目次
基礎代謝が下がってしまう理由
アルコールをよく飲んでいるから
お酒を飲むと、体内に入ったアルコールを解毒するために体が働きかけます。アルコールの解毒は、肝臓でしか行うことができず、肝臓から分泌されるアルコール脱水素酵素、アルトアルデヒド脱水素酵素が正常に働らかないとアルコールは無害な状態になりません。
基礎代謝の働きは、肝臓と腎臓だけで約4割を占めます。アルコールを飲みすぎれば、肝臓と腎臓が働きすぎ、負担がかかるので基礎代謝を下げてしまう恐れがあると言われています。
糖質や脂肪分が多い食事をしている
肝臓は、糖質や脂肪をエネルギーに変えたり、アルコールを解毒する働きを担っているため、糖質や脂肪分が多い食事をしていると肝臓に負担をかけてしまいます。
また、うまく肝臓機能が働かず、基礎代謝を低下させる要因を作ってしまい、体調面や健康面でも影響が出てしまうため、バランスの良い野菜中心の食事を摂ることがおすすめです。
適度な運動をしていないから
基礎代謝の18%は筋肉で消費されています。そのため、運動不足による筋肉量の減少は、基礎代謝低下につながることも。
基礎代謝をあげるためには、激しい運動ではなく、定期的な適度な運動を取り入れることが大切です。
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体が冷えているから
基礎代謝は、体温維持にも使われています。体温が低いと、体温維持に使う熱の産出量も少なくすむため、消費エネルギーも減少します。
体温を温めるには、入浴をシャワーで済ませるのではなく、湯船につかるようにして体を温めることが大切です。お風呂の温度は38度から40度のお湯にゆっくりとつかるようにして、心臓や身体に負担がかからないように気を付けましょう。
質のいい睡眠ができていないから
人間の体は、寝ている間に成長ホルモンを分泌して、筋肉を成長させます。成長ホルモンは、睡眠時に分泌されるため、睡眠不足では成長ホルモンが十分に分泌されず、筋肉量の減少を招きます。
筋肉量の減少は、基礎代謝低下の原因になり、痩せにくい状態を作り上げてしまいます。質の良い睡眠でないとすっきりとした目覚めでなく、低血圧や身体がだるいといった症状が出てしまうため、睡眠は特に重用とされています。
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便秘で腸がうまく動いていないから
便が腸に残っていると、腸内環境が悪くなります。基礎代謝には、腸などの内臓を動かすエネルギーが含まれているため、腸の動きが低下すると基礎代謝も低下するという負のスパイラルに。
腸内環境を良くするためには、便通が良くなる食材を摂取することがおすすめ。特に、腸の動きを活発にする不溶性食物繊維や、腸の動きを整える水溶性食物繊維を多く含むものを摂りましょう。
ストレスなどが原因で自律神経が乱れているから
ストレスや不規則な生活習慣は、自律神経を乱してしまいます。自律神経が乱れると、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかず、血行不良を招き、基礎代謝が下がります。
基礎代謝を上げるためには、規則正しい生活を心がけ、適度にストレスを発散させることが大切です。
水分不足により血液濃度が上がっているから
体の中の老廃物を回収する役目は、血液やリンパ液が担っています。これらは、体の水分が役割を担っているため、体の水分が不足すると、血液やリンパ液の成分が濃くなり、ドロドロになってしまう可能性があります。
そのため、基礎代謝が下がる原因となるのです。水分を補給すると、血液やリンパ液が活発になり、代謝を活発させることができます。

基礎代謝が下がったらいけない理由
太りやすい体質になってしまう
基礎代謝が下がれば、食事でとったエネルギーは、筋肉で消費できずにどんどんと余ってしまいます。余ったエネルギーは、当然脂肪として体に蓄積。
これが肥満の原因となり、太りやすい体質へとなっていきます。太りやすい体質になってしまう前にエネルギーを燃やすように、基礎代謝を上げることが大切です。
免疫力が弱くなってしまう
体の免疫力は、体温が上がるほど高くなります。それとは反対に、体温が下がれば免疫力はどんどん低下。基礎代謝を下げることは、免疫力の低下を招き、様々な感染症にかかるリスクをあげてしまいます。
