目次
やまいもの成分
消化を助けるアミラーゼ
「アミラーゼ」という名前を耳にしたこともあるかもしれません。唾液などにも含まれる炭水化物分解酵素で、糖質を分解し、消化を助けてくれる作用があります。
アミラーゼは加熱によって失活していくので、加熱しすぎないことが重要です。
代謝をうながすムチン
納豆やオクラなどにも含まれる、ネバネバのもととなる成分「ムチン」。胃などの粘膜を保護する作用や、肝臓や腎臓の機能を高めて代謝をうながしてくれる作用があります。
ムチンは熱に弱いため、こちらも加熱しすぎないことが重要です。
かぜを予防するディオスコリン
少し耳慣れない名前かもしれませんが、「ディオスコリン」という、たんぱく質成分があります。最近の研究で、ディオスコリンには抗インフルエンザ作用があることが明らかになってきましたので、かぜを予防する効果があるといえるでしょう。
こちらも熱に弱いため、やまいもは加熱せず、生で食べることで栄養素を効率的に取り入れることができます。
代謝を促進するビタミンB1
豚肉などに多く含まれている「ビタミンB1」ですが、糖質をエネルギーに変えるサポートをする栄養素なので、代謝を促進してくれます。不足すると効率的に糖質をエネルギーに変えられず、疲労感やイライラの原因ともなるため、積極的に摂取するようにしましょう。
美肌に効果のあるビタミンC
普段の生活でもなじみ深い「ビタミンC」は、数あるビタミンの中でも働きが多い栄養素ともいわれています。コラーゲンの生成を助けたり、抗酸化作用もあるため、美肌作りには欠かせない栄養素です。
しかし、ビタミンCは熱によって壊れてしまうので、生でも食べられるやまいもから摂取するのはおすすめといえるでしょう。
ストレスを軽減するカルシウム
「カルシウム」は、骨に必要な栄養素というだけではなく、神経や筋肉の活動をスムーズにする働きもしています。カルシウムを十分に摂取すると、筋肉や神経が興奮するのを防ぐことができるので、ストレスを軽減できるます。
むくみを改善するカリウム
「カリウム」は、体内に増えすぎた塩分(ナトリウム)の排出を促進し、細胞内の浸透圧(体内の水分量)を一定に保つ働きをしてくれます。むくみの主な原因となる、余分な塩分と水分を排出してくれる作用があるのです。
ただし、カリウムは水溶性のため、食物をゆでると溶けだしていってしまうことがあります。できるだけ生で食べるほうが、効率よくカリウムを取り入れられます。
やまいもダイエットのメリット
新陳代謝がよくなる
やまいもに含まれるムチンやビタミンB1などの栄養素の効果によって、新陳代謝がよくなります。代謝があがると、食物から摂取したエネルギーや脂肪として蓄えられているエネルギーが燃焼されやすくなります。やまいもを積極的に食べることは、ダイエットにつながるのです。
アンチエイジングに効果がある
やまいもに含まれるビタミンCは、アンチエイジング効果(抗酸化作用)ももっています。やまいもを生で食べることによって、ビタミンCを効率的に取り入れられ、アンチエイジングにも効果を発揮します。
血糖値の上昇がおだやかになる
ムチンの働きは、代謝をよくしてくれるだけではありません。糖質の吸収速度を抑えてくれる効果もあります。そのため、血糖値の上昇がおだやかになり、インシュリンの分泌量が抑えられます。結果として、糖を脂肪としてため込むことが抑制されるので、ダイエットに効果的となります。
コレステロール値がさがる
ネバネバのもとであるムチンは、腸内のコレステロールをからめとり、排泄する助けをしてくれます。コレステロールが増えすぎると、血液の流れを悪くしてしまいます。そのため、やまいもを食べることで余分なコレステロールを排出し、健康的な体を目指すことができます。
免疫力がアップする
ムチンやビタミン群、カルシウム、カリウムなど、やまいもに豊富に含まれる成分には疲労回復効果が期待できます。免疫力を高めて、病気に負けない体にしてくれるのです。
かぜの予防になる
さきほどお伝えしたように、ディオスコリンには、抗インフルエンザ作用があると明らかになってきています。また、体の免疫力がアップする栄養素も豊富に含まれているため、かぜを予防することができるといえるでしょう。
低カロリー
やまいものカロリーは、100gでおよそ65kcalです。同じ芋類のジャガイモは、100gでおよそ85kcal。サツマイモはおよそ130kcalです。また、白米はおよそ168kcalあります。このことから、やまいもを積極的に食べてもカロリーは抑えられるため、ダイエットに効果的だといえるでしょう。
食物繊維が豊富
やまいもには、食物繊維も豊富に含まれています。食物繊維で腸内環境を良くし、便の排泄を促して、スッキリとしたスリムなおなかを保ちましょう。
