目次
ヨガの逆立ちによる効果
脳の活性化
逆立ちをするということは、重力に逆らうことになります。重力に逆らうことによって、脳が活性化されます。普段、人は二足歩行なので、血のめぐりは重力に逆らうことなく、頭の先から足の先へと流れていきます。
足に血が流れているということは、足に血が溜まります。それを循環させるために筋肉があるのです。反対に、逆立ちをして頭に血を巡らせると、集中力がアップしたり、記憶力がアップするのです。
体内器官の活性化
血の巡りが頭にも回れば、脳は活性化されます。脳が活性化されると、全身の各器官の働きが活発になり、ホルモンの分泌や血行が促進されます。ホルモンの分泌には、中でも女性ホルモンの分泌がよくなります。
女性ホルモンの分泌があがれば、女性らしい体つきになったり、痩せやすい体になったりします。他にも、ストレスホルモン抑制や、脳内麻薬の分泌という効果も得られるのです。
内臓や骨盤の位置改善
人は、重力に沿って地面に足をつけているのですが、これが内臓も重力に引っ張られて、本来あるべきの位置よりも、やや下気味に位置している人が多いです。また、骨盤の位置ずれも同じく、重力に引っ張られるからです。
通常、その内臓や骨盤の位置を支えるのは、筋肉の役割なのですが、筋肉が衰えていたり筋肉がない方は、どうしても支える力が弱く、位置がずれてしまいます。内臓や骨盤の位置を正常な位置に戻すことで、内臓の働きが活発になり健康的な体になります。
骨盤を正常な位置に戻すことは健康的な体にするだけでなく、痩せやすくスムーズにダイエットを進めることができ、美しいスタイルへと改善されていきます。普段からの姿勢も整い、自分のモチベーションを高めることにもつながり、おなか周りに脂肪が付きにくく痩せやすい体へと改善されます。以下の記事ではゆがみを取って美しいスタイルを手に入れる方法について詳しく解説しています。
ホルモン分泌によるストレス解消
逆立ちをして血の巡りが良くなれば、ホルモンの分泌が活発になります。ホルモンの分泌が活発になるわけは、頭に血が巡ると同時に脳に酸素も行き渡り、脳が活性化され、ホルモンの分泌に働きかけるのです。
ホルモンの分泌により、ストレスホルモンが抑制されストレス解消につながります。また、脳へ血がめぐることで頭がすっきりとし、気分も爽快になれます。
更に、女性ホルモンが増えることは魅力のある女性らしい身体づくりができることもメリットの一つです。ただし、ヨガなどを行ったとしても女性ホルモンは年齢とともに減少してしまいます。そんな女性ホルモンを上手に増やす方法については以下の記事で詳しく解説しています。
血行促進による身体の不調の改善
逆立ちをすることで、普段行き届きにくい頭や脳への血の巡りが良くなり、体全体の血流が良くなります。血行が促進されると、肩こりの解消につながったり、代謝も良くなり痩せやすい体になります。
また、代謝が上がると冷え性が改善されたり、足に溜まっていた血流が全身に巡ることで、むくみが解消されたり、腸が正常な位置に戻り便秘が解消されたりと、身体の不調の改善につながります。
血行促進はしたいけど逆立ちが苦手という方におすすめなのがマッサージ。ふくらはぎのマッサージには、結構促進による実はむくみ取りにとどまらない驚きの効果があるのです。そんなふくらはぎマッサージについては以下の記事で詳しく解説しています。
筋肉など身体の疲労回復
今まで血の巡りが悪く、筋肉がうまく使えていなかった人も、逆立ちをすることで筋肉が使われ、血行促進に働きかけます。筋肉は、血の巡りを促すポンプの役割をしているので、弱かったり鍛えられていないと、血液循環がうまくできません。
筋肉を正しく動かし、ポンプの役割ができれば、疲労回復へつながり疲れにくい体になります。また、疲労回復が早いので、次の日に疲労感をため込まないので健康的な体になります。
続けることでアンチエイジング
逆立ちは、したときすぐに効果が現れたりしますが、血の巡りが良くなる逆立ちを毎日続けられると、アンチエイジング効果に役立ちます。
年齢と共に老けてしまうことは、人間としてどうすることもできない宿命です。しかし、その老けの進行を遅らすことができるのが、アンチエイジング効果なのです。アンチエイジング効果が得られれば、体の機能の衰えの進行を遅らして、いつまでも若々しくいられるのです。

ヨガの逆立ちをやるためのコツ
勢いはつけずゆっくり実施
