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自分で体臭に気づきにくい理由
鼻が自分の体臭に慣れているため
友人のお家に泊まりに行ったとき、布団や掛布団などを借りると友人の臭いがしますよね。自分以外の臭いは、自然と嗅ぎ分けてしまうものです。
しかし、自分の体臭に関して何も感じません。それは、嗅覚は慣れやすいという性質を持っているからです。普段の生活の中で、毎日自分の体臭を嗅いでいる私たちの嗅覚は、体から発せられる体臭を臭いとして意識できないのです。
自分の周りに向かって臭いを発生させるため
体臭は、汗腺という場所から汗と細菌が混じり臭いを発生させます。また、その臭いは、ガスとなり汗腺から外へ発生させるため、周りに臭いが伝わりやすいのです。
体臭の原因
年齢を重ねて出る加齢臭
汗などの臭いに気を付けていても、必ず発生する加齢臭。私たちの体は、皮膚を保護するため脂肪を皮脂腺という部分から分泌します。歳を重ねるとこの皮脂腺から「9-ヘキサデン酸」という脂肪酸を発生させ、この脂肪酸が分解され独特な臭いを放つ加齢臭となるのです。
普段かく汗
普段かく汗は、「エクリン線」という部分から出されます。この線は体のどの部分にもあり、運動などで汗を出すことで体温調節を行う重要な部分。汗をかいたまま放置すると、汗に含まれている菌が増殖し臭いと放ちます。菌が増殖する前に、濡れタオルやデオドラント製品で汗を拭きとることで臭いを予防できます。
ストレスによるホルモンバランスの乱れ
皮脂腺は体中の毛穴にあり、脂肪分がこの皮脂線から出て乾燥から体を守ります。皮脂線からでる皮脂は、ストレスや思春期、食事など環境や体の状況によって分泌量が増加し臭いの原因となります。日頃からストレスはもちろん、食事に気を配りホルモンバランスを正常に保てるよう気を付けましょう。
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食生活の乱れや腸内環境が悪い
腸内環境が悪くなると、悪性物質が腸内にたまり血液の状態を悪くすることがあります。結果、腸や肝機能が低下し悪性物質の分解ができなくなり、腸内の血液に渡り全身へと流れ臭いを伴う汗として排出するのです。
お肉中心の生活など偏った生活をしていると、脂肪分や増え体臭が悪化します。野菜や果物、発酵食品などを積極的にとり腸内環境を正常に保てるよう心がけましょう。
アポクリン腺から出る汗が原因のワキガ
「アポクリン線」は、わきの下や陰部、耳の下や乳首などあり臭いをつくる汗腺です。臭いをつくる汗腺とは、すなわちフェロモン出す部分。菌や汗、皮脂などと混ざり合い強い臭いを発生させます。
シャツなどを着た際、黄色い汗じみができますが、これはアポクリン線から出たもので通常の洗剤ではなかなか落ちません。臭いも同様で、強い臭いを放ち衣類に付いた臭いも落ちにくいのです。アポクリン線から出た汗には、ミョウバンが効果的。薬局などで手に入るのでスプレーボトルなどに入れ替え、こまめに吹きかけると臭い予防になります。
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ワキガの臭いを予防して、さわやかな夏を迎えましょう。
糖尿病や肝機能障害などの病気
糖尿病や肝機能障害、慢性中耳炎やちくのう症などの病気に伴う体臭の悪化があります。甘酸っぱい臭いや血のような臭い、アンモニア臭など独特な臭いが汗から発生している場合は、病気の疑いもあります。普段と異なる臭いがする場合は、病気の早期発見にもつながりますので早めに受診をしましょう。
自分一人でもできる体臭チェック
ワキ汗をタオルで拭き臭いを確認
汗をかいたとき、使用していないタオルやティッシュなどで汗を拭きとった後に臭いを確認してみましょう。わきや耳の後ろなど、汗腺が集中している部分を重点的にふき取りましょう。また、タオルを使用する場合は、柔軟剤など香りがついていない物を使用するとより臭いを確認しやすくなります。
入浴後着ていた服の臭いを確認
