目次
皮膚科で処方されるニキビの薬
ニキビ薬は1種類ではありません。ニキビの状態やできた場所、患者さんの希望によって薬が使い分けられています。それぞれの特徴を理解し、ニキビ無しの肌を目指しましょう。
皮脂を抑え角質のピーリング効果があるディフェリンゲル
病院でのニキビ治療で最も使われる機会が多いのがディフェリンゲルという薬です。皮膚科に行ったらまず処方されるのがこの薬かもしれません。
ディフェリンゲルのメリットは、ニキビの原因となる毛穴のつまり(皮脂)を取り除くこと。つまり、まだ目に見えない小さなニキビが悪化するのも防いでくれるのです。一方でディフェリンゲルには副作用が出やすい、というデメリットもあります。副作用の出かたは人それぞれですが、半数ほどの人が「肌が赤くなる」「肌の乾燥」などの症状が出るといわれています。
肌の調子が悪そうであれば、すぐに皮膚科に相談してみてください。
抗炎症作用のある抗菌薬ダラシンTゲル
ダラシンTゲルは塗る抗生物質。皮膚に住み着いたアクネ菌や黄色ブドウ球菌を殺菌する効果があります。効果が出るのが比較的早く、1カ月ほどで赤ニキビが半分くらいに減るといわれてます。
ただし、ダラシンTゲルが全く効かない人もいます。というのも、皮膚に住み着く菌には個人差があり、中には「耐性菌」というダラシンTゲルが効かない菌を持っている人もいるから。耐性菌を持っている人は日本人では15%前後。目安としては、4週間使っても効果がなければ、医師と相談して薬の変更を検討した方がいいようです。
抗菌作用のあるべピオゲル
海外では以前からニキビ治療薬として使われていたベピオゲルですが、日本で使われだしたのは2015年ごろからです。べピオゲルの有効成分「過酸化ベンゾイル」には、ニキビの原因となるアクネ菌やブドウ球菌などにくっ付いて「フリーラジカル(活性酸素)」を作り殺菌していきます。
通常、殺菌効果のある薬は長く使っていると薬の効かない「耐性菌」が発生してしまうのですが、ベピオゲルは薬自体に殺菌作用があるわけではないのでその心配はありません。ニキビの範囲が広く、治療に時間がかかる場合でも安心して使い続けられるのがメリットです。
また、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)を促してくれるため、皮膚の角質が固まってザラザラ肌になるのも予防できます。
ダラシンとべピオの合剤であるデュアック配合ゲル
「ダラシン」「ベピオゲル」2種類の薬を配合しているデュアック配合ゲル。2種類の薬剤の効果で、ベピオゲル同様、耐性菌ができにくいといわれる薬です。
副作用も比較的少なく、特に赤ニキビは3か月ほどでほとんど目立たなくなるといわれています。
ただし、ダラシンはどうしても耐性菌が出現してしまうため、ニキビの初期段階である白ニキビには使用しないほうがいい、長期間の使用は避けた方がいい、という説もあります。
いろいろな菌に対応できるアクアチム
アクアチムは皮膚で細菌が増殖するのを抑制する薬で、軟膏タイプ、ローションタイプなどがあります。
主成分であるナジフロキサシンは殺菌効果が高く、アクネ菌やブドウ球菌だけでなく、小さいポツポツニキビや背中・二の腕ニキビの原因と言われる「マラセチア菌」にも効果があります。これは市販の薬にはない、アクアチムのメリットです。
さらに、軟膏タイプのアクアチムには皮膚を柔らかくする効果があるため、殺菌作用が皮膚に浸透しやすい、という相乗効果も。
抗炎症作用や免疫抑制作用のあるリンデロンVG軟膏
リンデロンVG軟膏は、ステロイドと抗生物質を配合した塗り薬。ステロイドというと副作用が強いイメージがありますが、医師の指示通りきちんと用法・用量を守っていれば、短期間でニキビに効果が。副作用が怖いから、と量や回数を減らしてしまうと、かえって治療が長引いてしまいます。
