目次
ランニングで専用シューズを履くことのメリット
ケガを予防してくれる
ランニングシューズはその人のレベルや目的によって種類が豊富にありますが、基本的な役割は足を守ること。特に初心者向けのシューズはソールのクッション性が高く、走るときに膝や足首にかかる力を分散させてケガを予防します。
さらに、ランニングシューズは走っているときにシューズ内で足がブレないようホールド性も高く設計されています。それにより、擦れやマメからも足を守ってくれます。
足を疲れにくくする
ランニングシューズの特徴の一つに「軽さ」が挙げられます。上級者用のランニングシューズはソールをより薄くするのでほとんど重さを感じないくらい軽いのですが、ソールの厚い初心者向けのシューズでも一般的なスニーカーと比べるとかなり軽く作られています。
ランニングはジャンプの繰り返しと表現されるくらい地面を蹴り続けるので、軽いシューズの方が足が疲れにくく走りやすいのです。
筋力が少なくても走り続けられる
今まであまり運動をしていなかった人が急にランニングを始めると、筋力が不足しているので続けて走るのはとても大変。初心者向けのランニングシューズはクッション性だけでなく筋力不足による左右のブレを軽減してくれる機能や、着地から次の一歩への動きをサポートしてくれます。
そのおかげで、足の筋力が少なくてもスムーズに走り続けることができるのです。筋力がついてくると、次の目的に合わせて選べるシューズの幅も広がります。
靴の中が蒸れにくい
大量の汗をかいて蒸れたシューズ内は雑菌が繁殖しやすく、臭いの原因になります。さらに蒸れてシューズや足が湿ることでシューズと足の摩擦が増え、マメが潰れるなどのケガにも繋がる恐れがあります。
そこで、ランニングシューズはメッシュ素材などを使用することで通気性を高め、長い時間走っていてもシューズ内が蒸れにくく設計されています。汗を吸ってもすぐに発散するので重くならず、快適な走りを支えてくれます。
重心移動がスムーズになる
ランニングは重心移動がとても重要。重心移動がうまくできると、余計な力を使わず効率よく前へ進むことができます。ランニングシューズは、かかとから接地し後ろから前へスムーズな重心移動をサポートしてくれるので、疲れにくく走りやすい安定したフォームを保てます。
初心者がランニングシューズを選ぶ時のポイント
ソールが厚くてクッション性が高い
走るときは膝や足首に体重の3倍の負荷がかかると言われます。そこでまだまだ筋力の足りない初心者ランナーはソールが厚くクッション性の高いシューズを選ぶようにしましょう。膝や足首にかかる負荷をソールが吸収、分散してくれるので、ケガのリスクも軽減されます。
ソールを薄くし、さまざまなサポート機能をそぎ落として軽量化したシューズは、よりスピードを求める上級者向けのシューズなので「軽いシューズが初心者向け」という考えは大間違いです。
自分の足の形を把握する
自分の足に合ったランニングシューズを選ぶ上で知っておきたいのが自分の足の形です。気に入ったシューズでも自分の足の形と相性が悪ければ足を痛める原因になってしまいます。
足の形は大きく3タイプ(エジプト型・ギリシャ型・スクエア型)に分類されます。さらに甲の高さや足幅の広さも加えて自分の足の形を把握することが大切です。
エジプト型
日本人の多くがこの足の形です。5本の中で最も親指が長く、小指にかけて段々短くなっていくタイプです。親指がシューズに当たりやすいので、つま先にスペースが必要です。
ギリシャ型
日本人の約2割がこの足の形といわれています。5本の中で人差し指が最も長いタイプです。靴の形に添っているので比較的どのシューズでも合いますが、シューズ内で人差し指が圧迫されると痛みが出る場合があります。
スクエア型
指の長さがそろって横一直線の珍しい足の形です。シューズ内で小指が当たりやすく、また横幅が広くなる傾向なので、シューズの幅にも注意が必要です。
足入れが柔らかくフィット感がある
ランニングシューズはランニングにとって一番重要なアイテム。それだけに、購入する場合は必ずフィッティングが必要です。
