目次
赤ら顔になる原因
ニキビやニキビ跡でおこる炎症や色素沈着
深刻化した赤ニキビができると、ニキビ部分はもちろんニキビ周辺の皮膚まで炎症してしまいます。赤くなっているということは、血管を拡張させているということ。血流をよくすることで、荒れを鎮める働きかけが行われているのです。しかしこの状態がずっと続くと真皮にまでダメージを与え、色素沈着してしまう場合があります。
真皮ではターンオーバーは起きないので、肌は生まれ変わることができずにダメージを負ったままに。赤ニキビができたときに放置していたり、潰してしまうのは色素沈着を引き起こす1つの原因です。また、思春期ニキビが活発だった方は皮脂分泌の多いTゾーンが赤くなりやすいです。
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アトピーによってできた跡
多くの人が悩まされているアトピー。治療薬として用いられているのがいわゆる「ステロイド」です。こちらには副腎皮質ホルモンが含まれているのですが、高い治療効果を発揮する反面、長期使用になると副作用が見られることも。
例えば、アトピーの治療としてステロイドを日常的に顔に塗っていた場合、顔に赤みが残る可能性があります。ステロイドが皮膚細胞の分裂を抑制させることで皮膚が薄くなったり、毛細血管を拡張させてしまうからです。
皮膚が薄く毛細血管が透けている
皮膚が薄くなる原因の1つに加齢があります。年を重ねると真皮層を支えるコラーゲンやエラスチチンの量が減少していきます。コラーゲンやエラスチンは肌の弾力のもとになっているのですが、同時に肌を構成する細胞を作り出しています。細胞を作り出す力が弱くなることで、表皮が薄くなっていきます。
また、加齢とともに女性ホルモンの分泌はどんどん減少。女性ホルモンは肌の潤いにも関係しているので、肌の内側のハリがなくなりやせ細っていきます。
肌疾患による過剰な皮脂の分泌
赤ら顔の原因の1つに脂漏性皮膚炎という肌疾患があります。脂漏性皮膚炎は皮脂が常に過剰摂取され、空気に触れて酸化しやすい状態に。酸化した皮脂と皮膚の常在菌が混ざると、炎症が発生します。鼻や小鼻まわり、Tゾーン、顎など皮脂の多い部分が赤くなりやすいのが特徴です。
ビタミンB2を多く含む緑黄色野菜やビタミンCを多く含む野菜や果物を摂取するなどして、体の内側から肌をケアし皮脂を減らすアプローチを行う必要があります。
血行不良による慢性的なうっ血
血行が良いから赤ら顔、なのではなく血行不良による慢性的なうっ血が赤ら顔となっている可能性もがあります。新陳代謝の働きが衰えることで、血行不良をおこした体は全身に血がうまく巡りません。多くの血が顔にとどまることで、顔の色が赤くなってしまうのです。
血行不良が原因で赤みを起こしている場合は、特に鼻や頰のあたりの血管が集中した部分に赤みが強くでやすく、また、高血圧の方も赤ら顔になりやすいのが特徴です。冬に鼻が赤くなるのも血行不良になりやすいからです。
バリア機能を低下させる乾燥
肌にはバリア機能という肌の盾のような機能が存在しています。乾燥やまちがったスキンケアによってバリア機能が低下させられた肌は、外部からの刺激に対して無防備な状態に。
ちょっとした化粧品の刺激や摩擦、花粉や大気中のホコリなどの外部刺激に敏感になった肌は、肌荒れしやすく赤みを帯びるように。急に今まで使っていた化粧品が合わなくなってしまうこともあります。
赤ら顔を治す方法
皮膚科や美容皮膚科へ行く
皮膚科や美容皮膚科では、赤ら顔治療のためのレーザー治療を行えます。赤ら顔のレーザー治療は、赤い色素のみに反応するレーザーを使う事で赤い色素や毛細血管を破壊させます。確実に赤ら顔にアプローチする方法できる方法ではありますが、デメリットも存在します。1つは高額であること。
1回で治療が終了することはないので、5〜10回となんどもレーザーを当てなければいけません。完治するまで治療するとなると総額で何十万かかる場合もあるので、お金に余裕がないと続けにくい治療です。
また、人によってかえって赤みが増したということや赤みがまだらになってしまった例があるようです。治療を始めるにあたっては、きちんとリスクを理解した上で行うことが必要でしょう。
化粧品やスキンケアを見直す
刺激の強いスキンケアはかえって赤ら顔を悪化させてしまうことも。赤ら顔の方は”攻め”のケアよりも、肌にやさしいスキンケアを行ってできる限り刺激を与えないようにし悪化させないことが大切です。
エタノール入りの化粧水は合わなくて肌が赤くなってしまう方もいるので、アルコールフリーの化粧水をチョイス。また、美白成分は刺激の強いものが多いです。シンプルに保湿のみに重点を置いたスキンケアを行うほうが肌にやさしいのでおすすめです。
