目次
ショウガがもつダイエット効果
基礎代謝を上げる
ダイエットを進めていくうえで、とても大切になるのが「基礎代謝」です。日常生活を送っているだけで消費するカロリーを上げると、健康的にダイエットを進めていくことができます。その基礎代謝を上げるためにとても効果的な食材がショウガです。
ショウガに含まれる辛み成分のジンゲロールとショウガオールは、全身の血管を拡張させる効果があり、血流を促進させてくれます。血行が良くなると、体温が上昇するので基礎代謝が上がり、痩せやすい体を作ることができます。
最近女性にとくに多いのが、平熱が36度以下になってしまう「低体温症」と呼ばれる人たちです。平熱が1度上昇すると基礎代謝がおよそ10%もアップするといわれているので、平熱を36~37度の正常値に戻すことはダイエットにとても効果的です。
余分な水分を排出する
ショウガを摂取すると、辛み成分のジンゲロールとショウガオールの効果により全身の血液が流れやすくなります。普段滞りやすい末端の血管にまで血液がしっかり流れると同時に、内臓全体の血流量も増えるので、体の中に溜まりがちな老廃物や水分をきちんと排出することができます。そしてショウガには、血液を浄化するために大切な腎臓の働きを強化する作用もあるので、むくみの原因になる体内の余分な水分の排出が効果的におこなわれます。
便秘を解消させる
便秘の原因のひとつに、体の中の冷えがあげられます。内臓が冷えてしまうと働きが悪くなり、腸を活発に動かすことができなくなるので便秘になります。ショウガオールの効果で、血液の循環がよくなると、内臓の冷えを解消することができるので、腸の働きも活発になりお通じがよくなります。ジンゲロールには胃腸の働きを促進させる効果もあるので、ショウガは便秘解消に効果的な食材だといえます。
自律神経を整える
自律神経が乱れてしまう要因の一つに、体の冷えがあります。人はストレスを感じると、全身の血管が収縮して血流が悪くなるので、血行不良を起こしやすくなります。そんな時に、ショウガの血流改善効果で体内の循環をよくして温めると、自律神経を整えることができます。ショウガオールには、興奮状態の鎮静という効果もあるので、ストレスによって自律神経に余計な負荷がかかった時にしずめてくれます。
中性脂肪を下げる
内臓脂肪と皮下脂肪の大半は中性脂肪でできています。中性脂肪を減らすためにも、ショウガは効果的な食材です。一日あたりおよそ3gの粉末ショウガを1カ月半摂取することで、血中の中性脂肪の値を下げる効果があることが、イランのバボル医科大学の研究結果に出ています。中性脂肪だけでなく、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やすという研究結果があるので、脂質異常が気になる人にはおすすめです。
体を温めて冷え性を改善する
女性に多い冷え性の原因は、全身の血行不良によるもので、末端の血管にまで血流が流れないことで手足が冷えつらい冷え性になります。そんな冷え性には、ショウガの辛み成分ジンゲロールとショウガオールの持つ血管拡張作用が効果的です。
血管が拡張されると、それまで滞っていた血液が指先や足先などの末端までしっかりと循環をし始めるので、全身があたたまってきます。冷え性の人は、加熱や乾燥などの加工をしたショウガを摂取することがおすすめです。
ダイエット以外の美容や健康への効果
胃の調子を整える
ショウガに含まれる辛み成分の一つであるジンゲロン(別名バニルアセトン)が、胃液の分泌を活性化させるので、消化を助けるとともに、食欲も増進してくれます。ジンゲロンはジンゲロールから分解され作られる物質なので、その含有量は微量ですが、加熱することによって増えるので、胃の調子を整える目的で摂取したい時は、ショウガを加熱調理して食べることがおすすめです。
殺菌作用がある
