目次
睡眠にはどんな効果があるのか
体や脳を休める
睡眠の大事な役割の一つが、体や脳を休めること。1日を通して働いた体にしっかりと休息を与えるのです。しっかりと睡眠をとることで、心身ともに明日への活力を漲らせることができます。
また、睡眠は精神面にとってもとても重要。ストレスやマイナスの感情を解消し、疲労を癒します。毎日元気に体を動かすためには睡眠は欠かせない行為なのです。
免疫を高めて身体を癒す
睡眠不足のときは風邪をひきやすくなったり、体調を崩しがちになります。これは、睡眠と免疫力が大きく関係しているため。
さまざまなウイルスに対抗するための免疫物質は、実は睡眠中につくられているのです。健康的な生活を営むために睡眠はとても重要。「疲れている」「体調が優れない」と感じたときこそ、いつも以上にしっかりと睡眠をとりましょう。
脳内を整理する
1日生活していると、たくさんの物事に触れます。会話や学習したことなど、記憶の整理をするのも睡眠の大切な役割。
脳内を整理し、必要な記憶を整理整頓するのです。記憶が定着しにくい場合、睡眠不足が影響している可能性が高いです。生活の中で脳へ入ってきた情報を整理するためにも、しっかりと睡眠をとってくださいね。

睡眠時に分泌されるホルモン
ダメージを治してくれる成長ホルモン
体を機能させるためにも欠かせないのが成長ホルモン。筋肉をつくり、余分な脂肪を落とす働きがあります。ダイエットにおいても重要となるホルモンですね。
また、成長ホルモンには肌細胞を補修する作用も。肌のターンオーバーを整え、美しい肌を整えるためにも欠かせない物質です。ダイエットや美容効果を高めたい場合、しっかりと成長ホルモンを分泌させる必要があります。
脂肪を分解してくれるコルチゾール
コルチゾールは過度なストレスを受けると分泌されるホルモン。一見よくない物質のように感じますが、睡眠中のコルチゾールの分泌は脂肪の分解を助ける働きがあります。
起床時には「食欲増進」「記憶力の低下」とマイナスの影響を及ぼすコルチゾールですが、睡眠中にはダイエットのサポートとなるのです。多すぎず、少なすぎずの分泌バランスが重要となるホルモンですね。
入眠をスムーズにするメラトニン
睡眠を安定させる働きを持っているのがメラトニン。就寝する1~2時間前から分泌され、入眠をスムーズにします。すんなりと寝れない場合は、メラトニンの分泌が不十分である可能性が考えられます。
室内を暗くし、リラックスできる環境を整えメラトニンの分泌を促しましょう。十分なメラトニンの分泌がされることで、質のよい睡眠へとつながります。

何時間寝るのがよいのか
7時間睡眠を心がける
長すぎても短すぎてもよくないのが睡眠時間。個人差はあるものの、人間にとって一番健康的な睡眠時間は7時間睡眠だといわれています。これは、肥満や生活習慣病のリスクが最も低い睡眠時間。
ライフスタイルにあわせて7時間の睡眠を心がけましょう。会社勤めの方であれば、0時~7時の睡眠時間が理想的。夜更かしをしすぎず、早寝早起きの生活リズムを身に着けてくださいね。
7時間も睡眠がとれない方
かつては「成長ホルモンの分泌は深夜2時~3時がピーク」といわれていました。しかし、現在では研究が進み成長ホルモンの分泌は、眠り始めてからの3時間が重要だとわかっています。
そのため仕事などが忙しく7時間睡眠がとれない方であっても入眠からの3時間を質のよい睡眠にすることで、効果的に体を回復させることが可能です。もちろん理想は7時間睡眠ですが、十分な時間を確保できない場合は「睡眠の質」を重視しましょう。
朝方に睡眠をとる場合は光と音をシャットアウト
現代社会ではライフスタイルは人によってさまざま。中には夜勤などで昼夜逆転の生活を送っている方もいらっしゃるでしょう。
朝方に睡眠をとる場合、光と音をシャットアウトすることが大切。光や音など外部からの余計な刺激が入ってくると、質のよい睡眠が妨げられてしまいます。寝室には遮光カーテンを。周辺の音が大きい場合は耳栓などを利用するとよいですね。