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女性ホルモンの減少を抑える生活習慣
皮脂が過多で肌の赤みを引き起こしている場合は、女性ホルモンの分泌を促進させることで肌のうるおいを高めるケアを行いましょう。
肌の回復に役立つ成長ホルモンは入眠後3〜4時間のときに最も多く分泌されます。大豆イソフラボンやたんぱく質、ビタミンE、ストレス発散、適度な運動、冷え対策など健康に良い生活を心がけましょう。
その他の赤ら顔を治す方法
漢方を服用することで、赤ら顔が改善されることも。桂枝茯苓丸は血行促進やのぼせの緩和作用があり、加味逍遙散には気の滞りや情緒不安定を整えるといわれています。漢方には個々の状態に合わせて処方しますので、一度漢方の専門医に相談してみるのもおすすめ。
そして、タバコやアルコール、カフェインや香辛料の摂取は血液の流れを停滞させるなどの悪影響を与えます。健康な肌を目指すためには、過剰な摂取を避けるようにしましょう。
赤ら顔の改善に効果が高い主なビタミンや美容成分
血流を良くするビタミンk
ビタミンKの主な働きは「血管の健康を保つこと」です。出血が起きた場合は血液を凝固させ止血を促し、出血していない部分は血液の凝固を防ぎ正常な血流を促進します。血行不良が原因で起きている赤ら顔の方にはおすすめのビタミンで肌の赤みに働きかけてくれます。
ビタミンKは脂溶性なので、ビタミンCのような水溶性ビタミンと違って摂取するとどんどん体内に蓄積されていきます。過剰摂取による副作用も心配なので、肌に塗布する方法がおすすめ。ターンオーバーの正常化にも効果があるので、すこやかな肌を導いてくれます。
皮脂分泌をコントロールするビタミンC誘導体
オイリー肌によって出来るニキビでの赤ら顔や脂漏性皮膚炎の赤ら顔の方に特にオススメです。美白効果が高いのでメラニンの生成を抑えたりできてしまったメラニンも還元することができます。
抗炎症作用もあるのでできてしまったニキビにも効果的。コラーゲンの生成を活性化させる作用もあるので、毛穴の開きやニキビによる凸凹もふっくらと目立たない肌に導くことができきます。
様々な刺激から肌を守ってくれるセラミド
セラミドはニキビやアトピーでの赤ら顔の方におすすめです。こちらは細胞間脂質と呼ばれる、細胞と細胞の隙間を埋める成分です。セラミドが不足した肌は、細胞間のつながりが弱くいくら保湿しても乾燥していきます。つまり、「水分をため込む力の弱い肌」になってしまうということですね。
セラミドを補充することで、保温力に優れたバリア機能の高い肌に。非常に安全性の高い成分で、特にヒト型セラミドに分類されるものが一番効果が高いです。
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赤ら顔を隠す化粧下地
イエロー系かグリーン系の下地を選ぶ
顔の赤みを打ち消してくれるのはグリーン、自然な肌色に近づけてくれるのはイエローのコントロールカラーです。白っぽいコントロールカラーは赤みをカバーしきれず、ピンク系の色が混じったコントロールカラーはさらに赤みを増長させてしまうので避けましょう。
イエロー系かグリーン系の選び方
基本的にはブルーベースの肌にはグリーンのコントロールカラーが馴染みやすく、イエローベースの肌にはイエローのコントロールカラーが自然と肌の赤みを隠してくれます。
しかし、イエローベースとブルーベースの中間くらいの肌色の方や、コントロールカラーが浮いているように感じる場合はイエローとグリーンを混ぜてみてください。または、色の付いていない下地を混ぜるなどして、色の濃さを調節すると良いでしょう。
赤ら顔を隠すファンデーション
ベージュ系かイエロー系のファンデーションを選ぶ
ファンデーションの色味はベージュ系やイエロー系を選ぶと、赤みをうまくカバーしてくれます。そして、色白の方は明るめのトーンを、色黒の方はトーンが暗めのものをチョイスすると赤みを隠す効果があります。
ピンク系の色味は、赤みをかえって増してしまうことがあるので向いていません。もちろん、人の顔のベースの色は一概には判断できかねる部分があるので、一度タッチアップしてみて「美肌にみえるかどうか」をチェックしてから購入してくださいね。
ファンデーションをつける時の注意点
ファンデーションだけで顔色を調整しようとすると、かえって厚塗りになり不自然になってしまいます。ベージュ系やイエロー系の色味が肌に合わない場合は化粧下地の色を重視して、ファンーデーションの色味は首の色に合わせましょう。