感染症や風邪などにかかる前に、免疫力をあげることが大切。病気が治る期間にも免疫力は影響していきます。
顔の血色が悪くなってしまう
基礎代謝が下がれば、当然体の機能も低下するため、体の様々な代謝機能が低下します。その結果、血流やリンパ液の循環も悪くなり、目の下にクマができてしまったり、顔色が悪くなる要因に。
そのため、老け顔に見られてしまったり、肌の潤いも無くなっているように見えてしまいます。
肌のターンオーバーがうまくいかない
肌のターンオーバーがうまくいかないと、皮膚のバリア機能も衰えます。そのため、刺激に弱い肌になり、透明感も失われることに。
また、くすみやしわ、たるみなど肌トラブルも増えていく可能性があります。肌のターンオーバーは、28日周期が正常。年を取るとどんどん遅れていきますが、少しでも正常に戻すことが重要です。基礎代謝を上げることが、若々しさを保つために大切なポイントとなります。
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身体がむくみやすくなってしまう
基礎代謝が低下すると、身体がむくみやすくなってしまい、血液がうまく体に行き届きません。一方、基礎代謝を上げると、血液の流れがスムーズになります。
そのため、体の水分の巡りが良くなり、むくみが解消されることや血流が良くなるだけでなく、肌トラブルの改善や顔の血色を明るくみせる効果があります。
健康面でのトラブルが起きやすい
血圧が低くなることは、血行が悪くなっているという合図。血の巡りが悪くなると体温が下がり、基礎代謝も同様に下がります。
30代の女性の基礎代謝の平均は1,200kcalといわれており、体温が1度低下すると、基礎代謝が平均よりも約12%低下することになります。このように、血圧が低い方は、新陳代謝も悪くなり、太りやすくもなることも。健康面でのトラブルが起きないためにも、血圧が低くならないように生活習慣を見直しましょう。
精神面が乱れてしまう
基礎代謝が下がるとイライラやだるさといった倦怠感も出てきます。また、冷えも同時に起こるため、動くこともだるくなったり、精神面が乱れてしまい、どんどん悪循環につながります。
精神面が乱れてしまうと、生活習慣も不規則になってしまうため、規則正しい生活を送ることが大切です。
ホルモンバランスが乱れてしまう
ホルモンバランスが乱れてしまうと生理不順になってしまうことがあります。肌のタ-ンオーバー同様に、生理の周期が28日に行われず、毎月まばらに生理が来てしまうことや反対に生理がこない月もあることも。
ホルモンバランスが乱れると、イライラしてしまったり睡魔が襲ってきたりと生活に支障が起きることもあるため、基礎代謝を上げてホルモンバランスを整えるようにしましょう。
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基礎代謝を上げて痩せる運動方法
継続できる有酸素運動で脂肪を燃やす
ウォーキングやゆったりとした水泳など、酸素を普段よりも多く取り込みながら行う「有酸素運動」は、継続することで脂肪を燃やすことができます。
弱い力を継続的に筋肉にかけることで、エネルギー源として体に蓄積されます。激しい運動よりもこういった体への負担も少なく、継続的に行なえる運動を毎日取り入れましょう。
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筋肉を鍛える無酸素運動をする
筋肉を鍛える無酸素運動は、筋トレや短距離走などの激しい運動。激しい運動を行っている場合は、息を止めたり、息を強く吐くするため、運動中は酸素をあまり取り入れません。よって、無酸素運動と呼ばれています。
この運動は、筋肉が鍛えられるため、基礎代謝が増えるのが特徴です。また、激しい運動は長期的に継続が難しいため、週1回など決めて行うとよいでしょう。
起床後にストレッチをする
起床後は筋肉が固まっており、血液の巡回がスムーズに行われていません。そのため、ストレッチを行うと筋肉が柔らかくなり、リンパ液や血流をアップさせます。