逆立ちが苦手な人や怖いと感じる人は、壁を使って行いましょう。逆立ちに勢いはいりません。ゆっくりあがることで一気に頭へ上る血流を抑え、ゆっくり血の巡りを良くします。
体育で行ったことのある、足を一気にあげるような体勢ではなく、ゆっくりと足をあげるように意識しましょう。壁を使う方は、壁から少し離れて壁に向かって、ゆっくり足をあげていきましょう。
二の腕の筋肉を意識しながら支える
床に手をつけて逆立ちをするやり方は、1番オーソドックスな逆立ちです。二の腕の筋肉を意識しながら、体を支えるように行いましょう。二の腕を意識することで、二の腕もすっきり引き締まるようになります。
無理をせず、できる範囲で行いましょう。筋肉に自信のない方は、二の腕を鍛えてから逆立ちをしてみましょう。鍛えてから行うことで、二の腕に頼らず全身の筋肉を使って鍛えることができるのでおすすめです。
常に背筋は伸ばす
ヨガは、姿勢と呼吸が大事です。姿勢は正すだけで、体内の血液循環が良くなります。背筋が曲がったままだと、逆立ちはできません。逆立ちが正しくできなければ、筋肉をうまく使えません。背筋は伸ばしままを意識して行いましょう。
背筋が正せれば、骨盤のゆがみを解消できます。骨盤が正しい位置に戻ると、姿勢が良く立ち姿が美しいスタイル見えます。女性として姿勢がよいことは、大事なことです。
常にしっかり呼吸
呼吸はヨガにとってとても大事です。逆立ちをしようとすると、どうしても息がしにくくなります。しっかり呼吸をして行うことを意識しましょう。
呼吸をすることで、脳へ酸素が行き渡り、リラックス効果が得られます。また、血液循環が良くなり、心と体のバランスが整います。呼吸が楽にできれば自律神経が整い、ストレス解消につながります。それぐらい、呼吸は大事なので、逆立ちしているときもしっかりと呼吸することを心がけてください。

ヨガの逆立ちポーズのやり方
初心者向けのシルシャアーサナ
1.前で両手の指を組んで、床に肘から先をつける
肩の力を抜いてリラックスした状態で行いましょう。
2.あごを引きながら頭も床につける
手を組んで置いている位置に頭を持っていきましょう。あごをしっかり引いていないと、首を負傷する恐れがあります。
3.両足を伸ばしたままゆっくり顔のほうへ近づける
足は膝が曲がったりしないように意識して、少しずつゆっくり顔に近づけましょう。
4.ゆっくり足を上へ持ち上げ、はじめは5秒くらいから、数週間後には3分くらい維持できるようにする
慣れるまで体を支えるのが大変です。無理をせずに、できるところまで行いましょう。怪我をしないように、周りにも注意して行いましょう。
上級者向けの孔雀のポーズ
1.四つん這いになり、手先は足方向に向ける
ヨガでは呼吸法が大切です。どの動作も呼吸を絶えずゆっくり行いましょう。
2.肘をわき腹につけて、肘を少しずつ曲げると同時に前方に体重をゆっくりかけて、両足を後方に浮かせ伸ばす
呼吸を整えながらゆっくり行いましょう。急に足をあげたり体重を一気にかけたりすると、怪我をする恐れがあります。また心拍数をゆっくりあげることを意識してください。
3.はじめは10秒、慣れると30秒くらいまで維持する
10秒続かなければ、無理のない範囲で行いましょう。慣れた人は、1分ぐらいまで行ってもよいでしょう。
首の支えによる鋤(すき)のポーズ
1.仰向けになり、両掌をお尻横で床につける
心を落ち着けて静かに呼吸をしましょう。
2.息を吸いながら、両足を天井方向へ上げる
ゆっくりと呼吸することを意識して行いましょう。
3.息を吐きながら、腰を持ち上げ、両足を頭上の床へもっていく
ゆっくり持ち上げましょう。首をしっかり固定していないと、怪我をする恐れがあります。
4.肩甲骨を寄せるイメージで両手を組んで、5秒維持
始めは肩甲骨が寄らなくても、毎日続けていれば必ず寄ってきます。意識して行いましょう。
サルヴァンガアーサナと呼ばれる背倒立
1.仰向けになり両手は床につけ、脚とお尻、背中を肩甲骨のあたりまで持ち上げる
脚とお尻、最後に背中という順番でゆっくり持ち上げていきましょう。
2.腰に両手を添え、肘を床につけて身体を支える
肘で床を押すイメージで、身体を支えるように意識しましょう。
3.少しずつ足を天井方向に高く伸ばして、約1分維持
1分できない人は、30秒からでもしてみましょう。できる範囲で安全に行うことが大切です。
頭のツボも刺激できる三点倒立
1.床に両手と頭を三角の位置で置く、頭にタオルを置いてもよい
頭の位置と手の位置を確認してください。タオルで滑らないように気を付けましょう。