入浴後は浴室の水蒸気効果で、嗅覚が一度リセットされやすく臭いを確認しやすくなります。自分自身も体を洗うことで、臭いもなくなり今まで着用していた服についた体臭を確認しやすくなりますの、わきや首部分を中心に確認してみましょう。
下着をビニール袋に入れて臭いを確認
下着は肌に一番触れる物で、汗を一番吸収しています。一日着用した下着をビニール袋に入れ密封し、しばらくしてから臭いを確認してみましょう。
寝ている時に着ていたパジャマの臭いを確認
睡眠時はコップ一杯分の汗をかきます。翌日に、着用していたパジャマの臭いを確認してみましょう。また、枕は首や耳など汗をかきやすい部分に密着しているので、パジャマと一緒に確認してみましょう。
機器を使って臭いの確認
体臭や口臭などの自分では確認しにくい臭いを、数値化して表す臭いチェッカーなどが販売されています。価格はお手頃のものから高価で本格的な物があります。薬局やインターネットなどで購入ができます。
自分で分からない時は他人に確認してもらう
家族や仲の良い友人などに、近くで臭いなどを確認してもらう方法もあります。自分以外の人に近くで確認してもらうことで、タオルや洋服などの臭いを確認するのと違い臭いの強さを知ることもできます。どのぐらいの近さで臭いを確認できるのか、通りすがりでも確認できるのかなど色々な状況で協力してもらい臭いの強さを確認してみましょう。
ワキガからくる体臭の場合のチェック
汗をかいた時に服に黄色いシミが付く
アポクリン線から出た汗は、蛍光色が少し濁ったような色をしています。汗シミが黄色く、ワキや首元ばどに付くようであればアポクリン線から排出された汗である確率が高く、ワキガである可能性も高くなります。
耳掃除をすると湿った耳垢がとれる
耳垢がベタベタしているなど、湿った耳垢の人すべてワキガではありません。しかし、ワキガの人の耳垢はほぼ間違いなくベタベタしている湿った耳垢です。湿った耳垢の原因は、アポクリン線が耳に中に集中しているからです。アポクリン線が多くあるということは、ワキガの可能性も高いということになります。
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普通に生活していても汗が出る
ワキガの人は、多汗症も併発している人が多いと言われています。普段の生活の中や運動などで出る汗はエクリン線から分泌されますが、ワキガの人はそれ以外の部分、アポクリン線からも汗が出るため多量に汗をかくという特徴があります。
気温が低い冬場でも、ワキ汗がよく出るという人は運動不足や冷え症なども関係していることも。汗の量が多いとワキガというわけでなく、体調なども関係していますのでどのような時に汗が出やすいのかなど汗の出やすい状況を確認し改善できる部分を知ることも大切です。
ワキ毛が濃いもしくは太いワキ毛が多い
アポクリン線が密集している部分は、一般的に毛が多く濃いと言われています。アポクリン線はワキや耳の中などに多くあり、ワキガの人は必然的にワキや耳の中に多く毛が生えています。ワキ毛があると、アポクリン線から出た汗が毛にからまり臭いが強くなるのです。こまめにわき毛の処理を行い臭いを予防しましょう。
親がワキガ体質
両親がワキガだと子供の8割が遺伝し、片方がワキガだと5割で遺伝すると言われています。男女比は半々で性別に関係なく遺伝するのだそうです。日本人の10人に1人はワキガであるといわれており、特に女性の場合は臭いに敏感であるため悩んでいる人も多くいます。
体臭の改善方法
汗をかいた時にはこまめに着替える
季節に関係なく、少しでも汗をかいたら着替える習慣をつけましょう。外出時などは、着替えるのが難しい場合も多いと思います。そのような場合は、下着や中に来ている肌着を着替えるだけでも臭いを予防することができます。また、着替えたときなどにタオルやデオドラントの汗拭きシートで体を拭くとより効果的に臭いを予防できます。
殺菌効果の高い石鹸を使って体を洗う
ワキガの臭いを予防する成分として「イソプロピルメチルフェノール」や「柿渋エキス」、「茶葉エキス」などがあります。このような成分を含むで石鹸で体を洗うと臭い予防になりますが、強い殺菌作用や皮脂を多く落としてしまう物もあるので、肌の弱い人は手や腕などで試してから使用するようにしましょう。
