めにとってぬるめのお湯で半身浴を行うと、汗腺がしっかり働きニオイの少ない「質の良い汗」を出せるようになるのです。

    食習慣の改善を試みる

    人間の体は食べたものでできています。ニオイを強くする生活習慣があるように、食べ物に気を付けることでニオイを軽減させることもまた可能なのです。とくに症状の軽い軽度のワキガであれば、食生活によってニオイをコントロールすることもできるでしょう。正しい知識をもって、毎日の食事を意識することから始めましょう。

    食事習慣を改善する方法

    高カロリーな食事をさける

    食の欧米化にともない、市場には高カロリーな食べ物が多く存在します。しかし、高カロリーな食事はアポクリン汗腺を刺激し、ワキガ臭の原因に。

    またカロリーの過剰摂取による肥満も、ワキガには悪影響を与えます。体脂肪が増えることで、雑菌の好物である皮脂を多く含んだ汗をかきやすくなり、よりニオイを強くするのです。

    動物性の油脂をなるべく避ける

    動物性の油脂は体臭を強くします。肉類や牛乳・チーズなどの動物性タンパク質はもちろん、甘い洋菓子にたっぷり含まれる生クリーム・バターなどにも注意しましょう。

    動物性油脂はアポクリン汗腺を刺激して発汗量を増加させます。また、汗の中に皮脂やタンパク質が増えることで雑菌が繁殖しやすくなり、ワキガ臭を強くするのです。

    リノール酸をなるべく避ける

    リノール酸は、過剰摂取によりさまざまな健康被害が心配されている油です。「オメガ6」と呼ばれ、べにばな油・ひまわり油・コーン油・サラダ油・大豆油・ごま油など一般的に家庭で使われている油はほとんどがリノール酸の油。血中コレステロールや中性脂肪を増加させ、体内でニオイ物質を増やす働きもします。

    最も良いとされるのはシソ油・えごま油・アマニ油などの「オメガ3」と言われる油類。血中コレステロールを低下させ、血行促進により皮膚に酸素を供給。皮膚コンディションの乱れによるニオイを防止します。ただ味に独特のクセがあり、熱に弱いため加熱できない・保存時に酸化しやすく長持ちしないなど、使用しにくく感じる方も多くいます。

    その場合におすすめなのは調理油にも使用しやすく、手に入りやすい「オメガ9」のオリーブオイルです。とくに無農薬のものが理想的。体内で酸化しにくくニオイ成分にも変化しにくいため、体臭対策としても十分機能します。

    刺激が強い香辛料を避ける

    香辛料は発汗を促します。汗の量が増えると、ニオイ物質も多く分泌されるため、ワキガ臭が発生しやすくなります。また刺激の強い香辛料はアポクリン汗腺を刺激するため、ニオイ物質を含んだ汗の発汗量も増えるのです。

    またニオイの強いものは、汗と一緒にニオイ成分を体外に排出させるため、ワキガのみならず体臭全般を強くするため注意が必要です。

    外食を控える

    外食では使用している食材や調味料を確認できません。無添加や素材の良さを売りにした店舗以外では、利益を求めるために、添加物を多く含んだ調味料や白砂糖を使用している場合がほとんどです。

    食品添加物や白砂糖は、体内で活性酸素を発生させ、大量のビタミンを欠乏させます。また活性酸素により脂肪が酸化。ニオイ物質となり、ワキガをより強くさせるのです。

    ワキガの予防には自炊を心掛け、一食一食を大切にした質の良い食生活を意識することが大切です。

    洗顔料の種類

    軽度のワキガは手術の必要はない

    他人に気付かれる程ではない軽度のワキガは、生活習慣の改善とデオドラントで十分対処が可能。手術までする必要はありません。

    しかしデオドラントに頼らずに根本を解決したいと考えるのであれば、メスを使わず、電気針によって脱毛とアポクリン汗腺の破壊を行う方法もあります。自分のワキガレベルを把握する意味でも、一度病院で相談してみると良いでしょう。

    目的はワキガ予防ですが、ニオイを抑える生活習慣はどれも「体の機能を整える生活習慣」に通じるものです。肉より魚・低カロリーな和食・外食に頼らない自炊など日本人らしい食生活に戻ることで、日本人がもともと持つ「体臭の少ない人種」の特性を十分に生かした、ニオイの気にならない健康的な毎日を手に入れましょう。

    当社は、この記事の情報(個人の感想等を含む)及びこの情報を用いて行う利用者の判断について、正確性、完全性、有益性、特定目的への適合性、その他一切について責任を負うものではありません。この記事の情報を用いて行う行動に関する判断・決定は、利用者ご自身の責任において行っていただくと共に、必要に応じてご自身で専門家等に 相談されることを推奨いたします。

    記事のお問い合わせはこちら

    CATEGORIES

    アイケア&アイクリーム
    EYE CARE & EYE CREAM
    クレンジング
    CLEANSING
    コンシーラー
    CONCEALER
    ボディローション&ミルク
    BODY_LOTION&MILK
    まつげ美容液
    EYELASH_SERUMS
    化粧水
    SKIN_LOTION
    洗顔料
    FACIAL_WASH
    美容液
    ESSENCE
    SNSをフォローして
    最新の口コミをチェック!
    SNS ACOUNT