筋肉が柔らかくなると、血流が良くなるため、代謝が向上。毎朝ストレッチを日課にすることで体を柔軟に保つことができます。また、ストレッチを朝行うメリットは、頭が回転して思考力が上がったり、忙しい朝でもちょっとした運動として取り組めるのでおすすめです。
トレーニングの王様と呼ばれるスクワットをする
下半身の筋肉をつけることで、全身の筋肉量が増えるといわれています。トレーニングの王様と呼ばれるスクワットを取り入れることで、下半身の筋肉をいち早くつけることができるので効果的。
スクワットのやり方は、正しい姿勢で行い、30秒かけてゆっくりと上下運動することが理想です。間違ったやり方をしてしまうと効果はないため、慣れるまでは鏡の前で姿勢をチェックしながら行うとよいでしょう。
ヨガやピラティスで体幹を鍛える
ヨガやピラティスは、心と体をリラックスさせる効果があります。この運動は、体幹を整えて鍛えられるといった効果のほかに、体温をあげることができ、方法も難しくないため簡単に行うことができます。
前屈など普段使わない筋肉を使うポーズをとりながら、気持ちよく筋肉を伸ばしましょう。また、呼吸を深くゆっくりとするように注意することでより効果的に。無理はせず、痛気持ちい程度で行うとよいでしょう。
テレビを見ながらでもできる踏み台昇降
踏み台運動は、下半身の筋肉が動かされるため、基礎代謝が上がります。安静時の消費カロリーが向上するとダイエット効果もあります。
肺活量が増えるため、心肺機能が向上して疲れにくく、夏バテなど体調面も改善されます。この踏み台運動は、自分のペースに合わせて徐々に運動に慣れることができ、無理なく続けられることや、確実な成果が出やすいため、おすすめの運動の1つです。
半身浴や反復浴をする
半身浴や反復浴は、体温を上げ、体の芯から温まることができるため、血流がよくなります。まず、37度から40度ほどの少しぬるめの温度に設定し、心臓よりも下の部分がつかるように入浴します。その際、ゆっくりと読書などをしながら、20分ほど入浴するのがよいでしょう。
肩までお湯に浸かるよりも、全身の血行がよくなると言われているため、次第に汗も流れ、全身の血行がよくなっていくのが実感できます。しかし、脱水症状にならないように入浴前や入浴中も水分補給を忘れないように気を付けましょう。
ゲーム感覚で行う運動
人前での運動は恥ずかしいという方は、ゲーム感覚で行える卓球や登山がおすすめです。卓球は無酸素運動と有酸素運動どちらも兼ねそろえており、体全体を動かすため、筋肉への負担も少なく女性でも無理なく運動ができます。
また、登山は大自然の中で景色も楽しめて、空気がきれいなところで運動ができます。しかし、登る山によって脚力が必要になりますので、初めは初心者でも登りやすい山を選びましょう。

基礎代謝を上げる食材
漢方や薬膳にも用いられる生姜
中国では、漢方薬や薬膳に用いられ、風邪や冷え性の民間薬としても使われており、生姜には発汗作用や保湿作用があります。生姜にはジンゲロールという成分があり、この成分は加熱するとショガオールという成分に変わります。
この成分は、体を温める作用が強いので、冷え性の方には効果抜群。また、生姜には多くの種類があります。葉しょうが、新しょうがなどあるので、使用する料理によって使い分けてみましょう。
どんな料理にでも使えるねぎ
ねぎ特有の独特な刺激のあるにおいは、「アリシン」という成分。アリシンは血行を促進する効果があり、体を温めてくれます。
特に、根深ねぎの青い部分は、栄養成分を多く含むので、捨てずに料理に活用しましょう。煮込み料理のくさみ取りに活用するのもおすすめ。また、アリシンはビタミンB1と一緒に摂取すると吸収力がアップします。豚肉などと合わせるといいですよ。
新陳代謝をあげてくれるにんにく
にんにくにもねぎ同様、「アリシン」という成分が含まれています。この成分は、血行を促進し、血液の循環を促してくれます。また、「スコルジニン」という成分も含まれており、新陳代謝を高め、末梢血管を膨張させて体を温めます。
にんにくはこの成分以外にも、スタミナがつけられるので夏バテなど体調も改善してくれます。たくさん摂取するとパワーも出てきますが、過剰摂取すると腸に悪影響がでることもあるため、適量を定期的に摂取しましょう。
発汗作用のある唐辛子
唐辛子に含まれる辛味成分は「カプサイシン」という成分です。この成分は、摂取すると交感神経を刺激してアドレナリンの分泌を活性にさせてくれます。
