目次
ストレッチをする人の理由
激しい運動の前の準備運動
これから激しい運動をする前の準備運動のひとつとしてストレッチをする人も多いでしょう。激しい運動はケガをするおそれがあります。毎日の生活の中で筋肉はこりかたまりやすく、老廃物が溜まりやすくなります。老廃物が溜まることで体は疲れやすくなり、筋肉の可動域も狭まるためケガの元に。
その予防のために、ストレッチをすることでこわばった筋肉をほぐし、柔軟に対応できるようにします。準備運動をせずにいきなり激しい運動はしないようにしましょう。
体を柔らかくしたい
赤ちゃんのころは柔らかかった体も、大人になるにつれて筋肉がこわばり、固くなってきます。体を柔らかくするメリットは血行がよくなり、心身の老化を防いで疲れにくい身体にすることです。そのため、日ごろからストレッチを意識することが大切。毎日行うと、筋肉がだんだんほぐれていきます。
体が思うように動くことで、好きなスポーツなどを思いっきりエンジョイでき、楽しい時間が増えると、その分、笑顔も増えてますます充実した毎日を過ごせるようになるでしょう。
運動後の筋肉を和らげたい
激しい運動をした翌日、筋肉痛でつらく感じることもあるでしょう。筋肉痛は、普段あまり運動などをしないと使われていない筋肉を急に使うことで、傷ついた筋肉の繊維を修復しようとして起きる痛み。毎日こまめにストレッチをして筋肉を柔らかく保つことで、激しい筋肉痛から解放されます。
スポーツ前と同様に、スポーツをした後も、使った筋肉をやさしく労わってあげる意味で、ストレッチは大切な役割を持っているのです。
こりがひどい体をほぐしたい
肩こりや腰痛に悩んでいる人は、他の人よりも筋肉がこわばっている可能性が。マッサージは一時は状態がよくなっても、あまり効率的ではないかもしれません。その点、ストレッチは、直接筋肉を刺激することで、だんだんほぐされていきます。
毎日こまめに続けると、筋肉のこわばりが抑えられ、疲れ知らずの体に。1日何分と決めて、こりによいストレッチをセットで行うことで、体はリラックスして柔らかくなってきます。
ダイエットの一環
ダイエットのためにストレッチをする人も。筋肉がほぐれることで緊張がなくなり、血のめぐりがよくなり、体が温まることで、熱を発してカロリー消費されます。摂取されるカロリー以上に消費されれば、ダイエット効果が望めるのです。
激しい運動ほど汗はかきませんが、毎日続けていくことで、基礎代謝が上がって、だんだん理想的に痩せることができます。
基礎代謝はストレッチ以外にも日常生活のちょっとした習慣や食生活を変えるだけで上げることが可能です。基礎代謝を上げて、痩せやすい体質になるための方法に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
痛いけど体によさそう
初めてストレッチをする人は、普段使わない筋肉を使うので、痛みが出ることもありますが、それが筋肉が鍛えられている証拠。痛みはあるけど、体にはよさそうといったイメージを持っている人も多いようです。しかし、初めから体に大きな負荷を与えてしまうのは逆によくありません。
それでは長続きしないので、気持ちよくできる範囲でやるようにしましょう。はじめてストレッチを行う人は、まずは簡単な動きから始めてみてください。
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実はストレッチについて間違った認識が多い
ストレッチは怪我の予防にはならない
激しい運動の前にストレッチをすると、ケガの予防に。しかし、ストレッチをしたからといって、必ずしもケガをしないわけではありません。ケガをしてしまうのは、筋肉を可動域内で動かしながら、さらに大きな負荷をかけてしまうからです。
筋肉が疲労の限界にきたら、筋肉が収縮してケガをしやすくなります。とはいっても、ストレッチはまったくケガを予防できないわけではなく、柔軟な筋肉にするために必要なトレーニングです。運動の前にはストレッチを忘れないように行いましょう。
筋肉の痛みはストレッチではよくならない
スポーツをした次の日に筋肉痛がひどいときには、ストレッチをするとよくなるのかというと、それは間違い。筋肉に痛みを一時的に和らげるはたらきはあるものの、すぐによくなるわけではありません。筋繊維がダメージを受けている状態なので、よくなるまでには時間がかかります。
また、ストレッチをすることで筋肉が伸びて肉離れなどを起こすこともあるので、筋肉痛のときは無理にストレッチをしない方が無難です。
体に痛みが感じる原因を知り、正しいストレッチ法を行いながら、健康的な体を目指すための方法について以下の記事で詳しく解説しています。
痛いストレッチほど体が硬くなる
