目次
ゴマの成分
新陳代謝をアップさせるゴマリグナン
ゴマリグナンには、セサモール、セサミノール、セサモリンなど、さまざまな種類があります。よく知られているセサミンも、ゴマリグナンの種類のひとつです。
ゴマリグナンを摂取することでコレステロールの吸収を抑え、血液中の脂質量も改善します。脂質量が改善され、血液がサラサラになり血流がよくなると、新陳代謝もアップ。また、ゴマリグナンは肝臓で脂肪の分解を促進し、脂肪を燃焼させる働きもあります。
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筋肉をつくるたんぱく質
ゴマには100g中、約20%のたんぱく質が含まれています。これは肉や魚に匹敵するぐらいの数字。ちなみに、牛ヒレ肉のたんぱく質の量は21.3%、カツオが25.8%です。
筋肉をつけるために筋トレをしている人もいますが、効率よく筋肉をつけるためには、栄養素を取り入れることも大事。人の筋肉を作っているたんぱく質は、約20種類のアミノ酸で構成され、ゴマはその必須アミノ酸がバランスよく含まれたものなのです。
お通じがよくなる食物繊維
食物繊維が不足すると、便秘になってしまいます。食物繊維は、腸内環境を整えてくれ、便秘で悩んでいる女性にとっては、必要な栄養素ですね。また、食物繊維には、腸内細菌を良好に保つ働きも。
ゴマには100g中、12.6gの食物繊維が含まれています。食物繊維が多い食べ物に「きんぴらごぼう」がありますが、ゴマ大匙2杯できんぴらごぼう35gと同じになります。ゴマはほとんど消化されずに腸まで届くので、便秘解消に効果を発揮します。
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血液の材料になる鉄分
女性に多いとされる貧血症は、鉄分不足が原因です。鉄分は血液の材料になる栄養素。摂取することで貧血を予防することができます。
ゴマには鉄が100g中に9.9mg含まれています。ホウレンソウが0.9mg、プレーンが1.0mgなので、約10倍の鉄分が含まれていることになります。ゴマを大匙2杯ふりかけるだけで、鉄分を補給することができます。女性は不足しがちですので、積極的に取り入れるようにしましょう。
骨を強くするカルシウム
日本人にとって、カルシウムは不足しがちです。カルシウムの含有量は100gあたりの1200mg。ゴマ大匙1杯で、牛乳1本分のカルシウムが取れます。
カルシウムは骨を強くするために必要な栄養素で、不足すると骨折のリスクも高まります。ゴマには牛乳の10倍以上のカルシウムがあり、ゴマの粒だけではなく皮の部分にも多く含まれています。また、カルシウムの摂取量が少ないと、イライラしやすくなったり、肩こりの原因にもなります。
脂質の代謝を高めるセサミン
セサミンは、ゴマ1粒でわずか1%しか取れない希少な栄養成分。脂質の代謝が悪いと肥満になったり、糖尿病など病気にかかるリスクが高まります。脂質の代謝を改善するには、ゴマを摂るようにしましょう。
セサミンは、コレステロールの吸収を抑えて、脂肪酸の代謝を高めます。ダイエットには欠かせない食欲を抑える作用も。また、セサミンにはたんぱく質を活性化させ、中性脂肪を減少、脂肪を燃焼させる効果があります。
抗酸化作用のあるポリフェノール
ポリフェノールにも、カカオポリフェノールやリンゴポリフェノールなどの種類があります。また、ポリフェノールは、疲れ目や生活習慣病の予防、抗酸化作用のある成分です。
ゴマはポリフェノールが含まれている食品です。黒ゴマの皮には、ポリフェノールの一種である“アントシアニン”が含まれています。アントシアニンには、強い抗酸化作用やコラーゲンを安定させる働きも。老化を防止するには、黒ゴマを積極的に取るようにしましょう。
成長ホルモンの分泌を促すアルギニン
アルギニンが含まれている食べ物は、エビ、マグロ、鶏肉、アーモンド、大豆などです。アルギニンは、たんぱく質を構成しているアミノ酸の一種。成長ホルモンの分泌を促して、筋肉や骨格の成長、疲労回復を促進します。
