婚約破棄をするとき、されるとき。もしものときに知っておきたいこと

2017.09.05

婚約破棄をするとき、されるとき。もしものときに知っておきたいこと

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NADECICA編集部
NADECICA編集部

結婚をするということは、誰もが幸福を思い描くものです。しかし現実には、婚約の段階で相手に不信感を抱くことも…。「婚約をしたら入籍をするしかない」といったことはありません。勇気をもって婚約破棄をすることで、しあわせを掴めるかもしれません。

INDEX

目次

    婚約破棄をする場合の正当事由

    婚約者の浮気や不貞行為

    「独身のうちに異性と遊んでおきたい」などという理由で、婚約をしたにもかかわらず浮気や不貞行為をする、という方も少なからずいるのが現実。

    不貞行為というのは、法律によって「配偶者ある者が配偶者以外の異性と自由な意思に基づいて性的関係を持つこと」と定められています。配偶者は夫や妻のことを指しますが、きちんと婚約をしていれば、入籍前でもこの法律は適用されるのです。

    また「風俗店なら不貞行為に当たらないのでは?」と考える方もいるようですが、大きな間違い。相手の方は仕事なので罪に問われることはありませんが、そのお店に行ったのは本人の意思。自ら「性的サービスを受けに行った」ことは、立派な不貞行為なのです。

    婚約者からの暴力や侮辱

    いわゆるドメスティックバイオレンス(DV)やモラルハラスメント(モラハラ)と呼ばれるこれらの行為。婚約中でも、これらの行為を理由に婚約破棄をすることが可能です。体に危害を加えたり、婚約者のことを精神的に支配し、追い詰めていく卑劣な行為。

    「自分のことが好きだからこそ、厳しく接してくれるんだ」「結婚したら直してくれるかも…。」「自分が悪いんだから、耐えなくちゃ」と考えてしまう方もいるようですが、これは大きな間違い。入籍をしてしまうと、さらに逃げられない状態に陥ってしまうのです。

    暴力や侮辱は、立派な婚約破棄の理由になります。相手の行動や言動に疑問を持ったら、一度冷静に相手のことを見つめなおしてみましょう。また家族や友人など、あなたを大切に想ってくれている人にも、正直に話すといった方法も。暴力や侮辱からあなたを守るため、きっと力になってくれるでしょう。

    婚約者の借金

    借金の中には奨学金などのやむを得ないものや、婚約者側も納得できる理由のものも。しかし「相手に内緒にしていた」「ギャンブルなどが原因」といったものは、婚約破棄の理由として挙げられます。

    結婚をするということは、家計を共にするということ。その相手が自己管理ができなかったり、ギャンブルで借金を作るようでは、これから先の人生に不安が残ります。

    また婚約者から正直に話してきたのではなく、ひょんなことから借金が発覚した…という場合は、「肝心なことを隠す人」という評価となり、信頼関係を築けなくなる原因にも。

    お金のことは聞きにくいこと。しかし、結婚とは切っても切れない大切な事柄なのです。相手のライフスタイルなどを普段から気にかけておきましょう。また婚約前に「借金の有無」は、はっきりと確認しておくことも大切です。

    婚約者からの日程の強要

    入籍日や挙式日など、ふたりの門出となる大切な日にち。よく話し合って、お互いに納得できる日を決めることが大切ですが、中にはこれらの日付を押し付けられてしまう場合も。これには相手の親の意見が大きく関わっているケースも多いようです。

    「結婚」という一大イベントなのに、出だしからつまづいてしまっては、今後の夫婦生活にも大きな不安が残ります。また相手が両親の言いなり、といった姿も、親戚づきあいが上手くやっていけるのかどうか、大きな疑問になることも。