ストレッチをすることで筋肉がほぐれて体が柔らかくなる、というのが一般的な話ですが、筋肉には伸張反射があります。伸張反射とは、筋肉が引き伸ばされたことでその筋肉を急速に収縮させこわばらせる仕組み。長く強い刺激を与えるストレッチはかえって筋肉をこわばらせます。
痛いストレッチをしたり、ひっぱる力が強くなるほど、筋肉が硬くなってしまうかもしれないので、あまり無理はしないようにしましょう。
朝一番にストレッチをする
目覚めてからすぐにストレッチをすることはやめましょう。朝は筋肉が1日で最も固くなっているときなので、できればこの時間帯は避けた方がよいのです。睡眠中は、体温が下がっているので起きてすぐに無理な運動はおすすめできません。
また、運動前にウォーミングアップをしないでストレッチするのも、筋肉が固くなっているため、ケガの原因となることがあります。軽く体を温めてから、ストレッチをするようにしましょう。
生まれつき体が固いから柔らかくならない
生まれつき体が固い人はいません。赤ちゃんはとても体が柔軟。成長とともに生活環境や食事、運動などで体の柔軟性に差が出てくるのです。体の固さは先天的なものではなく、後天的な要素なので、ストレッチで柔らかくする可能性は十分あります。
ちなみに、筋トレをすると体が固くなることもありません。過剰にやりすぎてしまうことで柔軟性がなくなるケースはありますが、ストレッチの内容によって、体の柔軟性を取り戻すことができます。
ストレッチをやりすぎるとどうなるのか
筋が伸びにくくなる
筋肉は引っ張られると、硬くなってしまう仕組みを持っています。ストレッチをすればするほど、筋肉が硬くなってしまい、筋が伸びにくくなってしまうのです。もちろんストレッチをすると、一時的に筋が伸びますが、いつの間にか元通りに。
ストレッチをやりすぎてしまうと、筋は伸びにくくなるので気を付けてください。1日数分と決めて、毎日少しずつ続けていくことで、筋肉は伸びやすくしなやかになっていきます。
筋を切ったり筋肉を痛める
筋肉を伸ばそうとすると、痛いけれど気持ちよい気分になります。しかし、そのラインを越えてしまうと、伸張反射によってかえって筋肉が緊張して縮もうとします。筋が伸びないだけでなく、切ったり痛めてしまうこともあり、これではストレッチをする意味が無くなってしまうのです。
そうならないためにも、ストレッチはほどほどにしましょう。もしも筋を痛めてしまったら、中止して様子を見るようにしてください。
伸ばしすぎなどのストレッチのやりすぎをオバーストレッチという
オーバーストレッチとは、筋を伸ばす強度が強すぎたり、伸ばす時間が長すぎるストレッチ。筋にかかる圧力と時間はともに深い関係があり、やりすぎてしまうのはかえって組織の損傷につながる恐れがあります。オーバーストレッチは体にとって負担になるのです。
強度と時間をしっかりと調べた上で行い、自己流ストレッチはしないことがポイントです。痛いけれど気持ちいい程度に抑えるように心がけましょう。
腰痛が悪化したりする
元々腰痛持ちの人がストレッチをすると、よけい悪化してしまうこともあります。腰痛には前に屈むと痛くなるタイプと後ろに反ると痛くなるタイプがあります。ストレッチで腰痛が悪化してしまうタイプは後者。
骨や関節が原因で腰痛になっている可能性があるので、この場合は、いくら筋肉をストレッチしても腰痛がよくならないかもしれません。自分はどのタイプの腰痛なのか、しっかりと医師に相談をして治療を受けてください。
股関節を痛めてしまう人もいる
骨盤のゆがみから股関節の痛みが引き起こされる場合もあります。ストレッチには股関節の痛みを和らげる効果がありますが、負荷をかけすぎてしまうとかえって痛めてしまうこともあります。なにごともほどほどが一番。無理しない程度にストレッチすることがポイントです。激しく痛む場合はストレッチを中止して、様子を見ながらできれば病院で診察を受けることをおすすめします。
ストレッチを行うときのポイント
体が固い部分だけでなく全体的にする
ストレッチはどうしても固い部分だけをほぐそうとしますが、目には見えない部分もあるのです。たとえば、一見すると柔らかくなっている部分も、筋肉が伸びているだけで実は固くなっているかもしれません。
見た目だけで判断をしてしまうと、ストレッチすべき箇所を間違える可能性もあるので、全体的にストレッチすることがおすすめ。固い部分だけに集中しないように、全体的に適度な負荷がかかるようなストレッチをしていきましょう。
気持ちいいくらいのストレッチをする
ストレッチをしていると、気持ちよくなってきますが、痛いけれど気持ちいいと感じる程度を目安にしましょう。強く筋肉を圧迫すると、筋を切ったり痛めてしまうかもしれません。痛くない程度に抑えて、毎日続けていくことがポイント。