まず、かかと部分のヒールカップに合わせ、かかとをトントンと床に打ちフィットさせます。そのとき足全体が柔らかくつつみ込まれるフィット感なら合っているシューズといえますが、横幅や指先が当たって痛みがあったり窮屈なら、他のシューズを試しましょう。
両方の足で試し履きをして歩いてみる
人の足は左右で微妙に違いがあるので試し履きは必ず両足で行ってください。ヒールカップを合わせ、靴紐をきっちり締めたら足の横や甲のフィット感を確認し、実際に歩いてみましょう。歩いてヒールカップからかかとがずれず、足首が自由に動かせるかがポイント。つま先は1?くらいの隙間を確保した上で親指や小指の当たり具合もチェックしましょう。
足のサイズを正しく計測してもらう
ランニングシューズは普段履いている靴の感覚と違うので、初めてのシューズを選ぶときは自分の足を専門の店員さんに正しく計測してもらいましょう。ランニングシューズは普段の靴とは違うサイズの場合も多いので店員さんのアドバイスを参考にすると安心です。
お店によってはサイズだけでなく足の甲や土踏まずの高さなど、機械を使って細かく測定し、より自分の足型にフィットしたシューズを選んでもらえます。測定に少し時間はかかりますが、初めてのシューズ選びが不安な人はこのような機械測定を利用するのもおすすめです。
大手メーカーの商品を選ぶ
ここ数年のランニングブームの影響もあり、あらゆるメーカーからランニングシューズが発売されていますが、初めてのランニングシューズは安心と信頼の置ける大手メーカーのものを選びましょう。
主なメーカーとしては、ナイキ、アディダス、ニューバランスなどの主要海外メーカー。そして日本人の足にフィットするアシックス、ミズノといった日本国内メーカーがあります。
メーカー別のランニングシューズの特徴
靴の横幅が狭くフィット感のあるナイキ
ナイキはアメリカのメーカーなので欧米人向けに開発された製品が多く、ランニングシューズも日本メーカーのものと比べると横幅が狭い傾向にあります。日本人は欧米人に比べて甲が高く横幅が広い足のタイプが多いので合わない人もいますが、横幅の狭い人にとってはフィット感がとても高くおすすめです。
ナイキはアスリートからの支持が高く、独自の技術を使った機能性の高さが魅力。特に通気性や軽量性には定評があります。
日本人の足に合った作りのアシックス
日本生まれのアシックスは日本人の足型の研究を重ね、日本人の足に合うシューズの開発を徹底しています。そのため日本人ランナーからの評価が高く、多くのランナーに支持されています。
アシックスのシューズは独自に開発したクッション性能の高さも魅力のひとつです。初心者向けから上級者ランナーまで幅広く製品のラインナップが充実しているため、初めてのランニングシューズ選びにもおすすめ。
デザイン性と軽量化が魅力のアディダス
アディダスのランニングシューズの特徴は、なんといってもデザイン性。普段履きで使う人も多いくらいオシャレでスタイリッシュなデザイン、豊富なカラーリングが魅力です。
もちろん見た目だけでなくその機能性も高く、軽量化と通気性の高さで快適に走れます。さらに独自の反発力のあるクッション性能「ブースト」も人気の理由です。ナイキと同様、欧米のメーカーなのでやや横幅は狭い作りになっているので、甲高幅広の足の人は注意が必要です。
クッション性に優れたニューバランス
ニューバランスはアメリカのメーカーですが、日本人の足に合わせたランニングシューズの開発を行っており、日本人ランナーからも高い人気と支持を得ています。ニューバランスのクッション性は軽量化との両立を実現し、衝撃から膝や足首を守ります。さらに、親指の付け根から小指の付け根を結んだ周りの長さも選べるので、より自分の足に合ったシューズ選びができます。
独自のクッションシステムを採用したミズノ
日本メーカーのミズノは野球アイテムが有名ですが、ランニングシューズも高い人気があります。ミズノのランニングシューズといえば、独自のクッションシステムが有名です。独特のウェーブ状のクッションプレートを使用することで高い衝撃吸収性能と快適に走れる安定感が人気の理由。