    あまりにも一方的な押し付けは、入籍日や挙式日だけでなく、これから先の人生の節目ごとに、どちらかがずっと我慢をし続けることにもつながります。話し合いに聞く耳を持たなかったり、反対意見を言うと怒鳴ったりと高圧的な人は、これから先も思い通りにならなければ、そういう態度を取るものだと考え、十分に警戒しましょう。

    婚約者に介護が必要になった

    急な病気や事故で、婚約者の介護が必要になってしまうことも。婚約中で気持ちが高まり「自分が介護を頑張る」と張り切ってしまう方もいるのではないでしょうか。

    しかし、病気や事故のせいで子どもが望めなくなったりすることも。「子どもを授かれなくなっても、後悔しないのか」。また介護には金銭的に大きな負担がかかります。「働きながら介護費用を捻出できるのか」を冷静に考えましょう。

    理由が理由だけに、なかなか感情を抜きにして考えるのは難しいことかもしれません。しかし新婚当初から介護をするというのは、非常に大変なことなのです。感情だけに流されず、入籍前に相手としっかり話し合うことが大切。どうしても意見が合わなければ、婚約を破棄するということも視野に入れましょう。

    婚約者の失業や経済事情の変化

    たとえば「婚約者が会社を勝手に退職してきた…。」こんなときも、婚約破棄の対象に。

    人生を共にする相手に相談もなく、収入減を失うということは不信を招きます。また子どもができたり、マイホームを買ったり、大きなお金が必要になったときにも、あっさり仕事を辞めてしまう危険性がゼロではないということです。

    人生を共にするということは、家計も共にするということ。「将来における結婚生活に疑念を生じさせる」状態での入籍は避けたほうがよいでしょう。入籍後、経済的にべったりと寄りかかられてしまう可能性が高いと考えられます。

    重大な隠し事をしていた

    たとえば「逮捕歴がある」「離婚歴がある」「よそに子どもがいる」などの理由が考えられます。これらのことは、婚約どころか交際を始める前にきちんと説明しておくべき事柄ではないでしょうか。

    これを隠して婚約するとは、とても誠実な対応だとは思えない内容です。「結婚生活に大きな影響を与えるような隠し事」と考えられ、婚約の破棄は可能です。

    逮捕歴があるということは、再犯の可能性も捨てきれません。また子どもがいるということは、養育費を支払っている可能性や、今後扶養の義務が発生する場合も考えられます。

    逮捕歴があっても、きちんと更生している方もいます。また離婚歴があることも、現代では珍しくはありません。大切なのは、それを正直に話してくれていたか、という点です。

    お互いが納得している

    結婚を決意したふたりでも、その後のすれ違いなどで結婚に対して不安が出てきてしまうことも。そんなときは自分の気持ちを騙して結婚するのではなく、しっかりと話し合いましょう。あとになって「こんなはずじゃなかった」といっても、入籍のやり直しはできないのです。

    また結婚前には誰もが多少は不安になるもの。マリッジブルーという言葉を聞いたことがある方も多いはず。自分のモヤモヤする気持ちや不安に思っていることを、正直にぶつけてみましょう。それで相手を信頼できると感じられれば、安心して入籍すればよいのです。

    しかし話し合いがまとまらなかったり、どうしても結婚に踏み切れないと感じてしまうことも。そんなとき、お互いが納得できる理由があれば、婚約破棄が成立します。入籍前に、疑問や不安がクリアにならなければ、冷静になって結婚の必要性を考えることが大切です。

     

    婚約破棄の原因として認められにくい理由

    性格の不一致

    婚約とは、入籍こそまだしていませんが「結婚の約束を交わした」状態。「なんとなく性格が合わない気がする…」などといった、根拠のない理由では、婚約破棄の理由として認められることは難しいでしょう。婚約をするときは、しっかりと「この人と一生添い遂げる覚悟があるか」を、自分の胸に聞いてみることが大切です。