実際に動かして、この程度であれば気持ちがいいという感覚を身につけていきます。イタ気持ちいい感覚は人それぞれ違うので、自分がどれくらいで気持ちよく感じるのか、試してみることが大事です。
水分をしっかりとる
ストレッチをする際には水分補給も大切。人間の体の6割は水分でできているというのは有名な話ですが、ストレッチで伸びる部分の組織の6割は水分のため、外からの摂取は必要です。運動やストレッチをしている時は代謝がよくなって汗も出ます。
1日に出てしまう水分量は最低でも2～3リットルと言われているので、食事からの水分量なども考慮して、およそ1.5リットルの水分摂取は必要です。喉がかわいたときなど、こまめに飲むようにしましょう。
毎日適度な時間する
ストレッチは毎日続けることがポイントです。そのため、ハードな動きは飽きやすくかえって逆効果になります。1つのストレッチで30秒から1分ほどで行うと、飽きにくく長続きするでしょう。 ストレッチをすると筋肉はある程度柔らかくなります。
しかし、すぐに硬くなろうとするので、毎日少しでも伸ばすことがコツ。休日にまとめてストレッチをすることはおすすめできません。
筋を痛めたりしているときはやめておく
筋肉が疲労してダメージを受けているときに、無理に動かしてしまうことでよけい悪化させてしまうこともあります。筋肉痛などのときにはできるだけ体を休めてあげることも大切。この休息期間中に痛めた筋をゆっくりと回復させていくのです。
せっかくよくなっている段階でよけいに痛めてしまうと、治りも遅くなるので、無理はしないことが重要です。これからも長く続けていくためにも、自分なりのペースを保っていきましょう。
息を止めない
ストレッチをしているときは、息を止めないことが鉄則。息を止めてしまうと、筋肉が硬くなってくるので、いくらストレッチで伸ばそうと思ってもなかなか伸びません。呼吸をしっかり行うことで、筋肉はゆっくりと少しずつ伸びていきます。
そのため、ストレッチのときは深く呼吸をしながら、体を動かすようにしましょう。お腹の中からしっかり息を吸い込み、そして吐きだしてください。
反動をつけてストレッチしない
いろんな種類があるストレッチ。反動をつけるストレッチはよくないと思っている人も多いでしょう。その答えは目的によるのです。反動をつけないストレッチは反動をつけない、反動をつけるストレッチの場合は反動をつけるということです。
反動をつけないスタティックストレッチは難易度が低くて、割とおだやかな動作です。反動をつけるバリスティックストレッチは反動をつける動的なストレッチです。種類に応じて反動をつけるかどうか自己判断をしていきましょう。
考え事をせずリラックスした状態でする
ストレッチは、リラックスした状態で行いましょう。そして、自然にゆっくりとした呼吸を心がけてください。とくに腹式呼吸を意識することで、気持ちが集中してリラックスした状態を作ることができます。他の考え事をしてしまうと、そこに気持ちがいってしまいストレッチに集中できません。
頭の中を空っぽにして、無心でストレッチをスタート。動かしている部分に気持ちを集中すると、温かく感じて、心地よい気分になってきます。
自分の体の限界を知ってやりすぎないこと
人の体はそれぞれ違い、ほかの人と比較してストレッチをやりすぎてしまうことも。しかし、やりすぎは筋肉やその周りの筋を痛めてしまうかもしれません。ストレッチで負荷をかけることで鍛えられますが、一気にかけるのではなく、徐々に行っていくことがポイント。
それぞれ体のつくりが違うので、ほかの人は普通にできることも、自分にとってはとてもきつい動きの場合もあります。自分の体の限界を知って、やりすぎないようにしましょう。
ストレッチのやりすぎで痛めたときの対処法とNG行動
痛めたら患部を冷やす
まずは患部の状況をチェック。痛めた部分が炎症を起こしていないかどうかを確認してください。もしも炎症を起こしているときに温めるとよけいひどくなってしまうこともあります。局部的に冷やすことを「アイシング」と呼び、しばらく患部を冷やすことで、炎症を抑えることができます。
炎症が起きている場合は、冷やすことがおすすめ。悩んだらまずは冷やすようにしましょう。分からないときは医師に相談をしてみてください。
痛みが引かない場合は病院へ
患部を冷やしてもなかなか痛みが取れない場合は、専門家の力が必要です。病院で詳しく診てもらいましょう。冷やすのはあくまでも応急処置で、ひどいときはなかなか痛みが取れないことも。医師の診断と治療を受けて、早めに治すことが大切です。
自己判断で処置を行うと、なかなかよくならずに長引いてしまう可能性もあります。しっかり医師のアドバイスを受けるようにしましょう。
痛い場所をマッサージするのはNG