睡眠の消費カロリー
体重1kgが1分間に消費するカロリー
体重1kgが1分間に消費するカロリーは0.0170kcal。かなり少ない数字ではありますが、睡眠時においてもしっかりとカロリー消費がされています。
そのため、睡眠をしっかりととることでカロリーを消費することが可能。だらだらと起きて間食をしてしまうより、素早く就寝してしまったほうがダイエット効果が高いといえるでしょう。
睡眠消費カロリーの計算方法
睡眠時の消費カロリーの計算方法は「体重(kg)×0.0170(kcal)×60(分)×時間×(補正系数)=睡眠の消費カロリー」となります。体重や睡眠時間によって、消費されるカロリーは異なります。
睡眠時にどのくらいのカロリーを消費しているか確認したい場合は、上記の方法で計算を行ってくださいね。
年齢によって消費カロリーは違う
カロリー計算方法の中で重要となるのが「補正係数」実は、年齢によって睡眠時の消費カロリーは異なります。女性年代別の補正系数は下記の通り。
20代:0.95
30代:0.87
40代:0.85
つまり、20代体重50kgの女性が7時間睡眠をとった際の消費カロリーは「50(kg)×0.0170(kcal)×60(分)×7×0.95=339.15kcl」ということになります。軽い散歩をした場合、約90分で300kcalの消費を見込めますが、睡眠をとるだけで同じくらいのカロリーを消費できるのです。
睡眠時間が減るとその分消費カロリーが減る
さきほどの計算をみてわかる通り、睡眠時間が減るとその分消費カロリーは減少してしまいます。睡眠中にもしっかりとカロリー消費をしたいのであれば、十分な睡眠時間を確保することが大切です。
もちろん寝すぎは頭痛などを引き起こす恐れもありますので、6~9時間程度の間でご自分にぴったりな睡眠時間を探してみてくださいね。また、休日に寝だめをする方も多いですが睡眠リズムを乱してしまう恐れがあるので、できるだけ避けましょう。
睡眠の質によって消費カロリーは変わる
睡眠時間が長いほど、消費カロリーは多くなりますが重要なのはそれだけではありません。効果的にカロリーを消費するためには睡眠の質も重要な要素。
分泌されるホルモンの働きによって消費カロリーは変動するため、質のよい睡眠を心がけましょう。体を入眠しやすい状態に整えたり、深い睡眠をとれる環境をつくることがとても大切です。

睡眠で体重は減るのか
質のよい睡眠をとれば減量を見込める
睡眠不足だったり、質の悪い睡眠をとっている方がそれを改善すれば効果的な減量を見込めます。「最近疲れがとれない上に体重が増えた」という方は、睡眠の質が悪化している可能性があります。
一度普段のご自分の睡眠時間や入眠スタイルを見直してみましょう。質のよい睡眠を妨げている問題を解消することが、減量への第一歩です。
睡眠時間だけでなく時間帯にも注意する
周囲がうるさい状況や、明るい時間帯は睡眠の質も悪化しがち。夜と比べてホルモンの分泌も大きく変わってしまうため、睡眠をとる時間帯にも気を配りましょう。
理想的なのは夜間、静かで暗い中での睡眠。これが難しい方は、遮光カーテンやアイマスクをして夜間のような睡眠環境をつくってください。睡眠時間だけでなく、睡眠をとる時間帯も減量にとって重要な要素です。
睡眠だけではダイエットできない
いくら睡眠中にカロリーを消費できるといっても、その数値は決して高いものではありません。睡眠だけでダイエットをすることはほぼ不可能と考えられます。
効果的に減量を目指すのであれば十分な睡眠時間を確保するだけではなく、定期ていな運動や無理のない食事制限を行いましょう。睡眠を整え、規則正しい生活を心がければ、ダイエットの効果もぐんとアップするでしょう。
睡眠で食欲が抑えられる
十分な睡眠をとることで分泌されるのがレプチンというホルモン。この物質には、食欲を抑える作用があります。
睡眠不足の方は、レプチンの血中濃度が低い傾向に。お腹が空きやすく、ダイエット中は暴飲暴食の原因にもなってしまいます。レプチンの血中濃度を整え、食欲を抑えるためには毎日7~8時間の睡眠時間を確保しましょう。深夜の食欲を抑えるためにも、できるだけ早寝をおすすめします。