ショウガに含まれるジンゲロールには、強い殺菌効果が認められています。口臭のもととなる歯周病の原因菌や食中毒の原因になる大腸菌やサルモネラ菌、黄色ブドウ球菌などにも有効です。生ものを食べる時にショウガが付け合わせてあるのもこの効果を利用して、食中毒の予防をするためです。その他には胃や腸に潰瘍を作る原因になるピロリ菌や結核菌など細胞壁が丈夫な多くの細菌を死滅させることができます。
コレステロール値を下げる
増えすぎてしまうと体に害を及ぼすコレステロールがLDLコレステロール(悪玉コレステロール)です。悪玉コレステロールは、適正量であれば健康な体を保つために必要なものなのですが、増えすぎてしまうと、動脈硬化などの病気の原因になるのでコントロールが必要になります。イランのバボル医科大学の研究によって、ショウガの粉末を毎日3gずつ、1カ月半摂取すると悪玉コレステロールの値が減少するという研究結果が出ています。この実験に使われたのは粉末のショウガでしたが、生のショウガを摂取しても効果に期待ができます。
血流を良くする
全身の血管が収縮してしまって血液がうまく循環しない状態になってしまうつらい冷え性にも、ショウガは効果的に働きます。ショウガの辛み成分であるジンゲロールの血管拡張効果で、収縮してしまった全身の血管を拡張させることができるので、足先や指先といった末端の部分までしっかりと血流を確保することができ冷え性の改善になります。
抗酸化作用でアンチエイジング
ショウガはアンチエイジングにも効果的な食材です。ショウガに含まれるジンゲロールとショウガオールには強い抗酸化作用があるので、体内で活性酸素が増えすぎないようにしてくれます。活性酸素は、肌のうるおいやハリを失う原因や、シミやシワができやすくなるなど、深刻な肌トラブルのもとになります。呼吸をして体内に酸素を取り込むことで増えてしまう活性酸素を減らしてくれるショウガは、美容のためにもしっかり摂取して、おきたい食材です。
たんぱく質の糖化を防ぐ
血液の中に余分な糖分があると、体内のたんぱく質と結合してAGE(糖化最終生成物)という老化を促進する物質になります。たんぱく質の糖化によって、コラーゲン繊維が破壊されてしまい、肌のハリやツヤが損なわれるトラブルだけでなく、血管をもろくしてしまうことで動脈硬化や脳梗塞の危険が増すといわれています。ショウガには、たんぱく質の糖化を抑える働きがあるので、抗酸化作用と同様にアンチエイジングに期待が持てます。
免疫を高める
ショウガに含まれるジンゲロールには、免疫細胞を多くもつ白血球を増やし、免疫力を高めてくれる作用があります。風邪をひいたときなどにショウガ湯を飲むのは、体の中で低下した免疫力を高めるためにとても効果的です。
ジンゲロールは加熱してしまうとショウガオールに変化してしまうので、免疫を高める効果は少なくなってしまいます。免疫を高めることに重点を置いて摂取するときは、生ショウガのおろしたてを摂ることが一番効果的な方法です。
炎症を抑える
体の中に細菌が侵入すると、プロスタグランジンというホルモンが血中で作られて、炎症がおきます。ショウガに含まれるショウガオールとジンゲロールには、プロスタグランジンの合成を阻害する働きがあるので、食べるだけでなく、湿布やショウガ風呂などとしても使われます。
吐き気を止める
ショウガに含まれている精油成分のジンキベレンが、脳にある嘔吐中枢への刺激を和らげてくれる作用があります。吐き気の原因は嘔吐中枢が刺激されることによって起こるので、二日酔いやつわり、乗り物酔いなどの辛い吐き気を軽減することができます。
ショウガのダイエットに効果的な摂り方
加熱したものを摂取する
ショウガをダイエットのために摂取する場合は、加熱加工したものを食べると効果的です。ショウガを加熱すると、辛み成分がジンゲロールからショウガオールに変化します。血管の拡張作用や、血流改善などといった効果はショウガオールの方が多いので、基礎代謝をあげてくれます。体を温めて痩せやすい身体を作るためには加熱したショウガを摂取することを心がけましょう。
1日の摂取量の目安を守る
