目次
乳液の意味
肌の水分と油分を補う
乳液には、肌の水分と油分を補う大切な役割があります。せっかく肌に水分を蓄えても、油分がなければその状態を維持できません。油分は肌を守るバリアの役割を持っています。
水分と油分がバランスよく保たれているのが、健康な肌の状態です。その油分を補うために必要なのが乳液なのです。乳液は化粧水よりも油分を多く含み、クリームよりは少ないので、いわば化粧水とクリームの中間に位置するようなアイテムです。
水分を蒸発させないようにする
乳液はその油分の多さによって、角質層のフタの役割も果たします。化粧水を手やコットンで肌に馴染ませたとき、実はその水分は肌の奥には浸透していません。肌の奥の本当に保湿が必要な部分に届く前に、化粧水は蒸発してしまいます。
それを防ぐために油分でフタをして、化粧水の効果を肌の奥にまで届かせるのが乳液の大切な役割の一つなのです。
肌を柔らかく保って保湿する
乳液の大きな効果の1つに、肌を柔らかく保つというものがあります。これは同時に保湿の効果も高めてくれます。潤った肌は柔らかくなり、柔らかい肌は保湿性が高まるのです。肌の柔らかさと保湿には密接な関係があります。
化粧水は失った水分補給という役割ですが、乳液は補給した水分を保つことで、みずみずしい肌を維持することに一役買ってくれるということですね。
皮脂膜を作り皮膚を保護する
皮脂膜という言葉をご存知でしょうか?皮脂膜とは、皮脂と汗が作る天然の保湿クリームとも呼ばれています。この皮脂膜は、肌にとってとても重要です。
皮脂膜は外の刺激から肌を守り、内側の潤いを逃さないという肌にとって頼れる防衛軍のような存在です。他にも暑さや寒さから肌を守ってくれたり、肌を柔らかく滑らかにしてくれたりとその働きはよいことばかり。
しかし万能に思える皮脂膜も、加齢や乾燥などを原因として作られにくくなってしまいます。このとき、皮脂膜に変わってその働きをしてくれるのが、乳液のような油分を多く含んだ化粧品なのです。
これまで乳液に関して詳しく説明しましたが、保湿のためには肌の持つ保湿機能についても理解することが重要です。以下の記事では肌の保湿機能について詳しく解説しています。
乳液のタイプ
一般的な保湿乳液
メーカーによってはミルクとも呼ばれる、一般的なタイプの乳液です。水性成分が肌に潤いを与え、同時に油分も与えることで化粧水の蒸発を防ぎ、保湿効果を高める役割がメインの働きです。
また、化粧水とクリームの間に使用することによって、双方を肌に馴染ませやくする働きも持っています。
紫外線対策もできるUV乳液
一般的な乳液に紫外線対策効果がついたタイプの乳液です。このタイプの乳液にはSPF20などの数値が表示されていますが、これはサンプロテクションファクターの略で、紫外線が肌に触れてから日焼けまでにかかる時間を延長する効果があるという意味になります。
つまりSPF20なら、日焼けするまでの時間を20倍遅らせる効果があるということです。紫外線を防ぐのではなく、少なくしているという意味ですね。
紫外線対策にはその他にも色々な肌への影響があります。紫外線対策の詳しい情報については以下の記事で詳しく解説しています。
化粧下地機能もついているティント乳液
ティントというのは色という意味で、そのものズバリ色味のある乳液です。下地として使用されることが多い乳液になっています。一般的な下地用化粧品に比べると保湿効果が高く、粉成分の含有量が少ないのでカサカサしにくいというのが特徴です。
しかし一般的な乳液に比べれば保湿効果が少なくなってしまうので、用途によって上手く使い分けるのがよいでしょう。

