目次
コスメの成分の効果を調べる
解析サイトの活用
最近はインターネットで簡単に化粧品の成分の効果を調べることができます。ブランド名から検索できるもの、避けたい成分を入力して検索するもの、含んでいてほしい成分から商品を検索するものなど、サイトによってさまざまです。
解析サイトにはメリットがあります。たとえば急いでいるときに出先で見ることができたり、1つ1つ調べるより手軽に見られるというメリットです。逆に配合量が書かれてないため、刺激性がどのくらいか不明だったり、またサイトによって個人差があるという不安要素もあります。
サイトの言葉に振り回されない
さまざまな種類のコスメが世に出ているように、人の肌も千差万別でひとつとして同じ肌はありません。だから、「○○の成分が肌によい」と書かれていても、自分の肌に合わなければ効果がないのです。
解析サイトが信用おけないといっているわけではありません。さまざまな有益な情報を所得することができて大変便利なのですが、サイトごとに言い分が異なるためサイトの情報がすべてではないと心に留めておくことが大切です。
口コミと同じく個人差がある
コスメの成分解析サイトは、参考程度にするのがよいでしょう。なぜなら、サイトごとに言い分が異なるためです。
たとえば防腐剤Aが入っている化粧水の場合、あるサイトでは「防腐剤Aが入っているので肌にあまりよくない」と判断しているかもしれません。でも、別のサイトでは、そうは書かれていないかもしれません。防腐剤は化粧品を腐らせないというプラスの役割もあるからです。
サイトの言葉には書いた人の考えが含まれています。あくまでサイトは参考程度。読んだ本人がそのサイトの言葉の善し悪しを判断しましょう。
界面活性剤は肌の刺激になるのか
界面活性剤の働き
界面活性剤の「界面」とは、「表面」のことです。たとえば水と油を混ぜた場合、表面は混ざりませんよね。それを馴染ませる働きを持つのが界面活性剤です。
多くの化粧品は界面活性剤を含んでいます。肌に良くないというイメージがあるかもしれません。しかしその働きは、角質層まで化粧品の美容成分を浸透させるためだったり、化粧品の成分を分離させないようにしたり、肌の表面を落とすためだったりとさまざまです。
界面活性剤と合成界面活性剤の違い
界面活性剤は大きく分けると「石けん」と「合成界面活性剤」に分かれます。そして、敏感肌の人が特に注意をした方がいいのが合成界面活性剤です。
石けん
脂肪酸ナトリウムと脂肪酸カリウム。アルカリ性という限定条件のときだけ界面活性剤のはたらきが現れます。
合成界面活性剤
石けん以外の界面活性剤で、自然界に存在しない物質。合成界面活性剤はさらに「石油系界面活性剤」と「天然系界面活性剤」に分かれていますが働きは同じです。
「天然トウモロコシ油を原料とした洗剤」として販売されていると、なんとなく肌にやさしいイメージを持ちやすいですが、原料のアルコール抽出後の過程の流れを見ると濃硫酸と水酸化ナトリウムを混ぜているのには変わらないので合成界面活性剤です。phに関係ないため、皮膚などにも簡単に浸透してしまいます。
後ろの数字の大きさ
成分表示のなかには、PEG-数字と書かれたものが見られます。これは酸化エチレンの重合体です。PEGとはポリエチレングリコールの略省で、紐状の高分子化合物です。
PEG-20など数字が大きければ分子も大きく皮膚に入り込みにくくなるため、肌への刺激は少なくなります。PEG-12より小さい数字のものは旧表示指定成分です。通常、化粧品などに使用されているものはPEG-75以上のものが多く、乳化補助剤が主な使用目的です。
非イオンや両イオン活性剤は刺激になりにくい
非イオン性界面活性剤は水に溶けたときにイオンになりません。また、プラスマイナスのどちらにも帯電しません。化粧品によく使われる非イオン性活性剤には、エステル型、エーテル型、エステル・エーテル型(ポリエチレングリコール型)などがあります。
両イオン性界面活性剤は、プラス、マイナスの両方持っていて、アルカリ性なら陰イオンに、酸性なら陽イオンになります。刺激が少ないのでベビーシャンプーなどに使われています。ベタイン型、イミダソリン型、レシチンなどがあります。
濃度が濃ければ刺激になる
界面活性剤にはさまざまな種類や用途があります。化粧品に使われているのもメリット面が重要視されているからで、使わないことで品質が悪くなり肌に悪影響を及ぼす場合もあるのです。
どの成分もそうですが、濃度が濃ければ刺激になります。逆を言えば、刺激になるほどの量が配合されていなければ問題はそれほど起きません。成分表示に記載があるからといって過度に恐れずうまくつきあっていく方法を考えるとよいでしょう。