ニキビに効果のある市販薬
病院に行く時間がない!という場合は、市販の軟膏でもできるだけ効果の高いものを選びましょう。ポイントは「ニキビの一番の原因、アクネ菌への有効成分が配合されているか」「どの程度殺菌効果があるか」です。
テラ・コートリル軟膏
テラ・コートリル軟膏には、抗生物質「オキシテトラサイクリン塩酸塩」と、ステロイド「ヒドロコルチゾン」が配合されています。「オキシテトラサイクリン塩酸塩」は強力な殺菌作用があるため、アクネ菌などの細菌には効果があります。
一方で、肌を再生させるビタミンなどは配合されていないため、ニキビ跡の治療には使えないのがデメリットともいえます。
クレアラシルニキビ治療クリーム
アクネ菌への殺菌作用だけでなく、ニキビによる腫れや赤みをおさえる消炎作用が配合されたもの。薬剤の色が肌色のものもあり、急いでニキビを隠したいときにもぬれるようになっています。
ペアアクネクリームW
アクネ菌を殺菌するだけでなく、有効成分「イブプロフェンピコノール」が皮脂のかたまりができるのも防ぎ、ニキビをもとから治療する薬です。クリーム状なので、塗った上からメイクをしなければいけないときにも助かります。
オロナインH軟膏
主成分の「クロルヘキシジングルコン酸塩」に抗菌作用があり、アクネ菌を殺菌してくれます。また、オリーブ油・ワセリンなどの保湿成分が含まれているため、肌荒れが原因になってできる白ニキビにも効果的です。
薬の使い方のポイント
化粧水やクリームの後に朝と夜1回づつ
ニキビ治療の軟膏を塗るタイミングは、基本的に朝晩の洗顔の後、化粧水・乳液を付けてからです。きちんと洗顔して肌の皮脂汚れを落とさないと、薬が患部まで浸透してくれません。
しかしこれはあくまでも薬局で買った薬の場合で、病院で処方されたときは用法・容量を守りましょう。特にステロイド系の薬は、量を塗りすぎるととかえって治りにくくなることがあります。また、複数の薬を処方された時は、塗る順番が決まっていることもあるので要注意です。
ニキビが出来た時はよく軟膏に頼っています。寝る前にちょんちょんとつけて眠ると翌日良くなってたりします。塗る時ももちろんそうですが、肌が清潔な状態にあることがとても大事です。しっかりと、でもゴシゴシ刺激を与えすぎずに洗顔します。そして、見落としがちなのが保湿。ニキビが出来た時ほど保湿に重点を置いています。これももちろん刺激は与えない程度に。乾燥すると皮脂を分泌するので悪化してしまいます。毎日のスキンケアが大事。 ニキビに使える軟膏の選び方。肌トラブル改善でツルツル肌を目指そうさんを0人が応援しています! SNSでシェアすることで、モデルの表示順位がアップします。
指ではなく綿棒で塗布
顔をきれいに洗っても手が汚れているとそこから雑菌が入ってしまうことも考えられます。綿棒を使えば患部に触らずに軟膏を付けることができます。
軟膏の塗り方には伸ばして塗るだけの「塗布」と、薬を刷り込む「塗擦(とさつ)」がありますが、ニキビ肌には優しく塗布するだけにしましょう。綿棒とはいえ、ニキビをこすってつぶしてしまうと跡が残ることもあります。
また、薬の中には皮膚の薄いところには塗ってはいけないものもあります。目や唇の周りなどにニキビができてしまったときは、病院で塗り方を確認したほうが安心です。
ニキビができたら「軟膏」正しく対処しよう
ニキビに効果的な軟膏の中には、薬局で購入できるものもあります。ただ、敏感になっているニキビ肌にはどうしても薬が合わないことも。効果が出ない時やかえって荒れてきた、腫れてしまったような場合は早めに皮膚科を受診し、自分に合った治療を受けましょう。