目次
正しいパッティングのポイント
効率よく化粧水を肌に浸透させる
化粧水の役割は肌の状態を整え、保湿することです。しかし、さらりとした液状の化粧水は流れ落ちやすく、ただ顔にかけただけでは十分に機能しません。しっかりと肌に「浸透」させる必要があります。正しいパッティング法は、化粧水の浸透を高めて肌にうるおいを与え、化粧水が本来持つ効果・効能を最大限引き出します。
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化粧水はコットンと手はどちらがいい?肌悩みに合わせた活用法
優しく押さえて成分を染み込ませる
正しいパッティングは「やさしく」がポイントです。パッティングと聞くと「叩く」イメージを持っている方が多いですが、叩くのは逆効果。叩くダメージで肌が傷つくと、バリア機能が弱まり、せっかく浸透させたうるおいが外に逃げやすくなります。いくら化粧水を入れても数分後に乾燥するような方は、パッティングが強すぎる可能性も考えられます。
パッティングを手で行うか・コットンで行うかは個人で意見が分かれますが、いずれにしても化粧水が肌に染み込むイメージで、やさしく押さえて浸透させる意識が重要です。
手を使ったときのパッティングの長所と短所
刺激が少なく肌の負担がかかりにくい
手と顔は同じ皮膚です。手で化粧水を肌につけるのは、限りなく刺激を軽減させる方法と言えます。また、指先が細かい部分にも行き届き、顔の凹凸部分もくまなくパッティング可能です。
ただし、手が荒れている方や爪の伸びている方は要注意。手のガサガサによる摩擦や、爪の引っ?きは肌への強い刺激になります。手が荒れている場合は、いつもよりやさしいパッティングを意識しましょう。
体温で化粧水が温まり浸透がよくなる
肌が冷えると血管が収縮。細胞のはたらきが低下し、化粧水が浸透しにくくなります。手のひらで行うパッティングは、手の温度で化粧水が温められるため、浸透力がアップ。化粧水の効果が引き出され、保湿力も高まります。
肌の状態を直接確認できる
手で直接顔に触れると、その日の肌のコンディションを感じられます。些細な肌の変化に気付き、乾燥気味のときはパッティングをていねいに行う・脂っぽいときは乳液やクリームの量を控えるなど、肌状態に合わせたお手入れの見直しが可能になります。
また「以前よりも肌がキレイになってきている・逆に肌が荒れてしまっている」などが直接触れることで実感でき、モチベーションの維持やスキンケア方針変更の基準にもなります。
手から雑菌がつきやすい
パッティングを手で行う際は、必ず「清潔な手」を心掛けましょう。色々なものに触れる人間の手指はとても汚れていて、多くの雑菌が付着しています。
お風呂上りであっても油断は禁物。バスタオルやドアノブなど、無意識のうちに物を触って雑菌が付着している可能性があります。化粧水をつける直前には手洗いをする習慣付けがおすすめです。
コットンを使ったときのパッティングの長所と短所
肌の細部まで成分が均等にいきわたる
厚みのあるコットンは化粧水をたっぷり含みます。どの部分へパッティングを行っても、化粧水が均一にいきわたり、ムラがでるのを予防。手のように凹凸がない点からも、均等に化粧水を浸透させると言えます。
雑菌がつきにくく清潔な状態で行える
箱や袋から取り出したばかりのコットンは清潔です。手指のように色々な場所を触るわけではなく、取り出す直前まで外界から遮断された状態にあるためです。
販売員やエステティシャンがコットンを使用するのは、この「清潔感」によるところも大きく、清潔な状態で行いたいパッティングでは大きなメリットと言えます。
水分保持力が手を使ったパッティングより高い
手からこぼれやすい化粧水。顔につける前にこぼれてしまってはもったいなく感じますし、つけてすぐに流れ落ちてしまう場合もあります。
コットンを使用したパッティングでは、化粧水がこぼれ落ちる心配がなく、コットンに厚みがあるほど多くの化粧水をキープしながらのパッティングが可能。短時間で流れ落ちずに、たっぷり含んだ水分を保持しながらゆったりとパッティングすることで、肌の保湿性を高めます。
コットン越しに力が入りやすく肌への刺激になる
コットンによる摩擦は肌にとって大きな刺激です。コットンを使用してパッティングを行っていると、無意識に力が入りやすく、テンポよく叩きつけてしまう場合が多くあります。また、押さえる回数が多すぎる場合も、肌に刺激を与えます。パッティングはあくまでも「肌に化粧水を染み込ませる」イメージで、ゆっくりとやさしく行いましょう。
コットンが水分を含みすぎると肌にダメージを与える
化粧水の含ませすぎもNGです。たっぷり含ませた方が良いように感じますが、肌に触れてヒタヒタするほどでは逆効果。プールに飛び込んで水面に打ち付けられた体が痛いように、水分で膨らみ硬くなったコットンは、肌にとっては「痛い」のです。
コットンの毛羽立ちにより肌の乾燥を引き起こす