    また相手から性格の不一致を理由に婚約の破棄を申し入れられた場合は、しっかりと本当の理由を問いただしましょう。

    たとえば「他に好きな人ができた」など、なにか後ろめたい事情ができてしまい、それを正直に言えないために「性格の不一致」ということにして、婚約破棄をしようと考える方もいるようです。相手に落ち度があると認められれば、慰謝料の請求も可能になります。

    親族からの反対

    少子化が進み、子どもへの干渉が高くなったともいえる現代の結婚。本人同士は結婚の意思があるのに、親や親類から反対にあうケースも少なくはありません。

    親族がなぜ結婚に反対なのか、たとえば相手に重大な隠し事が発覚したなど、結婚生活に支障が出そうな事柄であれば、正当な婚約破棄の理由として認められます。そうでない場合、たとえば「態度や容姿が気にくわない」などは理由として認められる可能性は低いといえるでしょう。

    また親が口出しをして子どもが婚約破棄を選んだ際、破棄された側から名誉棄損や精神的苦痛を理由に訴えられたケースも。自身の親がヒートアップしているときは、恋人に攻撃的にならないように働きかけを。もちろん両親も大切ですが、あなたを結婚相手として選んでくれた相手の気持ちも考えましょう。

    信仰している宗教

    「宗教の自由」または「信教の自由」は、日本国憲法でも定められている、日本人としての権利のひとつ。したがって「○○教の信者だから婚約を破棄したい」ということは、理由として認められない可能性が高いのです。

    どの宗教を信仰するかは個人の自由。そのため、信仰を辞めさせる自体、本来であれば強要してはならないということなのです。しかし宗教はふたりだけの問題ではなく、お互いの家族や子どもにも関係のある、とても大切なこと。婚約の前に正直に話し合うことが重要といえるでしょう。

    また自分自身が納得しても、自身の家族が了承しないことも。宗教のことは自身の親にも相談しておくと、あとで両親と婚約者側がモメることを防げます。

    家柄の差別

    「婚約者の両親が離婚をしているから」や「特定の地域の出身者だから」といった、家柄や家庭環境、出身地などは、婚約破棄の理由にはなりません。たとえば特定の地域の出身を理由に婚約を破棄したいとなると、相手側から名誉棄損などで訴えられることも。

    しかし家柄の違いは、育ち方の違いにつながるのも事実。育った家庭環境というのは、金銭感覚や交友関係、ライフスタイルのさまざまな面ですれ違いを生む可能性も。交際をするうえで、価値観の違いに戸惑うこともあるかもしれません。そういったことに目をつぶって婚約をしても、結婚後に本格的にすれ違ってしまう原因に。

    また相手の家族とも付き合うことになります。相手の家族とも仲良く付き合っていけるのか?婚約の前に相手の実家に遊びに行ったり、家族の話を聞くことで、それとなく生い立ちを探っておくのも方法のひとつ。失敗を防ぐ方法として、取り入れることもよいでしょう。

    金銭感覚の違い

    育ってきた家庭環境の違いだけではなく、お互いの金銭感覚も、婚約前にすり合わせておくことが大切。たとえば「趣味にばかりお金を使うから」といった理由は、重大な事柄とはいえず、婚約破棄を認めらない可能性が。

    これも交際をするうえで、ある程度分かること。日頃から、相手の持ち物やライフスタイルに気を配っておきましょう。

    ブランド物をひんぱんに購入していたり、趣味にたくさんお金をかけていたり、貯金をせず、全部使い切っているなど…。金銭感覚が心配だったり、納得がいかないのであれば、相手にそれを伝えましょう。もしも目をつぶって入籍するのであれば、金銭感覚はなかなか改善されないものと覚悟しておくことが大切です。

    他に好きな人ができた

    「好きな人ができた」などというのは、婚約破棄の理由としてもってのほか。むしろ状況によっては、婚約相手から訴えられる可能性があります。

    正式に婚約をすると、「配偶者ある者が配偶者以外の異性と自由な意思に基づいて性的関係を持つこと」という法律が効力を発揮します。入籍前であっても法律上、すでに婚約者は配偶者とみなされるのです。一度は添い遂げると決めた相手。不誠実な対応は、あってはならないことだと覚えておきましょう。