質のよい睡眠をとるためのポイント
昼寝で寝すぎない
昼寝をすると、夜なかなか寝付けないことがあります。これは昼に深い眠りであるノンレム睡眠に入り、体が長時間休息してしまったため。特に30分以上の昼寝は、体が「もっと寝たい」と感じシャキっと起きられない原因にもつながります。
夜間の睡眠時間を確保するためにも、昼寝は20分以内に留めましょう。20分以内であれば、浅い眠りであるレム睡眠の状態。アラームが鳴ったときもすっきりと起床できるでしょう。
カフェインは夕方まで
コーヒーなどに含まれるカフェインは、交感神経を刺激する作用があります。そのため、睡眠欲求が低下し脳が覚醒状態になるのです。
このカフェインの効果は5~6時間程度続くといわれています。寝つきをよくするためにも、カフェインの摂取は夕方までに留めましょう。また、コーヒーのほか紅茶やお茶にもカフェインが含まれているので十分注意してくださいね。
寝る4時間前に運動はしない
運動をすると、血行がよくなり体温は上昇。さらに脳は興奮状態になります。寝つきが悪くなってしまうので、寝る前の4時間には運動を控えましょう。
軽いマッサージやヨガ程度であれば問題ありませんが、ウォーキングやランニング、筋トレはNG。ダイエットの一環として行う場合は、起床時や夕方に行ってくださいね。
寝る3時間前にお酒を飲まない
スムーズな入眠のために寝酒をする方もいらっしゃるかもしれません。実は、睡眠前のお酒は基本的にNG。
アルコールが分解されたときに発生するアセトアルデヒドという物質が、中途覚醒を誘発させてしまったり、睡眠の質を妨げる原因になってしまうのです。お酒は入眠の直前ではなく、寝る3時間前までに飲みましょう。また、脱水状態にならないためにも適量を心がけてくださいね。
寝る2時間前は食べない
入眠前の2時間に食事をとると、睡眠時まで消化活動が続いてしまいます。これでは、体をしっかりと休ませることができません。また、食事をとってすぐ横になることで消化不良を起こし、胃もたれの原因になることも。
質のよい睡眠をとるためにも寝る3時間前には食事を済ませましょう。もちろん、食事後の間食も控えてくださいね。
入浴は1時間前までに済ませる
入浴はスムーズな睡眠をとるために有効な手段。しかし、入浴後すぐの就寝は体温が上昇しているため、寝つけない原因となってしまいます。
入浴は体のほてりがある程度冷めるよう、就寝する1時間前までに済ませましょう。また高温での入浴は交感神経を刺激してしまうので、38~40度程度の温度が最適です。お気に入りの入浴剤などを使用して、リラックス効果を高めるのもおすすめ。
寝る前にPCやスマートフォンを使わない
PCやスマートフォンのブルーライトは、体内リズムを乱し睡眠に大きな影響を及ぼします。メラトニンの分泌が抑制され、不眠の原因にも。
ついつい横になりながらいじってしまいがちなスマートフォンですが、入眠前は使用を控えましょう。リラックスできるよう、部屋を暗くし眠りやすい環境を整えることが大切です。
眠れないときはアロマやBGMを活用
どんなに気を付けていても、眠れない日があります。そんなときは、お気に入りのアロマやリラックス効果のあるBGMを流し、体をリラックス状態にしましょう。
特に、興奮をしずめ落ち着かせる効果が高いのラベンダーの香り。「翌日の仕事が緊張して眠れない」「気分が高まって寝つけない」というときには、ぜひ試してみてくださいね。

睡眠中に出るホルモンを上手く利用しよう
睡眠だけでダイエット効果は得られません。しかし、睡眠中に分泌されるホルモンを上手に活用すれば、ダイエットの効果をアップさせることが可能です。
睡眠は、ダイエットだけでなく体の調子を整えるためにもとても重要な行為。質のよい睡眠をとれるよう、生活環境を整えてくださいね。しっかりと睡眠をとり、健康的な体をキープしながら減量を目指しましょう。