目次
水泳ダイエットの効果について
消費カロリーが他の運動よりダントツに高い
水の中に入って行う運動と言えば、水泳。その消費カロリーは他の運動を陸上で行うより断然に高いと言われています。なぜ水泳の消費カロリーは高いのでしょうか?
まずは「水圧」によるもの。水の中に入るだけで体は水圧を感じ、その圧により身体中の血液の流れが活性化し、新陳代謝をあげることができます。
そして次に「抵抗」があります。水の中で動くには水の抵抗を受けなければなりません。例えば、ウォーキングを陸上で行うよりも水中で行う方がたくさんのエネルギーを要するため、消費カロリーもおのずと高くなります。
もう一つは「水温」が関係します。温水プールでも大抵は体の体温より低い設定になっています。そのため水に浸かった瞬間から体は体温を保つため、たくさんのエネルギーを燃焼させます。
そういった理由から水泳の消費カロリーはダントツに高いと言われているのです。
いろいろな泳ぎ方があるので飽きずに続けられる
モチベーションの維持は運動を続けるコツ。水泳は様々な泳ぎ方があるため工夫しながら飽きずに行うことができる運動方法のひとつです。
代表的な泳ぎ方は「クロール」「平泳ぎ」「背泳ぎ」などですね。水泳に慣れている人の中には「バタフライ」も人気です。泳ぎ方により、体のどの部分に効いてくるか、また消費カロリーも違います。
始めたばかりの方は平泳ぎなどからゆっくり行い、慣れてくれば、クロールなども取り入れて自分に合ったメニューを考えながら楽しく行うことができます。
さらに施設によってはビート板や足に挟むプルブイなども用意があるので、そうゆう道具も取り入れてみましょう。
天気に左右されずに運動ができる
「今日は頑張るぞ」と、意気込んでも雨が降っていたりなどの天気のおかげでせっかくのやる気を削がれた経験はありませんか?そうゆうことの積み重ねで、だんだん運動するのが面倒になり、挫折していく人は多いようです。
大抵のプールは室内にある場合がほとんどのため天気に左右されることなく、自分のペースでできるのが何よりのメリット。運動でのダイエットは続けることが大切なので、雨でもできる水泳は消費カロリーが高いだけでなくおすすめです。
水の抵抗によりバランスよく筋肉が使える
ダイエットといえば「一食置き換え」「炭水化物抜き」など、早く効果がでやすい食事制限系が人気を集めていますが、食事制限でのダイエットは筋肉が衰え痩せやすい体は作れません。そのため一時的に痩せたと感じても、やめた途端にリバウンドしやすくなってしまいます。
程よい筋肉をバランスよく体につけることは、太りにくい体を作ることにつながり、筋肉をつけると何もしていなくても脂肪燃焼効率が上がります。
水泳は水抵抗を受けながら行う運動のため、水の中ではスムーズに動くことができないですよね?この水抵抗を受けながら体は全身の筋肉を使って動きます。また水の中には浮力もあり、変に体の一部分だけに負荷がかかったりしないため、バランスの良い筋肉作りに有効です。
水圧により老廃物を外に押し出してくれる
血流の流れが悪くなると、身体中に老廃物がたまってセルライトができてしまったり、冷え性など痩せにくい体になってしまいます。老廃物は外に出さなければなりません。
水の中に入ると約1.3tもの水圧が体にかかると言われ、そのたくさんの水圧の中で全身を動かす水泳は自然と全身をマッサージしているような状態になり、血流が良くなって老廃物を排出していきます。
水泳をした後にむくみなどがすっきりしたように感じるのは、この水圧の全身マッサージのおかげとも言えるようです。
腹式呼吸が自然とできる
腹式呼吸はインナーマッスルを鍛え、お腹引き締め効果や代謝アップによる自然燃焼につながると言わています。ダイエットをする人には注目の呼吸法ですが、人間は起きている間は自然と胸式呼吸を行っています。
水泳時では複式呼吸を使うので、陸で行う運動や行動とは少し違う方法で呼吸をします。水の中では水圧の関係から息を吸ったり吐いたりと、胸をふくらましたり、息を外に吐いたりと自然に行うことができません。
よって、水泳では泳ぐ前に大きく息を吸い込み胸に空気をいっぱいためます。その胸の形を維持したまま呼吸を無条件行い自然と腹式呼吸ができていきます。そのような呼吸法を続けると脂肪燃焼効果を高め、さらに体質改善へと繋がっていくのです。
おしゃれな水着で気分よくダイエット