    仕事を頑張りたい

    失業したり、相談もなく給料の安い会社に転職した、などは婚約破棄の正当な理由として認められる可能性がありますが、「仕事を頑張りたい」というのは相手に落ち度はなく、婚約破棄の理由として弱いと考えられます。

    結婚が仕事の邪魔になる、と考えるのではなく「この人がいたら仕事を頑張れる」と意識を変えてみてはいかがでしょうか?

    またどうしても仕事を優先したいならば、それを相手に正直に伝えましょう。たとえば大きな仕事を抱えているなら「この仕事が片付くまで待つ」など、相手からよいアイデアを得られることも。仕事の悩みはひとりで抱え込まず、誰かに相談してみてもよいでしょう。

     

    婚約破棄をする時の注意点

    なるべく結納前の早い時期に行う

    結納は両家が集まり、婚礼の品である贈りあい、文字通り家と家を「結ぶ」儀式。一般的には結婚式の3~6カ月前におこなわれます。最近では結納という形式ではなく、食事会を開くことも多いようですが、ともに互いの家族が顔をあわせることで「間違いなく結婚の約束をした」という認識が、一層強まるものです。

    結婚を迷っているとしたら、この結納や顔合わせの前に、必ず相手に自分の気持ちを伝えましょう。親同士が知り合いになってしまってからでは、話が複雑化してしまう可能性があるためです。

    また結納後に婚約破棄となると、喜んでくれた両親や、結婚するものだと信じて家族を紹介してくれた相手のことも大きく傷つけることに。家族を巻き込む前に、まずは当事者であるふたりで、解決を図りましょう。

    当事者間で話し合いの場を持つ

    直接話したくないからといってLINEや電話で話を終わらせようとしたり、友達に代わりに伝えてもらうといった、不誠実な対応はNG。相手の不信感を招くことにつながり、婚約破棄の話し合いが難航する原因にもつながります。また一度は結婚を考えた相手に対して、誠意をしっかりと見せることが大切です。

    話し合いの席では、「なぜ婚約を破棄したいのか」明確に意見を伝えることを意識して。感情的になりやすい人は、書面でまとめておくのもよいでしょう。また相手からの暴力や侮辱が心配なときは他人の目が及ぶカフェなどで会うのがおすすめです。

    なるべく第3者を同伴させる

    「言った」「言わない」といった話のすれ違いを避けるためにも、冷静に話を聞いてくれる第3者の同席を。このとき、親類などは避けるのがベター。たとえば、どちらかの親だけを連れていくとなると、自分の子どもの肩を持つ可能性が非常に高いため、冷静な話し合いができなくなります。

    たとえば共通の友達など「事情は知っているけど、どちらか一方だけの味方はしない」人を選ぶようにしましょう。また共通の友人がいないときや、知人を巻き込みたくないときは、専門家である弁護士に立ち合いを求めるのも、ひとつの方法です。

    友人や家族に意見を聞く

    自分ひとりでは、冷静に意見をまとめられないことも。さまざまな悩みがあって、頭が混乱してしまうのも無理はありません。そんなときは友人や家族など、信頼のおける人に意見を求めてみるのもよいでしょう。

    とくに相手を知っている人ならば、あなたの知らない、彼の一面を見ている場合も。「第3者の目に、相手はどう映っていたか」聞いてみることも方法のひとつ。

    友人や家族なら、あなたのしあわせを第一に考えてくれるはず。その人たちの意見を冷静に聞いて、本当に婚約をしていいのか?それとも婚約破棄をしたほうがいいのか?見つめなおすためのきっかけとなるでしょう。