やまいもダイエットの注意点
白米を食べ過ぎない
やまいもの食べ方といえば、とろろにしてご飯にかけることが思いつきます。ですが、白米を食べ過ぎてしまうと、糖質やカロリーを多く摂取してしまい、ダイエットには効果的でありません。
やまいもダイエットをする際には、白米を食べ過ぎてしまわないよう、十分に注意しましょう。茶碗に軽く一杯程度で留めるように心がけることが大切です。
飽きないように工夫をする
普段、やまいもを使ったレシピを何種類くらいお持ちでしょうか。とろろもおいしいですが、毎日とろろばかりだと飽きてしまいますよね。やまいもをたくさん食べるためにも、レシピにバリエーションを加えて、飽きないように工夫をしましょう。
よく噛んで食べる
やまいもはとても食べやすいですが、その食べやすさにつられて、ついついよく噛まずに飲み込んでしまってはいないでしょうか。よく噛むことは、代謝アップや血糖値のおだやかな上昇、少ない食事量でも満腹感を得ることにつながり、ダイエットに効果的です。食事のときは、1口で30回噛むことを意識してみましょう。
たんぱく質と一緒に食べる
たんぱく質が不足すると、筋肉量が落ちてしまい、消費カロリーを増やすことができません。消費カロリーを摂取カロリーより増やしてダイエットするためには、たんぱく質を積極的に摂取することも大事です。
やまいもに含まれるムチンはたんぱく質の吸収を助ける効果があるので、やまいもを食べる際には、ぜひたんぱく質と一緒に食べるようにしましょう。
野菜と一緒に食べる
やまいもは、炭水化物です。とろろにすると、白米や麺類などの炭水化物と一緒に食べることが多いのではないでしょうか。ですが、きれいに痩せるためには野菜もきちんと食べて、栄養素をとることが大事です。
やまいもだけに偏るのではなく、ビタミンなどの栄養素が豊富な野菜も一緒に食べて、バランスのよい食事をとってダイエットしましょう。
汁物や飲み物と一緒に食べる
お腹がすいていると、ついお腹にたまりそうな白米や麺類などをたくさん食べたくなりがちです。汁物や飲み物と一緒に食べると、満腹感が出るためドカ食いを防ぐことができます。やまいもダイエットを行うときには、味噌汁や野菜スープ、水やお茶なども積極的に飲むようにしましょう。
一ヶ月は続ける
やまいもダイエットを始めても、1日や2日で効果が出るものではありません。やまいもを積極的に食べつつ、バランスのよい食生活を一ヶ月は続けてみましょう。
特に女性は、生理周期にともなうホルモンバランス変動の影響で、やせやすい時期とやせにくい時期もあります。やまいもダイエットを始めて一ヶ月のところで、体重や見た目の変動をチェックしてみましょう。
やまいもダイエットの効果を高める食べ方
熱に弱いので生で食べる
やまいもに含まれるさまざまな成分は、ムチンやディオスコリン、アミラーゼやビタミンCなど、熱に弱いものも多いです。やまいもは、生で食べることができる魅力的な食材です。栄養素をそのまま取り入れることができるので、やまいもはできるだけ生で食べるようにしましょう。
もし加熱するときは、できるだけ短時間にするか、熱に弱い栄養素は他の食材やサプリメントで摂取するようにしてください。また、スープにすると、溶けだした栄養素も一緒に摂取できるのでおすすめです。
わさびと一緒に食べる
日本の食卓には欠かせない薬味、わさび。このわさびには、「スルフィニル」という成分が含まれています。このスルフィニルには、活性酸素の発生を抑える働きがあり、アンチエイジングに効果的といわれています。また、いらないものを体外へ排出する効果もあり、ダイエットにはとても効果的といえます。
やまいもを食べる際には、ぜひ、わさびと一緒に食べることも意識してみましょう。
ダイエットにおすすめのやまいもレシピ
さっぱりと食べられるやまいもと梅肉の白和え
やまいもと梅肉の白和えは、やまいもを生のまま使用し、梅肉の効果もあいまって夏でもさっぱりと食べられます。また、豆腐で和えるのでたんぱく質も摂取できます。
<レシピ案(1人分)>
1.豆腐100gほどを水切りします。小さいパックの豆腐がちょうどよいでしょう。
2.やまいも100gほど(やまいもによりますが、5cmほどでしょう)を短冊切りにし、梅干しは種を除いて包丁の背などでたたいておきます。
3.水切りした豆腐とやまいも、梅肉を和え、しょうゆを少しかけていただきます。
おつまみにもなるやまいものチーズ焼き
やまいもとチーズをフライパンやオーブントースターなどで焼くだけの、簡単でおいしいレシピです。チーズでたんぱく質も摂取できます。
<レシピ案(1人分)>
1.やまいもを好きな量(100gほど)用意し、半月切りにします。