ゴマにも100gあたり、アルギニンが2700mg含まれています。大豆が2800mgなので、ほぼ同じくらいですね。食生活の中に大豆を毎日取り入れるのは難しいですが、ゴマなら他のメニューといっしょに手軽に摂れます。
肌を健康に保つナイアシン
ナイアシンはビタミンB群の一種で、水溶性のビタミンです。ビタミンDと同じように丈夫な肌を保つ栄養素でもあります。ナイアシンは血行を促進して代謝を活発にし、皮膚の健康を維持する働きのある成分です。さらに、ニキビや肌荒れにも効果あり。
ナイアシンが不足すると、口内炎や皮膚炎、胃腸障害などが起こります。1日の摂取量は、成人女性で100gあたり10~13mg。ゴマは5.3mgなので、1日に約半分くらい摂取することができます。
ゴマダイエットのメリット
美肌になる
美肌になるためには、皮膚の新陳代謝が活発でなければなりません。ゴマは水分や油分、弾力を取り戻し美肌になります。
セサミンやビタミンEなどの抗酸化成分がたっぷり含まれているため、肌を紫外線から守ります。ビタミンEは肌の新陳代謝を助ける働きがあり、蓄積されたメラニンを外に排出し、オレイン酸が肌をやわらかくし、しわや乾燥を予防。肝機能も向上するので、肌の代謝を促進します。
二日酔いが覚める
アルコールを体内で分解する役割を持っているのが肝臓。飲み過ぎるとアルコールを分解する力が追いつかなくなり“アセトアルデヒド”が体内に蓄積されます。アセトアルデヒドは、強く毒性を持った物質で、吐き気や頭痛を伴います。
二日酔いにならないためには、アルコールの濃度を下げることが重要。セサミンにはアルコールの分解を高める力があるので、お酒を飲む前に少量のゴマを食べると、二日酔いの予防にもなります。
免疫力がアップする
免疫力が落ちると、ウイルスや菌に対して戦えなくなり、体調を崩し風邪を引いたり、肌荒れや吹き出物ができやすくなります。免疫力をアップするには、抗酸化作用が有効です。
抗酸化作用のある成分は、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB1、ポリフェノール、リノレン酸。これらの栄養成分は、すべてがゴマに含まれています。また、ゴマに含まれるセサミンは、肝臓への抗酸化作用の高い栄養素。ゴマを食べると、免疫力もアップするのです。
お通じがよくなる
食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。ゴマには、不溶性食物繊維が含まれています。不溶性食物繊維は、水に溶けない食物繊維のこと。水を多く吸収して膨らみ、便の量を増やして、腸内のぜんどう運動を活発にします。腸の中の動きがスムーズだと、お通じがよくなり便秘も解消されます。
サラダやふりかけなど、色々なメニューにゴマを利用するといいですね。すりつぶして使うと、栄養成分の吸収がよくなります。
アンチエイジングに効果がある
良質なアミノ酸とビタミンE、ゴマリグナン、アントシアンの抗酸化物質の働きにより、アンチエイジング効果があります。
30代から徐々に減少していく女性ホルモンは、40代になると一気に減少。ゴマに含まれる有効成分「セサミン」には、女性ホルモンの“エストロゲン”に似た働きがあります。セサミンを摂るとエストロゲンを補うことができ、いずれ訪れる更年期も緩和してくれます。ホルモンバランスを整え、若々しさを保ちましょう。
コレステロール値がさがる
人間の体は約60兆個の細胞から成り、そのひとつひとつの形を作る細胞膜の材料になっているのが、コレステロールです。コレステロールはなくてはならないものですが、摂り過ぎると一定量に保つ機能が働かなくなり、血液中の悪玉コレステロールが増加します。
使われなかったものは血液中に残り、動脈硬化の原因になります。セサミンは悪玉コレステロールの増加を抑制し、リノール酸は血液中のコレステロールを減少させます。
ゴマダイエットの注意点
大さじ1杯を目安に毎日とる