体によい成分がたくさん含まれているショウガですが、刺激の多い食材なので1日の摂取量の目安はきちんと守ることが大切です。体によいからといって、摂り過ぎてしまうとかえって胃腸に負担を掛ける原因になるので、生のショウガの場合約10g(スライス6枚程度)を目安にします。すりおろしたショウガは小さじ1杯、粉末のショウガの場合1g程度が適量といわれています。刺激を受ける度合いは個人差があるので、少量からはじめて、自分に合う量を探してみることもおすすめです。
運動前にショウガを摂るとより効果的
ダイエットには運動を効果的に取り入れることが大切です。軽いストレッチやウォーキングといった有酸素運動をダイエットメニューに取り入れている場合は、運動する20~30分前にショウガを摂取しておくと運動時に代謝があがっているので、効果的なダイエットを進めることができます。
万能なレンチンショウガの作り方
準備するもの
- 1.好みの形に加工したショウガ(スライス、すりおろし、みじん切りなど)※チューブ入りのショウガでも可
- 2.レンジ加熱可の耐熱容器
- 3.ショウガが浸る程度の水
レンチンショウガ作り方
好みの大きさにカットしたショウガを耐熱容器に入れ、ショウガ全体がしっかり浸る量の水をいれたらラップをします。ショウガ200gに対して、電子レンジでの加熱時間は500Wで4分程度で手軽に作ることができます。
ショウガを爆発させないための注意点
レンチンショウガを作る時に、ショウガがレンジの中で爆発するという事象が多く出ています。爆発させないために注意したいことは、「水を多めに入れる」チューブのショウガやおろしショウガは、水分が少ないとカラカラになったり飛び散る原因になります。
最悪の場合、炭化して発火するということも起こりうるので、「浸るより少し多めの水」にすると爆発を防ぐことができます。最近では強い出力の電子レンジが多いですが、レンチンショウガを作る時には500Wがおすすめです。強すぎる出力で一気に加熱すると過加熱状態になり爆発の原因になります。
レンチンショウガの保存方法と期間
完全に乾燥させることができた状態のレンチンショウガであれば、常温で3か月程度の保存が可能です。ビンなどの密閉容器に入れて保存しておきましょう。乾燥が不十分かも知れないと不安に思う場合は、冷蔵庫で保存することがおすすめです。
少しでも水分が残っているとカビの原因になるので、密閉容器ごと冷蔵庫に保存しておくと安心して使うことができます。一度にたくさん作った場合は、冷凍保存することも可能です。冷凍の場合、保存期間は半年程度になります。
ショウガを使ったダイエットレシピ
体が温まるショウガ紅茶
材料
・紅茶ティーパック:1包
・お湯:200cc
・レンチンショウガ:小さじ2分の1
作り方
1.200ccのお湯にティーパック1包で紅茶をいれます。
2.レンチンショウガを小さじ2分の1程度加えて完成。
作り方のポイント
お好みでシナモンやミルクを入れてもおいしくいただけます。
意外な組み合わせショウガココア
材料
・ココア:180cc
・レンチンショウガ:小さじ1
作り方
1.コップ1杯のココアを用意します。
2.ココアにレンチンショウガを小さじ1加えて完成です。
作り方のポイント
使用するココアはピュアココアを使うとより効果的です。
簡単に作れるショウガスープ
材料
・キノコ:50g程度
・くばらあごだしつゆ:大さじ1
・チューブショウガ:2cm
・カットワカメ:適宜
・熱湯:約200ml
作り方
1.お好みのキノコを食べやすい大きさにカットし、スープカップに入れます。
2.ラップをして、500~600Wで1分程度加熱します。
3.加熱したキノコにショウガ、つゆ、カットワカメを加えて、熱湯を注いだら出来上がりです。
作り方のポイント
キノコからもいい出汁がでるので、とてもおいしいスープが手軽にできます。トロロコンプやホウレン草などを加えて、色や味に変化をつけると飽きずに食べることができます。
いま話題のショウガ甘酒
材料
レンチンショウガ:適量
甘酒:180~200cc
作り方
1.甘酒をレンジで温め、レンチンショウガを加えて出来上がりです。
作り方のポイント