2.フライパンの場合、フライパンでやまいもを両面焼いて塩こしょうをし、ピザ用などのチーズをかけ、ふたをしてチーズが溶けるまで焼きます。オーブントースターの場合、耐熱皿にやまいもを並べ、塩こしょうをし、チーズをかけてからチーズがこんがりするまで焼きましょう。
3.お好みでしょうゆなどをかけていただきます。ベーコンなどを一緒に焼いてもおいしいです。
食感がおいしいやまいものふわふわ焼き
とろろと卵を混ぜて焼くことにより、中はふわふわ、外はカリッとしたおいしいおかずができます。ふわふわ・カリカリ食感のハーモニーを楽しめます。
<レシピ案(1人分)>
1.やまいも100gほどをすりおろし、卵1個とだし汁130cc、しょうゆ少しとよく混ぜます。
2.フライパンの場合、流しいれて両面焼きましょう。オーブントースターの場合、耐熱皿に流し込んで中にも火が通るまで10分強焼きましょう。
食べごたえのあるやまいもの豚バラ巻き
短冊切りにしたやまいもを豚バラで巻いて、お腹にたまるおかずができます。やまいものシャキシャキ食感も楽しめます。豚肉はたんぱく質やビタミンB1が豊富なので、ダイエットにも効果的です。
<レシピ案(1人分)>
1.やまいも100gほどを大きめの短冊切りにする。
2.豚バラ肉や豚薄切り肉でやまいもを巻いて、フライパンで焼く。
3.しょうゆ・酒・みりん各大さじ1程度の甘辛たれなどで味付けをする。
歯ごたえがあるやまいものしゃきしゃきハンバーグ
やまいもをすりおろしではなく、角切りでハンバーグに加えることによって、しゃきしゃき感が楽しいハンバーグになります。冷凍もできるので、お弁当にもぴったりです。
<レシピ案(2人分)>
※作りやすいよう、2人分のレシピとしました。余ったハンバーグも、焼いた状態で冷凍できます。
1.ひき肉200gほど、たまねぎ1/4~1/2個ほど、卵1個、パン粉大さじ2ほど、ナツメグ少々、塩こしょう少々を、粘りがでるまでよく混ぜる。
2.角切りにしたやまいも100gほど(多い場合は減らしましょう)を?に混ぜる。
3.フライパンで焼く。
4.ソースはケチャップとソースを同量混ぜたものや、きのこソース、しょうゆと大根おろしの和風ソースなど、何でもおいしくいただけます。また、ハンバーグの中にチーズを入れてチーズインハンバーグにしても、おいしくいただけます。
簡単にできるやまいものポン酢焼き
やまいもを焼いて、ポン酢だけで味付けをするので、夏の暑いときでもさっとおいしくいただけます。
<レシピ案(1人分)>
1.やまいも100gほどを輪切りにする。
2.フライパンで両面焼き、ポン酢をさっとかける。きのこを一緒に焼いてもおいしくいただけます。
3.お好みで、かつおぶしやわさびなどをのせて食べましょう。
揚げ物でもヘルシーにやまいものから揚げ
ダイエット中は、カロリーの高い揚げ物は避けがちですが、やまいもを使えば、低カロリーでも満足感のあるから揚げが食べられます。ホクホクとした食感を楽しむことができます。
<レシピ案(1人分)>
1.やまいも100gほどを乱切りにします。
2.しょうゆ少々、すりおろししょうがなどで下味をつけます。
3.片栗粉をまぶし、油でこんがりと揚げます。
箸休めにぴったりのやまいものポン酢漬け
やまいもを生で使用するので、栄養素を余すところなく摂取できるレシピです。簡単に作ることができ、火も使わないので夏の暑い日にぴったりです。箸休めとしていただきましょう。
<レシピ案(1人分)>
1.やまいも100gほどを短冊切りにします。(輪切りやそのままなど、お好みの切り方でかまいません)
2.ポリ袋などにやまいもを入れ、やまいもが浸かる程度にポン酢を入れます。
3.好みの加減まで味が染みたらできあがりです。ぜひ、わさびをのせて食べてみましょう。
身体があたたまるやまいもと長ネギのスープ
やまいもと長ネギで、温かいスープを作りましょう。汁物は満腹感を出してくれます。また、スープに溶けだした栄養素も余すことなく摂取することができます。
<レシピ案(1人分)>
1.やまいも100gほどを短冊切りにする。(すりおろしても、ポタージュのような優しいスープになるのでおすすめです。)
2.長ネギを好みの量斜め切りにする。
3.水200gにコンソメを入れ、やまいもと長ネギも入れて煮る。好みできのこや他の野菜を入れても、おいしくいただけます。
やまいもできれいに痩せよう!
やまいもには、豊富な栄養素が含まれています。そのやまいもを積極的に摂取するやまいもダイエットは、きれいに痩せることだけではなく、健康増進にも効果が期待できます。また、無理な食事制限をすることなく、バランスの良い食生活をしながらダイエットをするので、食べることが好きな方にもうれしいダイエット方法です。
やまいもダイエットで、食事をおいしく楽しみながら、健康的でスリムな体を手に入れましょう。