水着選びなどのおしゃれも楽しみの一つにするとモチベーションのアップにも繋がりそうですね。水着だけでなく、水泳キャップやゴーグルなどのアクセサリーも自分の好みに合わせてチョイスし、ダイエットに取り組むのも楽しみの一つになります。

水泳ダイエットをする際に気をつけること
準備運動をしっかりする
水泳は全身を使う運動です。そのため、水の中に入る前にはしっかりとストレッチなどをして、筋肉をほぐし体を少し温めた状態からスタートしましょう。
ウォーミングアップは、怪我や足がつるなどの事故を防止するするためにも重要ですが、ある程度陸で体を温めた状態からスタートするほうが脂肪燃焼効率をあげてくれるようです。
冷えを感じたらプールから上がる
体温より低い水温の水に浸かると体が自然と体温を保とうと、エネルギーを燃焼させますが、このエネルギーの燃焼率は個人差があり、また体調などの状態でも左右されます。
泳いでいたり、体を動かしているうちは大丈夫でも、ダラダラ長時間水の中にいると体の熱量が奪われ、身体を冷やす原因になります長くても水中の中にいるのは90分前後までにしましょう。また身体が熱を保てる限界は代謝などにもよって個人差があるのも事実です。
冷えを感じたらプールから上がり、サウナや採暖室、お風呂などで身体を温めましょう。
徐々に身体を水に慣らしていく
水泳を始める前には準備運動などのウォーミングアップは大切です。そして水泳初心者の人はすぐにたくさん泳ごうとせず、ゆっくり身体を慣らしていきましょう。
水中ウォーキングからゆっくり始めていくのもベスト。クロールや平泳ぎなどに慣れていない人は、ビード板などを使用してバタ足と息継ぎの練習から初めてみましょう。
水泳は体力を使う運動なので、無理に泳ぐことから始めると、水から上がった後の疲労感をかなり感じてしまいます。適度な疲労感はリラックス効果を高めますが、疲れすぎては長続きしません。徐々に身体を慣らしていきましょう。

効果的な水泳ダイエットメニュー
まずは水中ウォーキングから
泳ぐのが苦手な人でも簡単にできる水中ウォーキングから始めてみましょう。ただ歩くだけの簡単な方法ですが、水の抵抗を身体全体で受けながら前へ進む歩き方なので、慣れるまでにはちょっと時間がかかるかもしれません。
無理に長い距離を歩こうとせず徐々に距離を伸ばすのが良いでしょう。よりダイエット効果を感じたい方は足を大きく踏み出し、大股で歩くことを意識すると水圧により負荷がかかって効果が上がります。
のんびりクロール
クロールは消費カロリーが非常に高い泳ぎ方の一つですが、そのためかなりの体力を消耗する泳ぎ方でもあります。まずはスピードなどは気にせず、正しいフォームで自分に無理のないスピードから始めるのがポイント。
無理をして長く泳ごうとすると、泳ぎ終わった後の疲労感が高くなりすぎてしまいます。
慣れないと息継ぎが結構難しいので、はじめは苦労するかもしれませんが、水中では鼻から息を吐き、顔を出した時に口で軽く息を吸い込むを繰り返すことで、しっかりとした有酸素運動になります。
ゆったりと平泳ぎ
泳ぎ方の中でも、無理なくできる泳ぎ方は平泳ぎ。クロールなどは体力をかなり消耗するので、長く泳ぐと疲れてきます。平泳ぎのように比較的楽な泳ぎ方なら、長時間続けて行うこともできるのでダイエット効果を発揮してくれます。
まずは「30分以上ゆっくり平泳ぎ」というのを意識してみましょう。
泳ぐことに慣れるまでは、無理に間違ったフォームでクロールなどの激しい泳ぎ方をするよりも、浮力を最大限に使った平泳ぎでバランスの良い筋肉をつけて、痩せやすい体づくりをしましょう。
▼さらに詳しい解説はこちら
平泳ぎでダイエットしよう。気になるポイントと注意点とは
背泳ぎで背中とお腹をうすくする
背泳ぎは背中を下にして浮きながら泳ぐ泳ぎ方ですが、前が見えないためちょっと難易度が高い泳ぎ方。しかし、その分普段はあまり使わない筋肉を使う全身運動なので、身体に良い効果を発揮してくれます。
背泳ぎは肩こりを引き起こす肩甲骨を効率よくほぐしながら鍛えることができ、さらになかなか落としにくい背中の贅肉を薄くしてくれる効果があります。そして他の泳ぎ方と違い仰向けの状態で泳ぎ、泳いでいる時に無意識に脚が下に落ちないように腹筋を使うため、知らず知らずのうちに腹筋も鍛えられるのです。
上級者さんはバタフライに挑戦