2.体重を3点に持っていき、姿勢を維持しながらゆっくり足を浮かせていく
腹筋やインナーマッスルが鍛えられていると、ゆっくり上がることができますが、筋肉が弱いと起き上がれないので注意してください。
3.足が天井方向に上がりそうなら、まっすぐ足を延ばして、はじめは5秒から、慣れたら30秒を維持
まっすぐに、床と垂直に足を上げるように意識しましょう。慣れるまでは、小刻みに秒数を数えましょう。
基本の逆立ちの二点倒立
1.壁に向かって壁の手前で、両手を床に肩幅くらいひろげてつける
逆立ちが苦手な人に壁を使って行う方法です。周りに注意して行いましょう。
2.目線は床に落としたまま、足を蹴り上げて壁を支えに倒立
壁より少し遠くで体をあげると、壁に完全に頼らずに行うこともできます。
3.姿勢が定まったら、足を壁から離し、姿勢を10秒維持
壁から離したときに、ぐらついて転倒しないように気を付けて行いましょう。
手首と腹筋を鍛えるカラスのポーズ
1.足の指先を寄せて、膝を開き、膝の間から両手を肩幅に床につける
ヨガの上級者用です。難しいので、慣れた人に限って行ってください。
2.両肘を少し曲げ、両ひざ、脛を上腕につけながら体重を前方、両腕にもっていく
筋肉が弱いと、ぐらぐらして支えが安定しないので、必ず筋肉をつけてから行ってください。
3.目線を5センチ前に置き、両脇を締め、お尻、お腹を上方向にもっていき、少しずつ両足をゆっくり浮かせる
首はしっかりかためておきましょう。ゆっくり行うことで、リラックスしながらできます。
4.約10秒維持
維持する時間は、できる範囲で構いません。10秒以上保てる方は、30秒~1分を目安に1セットとして行いましょう。

ヨガの逆立ちをする前に知っておきたいこと
首や頭に体重をかけない
首には、脊髄といって人が体を動かしたり、手や足を動かすときに、脳に信号を送り出す神経が張り巡らされている器官があるため、首や頭に体重をかけると、痛めてしまう危険があります。そのため、あまり体重をかけずに行うことが大切です。
また、筋を痛めると数日間は寝違えたようになり、日が経てば治りますが、脊髄を損傷してしまうと手足を動かしにくくなったり、最悪の場合は動かなくなることもあります。もともと首にトラブルを抱えている人や、首が硬い人は逆立ちを控えましょう。
頸椎などを痛めている人は控える
頸椎は、脊髄の中でも上下左右に最も動きのある部分で、首の部分にあります。頸椎を痛めてしまっている人は、くせになっている可能性があるので、人よりも痛めやすくなっています。
頸椎を痛めてしまうと、こちらも脊髄なので手足が動かしにくくなったりと、支障が出る可能性があります。特に逆立ちはうまく首と頭を支えられていないと、怪我をするリスクは高いので気を付けましょう。
高血圧や心臓病の人は控える
高血圧や、動脈硬化のある人は、逆立ちによって脳卒中を引き起こす可能性があります。逆立ちをすることで、頭に血の巡りを良くするので脈拍が少し上がります。
高血圧の人は、もともと正常な人より血圧が高いため、血圧が上がると血管が破裂したり詰まったりして、脳卒中になる危険性があります。また、心臓病も同じく、血の巡りが良くなることで心拍数が上がるので、気をつける必要があります。
生理中の人は控える
逆立ちは、天と地が逆になります。子宮ももちろん逆転してしまいますので、血液が逆流してしまい、生理不順を引き起こしたり、子宮内膜症の原因になる恐れがあります。
体質によっては、具合が悪くなる恐れもあるので、生理中は逆立ちすることを控えた方がよいです。逆立ちを無理にするのではなく、できる範囲のことなら行っても構いませんので、自身の体調と相談しながら行いましょう。
妊娠中の人は控える
逆立ちに慣れていない人は、特に慣れている人でも、バランスを崩しやすい体勢になることを念頭に置いておく必要があります。バランスを崩して転倒する危険性があるので、妊娠中の人は、逆立ちは控えましょう。
無理に逆立ちするよりも、逆立ちに似たポーズやバランスのとりやすい姿勢のポーズで行ったり、短時間にするなどして、様子を見ながら行いましょう。
決められた時間を守って実施
逆立ちは天と地が逆転し、頭に血がのぼる体勢になるので、長時間行うと血がのぼりすぎてしまい危険をもたらします。慣れている人なら長めに行っても大丈夫ですが、慣れていない人が長時間逆立ちをすると、心臓に負担がかかったり、立ちくらみを起こしたりする場合があります。