化粧水が少なすぎてもいけません。パッティングを行っている時に、コットンが毛羽立っている場合は要注意。水分の少ないコットンの繊維が肌をこすって傷つけてしまいます。摩擦によって肌が乾燥し、しわやシミの原因にも。
手を使ったパッティングの方法
手をハンドソープでよく洗う
まずは手を清潔な状態にしましょう。化粧水を手に取る前に、ハンドソープで手をよく洗います。タイミングとしては、化粧水を使用する「直前」です。
無意識でさまざまな場所に触れる手指は、雑菌が付着しやすい場所です。「さっき手を洗ったばかり」という場合も、入浴後であっても、必ず化粧水を使用する直前に手を洗う習慣をつけましょう。
商品記載の適量を手のひらで温める
商品にはそれぞれ「適量」の目安が記載されています。とくに指定がない場合は500円玉くらいを目安に手に取りましょう。
その際、容器の口に手が触れると、雑菌が侵入して化粧水の中で繁殖するおそれがあります。化粧水を長持ちさせるためには、容器の口に手が触れないよう注意が必要です。適量を手に取ったら、浸透力をアップさせるため、手のひらで肌と同じ程度の温度になるまで温めましょう。
手のひらで顔全体を包み込むようになじませる
温まった化粧水を、ハンドプレスしながら肌の上に乗せていきます。叩いたり押し付けてはいけません。化粧水を肌の上に広げたら、やさしく、手のひらで顔を包み込むようにゆっくり押し込みます。額・まぶた・ほほ・鼻・フェイスライン…と10秒ずつゆっくりハンドプレスを行いましょう。
指を使って中心から外側になじませる
軽くマッサージをしながら、化粧水をなじませましょう。指で圧をかけるのはNGです。力加減に注意して、軽い力で顔の中心から外側に向かうように、やさしくゆっくりと円を描くようになじませます。
どうしても力んでしまう方は、人差し指を使わずに、中指と薬指を使いましょう。適度に力が抜けて、軽いタッチのマッサージが可能になります。
細かい部分に重ね付けをする
細かい部分には重ね付けが必要です。目元や小鼻、鼻の下などは手のひらではパッティングできないため、化粧水の量が不足します。指先などをつかって軽く押し込むようにパッティングしましょう。
パッティングするときのハンドプレス効果
軽いマッサージ効果があり血行が良くなる
顔を手で覆うと、リラックス効果があります。また、手の温度によって顔が温められて血行促進になり、肌をおさえることで軽いマッサージ効果も得られます。
顔色が明るくなった・顔のむくみが取れたなどと感じる方が多いのも、ハンドプレスのマッサージ効果によるものと言えます。
手でお肌を密閉するので化粧水の美容成分の浸透を高める
ハンドプレスを行うと、手のひらが肌に密着します。やさしく肌を数秒間押さえることで、肌の上が密閉状態になり、蒸発を防いで化粧水の浸透を高めるのです。
コットンを使ったパッティングの方法
商品記載の適量をコットンに染み込ませる
メーカーが商品に記載している「適量」を確認しましょう。とくに指定がなければ500円玉くらいの量を、コットンの広い面に染み込ませます。
化粧水の量は、使用しているコットンによっても保水量が変わるので、コットンの状態を見ながら調整すると良いでしょう。
目安としては、肌につけてヒタヒタ言う程では多過ぎ、パッティング中に毛羽立つようなら少な過ぎです。多過ぎず少な過ぎない中間くらいの量を意識しましょう。
下から上へ向かってなで押さえていく
コットンでのパッティングは、特に力加減に注意しましょう。コットン自体が繊維質であるため、力を入れすぎると摩擦が生じて、肌を傷つけてしまいます。化粧水を肌の中に練り込むイメージで、やさしく押さえるのがコツです。
あごからスタートして、下から上へ。毛穴一つ一つに化粧水を入れていくように、回数は一か所につきゆっくりと3回~5回行いましょう。
中指と薬指にコットンをあて、小指と人差し指で押さえるように持つと、コットンが固定されて摩擦が生じにくくなります。
ついパタパタとテンポ良く叩きたくなるため、パッティング中は集中して「やさしく、染み込む」と心の中で唱えながら行うと、力の入れ過ぎを避けられます。
小鼻や目元の細かい部分をパッティングする
最後に小鼻や目元の細かい部分をパッティングしましょう。この時点でコットンが毛羽立っていると感じたら、一度化粧水をつけ足します。
目元への刺激は色素沈着やたるみに直結しますし、小鼻への刺激は毛穴の開きにつながります。ゴシゴシこすりつけずに、やさしくゆったりとした気持ちを忘れずにパッティングしましょう。
自分がケアしやすい方法できちんとパッティングして健やかな肌を保つ
パッティングを手で行うか、コットンで行うかは意見が分かれる部分です。しかし、どちらにしても大切なのは「肌に負担をかけない正しい方法」であること。その部分が守られていれば、どちらでも構わないと言えるでしょう。
また、自分が続けやすいことも大切です。どんなに良い方法でも続けられず、ケア自体が面倒になっては本末転倒です。正しい知識のもとに自分が継続していける方法を選択し、パッティングを上手に活用して健やかな美肌を保ちましょう。