    話がまとまらない時は弁護士に相談する

    なかなか相手が婚約破棄に納得してくれない場合、だんだん「もう話し合いも疲れたし、結婚しちゃおうかな…」と諦めてしまうことも。しかし、婚約破棄をしようと思ったのなら、かなりの理由があるはず。一時の感情に流されては、しあわせな結婚生活を送れない可能性が高いのです。

    こんなときは思い切って、法律のプロである「弁護士」に依頼を。相手との交渉や、場合によっては慰謝料の相談などをふたりの間に立っておこなってくれる、頼もしい存在です。

    弁護士を雇うお金がない、という方も諦めてはいけません。無料で相談に乗ってくれる窓口が全国に多数あります。またメールや電話でも話を聞いてくれる弁護士事務所もあるのです。

    慰謝料に問題だある場合は裁判を起こす

    相手に落ち度があり婚約破棄をする場合、慰謝料を請求することも可能です。まずは相場を調べ、相手に金額を提示しましょう。相手との間で話がまとまれば、それで慰謝料の額は成立。念のため、話し合いで決まったことは書面で残しておくとよいでしょう。

    相手が非を認めなかったり、慰謝料の支払いを拒否する場合も。こうなったときも諦めずに、弁護士に相談を。「慰謝料を取ることは可能なのか?」また「支払いの相場」なども、あらためて聞くことができます。

    しかし法律のプロである弁護士でも、話がまとめられないことがあります。最終的には裁判を起こし、裁判所に正式にどちらに非があるのか判断してもらいましょう。

    裁判費用は弁護士によって異なります。まず必要になるのは着手金。これは弁護士によってさまざまです。腕のよい弁護士であればあるほど、高額になる可能性があると考えましょう。また裁判で勝った場合は、成功報酬として、相手から得た金額の一部を支払うことがほとんどです。正式に依頼をする前に、弁護士に確認をしておきましょう。

     

    婚約破棄ので慰謝料が発生するポイント

    正当な理由がない場合

    到底納得できないような理由で、相手に非があると感じたら慰謝料を請求しましょう。正当な理由ではないというのは「性格の不一致」や「他に好きな人ができた」など、先ほど紹介したものが挙げられます。

    相手がはっきりと理由を言わない場合は、納得がいくまで話し合いを。「何も理由がないのに婚約破棄」ということはありえないと考えましょう。こういった場合、相手が重大な隠し事をしている可能性もあります。婚約をした以上、最後まで誠意をもって対応してもらう権利があるのです。

    精神的な苦痛を負った

    婚約をした時点で、家族や友人、職場などに報告をする方も多いのでは。また結婚に向けて退職の準備を進めたり、引っ越しをしたりと、実際になんらかの行動を起こしている場合も。婚約破棄は、こういった周りへの報告や新生活に向けての準備も、すべて撤回しなくてはならないのです。

    とくに家族や友人に婚約破棄の連絡をするのは、かなりの苦痛をともなうものです。こういった心の傷に対する慰謝料は「精神的な苦痛」として請求が可能です。

    また長期間交際したのに破局に至ったのも、精神的な苦痛として挙げられます。自分の場合は慰謝料が請求できるのか?気になったら弁護士に相談をするのもよいでしょう。

    結婚準備の支出があった

    引っ越しをしたり、新生活に向けて家具を揃えたり、式場の予約金など、なにかとお金がかかる結婚準備。婚約破棄をすると、こういった支出もすべて無駄なものになってしまうのです。

    こういった支出も、婚約破棄を申し出た側に請求することが可能です。泣き寝入りせずに、「○○を買うのに○○円かかった」と申し出を。このとき購入時のレシートなどを提示するとよいでしょう。

    ふたりの共同の貯金や、お金を出し合って買ったものなどがあれば、それについても話し合いを。お金のことは後々までもめる原因に。双方が納得のいくように決着をつけましょう。