この技術は長く使用していてもクッション性能の低下を防ぐことができるので、シューズの耐久性が高く、ミズノのランニングシューズの特徴でもあります。
初心者におすすめのランニングシューズ
アシックス GT-2000
これから走り始める人におすすめのアシックスの中でも一番人気のタイプです。日本人の足型を研究してきたアシックスだからこそ日本人の足のサイズにぴったり。かかとのぐらつきを抑制し、安定した走りをサポートします。女性用と男性用でソールの硬さを変えているので、女性の足の負担を軽減してくれます。
ニューバランス M1040
甲高幅広の日本人の足型に合わせた形が抜群のフィット感を実現します。安定した着地と足首のねじれをガードする機能でケガから足を守ります。そして軽量性と反発性に優れたクッション機能で小さな力でも前へ進む推進力を生み出します。ゆっくり長く走ることを考えて開発されたモデルなので、初心者にもぴったり。
ミズノ WAVE RIDER 20
一般的にクッション性と安定性の両立を難しいとされていますが、インソールとアウトソールの中間であるミッドソールにミズノ独自の波型形状プレートを挟み込むことで両立を実現したのがミズノウェーブ。誕生から20年、さらに進化したミズノウェーブは新形状のウェーブプレートを採用し、左右のブレを軽減。スムーズな体重移動で走りやすさをサポートしてくれます。
アディダス energy boost 3
アディダス独自のクッション技術「ブースト」は反発性とクッション性を兼ね備えているので、衝撃から足を守りつつ抜群の反発力で前へ推し進めてくれます。筋肉のブレを軽減してくれるテックフィット素材で高いフィット感と通気性で快適な走りをサポート。
ナイキ ルナグライド8
優れた通気性とソックスのようなぴったりとしたフィット感で長時間走っても足の負担を最小限に抑えます。衝撃を分散する高反発のクッション性と軽量化を両立し、快適な履き心地で安定感のある走りをサポートします。普段のトレーニングから、フルマラソン完走を目指す初心者向けのモデルです。
ランニングシューズとウォーキングシューズの違い
かかと部分のクッション性
ランニングでは地面にかかとが接地するとき、膝や足首にかなり負荷がかかるのでかかと部分は衝撃を吸収、分散するためのクッション素材が使われますが、ウォーキングではそこまでの負荷はかからないので、クッション性よりもシューズの耐久性を重視し、かかとや靴底が減りにくい素材を使用しています。
素材の柔らかさと重さ
ランニングシューズは汗などの蒸れを防ぐのと、シューズ自体を軽量化するために通気性のよいメッシュ素材を使用します。さらに長時間走っても疲れず足にフィットするよう柔らかい素材が適していますが、ウォーキングの場合は、シューズの耐久性と、雨が降っても中まで染みないよう防水加工の施してある合皮素材などを使います。
また、ウォーキングは着地の安定性と、次の一歩を踏み出すときにある程度の重さがある方が振り子の原理で進みやすく、ランニングシューズより重く作られています。
通気性のよさ
ランニングシューズはメッシュ素材を使用し、通気性を重視しています。反対にウォーキングシューズは防水加工や防水素材のゴムなどを使用しているので通気性が悪くなってしまいます。しかし、ウォーキングシューズの中でも通気性を重視したものや、雨などの水は通さないけれど水蒸気は通す素材で蒸れを防止する機能を持ったウォーキングシューズもあります。
ジョギング向けのおすすめレディースシューズ
アシックス GT-2000レディース
抜群のクッション性と安定性でアシックスの中でも人気のモデル。中敷きにも高いクッション性があり、足を包み込んでくれるような履き心地です。左右のブレを抑え、体重移動がスムーズに行えるので足が疲れにくく、また耐久性にも優れているので日々のトレーニングにも向いています。
ナイキ ルナテンポ2 レディース
柔らかいクッションと軽いフィット感、そして軽量化されたルナテンポシリーズはナイキの中でもスピードアップを叶えてくれる人気モデルです。レースはもちろん、テンポを持続させるトレーニングや長距離のランニングにも向いています。
ニューバランス FRESH FOAM BORACAY W