肌にとって刺激になりやすい成分
アルコールは刺激になりやすい
アルコールは抗菌作用や消毒、防腐作用などがあるため、化粧水などによく使用されます。抗菌作用があるため、ニキビ肌やオイリー肌に効果的です。また、化粧水に配合されている別の成分の効果を引き出すこともできる有効な成分です。
ただ、デメリットもあります。アルコールに過敏な肌の人は、どうしても「刺激」を感じてしまうので控えた方がよいでしょう。アルコールに対してアレルギーがない人でも、肌が荒れていたり傷ついていれば、しみたりヒリヒリする痛みを感じることがあります。
揮発性の高いエタノール
化粧水の成分表をみていると、エタノールと書かれていることが多くありますよね。エタノールには抗菌、清涼、収斂、乳化、防腐などさまざまな役割があります。化粧品に使われているアルコール成分のひとつがエタノールです。
エタノールの特徴の一つに「揮発性」があります。揮発性とは、蒸発しやすいということ。スッとする清涼感を得られたり、余分な皮脂を除いてくれるというメリットがあります。しかし、そのスッとする清涼感は肌表面の水分が蒸発するときに感じられるものです。肌表面の水分を蒸発させてしまうので、肌が乾燥しやすくなります。
収れん効果を呼ぶ成分
収れんとは、収縮することです。化粧水などで収れん効果があるものといえば、肌の引き締め効果のことです。たとえば、冷たい水で顔を洗ったときに肌がキュッと締まったような感じがしますよね。肌が冷え汗腺や毛穴が閉じたことによって起きているのです。
では化粧水に入っている収れん効果のある成分とはなんでしょうか。使用されるのはエタノールやプロピレングリコールなどのアルコール性溶剤です。角質細胞間の隙間を埋めている水や脂質を、これらの成分は溶かしてくれます。肌が引き締められるため、キメが細かく見えるというメリットの反面、エタノールを使っているため刺激があったり、乾燥肌になりやすかったりというデメリットもあります。
初めて収れん効果のある化粧水を利用するという方はどの化粧水を利用したらよいか悩む方も多いのではないでしょうか。そんな人のために以下の記事では収れん化粧水のおすすめ人気ランキング上位の商品を紹介しています。是非検討の参考にしてみてください。
刺激になりやすいペンチレングリコール
ペンチレングリコールも、よく化粧水に配合されています。酸化プロペリンから生成された多価アルコールの一種で、抗菌、保湿作用などがあります。化粧水の製造中に、細菌の増殖を抑えるために配合されることが多いようです。
気になる安全性ですが、濃度が低ければそれほど刺激も感じないようです。しかし濃度が濃かったり、敏感肌だったりすると刺激を感じたりするので注意が必要です。
合成界面活性剤の中でも避けたいラウリル硫酸ナトリウム
肌への水分の浸透を助けるために化粧水などに使用される合成界面活性剤ですが、中でも避けたいのがラウリル硫酸ナトリウムです。肌の油分をとりすぎてしまったり、分子が小さいために肌の奥まで浸透してしまったりする害があります。
化粧品だけではなく歯磨き粉や発泡剤など日用品に多く使われていますが、もともとはエンジンなどの洗浄剤や潤滑剤として使われていたものです。毒性が高いので合成界面活性剤の中でも避けたほうがよいでしょう。
刺激は弱いが避けたいグリコール
グリコール類は二価アルコールのことです。抗菌効果や保湿などさまざまなメリットがあります。しかし低刺激ですが濃度によっては肌への刺激物となります。問題は化粧品が含んでいるグリコールの量ですが、多くの化粧品は含有量を明らかにはしていません。
また、ピーリング製品や拭き取り化粧水などに使用されているグリコール酸は、ピーリング効果によるニキビやシミなどに有効な成分ですが、厚生労働省はこのグリコール酸を3.6%以上含んだものを劇薬とみなしています。それ以下ならさほど問題ないとされていますが、肌が弱い場合は炎症による赤みや、湿疹、乾燥などの副作用が出る場合があります。
ニキビ対策などの精油
精油(エッセンシャルオイル)は、アロマセラピーなどで使われるだけではなく、ニキビ対策などに使用されることもあります。天然由来のものですが高濃度で抽出されているので、ほとんどのものは薄めないと刺激が強すぎて使用できません。
また、精油を薄めるために無水エタノールなどが使用されることが多くあります。水と精油が混ざりやすくなったり、保存性を高めるという利点で使用されますがこちらも弱いですが刺激物です。そのため精油による刺激に耐え得ても、希釈のため配合されている物質に肌が反応してしまうことがあります。
保湿成分の役割
大きく分けてタイプは三つ