そのため、体が熱くなって汗が出てきます。また、体が温まり、代謝がアップ。唐辛子を使った入浴剤も販売されているので、半身浴の際に活用するのもよいでしょう。
代謝アップを促進するスパイス
カレー粉、シナモン、コリアンダーなどのスパイスには、摂取すると代謝を促進し、体を温める作用があると言われています。スパイスには、一時的ではありますが、体温をあげて新陳代謝を促進する効果や、余分な水分を排出する利尿作用があるものもたくさんあります。
また、減塩目的でスパイスで味を濃くしているように錯覚させる料理方法もあります。そのほうが高血圧にもよいといわれているので、血圧が気になる方やむくみが気になる方におすすめです。
脂肪分解を促すごま
ごまに含まれる「ゴマリグナン」には、肝臓で脂肪の分解を促進し、脂肪を燃焼しやすくなるという働きがあります。ごまは、固い殻に覆われているため、そのまま摂っても消化や吸収がされにくいため、すりごまにして食べるとよいでしょう。
サラダと合わせて、ごま和えとして食事に取り入れると摂取しやすいのでおすすめです。
筋肉を作るために必要なたんぱく質
筋肉をつけるために必要な栄養素は、たんぱく質。その中で、肉や魚などの動物性タンパク質と大豆などの植物性タンパク質があります。1日に必要なたんぱく質は体重×1g~2gとなっているので、適切な量を摂るようにしましょう。
たんぱく質の多い食品は、脂質も多く含まれているため、食材や部位を注意して選ぶのがポイント。また、調理方法も焼く、蒸すといった余分な脂質を取り除くようにすることをおすすめします。
エネルギーに変えるビタミン
ビタミンB群は水溶性ビタミンです。熱に弱く水に溶けやすい性質があるため、毎回の食事で摂取する必要があります。糖質を代謝させるビタミンB1、脂質の代謝させるビタミンB2、この2つのビタミンの働きを促進してくれるものがナイアシンとパントテン酸。
そして、たんぱく質を代謝させるのは、ビタミンB2とビタミンB6です。これらを上手に組み合わせて摂取しましょう。ビタミンはうまく摂取するとエネルギーに変換し、代謝を促すので、ダイエットに繋がります。
脂質の代謝を改善する蕎麦
蕎麦に含まれている成分「ルチン」は。強力な抗酸化作用をもっているため、美容のアンチエイジングにとても有効。ルチンは毛細血管を強化したり、血しょう坂の凝固を抑えてくれ、血のめぐりを改善してくれます。
また蕎麦つゆには、脂肪の燃焼を促す効果があります。この汁に使用しているかつおだしはアミノ酸がたっぷり含まれており、代謝をあげる作用があります。ぜひ蕎麦を食べる際は蕎麦つゆも飲むようにしましょう。
おやつには良質のあぶらを含むくるみ
くるみには、オメガ3脂肪酸が多量に含まれています。オメガ3脂肪酸は、「レプチン」といって食欲と代謝を調整し、ホルモンの分泌量を抑える働きがあります。
ホルモンの分泌量が少ないと、代謝のスピードがあがり、カロリーの燃焼量が増加します。そのため、間食として食べることで次の食事の血糖値の上昇を抑えてくれる働きがあり、脂肪をつきにくくします。また、良質な油のため、美容にもよいのでおすすめです。
食材のほかによい飲み物
代謝を上げてくれる食材のほかにも、代謝アップが図れる効果的な飲み物があります。
コーヒー
カフェインを含むコーヒーは体によいという印象があまりありませんが、カフェインは交感神経を刺激する効果があり、眠気覚まし、代謝アップにもなります。また、脂肪を燃焼させるクロロゲンも含むため、ダイエット効果もあります。
牛乳
牛乳は飲みすぎなければ代謝アップによい飲み物で、カルシウム以外にもビタミンが豊富。また、良質なたんぱく質も含み、脂肪を燃やす効果のあるマグネシウムもたっぷりです。そのため、運動前や食事前に200ccほど飲むことがよいでしょう。

基礎代謝を上げるためには日々の努力が必要
基礎代謝を上げるためには、日々の努力が欠かせません。ダイエットといっても基礎代謝が低いとダイエットにも効果がでず、健康面、美容面でも悪影響と言えます。
毎朝・毎晩のストレッチをすることや毎日の食事から見直すことから始めるのがベスト。初めから無理に行わず、定期的に行なえるように無理なくマイペースに行うことが重要です。基礎代謝を上げて、内面からきれいにダイエットをしていきましょう。