デオドラントクリームを使用する
ワキの臭いを予防するデオドラント製品はたくさんあります。ワキに直接塗るジェル状のものやクリーム状のもの、ワキに吹きかけるスプレー式まで様々な種類があります。
臭いだけでなく制汗効果もあるなど、使用感や肌の状態によって色々な物を使い分けるなど工夫しましょう。また、必ず使用するときは汗をかいていない状態で、ワキが水などで塗れていないときに使用すると効果が高くなります。
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お酒の飲み過ぎに注意
アルコールなどは、アポクリン線に刺激を与え臭いを強くする作用があります。また、アルコールを飲むことで体温が上昇し汗をかきやすくなるため、急激に臭いが強くなります。お酒を飲む席などに行く場合は、事前にデオドラント成分のあるシートで汗を拭きとりクリームを塗り直すなど対策をすると予防ができます。
また、アルコール摂取時の体臭を防ぐ食べ物として抗酸化作用のあるキャベツやビーマンがあります。居酒屋のメニューなどにもありそうな食材なので積極的に食べ、過度な飲酒に注意して楽しい時間を過ごしましょう。
ウォーキングなどの有酸素運動を行う
空調の効いた場所に長時間いたり、日ごろ運動の習慣がないと血行が悪くなり全身に酸素が行き渡らなくなります。酸素が足りなくなると、体には乳酸という疲労物質がたまりその結果、体臭が強くなると言われています。
血行が良くするには、有酸素運動などを行うとよいでしょう。また、こまめに汗を流すことで汗腺が鍛えられ汗に含まれる細菌の繁殖が予防でき、臭いの少ないサラサラした汗が出るようになります。こまめに体を動かす習慣をつけて、臭いの少ない汗がでるように汗腺を鍛えましょう。
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日頃からストレスを溜め込まない
ストレスや疲労が蓄積されると、脳が体を守ろうとして自律神経という神経が汗や唾液を多く出すようになります。また、その汗の中には乳酸が混じっており強い臭いを放つようになります。
自律神経がストレスや疲労によって乱れると、体臭だけでなく頭痛や肩こりなど体調不良にもつながります。「ストレスは万病のもと」という言葉があるように大きな病気につながる可能性もあります。日々ストレスや疲労を溜めないよう適度な気分転換を図り過ごしましょう。
腸内環境を整える食ベ物を積極的に摂取
口から入った食べ物は、腸で細かく分解され栄養などの成分は血液に吸収されますが、その他のものは発酵され臭いの元となるガスをつくります。このガスは血液に吸収され体臭や口臭として体外に排出されます。
腸内に発酵が上手くいかずにいると、体臭や口臭の臭いが強くなる原因に。腸の発酵を上手に行うこうにするには、腸内環境を整えることです。ヨーグルトや野菜、果物に含まれる「乳酸菌」や「ビフィズス菌」、「食物繊維」を積極的に摂り、腸内環境の改善に取り組みましょう。
病院へ行き検査を受けることです
デオドラント商品でのケアや食事、運動などを取り入れても体臭か改善されなかったり、悪化するようんであれば糖尿病や腎臓機能の病気の場合もありますので総合病院などで検査を受けましょう。
病気以外で原因で、体臭改善を望む場合は体臭外来や美容形成外科などでの治療もあります。手術などで臭いの根本的な部分を切除する治療や、漢方を服用し体質改善を行う治療など様々です。治療内容によっては、保険適用外のものをありますので事前に調べてから受診を行いましょう。
自分の体臭が気になる時はその都度対策を
普段の生活の中で、自分の体臭を意識することはありません。しかし、フッとした瞬間に自分の体臭を感じたり、周りからの指摘で体臭を気にするような状況になった場合、まずは自分で自分の体臭をチェックしてみましょう。体臭の強さや汗のかく場所や量によって、自分の体臭の状況に合わせた対策を行いながら上手に臭いと付き合いましょう。