目次
クレソンの成分
お通じがよくなる食物繊維
食物繊維には、水溶性と不溶性があり、どちらもお通じをよくする働きがありますが、特徴が異なります。
水溶性食物繊維は、水に溶けてヌルヌルとする成分。便を取り囲んで、腸をスムーズに動き、体外に排出することを助けてくれます。
不溶性食物繊維は、水を含むことで膨張するため、便の量を増し、腸内を刺激することで、腸のぜん動運動を促進します。
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食物繊維はダイエットの味方。効果や摂取方法を知りスッキリボディへ
浮腫みに効くカリウム
浮腫みの原因はカリウム不足。通常、細胞内にはカリウムが、細胞外にはナトリウムが存在して、均衡を保っています。ところが、塩分(ナトリウム)を摂りすぎると、細胞外のナトリウム濃度が高くなり、それを薄めようと水分が集まって浮腫みの原因に。
そこで、塩分を摂り過ぎたときは、カリウムを十分に摂取することで、細胞外の余分なナトリウムと結合して、尿や汗として対外に排出。これにより、体が浮腫むことを防いでくれます。
カリウムを簡単に摂取したいという方におすすめなのがサプリ。むくみに有効なサプリについては以下の記事で詳しく解説しています。
骨を丈夫にするカルシウム
カルシウムは、骨や歯の形成に不可欠で、筋肉や神経の機能にも関わる重要な栄養素。若い頃に摂取したカルシウムの量が足りないと、高齢になってから骨粗しょう症になるリスクが高まります。
クレソンには、100g中110mgと、単位グラム数あたりのカルシウム量は高く、牛乳とほぼ同じ。牛乳が苦手な人でも、クレソンを食べて十分なカルシウムを摂取できそうです。
血液の材料になる鉄分
鉄は、血液中で全身に酸素を運ぶ、ヘモグロビンを構成する成分。そのため、鉄分の摂取が足りないと、脳や筋肉への酸素供給が不十分となり、思考力が低下したり、倦怠感を感じたりします。
さらに、鉄は、肌のシミの原因となる活性酸素を除去や、コラーゲンの構造の安定化にも関わっていて、鉄分が不足すると、シミができやすく、ハリがない肌に。
十分に休んでいるのに、疲れが溜まったり、肌に元気がないと感じたら、鉄分不足かもしれません。鉄分が多く含まれる食材といえばやはりレバーです。レバーには鉄分補給以外にもダイエットの効果などもあります。レバーを摂取するメリットに関しては以下の記事で紹介しています。
レバーやサプリで鉄分補給をして貧血を防ぎ、若々しい肌を目指しましょう。細胞の新陳代謝を促進する亜鉛
私たちの体を構成する細胞は、日々新しく生まれ代わっています。クレソンに含まれる亜鉛は、細胞を増やすためのDNA複製とタンパク質合成に必要で、細胞の新陳代謝をスムーズにする働きがあります。
亜鉛が不足すると新陳代謝が進まず、古くなった細胞が蓄積し、肌がくすみ、シミやシワの原因に。若々しい肌を維持するためには、日々の食事に亜鉛が必要です。
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新陳代謝を上げることで内側から綺麗に。効果的な方法とは
肌を健康に保つナイアシン
ビタミンB群の一種で、ニコチン酸とニコチン酸アミドの総称である、ナイアシン。この成分は、皮膚や粘膜の細胞の生まれ変わりに必要で、不足すると、唇が切れたり、口内炎、皮膚炎、下痢になることもあります。特に唇が切れやすくてやなんでいる方は以下の記事に対策を解説しています。
一方で、ナイアシンには血管拡張作用があるため、血行を良くする働きがあり、冷え、肩こり、頭痛を改善してくれます。十分なナイアシンの摂取で、肌や粘膜を健康に保つことができ、体の血行をよくすることができます。
美肌に効果があるビタミンB2
ビタミンB2は、皮膚、髪、爪などの細胞再生に重要な役割があるため、不足すると、肌荒れ、髪のパサつき、爪が割れやすくなると言われています。
また、脂肪の分解に大きく関わっているため、十分に摂取しないと、脂肪の分解が十分にいかず、中性脂肪として蓄積されたり、肌に余計な皮脂が溜まり、ニキビの原因に。
ビタミンB2を食事にうまく取り入れて、トラブル知らずの肌を作りましょう。
美白に効果のあるビタミンC