ミツバチの巣のような正六角形を組み合わせたハニカム構造を採用した単一素材のミッドソールを搭載し、クッション性と安定性が向上したモデル。心地よいフィット感で快適なランをサポートし、ダイエットや健康を目的としたランナーに適したランニングシューズです。
ランニングに適した靴下と履くべき理由
厚手の靴下は衝撃吸収に役立つ
ランニング用の靴下は生地の厚さによって効果が変わります。初心者には厚手の靴下がおすすめ。厚手のものは靴下そのものがクッションになるので衝撃を吸収する効果があり、シューズのフィット感も上がるためトレーニングや長距離を走る人に向いているのです。
反対に薄手の靴下は力が地面に伝わりやすく足の裏の感覚を感じやすいので、レースで結果を出したい上級者に向いていると言えます。
5本指ならマメ防止になる
ランニンング用の靴下はレギュラータイプと5本指タイプがあります。5本指タイプは指が独立しているので蒸れにくく、指同士の摩擦を防いでマメ防止の効果があります。さらに地面に対してしっかりと踏ん張れるのでランナーに人気です。
最近は親指だけが独立した足袋タイプも注目されています。レギュラータイプも各メーカー、通気性や滑り止め、防水加工などさまざまな技術で快適なランをサポートする靴下を出しているので、自分に合うものを見つけましょう。
機能性の高いハイソックス
ランニング用靴下にはくるぶしからハイソックスまで丈の種類があります。中でもハイソックスは着圧効果やテーピング効果でふくらはぎの筋肉のブレを抑え、ランニングタイツのように疲れにくい走りをサポートしてくれます。下半身全てを覆うタイツが苦手な人にも高機能ハイソックスはおすすめ。ふくらはぎの筋肉の冷えを防ぐので冷えによる痙攣も予防できます。
長距離の場合はアーチサポート
長距離を走ると疲労で土踏まずが落ち込んでしまうことがあります。そうすると足本来の衝撃吸収機能が失われ、足の裏に痛みが出てしまいます。そこで長距離を走る場合におすすめなのがアーチサポート。土踏まずを支えて落ち込みを防ぎ、疲れにくくしてくれます。走る前の土踏まずのストレッチと併用するとより効果的です。
はかないと臭いが発生しやすい
ランニングシューズは一般的な靴と比べて通気性が良く蒸れにくい構造ですが、素足で履くと汗や皮脂が付着、そこに雑菌が繁殖すると臭いが発生します。ランニング用の通気性の良い靴下を履くだけでも臭いの発生は抑えられます。さらに防菌、防臭効果のある靴下だとより安心です。
汗や蒸れでシューズが水分を含むと、臭いだけでなくシューズの汚れや劣化にも繋がるので、シューズを長持ちさせるためにも靴下は必ず履きましょう。
ランニングシューズの靴紐の結び方
初心者向きのアンダーラップシューレーシング
左右交互に穴の下から靴紐を通していく結び方です。この結び方は、履いているうちに足に馴染んでいくので圧迫感が少なく、初心者や長距離を走るランナーに向いています。また、甲高幅広の人もこの結び方が痛くなりにくいのでおすすめ。
競技者向きのオーバーラップシューレーシング
アンダーラップシューレーシングとは反対に、左右交互に穴の上から靴紐を通していく結び方です。この結び方は、締まりがよく動いても緩みにくいので、短距離ランナーに向いている結び方ですが、長距離を走る場合も緩まないようしっかりと締めたい場合はこの結び方をしても構いません。
フィット感が増すダブルアイレッド
かかとが滑りやすい場合はしっかりと足をホールドするダブルアイレッドがおすすめ。下から交互に紐を通していき、1番上から2つ目の穴を左右とも下から通したら交差させずにそれぞれ同じサイドの一番上の穴に上から通すと左右それぞれに輪っかができます。その輪っかに紐を交差させて通すと完成。しっかり固定できるのでフィット感が増します。
ランニングに使う靴を正しく選んで走りを快適に
適度な運動はストレス発散にもなるので、ランニングは美容と健康に最適です。
ランニングをより快適に楽しむためにも自分のレベルや目的に合ったランニングシューズを正しく選びましょう。こだわって選んだお気に入りのシューズで走れば気分爽快。健康と美しさを手に入れましょう。