筋肉痛は、熱があって炎症を起こしているときは冷やし、炎症がおさまったら温めることがポイント。痛いときは炎症を起こしているかもしれないので、強い力でマッサージをするとかえって筋肉を痛めてしまうかもしれません。
痛みがある場合は、何もしないで安静にしていることが一番です。これからもずっとストレッチをする習慣を身につけていくのに、痛くて続けられない状態が続くのは逆効果。まずはしっかり治すことを心がけましょう。
お風呂で温めるのもNG
痛みの状態によっては温めることでより悪化させてしまう場合もあります。自己判断で、お風呂でマッサージをすることは避けましょう。炎症があるときは温めることを控えて、できるだけシャワーで済ませるようにしてください。
ぬるま湯や水で患部を冷やしてあげるのもよいです。肌を清潔に保つことは大切なので、湯舟には浸からずに、シャワーを浴びる程度にとどめましょう。
ストレッチを続けることもNG
痛めた患部は、状態によって冷やしたり温める必要があります。そして体を休めることでだんだんよくなってくる場合も多いのです。ストレッチを続けてしまうと、筋肉に負荷が生まれて、ダメージを受けたところがなかなかよくならないことも。
せっかく治りかけている状態に新たなダメージが増えて、常に筋肉痛に悩まされることになります。痛みがなくなって、運動をしてもよい状態になったら、ストレッチを再開しましょう。
オーバーストレッチで痛めたときの治し方
冷シップなどで冷やす
オーバーストレッチとは過度にストレッチをしてしまった状態のことです。体が固いと、どうしても無理をしがちです。痛めてしまった筋は炎症を起こしているかもしれないので、冷シップなどで冷やしましょう。アイシングは他にも、冷却スプレーなどがありますが、氷水で冷やすことが一番。
20分程度冷やすようにしましょう。患部が痛い、温かい、ピリピリする、感覚がなくなる、この段階で終わりにします。やりすぎると凍傷になるかもしれないので注意が必要です。
痛みがなくなるまでストレッチを休む
体に痛みがある状態でストレッチをすると、よけい筋肉に負荷がかかってダメージが広がってしまうかもしれません。痛みがなくなるまでストレッチは休むようにしましょう。せっかくよくなりかけている状態で、また痛みがひどくなってしまったらストレッチの意味がないのです。
ストレッチを一時休み、痛みがひどいときは病院で治療するのがおすすめ。医師のアドバイスのもと、正しい治療を受けて、痛みがなくなってからまたストレッチを始めましょう。
ゆっくり睡眠をとる
睡眠には日中、仕事や学業で疲れた脳や体を休めるはたらきがあります。睡眠中に分泌される成長ホルモンは、組織の修復や再生を行うので、傷ついた細胞などを直してくれます。痛めた筋もゆっくり睡眠をとることで少しずつ修復されていきます。
疲れた筋肉を休めるために、ゆっくりと質の高い睡眠をとるようにしましょう。とくに午後10時から午前2時は美容のゴールデンタイム。この時間帯に睡眠をしっかりとることが、肌や組織の再生には欠かせないので、この時間にはしっかりベッドに入る習慣をつけてください。
なお、寝る前のストレッチは質のよい睡眠に繋がります。睡眠前の正しいストレッチ方法に関しては以下の記事で詳しく解説しています。
筋肉の栄養となるものを摂取する
痛んだ筋肉を元に戻すには、栄養を摂ることが一番です。筋肉の栄養となるものを積極的に摂取しましょう。中でも、タンパク質は重要。プロテインなど呼ばれていますが、日本名ではタンパク質といいます。大豆製品に多く含まれていて、内臓・皮膚・髪の毛・爪といろいろな部位に入っているのです。
筋肉に必要な栄養素であるタンパク質を摂ることで、疲れた筋肉が少しずつ回復していきます。質の高い睡眠とともにタンパク質を中心としたバランスのとれた食事を心がけましょう。
ストレッチをがそれでもしたいときは動作をゆっくりする
毎日の日課となっているストレッチ。オーバーストレッチで筋肉痛になっている場合、体を休めることも大切。それでもやりたい場合は、無理をしないように心がけます。過度に負荷をかけたり、無理な動きをすることはやめて、ゆっくりした動作のストレッチを行いましょう。
ひどく痛みを感じないゆるやかなストレッチで、それでも痛みを感じたら、すぐに中止して、筋肉に負担にならないようにしてください。
ここちよいストレッチが何事にもベスト
ストレッチは毎日継続して行うことが大切ですが、無理な動きをしてしまうとかえって筋を痛めてしまうこともあります。毎日数分の運動で、ここちよいと感じる程度に抑えましょう。筋肉が適度に伸びてベストなストレッチができます。
痛いけれど気持ちいい程度が目安です。過度にやりすぎず、自分なりの、ちょうどいいストレッチを心がけて健康な体を手に入れましょう。