「保湿」とひとことで言っていますが、保湿成分には大きく分けて三つのタイプがあります。下に行くほど保湿力が高いものとなります。
水分をつかみ取る
天然保湿因子(NMF)というものがあります。化粧品によく配合されているグリセリンなどです。空気中に漂っている湿気を、つかみ取って肌に還元してくれます。夏など、空気中に水分が漂っているときには十分な働きをしてくれますが、乾燥時には物足りないかもしれません。
水分を抱え込む
ヒアルロン酸やコラーゲンが有名です。保湿成分である物質が水分を抱え込んで、肌の内部で潤いをキープしてくれます。配合されている化粧品はそれほど高くないので、お手軽に購入できます。また、湿度とは関係なく使用可能です。
水分を挟む
三つの中で最も効果が高いのが、水分を挟むタイプです。セラミド、スフィンゴ脂質、リピジュアなどがあります。細胞間脂質の物質で、細胞間に水分を挟み込んで潤いをキープしてくれます。特にセラミドは細胞間脂質の半分以上を占めます。
セラミドは全部で11ある
肌には、セラミドが全部で11あります。他にも機能がありますが、ざっくりとしたメインの内容は以下のとおりです。
セラミド1~3は、水分保持。セラミド4~5は角質の脂質バリア層生成とその保持、セラミド5~6は水分保持とターンオーバー促進、シワの軽減。セラミド7は細胞の増殖をコントロールし、肌にある菌の状態を整える機能があります。8以降は不明です。
上記をみてみると、1~6までが注目のポイントだとわかります。
簡単にセラミドについて説明しましたが、ハリのある肌を保つために更にセラミドの役割やセラミドを効果的に摂取するサプリメント系の商品について知りたいという方のために以下の記事で詳しくセラミドについて解説しています。
セラミドはヒト型と非ヒト型がある
セラミドには、ヒト型と非ヒト型がありますが、それぞれ違いがあります。ヒト型セラミドは、もともとヒトが持っている角質層のセラミドとまったく同じ構造を持っています。逆に非ヒト型は合成です。合成セラミドの構造は一見すると人が本来持っているセラミドと構造が似ているのですが、わずかに違うものが混じっています。それはラセミ体セラミドと呼ばれるものです。
これは似ていても人が持つセラミドの働きをしません。つまり、合成セラミドは人が本来持っているセラミドと同じ構造のものと、ラセミ体セラミドの混合物なのです。そう考えると、同じセラミド配合ならヒト型セラミドの方が効果的なのは想像がつきますね。
水分を抱え込む成分
保湿のはたらきの中の一つに水分を抱え込むタイプがあります。肌の表面や、肌の内部においてその成分が水分を抱え込むことで、保湿をします。その成分の代表例はコラーゲンやヒアルロン酸です。
ヒアルロン酸は、分子が大きいので肌の奥までは浸透しないものが多いです。現在では開発が進み、肌の奥まで浸透するものも出てきていますがどちらがよいかは人それぞれです。分子が大きいほうが肌に浸透しませんが、しっとりした使い心地があり、また長時間の保湿効果を得られます。
肌の内部に浸透しないからといって、保湿効果が薄いとは限りませんので、使い心地やニーズによって選択するようにしましょう。
肌本来のセラミドを増やす
セラミドは水分を挟み、高い保湿力を発揮します。ではセラミドを増やして保湿力をあげるとしたら、どのような方法が考えられるでしょうか?
ひとつはヒト型セラミド配合の化粧水を使うことです。肌の奥まで浸透し、本来持つセラミドと同じようなはたらきをしてくれます。
でも、もしもあなたが自分が本来持つセラミドを増やしたいと考えるのなら、ライスパワー入りの化粧水をおすすめします。ライスパワーNo11と呼ばれる成分はセラミドと同じはたらきはしませんが、セラミドの合成を促してくれる成分です。肌本来の力を高めたいならライスパワー入りを選んでみてはいかがでしょうか。
化粧水などでは補いきれないセラミドを摂取するにはサプリがおすすめです。以下の記事では編集部おすすめのセラミドサプリを紹介していますので是非参考にしてみてください。
肌への刺激が怖いとき
もしも敏感肌でエタノールなど、肌に少しでも刺激となる成分が配合されている化粧水が怖い場合はどうしたらよいでしょうか。科学的に合成された成分ではなく、アミノ酸やセラミドなどもともと肌に存在するもので選べば、肌への刺激はないでしょう。
もしくは、ライスパワーNo11のように、肌に本来するセラミドの合成を助けるものなど、肌本来のはたらきを助長する成分もおすすめです。
おすすめの組み合わせ
また、配合されている成分の比率や、組み合わせも重要です。組み合わせ次第では毒性が薄まったり、もしくは保湿効果がさらに高まったりします。