ゴマの主成分の約50%は脂質。カロリーにすると、大さじ1杯で60kcalあります。ダイエットに効果的な食品とはいえ、食べ過ぎには要注意です。毎日大匙1杯を目安に取りましょう。
ヨーグルトにねりゴマを混ぜたり、いつもの味噌汁にすりゴマを足したり、きな粉もちにまぶしたり、魚やお肉の衣にも。こうしてみると、色々なメニューにゴマを利用することができますね。まだまだ色々なアイデアが浮かびそうです。
生ごまをそのまま食べるのは消化が悪いので避ける
生のままゴマを食べると、粒が小さいので噛み砕けにくく、消化されないまま排泄されてしまいます。これでは栄養分を体内に取り込むことができません。生ゴマは消化が悪いので、そのまま食べるのは避けましょう。
栄養素をより多く吸収するには、「すりゴマ」または「切りゴマ」にして食べるのがおすすめ。すったゴマのほうがうま味を感じられ、おいしく食べることができます。すり加減は、粗いゴマが少し残っているぐらいがベストです。
ダイエットにおすすめのゴマレシピ
食べごたえのある鶏もも肉と白ネギのゴマ酢だれ炒め
材料(4人分)
・つきゴマ白 大さじ4
・ゴマすだれ 大さじ6
・鶏もも肉 400g
・白ネギ 2本
・柚子コショウ 小さじ1
・サラダ油 小さじ2
・塩コショウ 少々
作り方
1.ひと口大に切り、塩コショウをした鶏もも肉を中火で火を通します。
2.斜め薄切りした白ネギをサッと炒めて、ゴマすだれと柚子コショウで味を整えます。
3.最後につきゴマ白をふりかけて出来上がり。
鶏もも肉は鉄分を含んでいるので“貧血予防”になります。お酢の酸味を加えることで胃腸の働きもよくなり鉄分も吸収されやすくなりますよ。
さっぱり食べられるあじのゴマヨーグルトマリネ
材料(4人分)
・アジ 2尾(3枚おろし)
・ニンジン 1本
・タマネギ 1/2個
・ピーマン 1個
・つきゴマ白 大さじ2
・ヨーグルト 大さじ4
・オリーブ油 小さじ4
・ワインビネガー 小さじ2
・塩・砂糖 少々
・塩・コショウ 少々
・薄力粉 大さじ2
作り方
1.塩・コショウをして薄力粉をまぶし三枚におろしたアジをフライパンでこんがり焼きます。
2.ピーマンやニンジン、玉ネギとともに、ヨーグルト、オリーブオイル、塩、コショウなどで作ったマリネ液に漬けこんだら、上からゴマをたっぷりかけます。
アジにはEPAやDHAなどの不飽和脂肪酸が多く含まれているため、コレステロールを下げます。また、うま味成分のインシン酸で美味しくてダイエットにもよい食材です。
おつまみにもなるさわらのゴマ醤油揚げ
材料(4人分)
・つきゴマ白 大さじ4
・味ゴマ醤油 大さじ8
・サワラの切り身 4切れ
・新ジャガ 2個
・サヤインゲン 60g
・溶き卵 1個分
・酒・しょうゆ 各大さじ2
・塩 少々
・揚げ油・小麦粉 各適量
作り方
1.サワラの切り身をしょうゆ、酒にまぶして浸け置きし下味をつけます。
2.素揚げしたジャガイモとインゲンに塩とゴマを振ります。
3.サワラに小麦粉、溶き卵、味ゴマ醤油をまぶして揚げれば完成。
サワラはビタミンDやレチノール、カリウム、EPA、DHAの優れた栄養素が含まれた白身魚。レチノールは皮膚や粘膜を保護し、カリウムはナトリウムを排出して、むくみを解消します。
美肌に効果のある豚肉の黒ゴマ焼き
材料(4人分)
・豚肩ロース肉(ソテー、とんかつ用) 4枚
・季節の野菜 お好みで
・塩 小さじ1
・コショウ 少々
・酒 大さじ1
・つきゴマ黒 大さじ4
・粗挽き黒コショウ 少々
・玉しぼり白ゴマ油 大さじ1
・小麦粉 少々
作り方
1.塩・コショウ、酒を混ぜたものに豚肉を入れてもみ込みます。
2.黒ゴマと黒コショウを片側に振りかけ薄く小麦粉を振って焼きます。季節の野菜を添えば出来上がり。
豚肉にはビタミンB1が含まれています。ビタミンB1は疲労回復のビタミン。体全体の細胞を活発にします。皮膚や粘膜の健康を維持する働きもあるので、美肌作りにも役立ちます。肌荒れを感じたらビタミンB1を取りましょう。
朝ごはんにぴったりのゴマトースト
材料(4人分)
・つきゴマ白 大さじ4