慣れるまでは、1回1分で構いません。1分も逆立ちできない人は、10秒や20秒などできる範囲で行いましょう。また目安ですが、1日3回ほどにした方がよいでしょう。1回1分×3セットで十分効果は得られるので、無理をせずに行いましょう。
初心者は指導者と実施することをおすすめ
逆立ちをしたことない人やできない人は、指導してくれる人と一緒に行うことがベストです。1人で行ったときに、誰も見てくれる人や補助がないので、怪我をする危険性が高まります。
逆立ちの基本動作を覚えるまでや、慣れるまでは指導者と一緒に行ったほうが安全に逆立ちができます。また、きれいな逆立ちの仕方を教えてもらった方が、怪我防止と対策につながり、逆立ちの効果がより得られるのでおすすめです。

逆立ちが実践できないときのポイント確認
転倒するのが怖い
逆立ちは、手と頭で体を支えることになります。普段しない動きですから、慣れている人の方が少ないでしょう。なので、転倒してしまうのではないかという恐怖心が先立ち、なかなか逆立ちできません。
そんなときは、壁に向かって逆立ちすることをおすすめします。壁があれば、支えてくれる補助の人がいなくても、逆立ちをすることができます。それでも転倒が怖い方は、何度も壁に向かって逆立ちをし、慣れると恐怖心がなくなります。
支えが不安定
手や頭で支えているはずがうまく逆立ちができず、支えが不安定な方は、恐怖心があってできない方がほとんどでしょう。ぐらぐら体が動いて安定しない方は、手だけで支えようとしている可能性があります。
逆立ちは、腕の力と支える頭の位置などが関係しています。腕は、身体を支えるために必要な力で、最も鍛えなければなりません。また、頭の位置は置く位置によって体を支えられないので、頭と手の置く位置を再度確かめてください。
上半身の筋力が弱い
逆立ちで必要なのは、頭を置く位置と腕の力なのですが、腹筋や背筋も重要な筋肉になってきます。腕を鍛えることはもちろんですが、それと同時に腹筋や背筋が弱いと体を支えられません。
体を支えるためには、バランスよく上半身を鍛えることが望ましいです。腹筋や背筋を鍛えることで、安定した逆立ちができ、全身を鍛えることができるので引き締まった体になれます。
全体の姿勢のゆがみ
逆立ちは、まっすぐ一直線に足を上にあげなければ、バランスを崩して転倒してしまいます。しかし、普段の姿勢が悪い人はゆがんでいる可能性があり、逆立ちができない原因になっているかもしれません。
体にゆがみが生じると、逆立ちがうまくできずに転倒してしまいます。まっすぐ上に足をあげられないからです。ゆがみを正し姿勢が良くなれば、きれいな逆立ちができるようになります。
体幹が弱い
腹筋や背筋も、逆立ちするのに必要な筋肉です。しかし、表面だけ鍛えても、逆立ちできない可能性があります。これは、インナーマッスルである体幹が弱いことが原因です。
インナーマッスルは、普段の生活ではなかなか鍛えられない筋肉なので、筋肉トレーニングが必須となってきます。しかし、体幹を鍛えると逆立ちができるのはもちろん、脂肪の燃焼を高めてくれるので、太りにくく痩せやすい体になります。

ヨガの逆転のポーズもおすすめ
逆立ちの効果が得られる
ヨガの逆転ポーズとは簡単にお伝えすると、逆立ちに似たポーズで、逆立ちと同じような効果を得られるというものです。同じ効果を得られるのに、逆転のポーズのほうが逆立ちより簡単だという人が多いです。
また、逆立ちが苦手な人にもおすすめで、誰でも簡単にポーズをとることができます。逆立ちと同じ効果である血行促進やアンチエイジング、引き締まった体にすることができます。ポーズによっては難しいものもあるので、自分に合ったポーズで行うことをおすすめします。
やりやすいポーズから始める
ヨガの逆転ポーズには、いくつかのポーズがあります。簡単で誰でもできるポーズは、肩立ちのポーズです。肩立ちのポーズは、仰向けから背面を浮かせて行うポーズです。
仰向けからお尻を浮かせて、足を垂直に上げてキープするポーズですが、これも逆立ちと同様に呼吸が大切です。呼吸をとめずにゆっくり行うことで、リラックスしながらできます。また、簡単で安全なので、失敗することもありません。

身体に無理なく続けてることが大切
逆立ちは、慣れるまでは危険だったり、病気があるとおすすめできないこともあります。しかし、体全体の血の巡りが良くなるので、健康的になれるのは間違いがありません。
身体の様子を見ながらできる範囲で行い、毎日続けて行うと効果が得られます。逆立ちをして、美しい体を手に入れましょう。