    仕事を退社した

    相手の希望であったり、新居の立地などの関係で、結婚を機に会社を退職する方も多いのでは。また婚約破棄の影響で再就職をするにしても、それまでの生活費などはかかります。こういった収入減や金銭的な負担も、相手に慰謝料として請求できる場合が。

    一概に何円、というのは難しいものですが、勤続年数や転職後の給料との差などが考慮されるようです。これは素人では判断が難しいため、弁護士などの専門家を挟んで交渉をするのがおすすめです。

    婚約の成立に必要な条件

    口約束でもOK

    「結婚したいね」「そうだね」といった軽い会話だけや、ふたりの間だけでの口約束だけでは難しい場合がありますが、たとえば「彼から結婚しようと言われた」「彼女にプロポーズした」など、第3者に結婚の約束をした、と伝えたという事実があれば、口約束だけでも婚約と見なされる可能性も。

    またLINEやメール、手紙などでのやり取りも、もしかしたら役立つかもしれません。消さずに残しておくとよいでしょう。本来なら難しい、口約束だけで婚約を立証するということ。しかし専門家に話を聞くなどして、なんとか婚約を立証できないか、まずは行動することが大切です。

    職場や友人への報告

    これも口約束に近いものがありますが、結婚の報告は、婚約したという証拠になり得ます。また婚約者として友人に紹介する方も多いのではないでしょうか。これは口約束よりも効果がある可能性が。

    「慰謝料の請求は無理かもしれない」と諦めず、まずは専門家である弁護士さんに相談を。思わぬところで解決への糸口が見つかるかもしれません。

    両親への挨拶

    結婚が決まったことで、ご両親に婚約者として紹介していれば、万が一婚約破棄となったときに、婚約していたという大きな証拠になります。

    婚約の意思が決まったら、早いうちに両親に紹介を。婚約破棄の慰謝料対策というわけではありませんが、結婚に向けてお互いの意思を固いものにするためにも、避けてはならない流れだと考えましょう。

    婚約指輪のプレゼント

    プロポーズとともに、婚約指輪を贈られる女性も多いのでは。これは婚約の大きな証拠となります。口約束だけでは、相手が「結婚しようと口にしていない」といってしまえば、それで話が終わってしまう場合も。しかし婚約指輪など、物体として証拠が残っていることは、万が一のときに重要な証になるのです。

    「カッとなって海に投げ捨ててしまう」というドラマでよく見るシーンをやってしまったり、相手に返却してしまっては、その大事な証拠を失うことになります。

    婚約破棄による慰謝料の請求は、婚約破棄から3年以内。直後はそんなつもりがなくても、時間が経ってから「やっぱり慰謝料を請求しよう」と考えかたが変わることも。訴訟を起こせる期間が終了するまでは、大切に保管しておきましょう。

    式場の予約

    式場の予約は、双方に結婚の意思があってこそ。これは物ではありませんが、婚約の証拠として採用されます。これは「公然性がある」。つまり、第3者から見ても、婚約していることが明らかである、と認められるということです。

    式場の予約には、たいてい予約金が必要になります。もしも破棄された側がそれを負担していたら、当然その分の金銭も、破棄する側に請求を。これは慰謝料とは別と考えられる場合もあるため、どこまで請求するかは弁護士など、専門家と相談してみましょう。

    無理して結婚した場合のデメリット

    精神的苦痛を負うことになる

    納得せぬまま結婚してしまうと、「これでよかったのか」「この人と結婚して正解だったのか」一生悩み続けることになります。

    またギャンブル癖や借金癖のある人や、DVをする人と結婚してしまうと、金銭的に苦労をしたり、暴力を受けたりと、精神的にも肉体的にも苦痛を受けることに。

    自分の心にウソをついて結婚をしても、しあわせな生活は送れないでしょう。本当に相手を大切に想っているのであれば、暴力を振るったり、相手の嫌がることは言ったりしないはず。入籍してあとに引けなくなる前に、冷静に考えましょう。