乳液を使うときのタイミング
化粧水と美容液の後
基礎化粧品を使用する順番は、水分の多いものから油分の多いものの順に付けるのがベストとされています。油分を多く含むもののあとに水分を与えても、油膜で浸透を妨げられてしまうのがその理由です。
ですから乳液は化粧水、美容液の後につけるのが適切な順番です。美容液を使用していない場合は、化粧水のあとに乳液を使用するようにしてください。
化粧水や美容液は馴染ませてから
乳液を付けるタイミングですが、化粧水や美容液を使用してすぐに乳液をつけても望む効果は得られません。化粧水や美容液を付けて、肌の表面から水分がなくなったタイミングで使用するのがベストです。
このタイミングより早ければ、肌の表面で水分と油分が混ざり、どちらの効果も得られなくなってしまいます。またこのタイミングより遅くなってしまうと先に肌に浸透させた水分の蒸発が始まってしまいます。
肌の表面から水分がなくなるまでの時間は個人差がありますが、最適な水分量を得た肌は、手に吸い付くようになるのでこれを目安にするとよいかもしれません。
クリームやオイルの前
化粧水や美容液で肌に水分を与え、乳液で水分と油分の調整をします。ここで基礎化粧品は終わりという人もいるかもしれませんが、出来ればその後にクリームやオイルを使用することオススメします。
クリームやオイルは、乳液で調整した水分と油分をさらに保護する役割があるのです。上からラップをするイメージというと分かりやすいかもしれませんね。
乳液はクリームやオイルよりは油分が少ないので、より多い油分で水分の蒸発を防ぐことで、一層の保湿効果を得られるようになります。
化粧水前の乳液
一般的には化粧水のあとに乳液をつけるのが効果的ですが、実は少量の乳液ならば化粧水の前に使用することで、保湿効果をより高めてくれます。乳液には肌を柔らかくする効果があるので、化粧水の前に少量の乳液で肌をマッサージしておくと、水分がより浸透しやすくなります。
しかし多量に付けてしまうと、油分により水分が吸収されにくくなってしまうので注意しましょう。
乳液でピーリング
古い角質除去に欠かせないピーリングも、乳液を使えば肌に優しくできるのです。やり方はとても簡単です。乳液を顔全体に広げ、優しくマッサージをします。その後、熱めの蒸しタオルを顔に乗せ、3分ほど蒸らします。あとはそのまま乳液を擦らずに拭き取るだけ。
古い角質の除去はもちろん、肌がふっくらと柔らかくなりますし、化粧水の浸透も非常によくなります。ただしやりすぎると必要な角質も取ってしまうので、週1~2回程度にしましょう。
ピーリングは正しい知識がないと逆に肌を傷つけてしまうこともあります。正しいピーリング方法に関しては以下の記事で詳しく解説しています。

スキンケアに欠かせないオススメの乳液
エクサージュ アクティベーションモイスチュアミルク?
ドライスキンに特化した商品です。ドライスキンの傷んだキメをケアし、濃厚な潤いで満たしてくれます。コクのあるテクスチャのクリームが角層まで届き、角質にボリュームを与え弾力アップさせふっくらとした肌に仕上げてくれます。
肌の柔らかさをキープする働きにも優れているので、マッサージ後などに使用することも推奨されています。
エトヴォス セラミドスキンケアモイスチャライジングセラム
乾燥肌や敏感肌、インナードライ肌にオススメなのがこの商品。肌の潤いバリアにとことんこだわった保湿美容液です。元々人が持っているヒト型セラミドという保湿力に優れた成分に着目し配合しているため、非常に肌馴染みのよい製品になっています。
不安定に傾きがちな肌のバランスを健康的に整えてくれるので、キメが乱れがちの人や乾燥が原因の肌荒れの人などに非常に適しています。
エリクシール エリクシールホワイトデーケアレボリューションC+
紫外線の種類の中で、シワやシミなどを引き起こすUVAに対する防止効果が最も高いとされているSPF50+・PA++++の乳液です。肌を労わりながら紫外線対策も出来るすぐれものな製品。
SPF50でありながら非常に付け心地が軽く、白浮きすることもありません。テクスチャは緩めで浸透が早いのも特徴です。これ1本で乳液&UVケア&化粧下地3つの機能を備えた日中用の美白乳液です。多機能性を求める人にオススメします。
SK-? R.N.A.パワーラディカルニューエイジ
乳液にエイジングケアを求めている人にオススメなのがこの商品。R.N.A.コンプレックス×濃縮ピテラTMとクロレラエキスを配合した美容乳液です。
しっとりとしたテクスチャが軽やかに肌に馴染み、透明感のある素肌へ導いてくれます。乾燥しやすい肌にも長時間潤いを与えてくれる製品です。