大切なポイントはファンデーションだけでカバーしようと思わないこと。下地の段階である程度赤みを調節しておくことで、無理に厚塗りしたりイエローのファンデーションを使わなくても自然と赤みをカバーすることができます。
赤ら顔でもチークは入れる
赤ら顔がチークをいれる利点
赤ら顔にチークをいれると、かえって赤みが目立つと考えている人も多いのでは?実は赤ら顔の人もチークはいれるべきです。
チークをいれる利点はおもに2つ。1つめは色味が均一に整った血色の良い肌にできる点です。赤ら顔の赤みは斑らであることが多いので、チークを入れることによって均等な血色を演出することができます。2つめはチークをいれることで自然な仕上がりになり顔をイキイキとさせたり、チークに視線を集めることで全体のバランスがよくなることです。
オレンジ系のチークを選ぶ
顔の赤みが気になる方はオレンジ系のチークを選ぶことをおすすめします。ピンク系のチークは赤みを増長させてしまう可能性があります。人間の顔の赤みは赤系・ピンク系なので、上からチークを重ねると一体化してしまうのです。
もちろん、一口にピンクといってもさまざまな色味があるので試してみることが大事。購入する前にしっかりタッチアップして、肌を綺麗に見せてくれるチークを選びましょう。
チークを入れる時の注意点
チークはあくまでもほんのり色を足す程度を心がけましょう。できるだけ自然光のもとでメイクして、「色がのったかな?」と感じるくらいで十分です。チークはあくまでも血色をよくするためのサブ的な役割。アイメイクをメインにもっていくことで、視線も目元に行きやすく頬や鼻周りの赤みをカバーしてくれます。
ナチュラルなチークを入れるコツは大きめで粉含みの良い質の高いブラシを使用することと、鏡を遠くにおいてメイクすることです。メイクツールに投資をして決して損はないので、これを機にぜひゲットしてみてください。
赤ら顔を隠すコントロールカラー
コントロールカラーの選び方
顔全体がほんのり赤みを帯びている場合は、イエローやベージュ系のコントロールカラーをつかって顔全体にうっすらと伸ばし、顔色補正を行いましょう。
グリーンのコントロールカラーは頑固な赤みがに非常に高い効果を発揮します。その分顔全体に塗ってしまうと非常に白浮きしてしまいます。グリーンのコントロールカラーを使用するときは赤みが気になる部分にのみ薄く広げる塗り方がおすすめです。
コントロールカラーの使い方
1.ファンデーションの前に指でなじませる
コントロールカラーを塗るタイミングは日焼け止めのあと、もしくは下地のあとです。手のひらにコントロールカラーを適量出し、指に薄くとります。一番最初は思った以上にかなり薄めに塗ったほうが、あとあとの調整もしやすいですし、ヨレにくくなります。
2.両頬・おでこ・鼻・あごにのせる
指にとったコントロールカラーを顔に部分置きしていきます。顔全体が赤みを帯びている場合は、ベージュやイエローのコントロールカラーを用いて両ほほ、おでこ、鼻、あごに置いていきましょう。
グリーンのコントロールカラーを使う場合や、小鼻のキワなど一部の赤みしか気にならない場合は「コンシーラーブラシ」を使ってのせるとピンポイントで綺麗にのせることができます。
3.指を使って外側に向かってのばす
点起きしたら、指を使って優しく外側に伸ばしていきましょう。顔の外側に伸ばすことによって、自然と顔の中心部分から側面に向かって薄くなっていきます。
明るい部分と暗い部分がグラーデーションになることで自然な立体感が生まれ、より美しいメイクアップに。このとき、こするように伸ばすことはせず、あくまでも優しく伸ばしてください。
4.最後にスポンジでなじませる
指である程度のばすことができたら、何もついていない綺麗なスポンジでコントロールカラーを肌になじませていきます。トントンと小刻みに叩き込んでいきましょう。このステップをいれることによって、より自然にコントロールカラーを馴染ませられるだけでなく、肌に密着してくれることでメイクもちがぐっとよくなります。
赤ら顔を隠すコンシーラー
コンシーラーを使う時のポイント
コンシーラーは、コントロールカラーのあとに使うのがポイントです。カバー力は高いですが、コンシーラーは油分が多く伸びもあまりよくありません。最初に使ってしまうと、厚塗りになってしまったり化粧崩れが起きやすくなります。コントロールカラーで隠しきれなかった部分を隠すための最終兵器としてコンシーラーを使いましょう。