おすすめは、グリセリンやアミノ酸入りの洗顔料、コラーゲンやライスパワー入りの化粧水、セラミドやライスパワー配合のクリームです。セラミドは水分内に少ないため、化粧水などから取り入れるとよいでしょう。
刺激を抑えより美肌に
美白効果のプラセンタ
まず、プラセンタとは胎盤のことなのですが、プラセンタを含むサプリメントや化粧水などが商品として販売されています。プラセンタの美肌効果のしくみですが、プラセンタに含まれる成長因子によって細胞が活性化。ターンオーバーを促してくれるというものです。
美肌にとってターンオーバーはとても重要です。肌の表面に赤みのあるニキビがあったり、色素沈着の薄い茶色のシミなどができてしまった場合、重度でなければ肌のターンオーバーで消すことができます。
敏感肌に優しいグリセリン
グリセリンは、入っていない化粧水を見つけるのが難しいほど流通している保湿成分です。アルコールの一種ですが、化粧品でアルコールというとエタノールのことなので、グリセリンが入っていてもアルコール配合とほとんどの製品が記載していません。
グリセリンは水をつかみ取る性質があるので保湿成分として配合されますが、それだけでは効果が弱いので、ヒアルロン酸やコラーゲンと組み合わせて配合されることが多くあります。また、刺激性がすくないため、敏感肌化粧水にも使用されます。
優しく美白出来るアスタキサンチン
アスタキサンチンは、赤みがかったオレンジ色が特徴の成分です。これは鮭の肉などに含まれる赤色色素です。産卵した卵を紫外線から守る役割などもあるアスタキサンチンは、健康面に何らかのプラスのはたらきをするのではと注目されました。
アスタキサンチンには、強力な抗酸化作用、日焼け予防、色素沈着の軽減などがあげられます。もともと天然由来の成分でもあるので、それほど刺激はありません。卵を紫外線から守るバリアの役割でもあったこの成分は、肌をやさしく美白することができるのです。
細胞を増殖してくれるEGF
EGFは上皮成長因子と呼ばれています。これは細胞にタンパク質を作り出すよう進行を出し、表皮の細胞を増殖させてくれる人が本来持っている因子です。しかし、年齢と共に減少してしまい肌の老化につながります。
EGF配合の化粧水が肌からどのくらい吸収されるのか詳しいことはわかっていませんが、ピーリング後の肌などへ使用すると肌に吸収され、老化現象を抑えてくれることがわかっています。人がもともと持っている因子なので肌にはやさしい成分です。
オススメの低刺激の化粧水
素肌しずく 濃密しずく化粧水
化粧水、美容液、乳液の3つの機能を合わせもった化粧水。プラセンタを従来品の5倍配合したうえに、スーパープラセンタも配合。もっちりしたハリのある肌へと導いてくれます。
さらにエラスチン、3種類のヒアルロン酸、コラーゲン、セラミド、CoQ10、プロテオグリカン、美肌質乳酸菌と11種類の美肌成分を使用し、保湿の効果をさらにUP。しっとりなのにべたつかない化粧水です。無着色・無香料・無鉱物油。
エトヴォス セラミドスキンケアモイスチャライジングローション
水を抱え込む成分を配合した保湿化粧水。配合されているのはグルコシルセラミド、ヒアルロン酸、リピジュア、植物性プラセンタエキスなど。乾燥した肌、インナードライ肌へ潤いを与えてくれます。また、肌の保水力もUPしてくれます。無着色・無鉱物油・ノンアルコール。
DHC(ディーエイチシー) プラセンタ2ヒアルロン酸4ウォータージェル[F1]
化粧水、美容液の2つの機能を合わせもったジェル状化粧水です。透明感を与える2種類のプラセンタ、保水力を高める4種類のヒアルロン酸、ハリと弾力に有効な2種類のコラーゲン、エラスチン、プロテオグリカン、バリア機能をアップさせるセラミドと17種類もの美容成分を配合。無香料、無着色、無鉱物油。
セザンヌ スキンコンディショナー高保湿
水を挟む成分、ヒト型セラミドを配合し角質層まで深く潤します。配合されている成分は、植物由来の美容保湿成分、3種類のヒアルロン酸、コラーゲン、アミノ酸です。保湿力が高く、カサカサの乾燥肌に有効です。無着色、無香料、無鉱物油。
成分をしっかり知って綺麗な肌に
美白や、保湿をうたっている商品は世の中に無数とあります。その中で自分に合うのはどの化粧水かと考えたとき、注目したいのはやはりその中身の成分です。
保湿ひとつにとっても、水分を挟む、水分を抱え込む、水分をつかむと3種類の方法があり、配合されている成分は異なります。成分の役割を知っていれば、その化粧水がうたっている保水がどのタイプか自分で判断できます。
また、肌に刺激となりえる成分を知っておくのも、肌のトラブルを避けるために重要です。肌荒れは一瞬ですが、回復には時間がかかるもの。成分を知り、綺麗な肌を維持しましょう。