甘酒をレンジで温める時には、温め過ぎによる突沸での吹きこぼれに注意しましょう。
満腹感アリの生姜と人参のホットサラダ♪
材料
・ニンジン:中1本(約150g)
・ショウガ2片:(約50g)
・塩:小さじ1/4
(ドレッシング)
・ハチミツ:大さじ2
・レモン汁:大さじ1(2分の1個分)
・オリーブオイル:大さじ1
作り方
1.ニンジンとショウガを細い千切りにします。
2.千切りにしたニンジンとショウガにまんべんなく塩を振ってかき混ぜしんなりするまで5分程度置きます。(ニンジンの甘さが引き立ちおいしくなる大切な工程です。)
3.ドレッシングの材料を混ぜ合わせて、ニンジンとショウガに混ぜ、ラップをふんわりかけてレンジで1分加熱し、そのまま5分置いて完成です。
作り方のポイント
クルミやレーズンなどお好みの食材をプラスして、いろいろな食感を楽しむのもおすすめです。
何にでも相性抜群な生姜はちみつ
材料
・ショウガ:200g
・ハツミツ:200ml
作り方
1.ショウガをきれいに洗い、すり下ろします。
2.すりおろしたショウガを鍋に入れ、ハチミツを加えて弱火で20分程度煮込んだら完成です。
3.しっかり消毒をしたビンに、冷ましたショウガハチミツを入れて冷蔵庫で保存します。
作り方のポイント
使う用途に応じてハチミツの量を加減すると、料理の風味を損なうことなく使いやすくなります。
ショウガを過剰摂取した場合のリスク
お腹が緩くなる
ショウガには胃腸の働きを整えてくれる作用がありますが、もともと胃腸の弱い人はとくに摂取量に注意が必要です。ショウガを過剰に摂取してしまうと、刺激が強すぎてお腹が緩くなってしまうことがあるので、意識してショウガを摂りはじめる時は段階的に増やしていくと安心です。
肌が乾燥する
ショウガは全身の血流をよくするので、適量であれば美肌にも効果が期待できるのですが、大量に摂取してしまうと逆に肌を乾燥させるもとになるので注意が必要です。ジンゲロールの体を温める効果は、あたたまり過ぎると発汗して体の中の水分を外に出してしまいます。汗によって水分が多く出てしまうと、体の中が乾燥状態になって肌の乾燥にもつながるので、乾燥肌の人はとくに注意が必要です。
イライラが悪化する
ショウガは脳に直接作用してセロトニンの分泌を促進してくれる作用があるので、ストレスの軽減になる食材でもあります。しかし摂り過ぎてしまうと脳に与える刺激が強すぎて、イライラを悪化させてしまう事があるので、摂り過ぎには注意が必要です。
妊婦さんは注意が必要
ショウガは吐き気を抑えてくれる効果があるので、妊娠中に起こるつわりの症状に悩む妊婦さんにはおすすめの食材です。妊娠中はホルモンのバランスが崩れやすいので、体が冷えやすくなり、赤ちゃんの成長に影響が出てしまったり、冷えによって流産や早産、逆子などといったトラブルの原因にもなるので、ショウガを適度に摂って体をしっかり温めることも大切です。ただし、最近の研究ではショウガの過剰摂取が、赤ちゃんのホルモンに影響して流産の危険性があることも発表されているので、摂り過ぎには注意が必要です。
血が止まりにくくなる
ショウガの過剰な摂取によって、血が止まりにくくなることがあるので注意が必要です。ショウガに含まれるジンゲロールが血管を拡張して、血流がよくなりすぎるので、過剰に摂取し続けると血が止まりにくくなります。フーファリンやフェパリンなどといった、抗血液凝固薬や抗血栓薬などの、血液がサラサラになる薬を飲んでいる人はとくに注意が必要です。
ショウガを積極的に摂ってダイエットを成功させよう
ショウガの成分には、基礎代謝をあげる効果や、冷え性の改善、むくみの解消、便秘の解消などダイエットにうれしい効果がたくさんあります。ダイエットメニューに有酸素運動を取り入れている人は、運動する30分前にショウガを摂取しておくと、代謝があがって運動の効果を高めることもできます。
飲み物に混ぜたり、食事に入れたりとさまざまな形で摂取することができるので、摂り過ぎに注意しながら積極的に毎日摂取することで、きれいで健康的なダイエットを成功させましょう。