    本当に好きな人に出会った時に後悔する

    出会ってすぐ、交際期間の短いまま入籍したり、恋愛経験の少ないまま結婚すると、あとあと魅力的な異性と出会ったときに、後悔してしまうことに…。しかし、どんな理由があっても、入籍後の恋愛は「不倫」となり、配偶者から慰謝料を請求されるのです。

    結婚生活に満足がいっていれば、ステキな異性と知り合ったとしても、そこまで心は揺らがないでしょう。しかし不満があったり、現状に満足していないと、こういったときに心が揺らいでしまいます。交際しながら他の異性と比べてみることも、実は大切なことなのです。

    入籍後に異性と関係を持つ、というのは周囲からの信頼まで失います。また最悪の場合、仕事を追われたり、大切な子どもと離れ離れになったり…。「自分だけでなく、家族や周りの人の人生まで、大きく狂わせることになる」というのをよく覚えておきましょう。

    金銭の自由がなくなる

    結婚するということは、家計を共にするということ。また貯金をしたり、食費や生活費を管理したりと、お金に関する悩みはつきもの。子どもが生まれたときや、マイホームを購入するときには、大きなお金が必要です。

    愛があればお金の悩みも乗り越えていけるかもしれません。しかし無理して結婚した場合、こういった生活に窮屈な思いをすることも。

    揉めごとの理由として大きな原因となる金銭問題。窮屈な思いをするだけでなく、結婚相手と金銭感覚が合わないと、ことあるごとにケンカの原因に。「自分の趣味にばかりお金をかける」「節約ばかりで、どこにも連れて行ってくれない」など、小さな不満を溜めこむことにつながるのです。

    子供を不幸にさせてしまう

    結婚をしたら、子どもを授かるということも考えられます。数年は子育てでいっぱいいっぱいになるかもしれませんが、子育てが落ち着いて配偶者とのふたり暮らしに戻ったときに、その生活に耐えられるでしょうか?

    また子どもが幼いうちに離婚ということになれば、金銭的に苦しくなる可能性も。そして子どもから、片方の親を奪うということになってしまうのです。

    無理な結婚はふたりだけでなく、まわりの家族まで不幸にしてしまいます。入籍する前に、相手としあわせな人生が歩めるか、新しい家族をつくれるかをよく考えましょう。

    離婚する可能性が高い

    新婚生活は、しあわせで溢れ、明るい未来を描くもの。しかし入籍前から疑問を持ったままでは、ちょっとしたことがきっかけで不満が爆発してしまうことも。「こんなはずじゃなかった」「あのとき、こんなことをされた」というマイナスの気持ちは、なかなか消せないのです。

    この状態では結婚生活を維持することができず、他の異性に目がいったり、友人の結婚生活がうらやましく感じてしまったりと、とにかくツラいものになるでしょう。そして多くの場合、離婚を選んでしまうのです。

    現代は、なんと3組に1組が離婚するといわれるほど、離婚率が高いもの。離婚は珍しいものではありませんが、「バツがつく」ことは、できれば避けたいことですよね。結婚した後に後悔しないために、結婚前の疑問は解消しておくことが、円満な夫婦生活には欠かせないと考えましょう。

     

    正当な理由を伝えて円満な婚約破棄を目指そう

    一度は結婚を決めた相手でも、別々の人生を歩んできた他人同士。どうしても意見の食い違いや、考え方の相違でモメてしまうことも。

    そんなときは勢いで結婚するのではなく、一度冷静になって相手を見直してみましょう。もしどれだけ考えても、相手とのしあわせな生活が描けなかったら、結婚自体を白紙に戻すのも選択のひとつ。しあわせな結婚生活を描く方は多いですが、結婚は義務ではないのです。

    相手に誠意を持って対応し、お互いが納得できる形で答えが出せるように話し合いをしましょう。そうすれば、それぞれに明るい未来が築けるはずです。

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