紫外線を浴びると、肌は自身を守ろうとして、メラノサイトからメラニンを生成させます。メラニンが蓄積すると、くすみやシミになってしまいます。
ビタミンCは、メラニン生成を行うチロシナーゼという酵素の働きを抑えることで、メラニン生成を抑制。また、強い還元力をもち、既に生成されたメラニンを無色化します。
ダブルの作用でメラニンを防ぐビタミンC。十分に摂取することで、高い美白効果が期待できます。
抗酸化作用のあるビタミンE
細胞は、ストレスや病原菌にさらされると、活性酸素を発生して対抗します。ところが、活性酸素が多すぎると細胞を酸化し、老化させてしまうことに。
また、活性酸素はメラノサイトを刺激し、シミの原因であるメラニンの生成を促進させてしまいます。
「若返りのビタミン」と呼ばれるビタミンEは、老化の原因である活性酸素を除去。細胞の老化を抑制し、シミの原因であるメラニンの生成を抑えて、若々しい肌を導きます。
ここで3種類のビタミンについて説明をしましたが、更にビタミンについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
消化を助けるシニグリン
シニグリンは、ワサビやダイコンを食べたときに感じる、「つーん」とした辛味成分のもと。そのままでは辛味を感じませんが、すりおろすなどして酸素に触れた状態になると、ワサビやダイコンにあるミロシナーゼという酵素が働き、辛味成分イソチオシアネートに変化します。
クレソンは、ワサビやダイコンと同じアブラナ科で、シニグリンが含まれます。シニグリンには、血管を広げて血行を促進する作用や、消化器官の消化液の分泌を促進する作用、利尿作用も。
シニグリンを食事に取り入れることで、胃腸の疲れを抑制し、デトックス効果も期待できます。

クレソンダイエットの効果
むくみが改善する
太っている原因は、実は「塩分の摂り過ぎでむくんでいる」という可能性もあります。
クレソンにはむくみを防ぐ成分、カリウムが含まれます。メインの料理の味付けが少し濃い場合は、クレソンを多めに食べて、余分な塩分を体外に排出し、体がむくむのを抑えましょう。
美肌になる
クレソンには、美肌を導き、脂肪の分解に働くビタミンB2が含まれます。ダイエット中は栄養バランスが乱れ、肌荒れなどが起きやすいため、美肌を導くクレソンを食事に摂り入れましょう。
また、油っこい食べ物が好きで、どうしてもやめられない場合は、クレソンを付け合わせ、脂肪の分解を十分にすることがおすすめです。
お通じがよくなる
クレソンの食物繊維は、100gあたり約2.5g。単位グラムあたりの食物繊維の量は、他の野菜と比べて特別多くはありませんが、クレソンは水分量が少ないため、一度にたくさんの量を食べることができるため、摂取できる食物繊維も多くなります。
ちなみに、クレソンの食物繊維のほとんどは不溶性。水分を吸うことで便のかさを増やし、腸を刺激してくれますが、あまり摂りすぎると、便の水分が吸い取られすぎて、腸内をスムーズに進めなくなります。それを防ぐために、クレソンを食べるときには、水分を十分に摂ることをおすすめします
デトックス効果がある
クレソンに含まれるシニグリンは、利尿作用により老廃物を尿として排出し、ナイアシンは、血行促進作用により、不要な物質が血液中に留まることを防止。このようにクレソンには、複合的なデトックス効果があります。
健康的なダイエットとは、単に体重を減らすだけではなく、体に不要なものを排除するということ。クレソンを食べて栄養を取り入れると共に、体に不要なものを排除し、美しい体を手に入れましょう。
美白に効果がある
クレソンには、メラニン生成の抑制と、できてしまったメラニンの無色化に働くビタミンC、活性酸素を除去することでメラニン生成を抑制するビタミンEが含まれ、様々な角度から肌を白く導きます。
ダイエットだけではなく、くすみやシミの無い肌を目指すため、クレソンを毎日の食事に摂り入れましょう。
口臭予防になる
クレソンに含まれる成分シニグリンが、酵素反応で変化したイソチオシアネートには、殺菌作用があります。そのため、口内細菌の増殖を抑えることができ、口臭予防に。
食事の最後にもクレソンをよく噛んで食べ、気になるお口のニオイを防ぎましょう。

美味しいクレソンの選び方
葉が大きく色が濃く艶のあるもの