塗り方ですが、指で薄く叩き込むように塗っても良いですがコンシーラーブラシのような細くて平らなブラシを使うと非常に薄く均一にカバーすることができます。コントロールカラーと同様、仕上げに綺麗なスポンジで叩き込んで肌と一体化させてくださいね。
黄緑からイエロー系のものを選ぶ
コンシーラーは肌にいかになじませるかがポイント。したがって、できるだけ肌の色に近いイエロー系のものをチョイスしてください。ネットで購入するよりも、しっかりと店頭でタッチアップしましょう。
コンシーラーにもさまざまなテクスチャーのものが発売されています。カバーしたい範囲が部分的である場合は、固めの質感のものを。綿棒やコンシーラーブラシでポンと置くのがおすすめです。
カバーしたい範囲が広い場合は、リキッドやクリームタイプの伸びの良いコンシーラーを使うのがおすすめです。緩いコンシーラーは指で叩き込むように伸ばすと自然にフィットしてくれます。
赤ら顔に合うポイントメイク
赤ら顔を目立たせない口紅を選ぶときのポイント
顔がまだらに赤くなっている方は、口紅に赤を持ってきてしまうと更に赤みが目立つ印象に。全体の仕上がりとしてもなんとなく肌が汚い印象になってしまいます。口紅は元の唇の色をイキイキと見せてくれる自然な色味を選びましょう。ピンクベージュやコーラルベージュ、オレンジベージュがおすすめです。
淡い色の口紅を使うときはしっかりとリップライナーで唇を縁取ること。リップライナーを使うときちんと感が出る上に、色の効果もあって一気に表情が大人っぽくなります。
顔を明るく見せるアイシャドウの選び方
特にイエローベースで赤ら顔気味の人は顔が赤茶っぽくなる「くすみ」が気になりがち。どんよりと土っぽい顔色になってしまいやすいので、目元はパッとくすみをとってくれるベースカラーを塗りましょう。後から乗せる色に関わらずパールホワイトやパールピンクのアイシャドウベースを眉下ぎりぎりまで塗ることで、一気に顔色が明るくなります。
アイシャドウベースは顔のくすみを取り払うだけでなく、色モチをよくしたり発色をよくする効果があるので大変便利なアイテム。ぜひ毎日のメイクに取り入れてみてくださいね。
メイクするときの注意点
肌をつよくこすらない
メイクするときに肌をつよくこすらないように意識しましょう。特に、下地やリキッドファンデーションのような液体状のものを塗るときはこすってしまいがち。こするようにして肌に広げると肌に非常に摩擦がかかってしまいますので、肌をいたわる塗り方をする必要があります。
液体状のものを肌にのせるときは、指やスポンジで上から軽く押さえるように塗り顔全体を手のひらで包んでなじませることを意識しましょう。
皮膚科の医師からメイク禁止の指示があった時はメイクしない
肌の調子が悪く、真っ赤になってしまったとき。ついついメイクをしたくなる気持ちも理解できますが、皮膚科のお医者さんからメイク禁止だと言われた場合はメイクはやはりしない方が良いです。メイク用品にはさまざまな刺激成分が含まれているので、ただでさえ敏感になっている肌が刺激によって悪化してしまう可能性もあるのです。
メイクはできないのに外出しなければならない場合はマスクで隠して顔のことをあまり気にしないように過ごしましょう。敏感肌用のオーガニック生地で大きめのマスクならば、肌がこすれにくいので安心です。
赤ら顔に効果的な化粧品
ヒフミド エッセンスローション
小林製薬から発売されたローション。手軽に手に入る化粧水にはなかなか含まれていない高価な成分である「ヒト型セラミド」が配合されています。セラミドはもともとの皮膚に存在するうるおいを保つためには必須の成分です。
無着色・無香料、パラベン・エタノール不使用、低刺激性、アレルギーテスト済みで敏感肌の方は安心して使用することができます。
SKIN&LAB(スキンアンドラブ) ビタK レッドX トナー
韓国の皮膚科医が開発したローション。赤ら顔の原因の1つである血行不良ですが、血行不良に改善作用が認められているビタミンKやナギイカダ根エキス、ブロッコリー抽出物等が肌の血行を促し、細かい血栓を取り除くことによって解消へとアプローチしてくれます。
根本的な解決にはならないが正しいメイク方法で綺麗に隠せる
赤ら顔は長期的なダメージや体質によって発生するものなので、簡単に消えたり治ったりすることはなかなかりません。しかし、日常生活で気にならない程度にはコントロールカラーやファンデーションを使ってうまくメイクで隠すことができます。
長いスパンをかけて正しいケアをこつこつと継続することで肌はきっと変わっていきます。メイクのコツとテクニックで赤ら顔とうまく付き合いながら、インナーからもアウターからもケアすることで赤ら顔にアプローチしていきましょう。