正しいスキンケア方法
スキンケア手順を守る
スキンケアで何より重要なのが手順をしっかり守ることです。どんなに素晴らしい効能をもたらしてくれる製品を使用していても、使い方を間違えていてはその効果を発揮してくれません。
自己流でスキンケアをしている人や、正しい手順でスキンケアをしているつもりでも、肌の調子がよくないという人も、この機会に乳液の正しい使用方法を見直してみてはいかがでしょうか。
乳液を適量付ける
乳液の使用量については商品ごとに規定量というものが存在するので、それを目安に使用してみるのがよいでしょう。実際に使用してみて乾燥する部分には、付ける量を増やすなどの対策をしてみてください。
1.手であたためてから優しく円を描くように
油分が多い乳液は出してすぐ使用すると、テクスチャが固めになっているので肌なじみが悪くなってしまいます。乳液を手で付ける人は、手のひらで包んであたためてから使用するようにすれば、肌への浸透率が断然よくなります。
また付けるときは肌への負担を軽くするために、やさしく円を描くように馴染ませていくのが正しいやり方です。ちなみに手で乳液を付けるのは肌への摩擦が少なく、体温でテクスチャが柔らかくなるので、よりふっくらとした肌になりやすいというメリットがあります。
2.乾燥しやすいところはたっぷりと
人間の顔は部位によって乾燥しやすさが違います。目の周りや口元など、乾燥からくる小じわが出来やすい部分はたっぷりと付けるとよいでしょう。その他の部位でも、自分で乾燥が気になる場所はやや多めに使用してみてください。
3.皮脂の多い部分は塗りすぎない
額や鼻などは、皮脂分泌が活発な部位なので乾燥しやくもありますが、ベタつきがちにもなります。オイリー肌の人などは額や頬などの普段からベタつきがちな部分に関しては、少なめに使用するようにしてください。
過剰に油分を与えすぎると毛穴づまりやニキビの原因にもなってしまいます。

コットンを使った場合のメリット
水溶性タイプは肌に付けやすい
水溶性のものを手で付けると、顔に吸収される前に手に必要な成分が吸収されてしまうことがあります。また、顔に浸透する前に蒸発してしまうということもあります。
コットンは水を吸収するためのアイテムですから、浸透させた乳液が蒸発しにくく、水溶性のものを均一に肌に馴染ませていくのにはうってつけなのです。
肌に全体的に付けることができる
コットンは人の手と違って凹凸がありません。凹凸のある手でつけた場合、顔全体均一に付けるのは難しく、どうしてもムラができてしまいます。凹凸のないコットンならばムラにならず、必要な成分を均一に肌に広げるメリットがあります。
コットンを使用してパッティングすることで、必要な成分を肌の奥に届かせ、余分な水分をコットンに残すというのもコットンを使用するメリットといえるでしょう。

コットンの使い方ポイント
適量より多めにとる
多めの乳液でコットンを浸しておくことで、肌への摩擦を減らすことができます。しかし、これをもったいないと思う必要はありますせん。手でつける場合、手に吸収されてしまうのでより多く使用しなければなりません。コットンに適量より多めに含ませても、実は手で付けるよりも少量で済むのです。
また、乾燥が気になる部分には多めに、テカリが気になる部分には少なめになど、付ける量の加減もしやすくなるので、コットンを使用するときは多めに浸すようにしてください。
傷つけないように優しく付ける
コットンを使用する際、一番気を付けなければならないポイントが、とにかく優しく付けることです。品質の悪いコットンで強く付けたりすれば、肌トラブルの原因になってしまいます。
摩擦で肌を傷めてしまうと色素沈着を引き起こし、シミやくすみの原因にもなりますし、乾燥によってシワが出来たりしてしまいます。擦らず優しく押さえるように付けてください。

乳液をバランスよく補ってしっとりした潤いのある美肌を
乳液は、肌の潤いのためになくてはならない重要なアイテムです。しかしその油分の多さゆえに間違った使用法をしていると、ニキビなどの肌トラブルにもなりかねません。
時期や肌の状態に合わせて使用する乳液を変えてみたり、使用量や付け方を工夫してみたりすることが、しっとりと潤いを保った美しい肌作りの第一歩といえるのではないでしょうか。