美味しいクレソンは、十分に成長しているため葉は大きく、さらに色は濃い緑色をしており、艶があります。葉が黄色を帯びているものや、しなびている場合、鮮度が落ちていることが考えられるので、避けた方が無難です。
葉の間隔が狭いもの
栄養をよく吸収して育ったクレソンは、枝分かれが多く、葉が密集して付いています。葉がまばらなものは、十分な栄養が得られずに育ち、味も落ちる場合が多いため、なるべく葉の間隔が狭いものを選びましょう。
茎が太すぎず細すぎないもの
十分に育っていないと茎が細く、風味が弱くなりますが、育ち過ぎても茎が太く、繊維が多く食べにくくになります。茎は太すぎず、細すぎないものが食べごろです。
茎にひげ根が少ないもの
土壌に栄養が少ないと、野菜は少しでも栄養を得ようとして、ひげ根を多く出します。つまり、ひげ根の少ないクレソンは、栄養が豊富な土壌で育ったということ。なるべくひげ根が少ないものが、十分に栄養を吸収した美味しいクレソンです。
香りが強いもの
クレソンの独特の爽やかな香りは、一緒に食べるお肉料理などを、すっきりとした後味にさせてくれます。その香り成分は、クレソンの栄養素シニグリン。香りが強いほど、栄養豊富で美味しい証拠。また、鮮度が落ちると香りが減ってくるため、香りの強さは鮮度のよさでもあります。

クレソンダイエットの注意点
タンパク質と一緒にたべる
クレソンには、健康や美肌を導く栄養素が多くありますが、クレソンだけ大量に食べればよいというわけではありません。私たちの体を構成するタンパク質を十分に食べなくては、その栄養素も働きかけることができません。
例えば、クレソンに含まれる栄養素である亜鉛は、細胞の新陳代謝に役立ちますが、細胞のもととなるのはタンパク質。その他の栄養素であるナイアシンは、皮膚や粘膜の生まれ変わりに関わりますが、皮膚や粘膜もタンパク質から成ります。
このように、クレソンに含まれる栄養素は、あくまで補助的なもの。食事の際には、クレソンとタンパク質を一緒に食べるのが効果的です。
なるべく生で食べる
クレソンに含まれる成分のうち、美肌効果のあるビタミンC、辛味成分のもとであるシニグリンが変化し、できるイソチオシアネートは、熱により分解されやすいことがわかっています。また、クレソンに含まれるほとんどの栄養素が、茹でている過程で水へ溶け出してしまいます。
つまり、茹でたクレソンを食べると、せっかくの栄養素が十分に摂取できず、ダイエット効果は薄くなることに。クレソンはなるべく生で食べると効果的です。
炭水化物はひかえる
ダイエット効果の高いクレソンを食べているからといって、炭水化物の摂取が多ければ、分解されずに残ってしまい、中性脂肪として蓄積されてしまいます。
また、炭水化物を多く摂取すると、血液中の血糖値が上昇し、これをサインに、インスリンというホルモンがすい臓から分泌。インスリンは、体を「脂肪蓄積モード」にして、中性脂肪の分解をストップさせる働きがあります。
炭水化物の摂取を控えることで、余分な脂肪を溜めずに済むだけでなく、既に溜まってしまった中性脂肪の分解を促進され、ダイエット効果が期待できます。
よく噛んで食べる
植物の細胞は、セルロースというかたい壁で覆われていて、これは人間の胃腸では消化できません。植物の栄養素は細胞内に存在するため、栄養素を十分に得るためには、細かく刻んだり、すりおろしたりすることで、セルロースを壊すことが有効です。
ところが、クレソンは、その薄い葉をすりおろすことはできず、細かく刻んで食べることも少ない野菜。このため、栄養を十分に得るためには、食べるときによく噛むことで細胞壁を壊すことが必要です。
そもそもよく噛んで食べることはダイエットには必要不可欠なことです。食べるものと同様で食べ方もダイエットには重要です。太らない食べ方については以下の記事にて解説していますので興味がある方はぜひ見てください。

ダイエットにおすすめのクレソンレシピ
食感がおいしい大根とクレソンのサラダ
大根は、クレソンと同じアブラナ科。同じ辛味成分を含みますが、癖のない大根の風味はクレソンによく馴染みます。大根には、でんぷん、脂質、タンパク質それぞれに対する消化酵素が含まれ、消化を助けるシニグリンを含むクレソンと共にサラダにすることで、食事全体の消化を助けることができます。
消化酵素を十分に得るために、大根は千切りにしてからクレソンと合わせましょう。