一番難易度が高い上級者向きの泳ぎ方はバタフライ。イルカのような泳ぎ方のドルフィンキックと、蝶々のように両腕を大きく振るバタフライスクロールを組み合わせて泳ぐ消費カロリーが一番高い泳ぎ方。
どの泳ぎ方も基本的には全身運動ですが、このバタフライは最も体を動かす全身運動になります。
しかしかなり疲労を感じる泳ぎ方なので、水泳に慣れて、クロールなどに飽きたな…という人は試してみると気分転換になるかもしれません。ただバタフライだけを長時間泳ごうとすると、浮力があるとはいえ、かなり疲れるので無理せずに行いましょう。

引き締めたい箇所別の泳ぎ方
二の腕を引き締めたい場合
夏場のように肩や腕を出す季節になると、二の腕のたるみが気になりますよね?二の腕の中でもたるみがつきやすいのが内側のした部分にある筋肉の「上腕三頭筋」。この部分を鍛えると引き締った二の腕を目指すことができます。
二の腕の引き締めには有効な泳ぎ方はクロール、背泳ぎ、平泳ぎなどです。この泳ぎは水圧を存分に受けながら腕を大きく動かす運動のため普段の生活の中では使いにくい上腕三頭筋を効率よく鍛えることができます。意識的に腕を大きく動かしながら泳いでみましょう。
お腹を引き締めたい場合
お腹の引き締めには全面部分にある「腹直筋」とサイドの部分にある「腹横筋」を鍛えることで引き締まったくびれのあるお腹を目指せます。効果がある泳ぎ方は、クロール、平泳ぎ、背泳ぎなどです。
さらにビート板を使ったバタ足もお腹引き締めにはとっても効果あり。この泳ぎ方上半身はビート板に触っているので水中に落ちることはないですが、下半身部分はほおっておくと下に落ちてしまうので、腰が落ちないように腹筋に力を入れて泳がなければなりません。そのため無意識のうちにお腹を鍛えることができます。
背中を引き締めたい場合
背中についてしまった贅肉はなかなか落ちません。それは普段の生活ではあまり使うことができない「広背筋、脊柱起立筋」が衰えるからです。この部分は水泳では大きく使う筋肉のため背中引き締めにも効果があります。
クロール、平泳ぎ、背泳ぎ、どれも背中引き締め効果を発揮する泳ぎ方ですが、特に消費カロリーが多いクロールは背中を反るように大きく腕を動かす運動ができるので、背筋の部分を意識して腕を動かすと効果的です。
おしりを引き締めたい場合
バタ足はおしりの引き締め効果を高めます。バタ足をするときは膝を曲げずおしりの付け根から足先までを一体にするイメージで、水を持ち上げるように意識してバタ足をしましょう。水圧を受けて足を上下に動かすためヒップアップ効果は抜群です。
バタ足を使うクロール、背泳ぎも良いですが、これらは腕の力も大きく使う全身運動なので、慣れている人であっても意識的にバタ足をしないと意外と足の部分を使えていない場合があります。
そのため、まだ慣れない人はビート板を使ったバタ足の泳ぎ方がぴったりです。足を使うことに集中できるので効果的にヒップアップができるでしょう。
太ももを引き締めたい場合
水の中では水圧に逆らって体を動かすため、自分自身が思っている以上の筋肉を使って運動をします。足の太もも部分はダイエットをしてもなかなか痩せないなど悩みが多い場所。筋肉量を増やすのが引き締まった太ももへの近道。
太もも引き締めにもバタ足をするクロール、背泳ぎ、ビート板を使ったバタ足が効果的ですが、特におすすめなのは平泳ぎ。
平泳ぎは股関節を使う唯一の泳ぎ方で、普段の生活では使われない太ももの筋肉を刺激します。この運動では太ももの前部分、裏の部分とバランスよく引き締め効果が得られます。
また、平泳ぎはゆったりと長く続けることができ、負荷が比較的に少ない泳ぎ方なので、筋肉が発達しすぎることなく、綺麗な引き締め効果が期待できるでしょう。
ふくらはぎを引き締めたい場合
ふくらはぎの引き締めにもバタ足はとっても有効的です。使えば使うほどたくましくなりそうなふくらはぎですが、水泳では浮力を使って運動するので、変にふくらはぎ部分に負荷がかかることなく、綺麗に引き締め効果、また水圧でむくみの改善にも役に立ちます。
水中ウォーキングでも脚やせ効果は期待できますが、より早く引き締めたいふくらはぎはバタ足を使うクロール、背泳ぎ、ビート板を使ったバタ足を取り入れましょう。

水泳の泳ぎ別カロリー(1時間)
クロール消費カロリー約900~1300kcal