・パン 4枚
・ハチミツ 適量
作り方
1.トーストしたパンにハチミツを塗って、ゴマを振りかけて出来上がり。
ビタミンやミネラルが豊富に含まれているハチミツは、整腸作用があり、便秘や下痢に効果的。おなかの調子を整えると肌の調子もよくなります。
簡単にできるインゲンとちくわのゴマ和え
材料(2~4人分)
・ちくわ 2本
・砂糖 小さじ 1/2
・めんつゆ(3倍濃縮) 大さじ1
・すりゴマ 大さじ2
・マヨネーズ小さじ1
作り方
1.塩ゆでたインゲンを冷めた後、2、3等分に切ります。
2.斜め細切りにしたちくわを、砂糖、めんつゆ、すりゴマ、マヨネーズで和えれば出来上がり。
めんつゆで砂糖をよく溶かしてから、すりゴマとマヨネーズを加えるのがコツです。
インゲンには“サポニン”という栄養成分が含まれています。サポニンには強い抗酸化作用があり、脂肪の代謝を促進することで肥満を防止。また、リジンも脂肪燃焼をサポートする成分。ちくわはカルシウムが豊富です。
夏にぴったりのささみと叩ききゅうりの中華風ゴマ和え
材料(4人分)
・キュウリ 4本
・酒 大さじ4
・塩コショウ 少々
・白いりゴマ・糸唐辛子 適量
<タレ>
・醤油 大さじ4
・砂糖・酢・ゴマ油 各大さじ2
作り方
1.ササミに塩・コショウを振り600W電子レンジで2分加熱。その後ひっくり返して30秒加熱し、冷めたら手でほぐします。
2.板ずりし塩を洗い落として叩いたキュウリを斜め切りします。
3.醤油・砂糖・酢・ゴマ油で作ったタレと混ぜ合わせ、いりゴマを振り、仕上げに糸唐辛子を乗せれば出来上がり。
高たんぱく、低カロリー、低脂肪のササミは、ダイエット中に食べても満足感の得られる食材。キュウリはカリウムが豊富に含まれているため利尿作用があり、体内の余分な塩分を排出し、むくみを解消します。
お弁当にもぴったりのピーマンとニンジンのゴマ和え
材料(2~3人分)
・ニンジン 1本
・すりゴマ 大さじ2
・白だし(濃縮つゆ) 大さじ1
・塩コショウ 少々
作り方
1.細切りにしたピーマンとニンジンを600Wの電子レンジで50秒チンします。
2.白だし、すりゴマ、塩・コショウを合わせ、野菜と混ぜ合わせれば完成。
野菜の食感を残すなら電子レンジの時間は少なめに。
ピーマンに含まれているビタミンCは、脂肪の代謝を促し、血液中の脂肪を取り除いて、シミやそばかすなどメラニン色素の沈着を防ぎます。ニンジンに含まれる“ビフィズス因子”が腸の働きを助けます。
たっぷり食べられる白菜のゴマ和え
材料(4人分)
・いりゴマ 大さじ3強
・砂糖 大さじ1
・濃縮醤油 大さじ1+小さじ1
作り方
1.1.5cm幅にカットし、沸騰したお湯にさっと通した白菜をざるに上げて十分に冷まします。
2.砂糖、しょうゆ、すりゴマを入れて混ぜ、水分を絞った白菜を加えて全体をからませるように混ぜたら完成。
白菜は95%が水分。100g食べても14キロカロリーと低いので、たくさん食べても大丈夫。カリウム含まれているので、むくみやすい人やお酒を飲むときにいっしょに食べるとむくみ予防になります。
お手軽に飲めるゴマきなこ豆乳
材料
・きな粉 大さじ2
・黒すりゴマ 大さじ1
作り方
1.豆乳を1~2分チンして、ゴマときなこを混ぜれば出来上がり。
黒ゴマには不飽和脂肪酸とゴマリグナン、きな粉にはレシチンとサポニンが含まれています。これらの働きにより、コレステロールの値を低下することができます。
また、サポニンは肥満を予防する効果が期待されるので、黒ゴマときな粉はダイエットの味方といえるでしょう。
ごまを食べてきれいになろう
ゴマとダイエットとはあまり関係がなさそうですが、ゴマにはカルシウムやビタミンなどさまざま栄養素が含まれています。ただし、生のまま食べると消化が悪いので、取り過ぎには注意しましょう。
ゴマは野菜やお肉・魚との相性もバッチリで、いっしょに食べれば効果もアップ。新陳代謝もよくなり脂肪も燃焼され、肌の状態も良好に。いつもの食事にゴマをプラスして、健康的できれいな女性になりましょう。