タンパク質がとれる鮭とクレソンのサラダ
鮭は比較的低カロリーで、糖質、脂質、タンパク質をエネルギーに変換するためのビタミンB群、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、造血作用のあるビタミンB12が豊富。その他にも、コレステロールを抑えて血液の流れをスムーズにする不飽和脂肪酸、活性酸素を除去するアスタキサンチンも含まれます。
鮭とクレソンを一緒に食べることで、クレソンに含まれるカルシウムの吸収がアップし、それぞれの美肌作用と抗酸化作用で、アンチエイジング効果が期待できます。
食べごたえのある豚肉とクレソンのレモンバター炒め
ダイエット中でもしっかりと食べたいときは、豚肉とクレソンを合わせた料理をおすすめします。
豚肉は、糖質をエネルギーに変換するために必要なビタミンB1含有量が、肉の中でもトップクラス。糖質をたくさん摂っていても、ビタミンB1が不足するとエネルギー変換されず、疲れやすい体に。また、ビタミンB1は、皮膚や粘膜の健康にも関わっていて、ダイエット中は積極的に摂りたい栄養素です。
豚肉とクレソンをさっとバターで炒め、レモンを絞れば、食べごたえがありながら、クレソンとレモンの爽やかな風味の一品になります。
さっぱりとしたクレソンとささみのおひたし
ささみは、高タンパク低脂肪、カロリーも低くダイエット中にはぴったりのお肉。アミノ酸のバランスが良く、皮膚や粘膜を健康に保つビタミンA、ナイアシン、エネルギー変換に必要なビタミンB群が豊富。
油を使わずおひたしにすることで、ヘルシーで美肌に効果的なおかずになります。だしを聞かせて和風にしてもよいですし、粒マスタードを使って洋風おひたしにしてもよいでしょう。
美肌になれるクレソンとトマトのサラダ
トマトは低カロリーなのに栄養満点。美肌効果のあるビタミンC、抗酸化作用のあるビタミンE、むくみに効くカリウム、ビタミンEの約100倍もの抗酸化作用のあるリコピンが含まれます。
クレソンをトマトと合わせることで、美肌効果と抗酸化作用をさらに上げることができ、色合いも美しいサラダに。ノンオイルでさっぱり食べてもよいですし、オリーブオイルを使ったドレッシングは相性抜群です。
苦味がおいしいにんじんとクレソンの胡麻和え
ニンジンには、皮膚と粘膜を健康に保つビタミンA、むくみに効くカリウムが豊富に含まれます。クレソンと合わせれば、美肌効果とデトックス効果がアップ。
また、胡麻には、高い抗酸化作用のあるセサミン、コレステロールを低下させる不飽和脂肪酸、骨粗しょう症に効くカルシウムが豊富。その他にも、ビタミンC以外の栄養素のほとんどが含まれています。
甘味のあるニンジンが、クレソンの苦みを引き立てて、胡麻の風味が癖になる美味しさに。ニンジンは噛みごたえがあるので、満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防いでくれます。
箸休めにぴったりのクレソンとマッシュルームのサラダ
マッシュルームは、低カロリーで、脂質をエネルギーにするためのビタミンB2、むくみに効くカリウムも豊富で、ダイエット中に嬉しい食材。
生で食べられるマッシュルームは、栄養素が壊されることなく、簡単に調理できるので便利です。あっさりとしたマッシュルームがクレソンの苦みを緩和し、箸休めにぴったりのサラダになります。
クレソンのお味噌汁
せっかく買ったクレソンがしなびてきてしまい、サラダにするのには見た目と食感がよくない、という場合、お味噌汁に入れてもよいでしょう。
クレソンの独特の香りが気にならなくなるため、香りが苦手な人は、食べやすくなります。ただ、煮てしまうと壊れてしまう栄養素があるため、食べる直前の熱々のお味噌汁に入れて、なるべく栄養素を無駄なく食べることをおすすめします。

クレソンできれいになろう
クレソンには、むくみの改善、美肌効果、デトックス効果などのある様々な栄養素が含まれているため、ダイエット中は積極的に食べたい野菜。
ただ、クレソンの栄養素は補助的なものなので、健康な体を作るためにはタンパク質と一緒に食べることが必要です。栄養素を損なわないよう、なるべく生のまま使い、いろいろな食材との組み合わせで、栄養価を高めるとよいでしょう。