水泳で一番消費カロリーが高い泳ぎ方であるクロール。消費カロリーは体重やスピードなど個人差がありますが、クロールは数ある運動の中でもトップレベルのカロリー消費が得られます。
しかし、この数値は一時間泳いだ時のカロリーなので、実際にクロールを一時間泳ぎ切るのは難しいでしょう。これだけ多くのカロリー消費が期待できる運動なので、自分の体力と相談して取り入れる価値がありそうですね。
平泳ぎ消費カロリー約550~600kcal
クロールと比べるとカロリーの消費量が約半分に落ちてしまう平泳ぎですが、比較的負荷が少なく、楽であり、長時間続けて泳ぐことができるので、無理なく続けられる泳ぎ方ではあります。
カロリー消費量のみを考えるとクロールには負けますが、継続してできる泳ぎ方の平泳ぎは綺麗に引き締まった身体を得られるのでおすすめの泳ぎ方です。
背泳ぎ消費カロリー約350~400kcal
背泳ぎは息継ぎをしない泳ぎ方のため消費カロリー量は少なめ。
しかし、背泳ぎは普段ほとんど使われることがない筋肉を使うことができる泳ぎ方のため、気になる部分のシェイプアップやインナーマッスルを鍛えることができ、カロリー消費が少なくとも、痩せやすい身体を作ることができる泳ぎ方です。
バタフライ消費カロリー約550~600kcal
上級者向けの泳ぎ方代表バタフライは、ダイナミックな動きが特徴で全身運動ができるため、消費カロリーは高めです。しかし、かなりの運動量なので、水泳選手でもないと到底長時間は泳ぐことができないでしょう。
難易度が高い泳ぎ方のため、初心者の方には難しいかもしれませんが、水中で効率よく体脂肪を燃焼したい人にはおすすめの泳ぎ方です。
ウォーキング消費カロリー約350~400kcal
泳げない人でも水中で行うことができる水中ウォーキングは脂肪燃焼にも効果的。水圧を受けながら大股で歩くことを意識しましょう。
陸でのウォーキングの消費カロリーは約180~約220kcalほどだと言われています。水中ウォーキングの方がカロリー消費が高いのがわかります。
また水中ウォーキングは浮力によりひざや腰に大きく負荷がかかることはないので、もともと痛めている人や、怪我などが心配な人でも安心して取り組むことができます。

正しい水中ウォーキングのフォーム
二の腕を大きく振る
歩く時には、腕を大きく振ることを意識しましょう。肘を曲げ後ろに思いっきり引きながら大きく振りましょう。そのときに背中部分の肩甲骨を使用することを意識しながら行うとより効果的です。
歩幅を大きくする
水の中に浸かるだけでも脂肪燃焼効果があるというお話をしてきましたが、意識的に運動をすることでさらに高い脂肪燃焼効果を得られます。
大股くことを意識しながら行うことで、股関節を伸ばすことが可能です。大腰筋も効率よく鍛えられます。このようにストレッチ効果を感じながら関節をほぐすことでむくみなどにも効果的です。
脛で水を蹴り上げる
陸で歩くのとは違い水中の中では大股に歩いたり、足を蹴り上げたりして歩いていても人目も気にならないので安心して行うことができます。
水中で歩くときは歩幅を大きく大股歩きを意識し、脛で水を蹴り上げるイメージで歩きましょう。激しく蹴り上げる必要はなく、自然に行える範囲でやるだけでも効果はあります。
蹴り上げた足をおろし、後ろに引きながら歩くことで、おしり、足の部分の筋肉を刺激します。
肘と膝をタッチする
歩く中にもひと工夫を入れてみると動きが加わり、負荷がかけられます。大股で歩くことを意識しながら、次は右ひじと左ひざと、さらに反対をタッチするのを繰り返し歩いてみましょう。
この動きを繰り返すことでウエストにひねりが加わり、お腹周りのシェイプアップにもつながります。
慣れたら後ろ向き歩行
前進に歩くことに慣れたら、後ろ向き歩行も取り入れてみましょう。日常の歩きかたとは逆の筋肉を使うので普段使われない筋肉を鍛えることができます。なれるまではゆっくり歩きましょう。
背中全体で水圧を受けながら前へ進めるので背中の引き締めにも効果が高いでしょう。

消費カロリーの高い水泳で効率よくダイエット
水泳ダイエットがどのような効果をもたらすかお話してきました。水泳は負荷が少ない全身運動なので、綺麗に筋肉をつけながら運動することができます。
しかし水泳も短時間で劇的な変化が得られる運動ではないので、体重計に乗って一気一憂せずに2~3カ月は継続して根気強く行ってみましょう。